上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

「公共の福祉を投げ捨て、開発会社化へとすすむ熊本市の庁舎建設・・・熊本市民連の「市庁舎建替え緊急学習会」に学ぶ

2023-11-27 12:02:05 | 熊本市庁舎建替え問題
市庁舎建替えは「公共の福祉」にかなっているか?
官民一体開発の「市役所建替え」で儲ける民間企業

熊本市民連主催の学習会に学ぶ、官民一体となった開発型公共施設整備の問題点
11月22日に熊本市民連絡会が主催し、NPO法人区画整理・再開発対策全国連絡会議事務局長の遠藤哲人氏を講師に、「市役所『建替え再開発』はまちづくりになるか」というテーマでの学習会が行われました。
官民一体となった公共施設整備・庁舎整備の問題点が指摘されました。

開発型の市役所建替えは、「公共の福祉」の実現といえるか?
自治体の仕事は、「公共の福祉」の実現でなければなりません。よって、本来の再開発は「公共性」が重要です。
そのために必要なポイントは、
⑴内容:住民の暮らしの向上、社会の民主的発展に資するものであること。
⑵手続き:情報公開のもとで住民・市民参加で決めた事柄であること。
⑶優先順位:さまざまな施策の中で優先順位が高いか。
⑷合理性:限られた財源の中で合理的な方法か。
⑸環境:「壊しては建てる」式でなく、自然環境などに配慮しているか。
住民の立場に立ち、これらの視点で「公共の福祉」にかなっているか、自治体の仕事としての是非の判断が必要です。

老朽化による「公共施設の再編・整備」は企業のチャンス
公共施設の老朽化が進み、どこの自治体でも長寿命化・再編整備に取り組んでいます。
 老朽化した建物をいかに早く建て替えに着手させるか、それを機会に中心市街地の公共施設の土地を提供させ、民間施設との合築による建替えで不動産市場を広げることが、企業の目的・チャンスです。

「サウンディング調査」は、企業の自治体運営参入の入口
サウンディング調査は、大企業に「市政運営で儲かるところ」を提案させるものです。
官民連携(一体)とは、「住民参加に基づく自治体運営」ではなく、企業がどんどん自治体運営に参入して、企業の儲けになるように自治体の運営を委ねるものです。
住民サービスよりも、企業の儲けの方向へと自治体運営がすすんでいきます。

・・・ 官民一体となった市庁舎建替えの事例 ・・・
【豊島区役所】
 豊島区(人口30万人)は、池袋駅前の旧庁舎を廃止し、民間一体の再開発事業で東池袋駅前に整備。新庁舎ビルは、地上48階・高さ190mで、区庁舎の上層階はマンション。再開発で大量の保留床を確保するとともに、旧庁舎の土地を不動産大手に定期借地で貸し付け、その保証金で足りない床を買い足して整備しました。庁舎整備のために、超高層ビルを建設し、一等地にある土地を民間に差し出しての庁舎整備です。
【葛飾区役所】
 葛飾区(人口46万人)は、耐震改修済の区庁舎を、民間事業者が行う再開発ビルに移転させて、保留床の穴埋め行いました。しかも、区庁舎の床単価は80万円/㎡、その他の床単価は48万円/㎡で、区は再開発事業者へ破格の床代金を支払っています。
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民間一体の庁舎整備は、高層化による景観への影響や民間事業者が儲かる仕組みなど、多くの問題があります。
熊本市が、市長の思いだけで「建替える」方針を決め、さらにサウンディング調査へとすすんでいることは、熊本市が住民無視で、市を開発会社化させるものとして大いに問題ありと言わなければなりません。
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