上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

熊本城ホールへの年間3億5,000万円の減収補てんには納得できません!・・・・しめくくり質疑報告その1

2020-09-25 14:14:07 | 熊本市議会
9月25日、9月議会も最終版となり、予算決算委員会しめくくり質疑が行われました。
私は、「当初予算計上事業の見直し」「熊本城ホールの指定管理料補正」の2点について質問しました。
今回は、「その1」です。

熊本城ホールへ年間3億5,000万円の減収補てんは納得できない
 新型コロナの影響で、減収が生じた熊本城ホールへの減収補てん、6~9月分で1億円、年間3億5,000万円を補てんする補正予算が提案されました。
問題点を指摘し、質疑を行いました。
⑴収支不足額を上回る補てんは必要ない
 開館から8月までの収支不足額は1億4700万円、一方5月分までの補てん実績1億330万円に、今回の補正額1億10万円を合わせれば2億340万円を補てんする計算になり、収支不足を5640万円も上回って補てんすることになります。そんな必要はありません。
⑵低い利用率、経営努力の分まで補てんは必要ない
 もともとメインホールでは月平均で12日ほどしか予約が入っておらず、日数で約42%の利用率(利用目標63%)です。他の市の公共ホールと比べ利用率が低い、市民会館の半分程度です。収支均衡を考え利用率目標を立ててあったはずです。かかった経費と収入額の差を補てんすれば、利用率目標に達していない、本来ならば経営努力によるべき部分も補てんすることにはなります。そんな必要もありません。
⑶赤字企業に市が補てんし、利益は企業の収益になるというやり方に、市民は納得しません
 決めた利用率の目標値を達成すれば月6700万円の収入があり、コロナの影響がない月の平均的経費は5100万円程度です。営業努力をして利用目標を達成すれば大幅な黒字になります。今のような補てんでは、赤字になれば公が補てんし、利益が生れれば企業が儲かるとなります。儲かれば指定管理者の利益になるからこそゼロ円での指定管理です。収支不足を上回る補てんはすべきでないと思います。市民は納得しません。
⑷熊本城ホールの指定管理は民間企業、貸付で対応するなどの検討はできなかったのか
新型コロナで今多くの事業者が苦しんでいます。民間企業は借入等で必死に乗り切っていこうとされています。本市の他のホールは、非営利の財団が管理運営していますが、熊本城ホールは民間企業です。市内の他の民間企業のように熊本市が無利子で貸し付けをして、利益が出た時に市へ返還するというようなことは検討されなかったのか、と思います。


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【質問内容】
ホール施設の管理運営では、指定管理料の補正が提案されている熊本城ホールについて伺います。
⑴ メインホール・シビックホール・展示ホールについて、それぞれの開館から8月までの実際の利用日数、キャンセル日数をお示しください。
また、各ホールの新型コロナの影響が出る前までに入っていた予約日数をお示しください。
⑵ 各ホールの利用率目標を達成した時の1カ月の利用料収入見込みはいくらになりますか。
⑶ 熊本城ホールの開館から9月まで、コロナの影響前と後の平均的な経費、実際の収入額、発生したキャンセル料と件数についてご説明ください。
⑷ 開館からこれまで、熊本市が熊本城ホールに対して利用料ほかで支払った費用はいくらでしょうか。
⑸ 指定管理の管理運営協定では、指定管理者には、不可抗力による損害・損失が発生する場合、最小限になるよう対応すると定めてあります。今回、指定管理者側で、損失軽減の措置は、どのように講じられたのか、その内容と効果をご説明ください。
⑹ 損失補てんの決定にあたっては、指定管理者から損害・損失の内容について書面で報告を受けるとなっています。指定管理者が報告してきた損失額とその詳細な内容、提示内容の協議の経緯と決定した判定・費用負担・支払方法をご説明ください。
⑺ 損失に対する指定管理者への保険の適用はなかったのでしょうか。
以上、経済観光局長にお尋ね致します。
(答弁)
 局長に確認いたします。
 開館から8月までの経費は4億5044万円、収入は3億320万円ですから、収支不足は1億4700万円ですね。
(答弁)
先程の答弁から計算すると、もともとメインホールでは月平均で12日ほどしか予約が入っておらず、日数で約42%の利用率です。他の市の公共ホールと比べ利用率が低い、市民会館の半分程度です。収支均衡を考え利用率目標を立ててあったはずです。かかった経費と収入額の差を補てんすれば、利用率目標に達していない、本来ならば経営努力によるべき部分も補てんすることにはなりませんか。
そこで、さらに伺います。
第1に、補てんにあたり、毎月必要な運営経費を5000千万円、収入は7月以降月2300万円とされていますが、実績値で補てんすべきではないでしょうか。
第2に、年間3億5,000万円と見込まれる補てん額についての妥当性はどのようにお考えでしょうか。
第3に、もともとゼロ円での契約だった指定管理料に、年間3億5000万円も支払うことをどのようにお考えでしょうか。
以上3点を市長に伺います。
(答弁)
 実績で補てんするのは当然です。(補てん額は妥当だと言われるが、)
また、先ほど指摘したように、開館から8月までの収支不足額は1億4700万円なのに、5月分までの補てん実績1億330万円に、今回の補正額1億10万円を合わせれば2億340万円を補てんする計算になり、収支不足を5640万円も上回って補てんすることになります。これでいいのでしょうか。
(答弁)
 決めた利用率の目標値を達成すれば月6700万円の収入があり、コロナの影響がない月の平均的経費は5100万円程度です。営業努力をして利用目標を達成すれば大幅な黒字になります。今のような補てんでは、赤字になれば公が補てんし、利益が生れれば企業が儲かるとなります。儲かれば指定管理者の利益になるからこそゼロ円での指定管理です。収支不足を上回る補てんはすべきでないと思います。協定書には「負担は協議で決める」とあります。指摘した点を精査して協議していただけませんか。
(答弁)
 赤字になれば公が税金で補てんし、儲かれば企業の収益が上がっていくようなやり方に市民が納得するでしょうか。市長に伺います。
(答弁)
新型コロナで今多くの事業者が苦しんでいます。民間企業は借入等で必死に乗り切っていこうとされています。本市の他のホールは、非営利の財団が管理運営していますが、熊本城ホールは民間企業です。市内の他の民間企業のように熊本市が無利子で貸し付けをして、利益が出た時に市へ返還するというようなことは検討されなかったのでしょうか。
(市長)
 赤字企業に市が補てんし、利益は企業の収益になるということに、市民は納得しないと思います。
協定書には「指定管理者は損失軽減の努力をする」とあり、損失軽減の努力が前提です。熊本市は、4月・5月分の損失補てんを5月補正で1億円予算化し、7730万円を支払いました。命がけで新型コロナと闘っている医療の現場では、医療機関の4分の1が夏のボーナスをカットせざるを得なかったそうです。しかし熊本城ホールでは、かかった経費の8割を税金で補てんしているときに、5月には人件費にボーナスまで加えて支払い経費が膨れ上がっています。どういう経営感覚でしょうか。納税者には到底理解できないと思います。これでは補てん額が妥当だとは思えません。
 本来公共施設は利益を生むものでなく、市民の文化の享受や地域の活性化などに貢献するものです。指定管理料ゼロ円で契約している自覚と責任を持ち、運営は民間でも公立のホールであるということを忘れないで指定管理にあたっていただくことを事業者に求めておきます。
コメント (1)
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