東京多摩借地借家人組合

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賃借権と地上権とはどう違うのか

2009年06月24日 | 借地借家の法律知識
 借地借家法と旧借地法では、借地権について地上権と賃借権と2つの言葉で呼ばれていますが、この地上権と賃借権とどう違うのか。借地借家法では何も書かれていません。

 民法では、地上権は265条、賃借権は601条に規定がありますので六法全書で調べてください。地上権は民法の物権、賃借権は債権に分かれます。債権である賃借権については、民法601条では「賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる」と規定しています。

 これに対して、物権である地上権は家屋等の所有を目的として、他人の土地について、地上権者の自由の意思により直接的に支配することができ、土地の所有者の意思によって左右されることのない権利といわれ、地上権は地主に承諾を得ないでも自由に売買できる権利となります。

 私たちが借地権と呼ぶ権利は、ほとんどが賃借権で、地主に賃料を支払って土地の使用収益を可能にする権利ですので、「地主が所有者としてもつ処分権限、すなわち、その土地を他に売却する意思までも賃借権によって制限できない」(平凡社『ゼロからわかる民法』川田昇著)ことになります。すなわち、地主は借地で貸してある土地でも、誰に何時売ろうが自由ということになります。

 そこで借地人は、地主が土地を第三者に売ってしまっても大丈夫なように建物の保存登記をしておくことが必要となります。賃借権である借地権の場合には、借地権者の名前で建物に保存登記をしておかないと、逆に借地権を売買されたと瞬間に借地権を主張できなくなってしまうのです。借地権は借地借家法などで守られている権利ですが、一方で様々な制約のある権利であることを認識する必要があります。



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