文殊菩薩の図像に 礼拝や供養を捧げて誦します。
「極為潔白妙韵(ごくいけっぱくみょううん)
海中蓮茎花蕊(かいちゅうれんけいげずい)
庄厳月輪之上(しょうごんがちりんしじょう)
童子妙吉祥尊(どうじみょうきっしょうそん)
金剛跏趺而坐(こんごうかふにざ)
如雪山般巍峨(にょせつざんはんぎが)
一面二臂施印(いちめんにひせいん)
礼賛持蓮文殊(らいさんじれんもんじゅ)。」
何遍も誦す。
「オン・ワクリダ・ナマー。」
以下 ネットに投稿されていた体験談のコピペです。
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海坊主は、裸体の坊主風なものが群れをなして船を襲うといわれることも多く、
船体や櫓に抱きついたり、篝火を消すといった行動をとる。
時に「ヤアヤア」と声をあげて泳ぎ、
櫓で殴ると「アイタタ」などと悲鳴をあげるという。
弱点は煙草の煙であり、運悪く出会ってしまった際はこれを用意しておけば助かるという。
東北地方では漁で最初に採れた魚を海の神に捧げるという風習があり、
これを破ると海坊主が船を壊し、船主をさらって行くといわれる。
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俺の爺ちゃんの話。
爺ちゃんは物心付く頃には船に乗ってたという、生粋の漁師だった。
長年海で暮らしてきた爺ちゃんは、海の素晴らしさ、
それと同じくらいの怖さを、よく寝物語に語ってくれた。
中には「大鮫と七日七晩戦い続けた」とか、「竜巻に船ごと巻き上げられた」などの、
突拍子もないエピソードもあったりしたが、
幼い俺には、酒の入った赤ら顔でトンデモ武勇伝を語る、そんな爺ちゃんが、
漫画やアニメのヒーローなんかよりも、ずっと格好良く思えた。
そんな爺ちゃんがある時、普段とは違う真剣で怖い顔をして話してくれた。
爺ちゃんが仲間達と漁に出たとき、突然海の真ん中で船が何かに乗り上げて座礁したという。
海図には、その辺りに暗礁や島があるようなことは書いてないため、おかしいと思い、
船の下の様子を見ようと、仲間の1人が海に飛び込んだところ、
なんと、海面が腰のあたりまでで足がついてしまった。
試しに爺ちゃんも飛び込んでみたら、水深1m強のあたりで確かに足が底を捉えたという。
そこから周りを歩き回ってみたが、船から20m以上も離れてもまだ先があったと爺ちゃんは語った。
仲間の一人は、水中に潜ったところ、赤茶色のデコボコした底を見たという。
未発見の暗礁か?→ここの海の深さではあり得ない。
鯨の死体か?→あまりにもデカすぎる。
などと意見を交わしてうちに、仲間の一人がポツリと呟いた。
「こりゃあ海ボウズってヤツじゃねぇのか?」
『海ボウズ』
古来から漁師達に恐れられた、伝説の海の怪物の名である。
普段なら笑い飛ばすようなそんな言葉も、目の前の現実を前に、爺ちゃんは背中がゾッとしたと言う。
その内に、言い出したヤツが船の舳先にしゃがみ込んで、一心不乱にお経を唱えだした。
爺ちゃん達もそれに倣い、全員でしゃがみ込んで「ナンマイダブ」と唱えたという。
爺ちゃんはその時に心の中で、『家に帰りたい、生きて帰りたい』と願い続けた。
その念仏が効果があったのかどうか、しばらくするとズズッ!と大きな震動が船を揺らしたかと思うと、
船が乗り上げていた『何か』は、跡形もなく消えていたという。
恐怖に駆られた爺ちゃん達は、漁を切り上げて大急ぎで港に戻り、
見てきたことを皆に話したが、やはり誰にも信じてもらえなかった。
そして、その後も同じ場所で漁をしたが、あの『何か』に出会ったのは、結局それっきりだったらしい。
爺ちゃんは話の最後を、こんな言葉で締めくくった。
「アレがなんだったのか知りたい時期もあったが・・・結局は諦めた。
ありゃあきっと、人間が関わっちゃいけねぇもんなんだ」
今でも現役の爺ちゃんは、漁に出る前には、必ず仏壇と神棚に手を合わせて願うのだそうな。
『無事に帰れますように、大漁でありますように、もう二度とアレに出会いませんように』と・・・。