東京多摩借地借家人組合

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東京の民間賃貸住宅の実態 東借連細谷専務理事

2007年06月06日 | 国と東京都の住宅政策
東京の民間賃貸住宅は約四割を占めています。その多くは高い家賃、劣悪な居住環境です。そうした中で居住者からの相談をうけ、組織化するという困難な仕事をしています。

 相談の多い事例としては、まず、賃貸住宅の退去時の原状回復をめぐるトラブルがあります。また、入居中のトラブルもさまざまなものが発生しています。その多くは、劣悪な居住環境の問題、賃貸住宅についてのルールがあいまいにされていることによるものです。最近、東京都でも、賃貸住宅の防止条例を作りましたが、実態としては、トラブルが野放しにされており、私たちの組合に相談にくるのです。
 民間賃貸の居住面積は、政府の調査でも持ち家の三七%しかなく、アメリカの四〇%、ドイツ、フランスの六〇%と、欧米に比較して格段に狭いのです。家賃も大変高く、家賃負担は平均二割以上となっています。

 格差社会の中で、非正規社員が増えて若者たちの居住実態は深刻です。突然、アパートの明け渡しを求められて、ホームレスになりかねない実態があります。
 ヨーロッパでは住宅に対する公的政策がありますが、日本では市場まかせにされています。しかも大家さんのほとんどが六〇歳以上の個人経営者ですから劣悪な賃貸住宅が大量生産されています。
 二〇〇〇年に定期借家制度が導入され、良質な賃貸住宅を安く供給されるといわれましたが、ほとんど普及していません。日本経団連は、借地人・借家人の権利を守っている正当事由制度を廃止し、更新のない定期借家制度を普及するよう主張しています。普通借家契約でも、わずかな立ち退き料で簡単に立ち退かせる制度にせよと要求しています。二〇〇六年一二月の「規制改革・民間開放推進会議第三次答申」でもその早期実施を求めています。借地借家法の改悪が日程にのぼってくることは間違いありません。しかし、今求められていることは、低家賃で良質の賃貸住宅が圧倒的に足りない事態に対して、安心して住み続けられる公共と民間の賃貸住宅を供給していくことです。(東京の住宅フォーラムでの発言)



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