熊本城ホール・花畑広場等の指定管理の問題点を指摘
今回の議会には、「熊本城ホール、辛島公園地下駐車場、辛島公園地下自転車駐車場、辛島公園地下通路、くまもと街なか広場、辛島公園、花畑公園」の指定管理者指定についての議案が出されました。
提案は、各施設を㈱コンベンションリンゲージが代表企業となった「熊本城ホール運営共同事業体」が一括管理するものです。
最終日、本会議の質疑で、指定監視者制度の問題点を指摘して質疑しました。
低い事業者選定の得点・・・管理運営の中身が問われる
今回の事業者選定における各種指標の獲得点数をみて、低いと思いました。総得点5400点のうち、価格審査を除いた内容別審査項目の総得点は4860点、その中で、70点以上となっているのは安全管理・労働福祉・環境や障がい者雇用など、わずか1割の得点配分の部分のみです。あとはほとんど60点代、市民の声の反映が56点です。1事業者しか応募がない点では、外部有識者による公平性・透明性・専門性が確保された適切な選定が行われていると言われましたが、1事業者しか応募がないから、赤点ギリギリでもその事業者が選ばれている状態です。これでどうして、市民サービスの向上や効果的・効率的な管理運営と言えるのでしょうか。60点以下の項目があっても、全体が60点以上ならばいいという発想で、全く競争性もないならば、管理運営のノウハウが向上するはずがありません。
民間に委ねたことで、議会のチェックも難しい
市民会館などが直営であったときは、自主文化事業などへの案内があり、ホールの日常の管理運営や文化事業の取り組みなどを垣間見ることができ、公立文化ホールとしての役割が果たされているか、日常的に容易に私たち議会もチェックすることができました。しかし、指定管理制度の導入で、民間管理になったら、ただの貸館のような運営なのか、積極的に文化事業やMICEなどに取り組まれているのか、全くわからず、これが公立ホールかと思うようになりました。今回、熊本城ホールで、「市民の声が反映される」という項目が56点の落第点だったことは、公立ホールとしての存在意義に関わると思います。しかし、市長の答弁には、そうした問題意識が見られません。再開発への補助金も含めれば450億円もつぎ込んだ熊本城ホールが、果たして公的な施設として十分に機能しているのか、市民への説明が尽くされなければならないと思います。
熊本市が利用料を1割も支払い、経営に貢献・・・企業努力が足りないのではないでしょうか
収支の面でも、市が年間29件利用し、利用料金収入の1割にあたる4160万円を熊本城ホールの指定管理者に払い、収支に貢献しています。新型コロナが5類へと移行し、日常へと戻りつつある今、昨年メインホールで38・4%、シビックホール48・2%、展示ホール59・1%の稼働率が、2023年度は想定稼働率を達成する見通しはあるのでしょうか。それができなければ、その企業努力が問われます。
また、花畑広場の指定管理料年間2400万円は、企業努力でゼロにすべきと考えます。熊本城ホールの検討段階で報告された「熊本城ホール運営戦略検討報告書」では、熊本城ホールと同規模のMICE施設を参考に、その管理運営費を年間5億2300万円とされていました。使用料も現行の運用とあまり変わらない金額設定で年間5億3300万円と想定されていました。想定稼働率を達成すれば熊本城ホールの利用料収入は6億4000万円が見込めるとのこと、これに、地下駐車場利用料金が約1億9000万円なので、まともな企業努力をすれば、黒字経営は十分に可能です。その場合、一体の指定管理となる花畑広場の指定管理料2400万円がなくても収支均衡は見込めると思います。これこそ、一体管理の効率的な管理運営ではないでしょうか。
本年6月議会の予算決算委員会しめくくり質疑では、黒字になった場合の市への還元が5年で1億円は少なすぎると指摘しました。今回、あらためて、熊本城ホールの検討段階からの利用見通しや収支見通しなどを振り返ってみましたが、開業早々に新型コロナ発生という突発的な事情があったとはいえ、今後はどのような管理運営がなされていくのか、問題の多い指定管理者制度の中で、住民の立場に立った管理運営をどのようにすすめていくのか、問われていくものと思います。
今後も折に触れて、問題点を指摘し、公立ホールのあるべき姿について質していきます。
今回の議会には、「熊本城ホール、辛島公園地下駐車場、辛島公園地下自転車駐車場、辛島公園地下通路、くまもと街なか広場、辛島公園、花畑公園」の指定管理者指定についての議案が出されました。
提案は、各施設を㈱コンベンションリンゲージが代表企業となった「熊本城ホール運営共同事業体」が一括管理するものです。
最終日、本会議の質疑で、指定監視者制度の問題点を指摘して質疑しました。
低い事業者選定の得点・・・管理運営の中身が問われる
今回の事業者選定における各種指標の獲得点数をみて、低いと思いました。総得点5400点のうち、価格審査を除いた内容別審査項目の総得点は4860点、その中で、70点以上となっているのは安全管理・労働福祉・環境や障がい者雇用など、わずか1割の得点配分の部分のみです。あとはほとんど60点代、市民の声の反映が56点です。1事業者しか応募がない点では、外部有識者による公平性・透明性・専門性が確保された適切な選定が行われていると言われましたが、1事業者しか応募がないから、赤点ギリギリでもその事業者が選ばれている状態です。これでどうして、市民サービスの向上や効果的・効率的な管理運営と言えるのでしょうか。60点以下の項目があっても、全体が60点以上ならばいいという発想で、全く競争性もないならば、管理運営のノウハウが向上するはずがありません。
民間に委ねたことで、議会のチェックも難しい
市民会館などが直営であったときは、自主文化事業などへの案内があり、ホールの日常の管理運営や文化事業の取り組みなどを垣間見ることができ、公立文化ホールとしての役割が果たされているか、日常的に容易に私たち議会もチェックすることができました。しかし、指定管理制度の導入で、民間管理になったら、ただの貸館のような運営なのか、積極的に文化事業やMICEなどに取り組まれているのか、全くわからず、これが公立ホールかと思うようになりました。今回、熊本城ホールで、「市民の声が反映される」という項目が56点の落第点だったことは、公立ホールとしての存在意義に関わると思います。しかし、市長の答弁には、そうした問題意識が見られません。再開発への補助金も含めれば450億円もつぎ込んだ熊本城ホールが、果たして公的な施設として十分に機能しているのか、市民への説明が尽くされなければならないと思います。
熊本市が利用料を1割も支払い、経営に貢献・・・企業努力が足りないのではないでしょうか
収支の面でも、市が年間29件利用し、利用料金収入の1割にあたる4160万円を熊本城ホールの指定管理者に払い、収支に貢献しています。新型コロナが5類へと移行し、日常へと戻りつつある今、昨年メインホールで38・4%、シビックホール48・2%、展示ホール59・1%の稼働率が、2023年度は想定稼働率を達成する見通しはあるのでしょうか。それができなければ、その企業努力が問われます。
また、花畑広場の指定管理料年間2400万円は、企業努力でゼロにすべきと考えます。熊本城ホールの検討段階で報告された「熊本城ホール運営戦略検討報告書」では、熊本城ホールと同規模のMICE施設を参考に、その管理運営費を年間5億2300万円とされていました。使用料も現行の運用とあまり変わらない金額設定で年間5億3300万円と想定されていました。想定稼働率を達成すれば熊本城ホールの利用料収入は6億4000万円が見込めるとのこと、これに、地下駐車場利用料金が約1億9000万円なので、まともな企業努力をすれば、黒字経営は十分に可能です。その場合、一体の指定管理となる花畑広場の指定管理料2400万円がなくても収支均衡は見込めると思います。これこそ、一体管理の効率的な管理運営ではないでしょうか。
本年6月議会の予算決算委員会しめくくり質疑では、黒字になった場合の市への還元が5年で1億円は少なすぎると指摘しました。今回、あらためて、熊本城ホールの検討段階からの利用見通しや収支見通しなどを振り返ってみましたが、開業早々に新型コロナ発生という突発的な事情があったとはいえ、今後はどのような管理運営がなされていくのか、問題の多い指定管理者制度の中で、住民の立場に立った管理運営をどのようにすすめていくのか、問われていくものと思います。
今後も折に触れて、問題点を指摘し、公立ホールのあるべき姿について質していきます。