上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

「建替え根拠」をなくした市役所建替えは中止を!・・・熊本市民連で熊本市への申入れ

2023-11-28 16:37:37 | 熊本市庁舎建替え問題
熊本市役所の現庁舎、「耐震性能を有している」と総務省へ報告
熊本市民連で、「建替え根拠をなくした市役所建替えの中止を求める要望」を熊本市へ提出
11月27日、「平和と民主主義・くらしを守る熊本市民連絡会」で熊本市に対し、「建替え根拠をなくした市役所建替えの中止を求める要望」を提出しました。
日本共産党市議団も同席しました。
深水副市長が受け取り、意見交換をしました。
庁舎建替えのもともとの根拠であった「耐震性能が不足する」という市の見解は、熊本市が20年以上にわたって、総務省消防庁に対し、熊本市の防災拠点となる庁舎10棟は「現行の建築基準法に照らして、すべて耐震性能を満たしている」という報告を行っていたことが9月議会で判明しました。
市は、現在サウンディング調査を行い、官民一体の開発で庁舎建て替えをすすめる方向で動き出していますが、議会や市民は納得していません。
「耐震性能が不足する」という建替え根拠をなくした今、熊本市役所の建替えは、きっぱり中止すべきです。



【要望書の内容】
1981年10月竣工の熊本市役所・現庁舎は、建設から42年、コンクリートの建物の耐用年数のおよそ半分しか経っていません。1967年竣工の熊本県庁よりも14年新しく、2016年の熊本地震(震度6強)に被災しながら、ほとんど損傷を受けなかった堅牢な建物です。熊本市は、2017年と2020年に行った耐震性能調査の結果をもとに、「現庁舎は耐震性能が不足している」という理由から、市役所建替えを表明してきました。 
 しかし、熊本地震でビクともしなかった現庁舎の建替えがどうして必要なのか、議会や市民から疑問が出され、専門家の意見も種々聴取する中で、地下連続壁の存在と効果や、そもそも現存する庁舎の耐震性能評価が必要であったのか、疑義が出され、市は「本庁舎等整備の在り方に関する有識者会議」を設置し、庁舎整備の必要性についての検証を行ってきました。「有識者会議」の検証結果は、一番重要な建替えの根拠に関わる「耐震性能」についての検証が非公開とされたことで、有識者会議の結果にも疑問が出されることとなりました。
私たち市民は、基本計画で事業費が430億円と公表されている大型ハコモノの市庁舎建替えが本当に必要なのか、この間の市の説明や提供される情報を注視するとともに、設置された「本庁舎等整備の在り方に関する有識者会議」や市議会「庁舎整備に関する特別委員会」での議論を見守ってきました。
そういう中で、今年9月に総務省消防庁が公表した「防災拠点となる公共施設等の耐震化推進状況調査結果」において、熊本市が本庁舎も含む市内10カ所の防災拠点となる庁舎について、「すべて耐震性が確保されている」と報告していたことがわかりました。総務省は、耐震性確保の基準について、調査結果報告の中で「本調査において『耐震性が確保されている』とは、昭和56年の建築基準法改正に伴い導入された現行の耐震基準を満たすことを言います。」と説明しています。要するに、国の耐震性能の考えと基準に従えば、熊本市役所本庁舎は、現行の耐震基準を満たしているということになります。しかも、この調査は2001年から行われてきており、熊本市は20年以上にわたり、毎年、市役所本庁舎は現行の耐震基準を満たしていると報告してきた訳です。
市長は、有識者会議の答申を理由に、現庁舎の建替えを表明し、民間事業者にプランを提出させるサウンディング調査も行っています。当初10月末の締め切りを延ばし、引き続き提案を募集しています。これは建替える方針を既成事実としてすすめるものですが、市民は納得していません。
官民一体となった大開発の典型となっている桜町再開発事業は、熊本市が再開発への補助金126億円を含め、約450億円を投資しましたが、その商業スペースは開業時の149店舗のうち42店舗、約3分の1が撤退しています。その後新たな入居もありましたが、空き店舗が埋まらない状況は、熊本市の中心市街地における大規模開発事業の厳しさの表れではないでしょうか。
そもそも現庁舎を建替える必要性、その根拠は、「耐震性能が不足している」ということでした。ところが、いつの間にか問題をすり替え、官民一体となった賑わいのまちづくりということで、「耐震性能を有している」という国への防災拠点の耐震性確保の報告は棚に上げ、庁舎整備が中心市街地の賑わいの起爆剤になるかのようなことを振りまいて建替えをすすめていくのは、市民をだますものではないでしょうか。このようなことは、絶対に認められません。「現庁舎の耐震性能が不足しているから建て替えが必要」という、そもそもの建替え根拠に基づき、その必要性について市民への説明責任を果たし、理解・納得を得るべきです。そのためにも、市が耐震不足の理由にしている有識者会議については、耐震性能分科会の審議内容を会議録の公表を含めて、全容を明らかにすべきです。そのことをなくして、「耐震不足」を言うことはできない点を指摘しておきます。
以上のような理由から、私たちは、国の基準に基づき市役所・現庁舎が「現行の耐震基準を満たしている」という事実をもとに、建替えの根拠をなくした市役所建替えは中止していただくよう要望するものです。
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