カスドース、一口香と長崎のお菓子について書かせていただきましたが、
最後のお菓子は、杉谷本舗さんの黒おこし(諫早おこし)です。
袋から出してみましょう。
個包装になっており、お米がぎっしり詰まっているのがわかりますか?
黒砂糖の自然な甘さとカリッとした歯ごたえが魅力です。
良質な米を原料とした干飯(ほしい)を丁寧に炒り、水飴・砂糖などを加えて固める
というシンプルな製法で作られています。
干飯というのは、お米を蒸して乾燥させたもの。
江戸時代、長崎の米どころであった諫早でこのようなお菓子が生まれたのも納得がいきます。
さて、ここまでカスドース、一口香、黒おこし(諫早おこし)と書かせていただきましたが、
これらのお菓子、単なるその地域の銘菓ではありません。
すべて一本の道で繋がれているのです。
その一本の道と言うのは長崎街道(シュガーロード)です。
■長崎街道と砂糖
江戸時代、鎖国政策がとられた中でも、長崎ではオランダや中国と貿易が行われていました。
その時、長崎にもたらされた大量の砂糖を運んだのが長崎街道。
長崎から小倉までの57里(約228キロ)で、そのコースは次のようになります。
【sugar-road.net様より画像お借りしました。】
長崎街道は、様々なものや人が往来する街道として栄え、
砂糖のほか、菓子作りの技法なども入手しやすかったため、
全国的にも有名な銘菓が生まれる礎となったのです。
■現代のシュガーロード
今までの和菓子とは違って、砂糖を大量に使う「南蛮菓子」が伝わったことで、
お菓子の世界に革命が起こりました。
長崎街道を中心に、砂糖文化が各地の文化と風土を取り入れ、個性ある味へと変化していったのです。
そのため、長崎街道は砂糖の道「シュガーロード」とも呼ばれており、
今なお、その製造技術と味は受け継がれています。
シュガーロード沿いにある有名なお菓子、郷土料理の一部をご覧ください。
【sugar-road.net様より画像お借りしました。】
・カステラ(長崎市)
・諫早おこし(諫早市)
・大村寿司(大村井)
・金華糖(嬉野市)
・小城羊羹(小城市)
・丸ぼうろ(佐賀市)
・千鳥饅頭(飯塚市)
・金平糖(北九州市)
誰もが知っている銘菓たちが、この街道沿いで誕生し、繋がっていたなんて!
驚きでした。
この「長崎街道」「シュガーロード」のことを教えてくださったのは、
北九州市にお住いのブロガーさん、真衣さん。
そして、これらの長崎のお菓子を送ってくださった大学の先生も、
「シュガーロード」を隠しテーマにセレクトしてくださったとのこと。
このテーマに気づかないで、ただ「おいしい!おいしい!」と食べていたら、
単なる食いしん坊で終わるところでした。(@_@;)
真衣さん、大切なヒントをありがとうございました。
そして、江戸時代までさかのぼって、
長崎から小倉への地理、歴史を学び直すことができたことは
楽しく、おいしい時間をいただいたと思っています。
先生、いつもありがとうございます。
私の中では、千国街道“塩の道”、ですね^^
いつも勉強になりますm(_ _)m
> シュガーロード、初めて聞きました。経緯を見れば、不思議はないのですが。... への返信
あみんさん、コメントありがとうございます。
ブログを通じて、全国各地のブロガーさんとお友達になり、
色々なことを教えていただいています。
千国街道“塩の道”って、松本市と新潟県糸魚川市を結ぶ街道なんですね。
信州の人にとっては、越後から運ばれる海産物、特に塩が重要だった…。
勉強になります。(^-^)