岡崎友紀という人の名前を、わたくしは彼女のエッセイを
読むまで知らなかったのですが、彼女の出演したドラマを
見ていたわたくしの母の方は、すぐに彼女の事がわかりました。
彼女は女優であり、またこれまで詩やエッセイなども多数
書かれた人です。
http://www.yukiokazaki.com/
その彼女が20年以上前に書いた幾つかのエッセイがわたくしの
手元にあります。
これはその中の一つです。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
先日仕事で、消防関係の方から色々御話しを伺ったのですが、
山火事の時、野生の動物は迫り来る炎から確実に逃げる事が
出来るのだそうです。
どこに飛び火するかもわからない突風の吹く日の火事でも、
見事に安全な場所を目指す事が出来るらしいのです。
消防関係者の方によると、山火事の跡に動物の死骸はまず
見られないそうです。
(中略)
私は今まで、色々な動物と仲良くしてきたつもりですが、その
中でどうしても忘れられない素敵な思い出があります。
もう10年以上前になりますが、日劇に一ヶ月以上出演していた時、
私は自分の楽屋の鏡台の上に、ネズミ用のエサを毎日置いて帰り
ました。
古い劇場だったので、沢山いたのです。
一日目は警戒して、そのままでした。
でも二日目にはチーズが、三日目にはチョコレートが、四日目には
チェリー、と毎日食べてくれました。
他の楽屋は衣装も靴も化粧品もメチャクチャに荒されているのに、
私の楽屋だけは、鏡台の上のエサがなくなっているだけ。
フン一つありません。
何日か経つと、エサが置かれてあった所に、楽屋見舞いに頂いた
カーネーションの花びらを細かくちぎったものが、フワッと
盛ってあるのです。
壁際にある花かごからせっせとちぎっては運び、鏡台の上に
こんもりと盛る、それは公演の最後の日まで続きました。
毎日楽屋の鍵を開けると、そのピンク色の可愛い花びらの
小山は、「ありがとう」と言っているかのように、やさしく
盛られていました。
私にはネズミの気持ちがわかりました。
確かにネズミの心が聞こえました。
ネズミと心が通じ合えた事を誇りにさえ思います。
"友情"が通った事を本当に嬉しく思います。
日劇は壊され、新しいビルが建ちましたが、ネズミ達はきっと
鋭い勘と優れた智恵で、安全な場所へと引っ越したでしょう。
あのネズミの花びらのメッセージを一生忘れません。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
先日の子ウサギ達を保護センターに送ってから、あの毎日
荒しに来ていた猫は来なくなり、母ウサギも来なくなり、
またその猫の飼い主の方もこちらに来なくなりました。
わたくしは自身は、人間が決めた土地の境界線というものが
基本的に本来の自然や動物とは無関係であり、普段は
誰かが庭に入っても気にかけませんが、あの猫の飼い主の
無責任な態度には非常に失望しました。
そうした人に限って、もし自分の庭に他人のペットなどが
侵入して迷惑をかけ続けるならば、すぐに裁判や人権などの
手形を切り出してくるというのは目に見えていますが、
一方で自分のペットの権利だけを気に掛け、子ウサギ達の悲鳴を
毎日聞き続けなければならなかったこちらへの無関心さと
嘘までもついて責任を逃れようとした振る舞いは、とてもわがままで、
想像力を欠いていると感じました。
しかし一匹の自然死したウサギの死体が彼らの猫によって
運ばれてからというもの、彼らはこちらに訪れなくなりました。
やましさを感じての事でしょうが、特に今回の件でペットを大事に
する事と、動物を不要な、無責任な殺傷から守るという意識は
必ずしも同じではないと感じました。
読むまで知らなかったのですが、彼女の出演したドラマを
見ていたわたくしの母の方は、すぐに彼女の事がわかりました。
彼女は女優であり、またこれまで詩やエッセイなども多数
書かれた人です。
http://www.yukiokazaki.com/
その彼女が20年以上前に書いた幾つかのエッセイがわたくしの
手元にあります。
これはその中の一つです。
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先日仕事で、消防関係の方から色々御話しを伺ったのですが、
山火事の時、野生の動物は迫り来る炎から確実に逃げる事が
出来るのだそうです。
どこに飛び火するかもわからない突風の吹く日の火事でも、
見事に安全な場所を目指す事が出来るらしいのです。
消防関係者の方によると、山火事の跡に動物の死骸はまず
見られないそうです。
(中略)
私は今まで、色々な動物と仲良くしてきたつもりですが、その
中でどうしても忘れられない素敵な思い出があります。
もう10年以上前になりますが、日劇に一ヶ月以上出演していた時、
私は自分の楽屋の鏡台の上に、ネズミ用のエサを毎日置いて帰り
ました。
古い劇場だったので、沢山いたのです。
一日目は警戒して、そのままでした。
でも二日目にはチーズが、三日目にはチョコレートが、四日目には
チェリー、と毎日食べてくれました。
他の楽屋は衣装も靴も化粧品もメチャクチャに荒されているのに、
私の楽屋だけは、鏡台の上のエサがなくなっているだけ。
フン一つありません。
何日か経つと、エサが置かれてあった所に、楽屋見舞いに頂いた
カーネーションの花びらを細かくちぎったものが、フワッと
盛ってあるのです。
壁際にある花かごからせっせとちぎっては運び、鏡台の上に
こんもりと盛る、それは公演の最後の日まで続きました。
毎日楽屋の鍵を開けると、そのピンク色の可愛い花びらの
小山は、「ありがとう」と言っているかのように、やさしく
盛られていました。
私にはネズミの気持ちがわかりました。
確かにネズミの心が聞こえました。
ネズミと心が通じ合えた事を誇りにさえ思います。
"友情"が通った事を本当に嬉しく思います。
日劇は壊され、新しいビルが建ちましたが、ネズミ達はきっと
鋭い勘と優れた智恵で、安全な場所へと引っ越したでしょう。
あのネズミの花びらのメッセージを一生忘れません。
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先日の子ウサギ達を保護センターに送ってから、あの毎日
荒しに来ていた猫は来なくなり、母ウサギも来なくなり、
またその猫の飼い主の方もこちらに来なくなりました。
わたくしは自身は、人間が決めた土地の境界線というものが
基本的に本来の自然や動物とは無関係であり、普段は
誰かが庭に入っても気にかけませんが、あの猫の飼い主の
無責任な態度には非常に失望しました。
そうした人に限って、もし自分の庭に他人のペットなどが
侵入して迷惑をかけ続けるならば、すぐに裁判や人権などの
手形を切り出してくるというのは目に見えていますが、
一方で自分のペットの権利だけを気に掛け、子ウサギ達の悲鳴を
毎日聞き続けなければならなかったこちらへの無関心さと
嘘までもついて責任を逃れようとした振る舞いは、とてもわがままで、
想像力を欠いていると感じました。
しかし一匹の自然死したウサギの死体が彼らの猫によって
運ばれてからというもの、彼らはこちらに訪れなくなりました。
やましさを感じての事でしょうが、特に今回の件でペットを大事に
する事と、動物を不要な、無責任な殺傷から守るという意識は
必ずしも同じではないと感じました。