在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”ヴィナエ 2006” イェールマン

2007-11-30 00:43:23 | Friuli フリウリ
“Vinnae 2006” Jermann -Friuli
品種は違うが、ヴィンタージュ・トゥニーナの弟分という感じのワイン。比較的安くて、安定した味、また、結構インパクトがあり、気取らないちょっとした機会に良い。
品種は、トカイ・フリウラーノ、リボッラ・ジャッラ、リースリング・レナーノのブレンド。
色はきれいな麦藁色。つやがある。
香りは、甘い柑橘がきれい。グレープフルーツ、その皮、白桃、香草、そしてミネラル臭などがある。はっきりした香りだが、やや単純で、広がり、奥行きなどはお兄さんにかなわない。
味は、かなり塩辛い。酸がしっかりあるが、隠れてしまうくらいである。味の強さも良く、持続性も程よくあり、最後に心地よいほろ苦さが残る。

”コッリオ・ソーヴィニオン・デ・ラ・トゥール” ヴィッラ・ルスィツ

2007-10-20 18:51:57 | Friuli フリウリ
“Collio Sauvignon De La Tour “ Villa Russiz -Friuli
フリウリの超有名ワイナリー。生産量も比較的多く、品種も多く、いくつかは上級ラインもあるので、リリースしているワインの種類がかなり多い。しかし、ベースのラインでも、安心して飲める信頼できるワイナリー。
“デ・ラ・トゥール”シリーズが上級クラスで、メルロー、シャルドネ、ソーヴィニオンと3つある。フリウリは、一般に白が得意だし、フリウリ=白、というイメージがあるが(毎年行われる試飲会「スーパー・ホワイト」の影響も少なからずあるだろう)生産の40%は赤と言う。そして、“デ・ラ・トゥール”シリーズも、特にメルローが有名である。
さて、品種は、ソーヴィニオン100%。
色は、結構薄め。こんなに薄かった?という感じ。麦わら色で、やや緑がかり、つやは大変良い。
香りは、いかにもソーヴィニオンらしい感じ。グレープフルーツなどの柑橘系、白桃、冬メロン(と言うのだろうか??)melone invernale、そして、緑の香り(香草&薬草)がとてもきれい。トマトの葉、サルビア、アスパラガス、イラクサorticaなどなど。
味は、ボディがあり、結構インパクトが良いので、一瞬、木樽?と思ってしまうが、ステンレスタンクのみの熟成。塩味かなりありで、フルーツの混じった、しっかりした後味が長く残る。
ヴィンテージは。。。2005年だったと思うんだけど。(写真撮るのも忘れた~!)

”ピコル 2005” リス・ネリス

2007-10-20 18:44:16 | Friuli フリウリ
“Picol 2005” Lis Neris -Friuli
やや樽を効かせた感じが得意なワイナリー。でも、フルーツとのバランスを無視していないので、樽好きの人には良いと思う。
品種は、ソーヴィニオン100%。
色はやや緑がかる麦わら色。
香りは、最初、やや臭みがある感じ。ゴム臭など。(しかし、これが悪いのではないので、誤解しないように。)全体に、香りはそれほど強くない。フルーツの香りに、白い花、アカシア、そして、くさみと花が一緒になった感じでセイヨウサンザシbiancospinoなどがある。緑の香りも混じり、だんだんと木の香りが出てくる。しばらくしたらカラメルっぽさも出ていた。
味は、結構堅さがある。ボディも良い。かなり塩味があり、酸味が隠れる感じ。味は強く、持続栄もあるが、アルコールの強さが若干気になるかも。

”コッリオ・ソーヴィニオン・ロンコ・デッレ・メーレ” ヴェニカ

2007-10-19 21:15:52 | Friuli フリウリ
"Collio Sauvignon Ronco delle Mele" Venica -Friuli
ソーヴィニオン、トカイ、それに、カラブリアで造っているオリーブオイル。ヴェニカは良いものを出す。生産量も多いし、結構大手なのに、品質が安定している。適度に華やか、適度にインターナショナル、適度にボディがあり、嬉しいことに値段も適度である。
品種はソーヴィニオン100%。
色は、若干濃い目の麦わら色で、やや緑かかる感じあり。つやがとても良い。
香りは、ソーヴィニオンらしくニワトコsambucaの香り、リンゴ、柑橘系、白桃のフレッシュな香りに緑の香りが混じる。香草は、サルヴィア、タイムなど。そして、米ぬか風の香りがある。(日本人にしかわからないだろうなぁ~。。。)香りの強さは良く、広がりがある。強さとエレガントさの両方を兼ね備え、ヴェニカのソーヴィニオンと言えば定番と言う感じになったが、やはりさすが。
味もとても良い。とにかくきれい、の一言。たけのこ風の味が気のせいかあるが、フルーツと花が広がる。しっかりした酸と塩味のバランスがとても良く取れている。(つまりどちらも強すぎず、良く調和している。)味の持続性も良く、長く、後味がとても心地良い。
なお、樽は使っていない。ステンレスのみ。
おっと、ヴィンテージは2005年だと思います。

”コッリオ・ソーヴィニオン・セグレ 2006” カステッロ・ディ・スペッサ

2007-10-19 16:49:27 | Friuli フリウリ
“Collio Sauvignon Segre’ 2006” Castello di Spessa -Friuli
このワイナリーは、良く知らないワイナリーだったが(飲んだことがあるにしても、あまり記憶にかなった)結構印象に残った。
ワインの色は、適当に修正が効くものなのであまりアテにはならないし、一つのインフォメーションとしてしか取らないが、人間は視覚から入ることが普通なので、やはり左右されてしまう。色はそれほど濃くもなく、つまり、普通だったのだが、これだけインパクトが強いワインだとは思わなかった。ただ、20ユーロ以上という値段がちょっと残念。まあ、フリウリのワインは全体にちょっと高めだが。
品種は、当然、ソーヴィニオン。
色は、とてもつやの良い、やや緑がかった感じのある麦わら色。
香りは、最初、ビタミン剤。つまり柑橘系の臭いだが、ちょっと薬がかった感じもある。(でも、決して悪くないので間違えないように。)やや未熟のリンゴ、カリンnesporaなどに加え、緑の香りが強い。香草、タイム、野生のアスパラガスなど。ミネラルもある。
味は、しっかりしたインパクトがある。ボディがすごい。そして口の中で広がりあり。塩味がしっかり、そして、味も持続性もとても良く、後味がとてもきれい。

”カルソ・ソーヴィニオン 2005” カンテ

2007-10-19 16:47:05 | Friuli フリウリ
“Carso Sauvignon 2005” Kante -Friuli
自然派ワイナリーである。非常に好感の持てるワイナリーである。
確固たるフィロソフィーがある。当然、ワイン造りに関しても、そして、ボトルにも。ボトルは、一般に使われている750mlではない。ボトルの形状、容量、注ぎ口の直径などを計算した上で、1ℓか500mlしか造っていない。500mlはやや小ぶりだが、1ℓのものは、750mlのを一回り大きくしただけで、かなり趣味の良いボトルである。
さて、ワインは、バリックで発酵、熟成。フィルターなし。
品種は、もちろんソーヴィニオン100%。
色は、かなり濃い目の麦わら色で、つやがとても良い。
香りは、ちょっと弱い。だんだん出てくるが、どうしてもやや弱め。しかし、その分エレガントである。白い花、白桃、白い皮のスモモsusina Biancaなどに、ミネラル臭がかなり感じられる。香りが全体に弱いとは言え、複雑性は良く、じわっと広がる感じはある。ほのかに緑の香りもきれい。そして、香りに変化があり、単調でなくとても良い。
味は、やや堅めの酸がある。そして、塩味がきれいに出る。味の強さは程よく、持続性は良い。後味に柑橘系に加え、ほろ苦さが残るがとても心地よい。ワイナリーと同様、とても好感の持てるワインである。
色からはバリックだと感じるが、それ以外、バリックのタルタルが全く出ていない。味付け程度に存在して、ワインの骨組みを造っている感じ。再び、RBのソーヴィニオンを飲む機会があったが、相変わらず強烈なタルタルで、大違い。あくまでも個人的な嗜好の問題だと思うので、どちらが良いとは言わないが。

”ローザ・ボスコ・ソーヴィニオン・ブラン 2006” ローザ・ボスコ

2007-10-09 21:46:21 | Friuli フリウリ
“Rosa Bosco Sauvignon Blanc 2006” Rosa Bosco –Friuli
創設が1998年だから、まだ新しいワイナリーである。
ワインがリリースされた時は、それは話題になった。こんなソーヴィニオンがあるなんて!?とファンになった人も多いはずだ。その頃は、まだタルタル(樽樽)ワインが人気があったし、タルタルなだけで、これ好き!と言っていた人も多かったと思う。しかし、ソーヴィニオンらしいソーヴィニオンが好きな人には、ちょっと異質なものに感じただろう。
そう、品種はソーヴィニオン100%である。
色は、濃い目の麦わら色で黄金色に近い。つやがかなり良い。
香りは、すぐに桃。そして、乳酸っぽい甘酸っぱい匂い。一緒になって、ピーチ味の乳酸飲料を思い出した。(そんなのなかった?)香りは強く、とにかく華やか。熟した桃がきれい。以前は、木の香りがどーんとあったと思ったが、今は、木はややフルーツに隠れる感じで、それほど気にならない。しかし、どう考えてもソーヴィニオンだとは思えない。
味は、木がすぐに出る。ボディがあり、柔らかさがある。カラメル、バターなどが後味にも残るが、すぐに出てきて最後まで留まっている感じ。味の強さあり、持続性もあるが、とにかくプリンのカラメル風味が舌に残る。味も、どう考えてもソーヴィニオンとは思えない。
国際的で、華やかで、樽の香りと味、インパクトのある個性的なワインが好きな人は好きなのだろうが、エレガントなワイン、ソーヴィニオンらしいソーヴィニオンが好きな私にはちょっと疲れる。

”カルソ カベルネ・フラン 1999” カステルヴェッキオ

2007-07-10 01:30:12 | Friuli フリウリ
 "Carso Cabernet Franc 1999" Castelvecchio -Friuli
一時帰国中に、今年はイタリア料理の登場回数がずいぶん多い。いつもは、お刺身、お寿司、ビール、日本酒なのに。。
さて、イタリア人の友人アレッシオ氏の勤めている、高田馬場にある某イタリアンレストランに行った。明るく清潔で、程よくエレガント、程よくカジュアルなレストラン。気分の良い時のイタリア料理は、やはりスプマンテで始めたいところ。
その後、今日はのんべえは少ないので、軽くグラスワインにする。ワインは、ソムリエがいなければ自分で選んでしまうが、今日はそれじゃあ面白くない。日本、イタリアンレストラン、有能なソムリエときたら、面白いものを選んでもらうに限る。選んでくれたのは、フリウリのカベルネ・フラン。ローマでは見ないワイナリーだ。ヴィンテージは1999年。リリースされてから数年はたっているのは間違いがない。
色は、ちょっとびっくりするほど衰えていない。まだルビー色で、ガーネットはほとんど見えない。カベルネだから、適度な濃さもある。
香りは、グラスに注いでいる間から、カベルネとわかるくらい。フランの方はソーヴィニオンと比べてピーマン臭が強いが、きれいに緑のピーマンの香りが立ち上がる。でも、決して嫌味じゃないし、強過ぎるわけでもない。しばらくすると、アニマル臭が出てくる。香りには、熟したワインらしさがちゃんと出ている。香りの強さはやや弱いが、長さは申し分ない。森の木の実のコンフィ、ブロード(コンソメ)の香りが出てきたと思うと、それらがカベルネの緑のピーマンの香りと一緒になって、野菜系の香りになる。と書くと、なんだかびっくりの人もいるだろうが、これらもワインの褒め言葉と思っていただきたい。
味は、ふわっとまろやか。程よいボディで、タンニンが重合してまろやかになっている為、甘く感じるくらい。最後にほんの少しほろ苦さが残るのがとても心地良い。
カベルネと言うと絶対ソーヴィニオンと言う人は多いと思うが、個人的にはフラン100%のワインは好きである。たまに大ハズレがないこともないが、面白ものが多いからである。

”コッリオ・ピノ・グリジョ 2004” ダリオ・プリンチチ

2007-05-27 07:23:01 | Friuli フリウリ
"Collio Pinot Grigio 2004" Dario Princic -Friuli
ロゼに近いフリウリの白ワイン。品種はピノ・グリジョ100%。
イタリアを代表する白ワインの品種ピノ・グリジョは、白ぶどう品種ではなく赤ぶどう(灰色ぶどう)品種である。ピノ・グリジョのワインというと、ごく普通の白ワインが多いが、ごく稀に玉ねぎ色のものに出会う。このワインは、その数少ない「本物」の1本である。
色を出すには、当然ぶどうの皮を漬け込んでいる。赤ぶどうを使い、赤ワインのように漬け込みをし(8日間)色を出している。一見ロゼのようだが、よくあるロゼのようにきれいな桜色にはならない。漬け込みをして造ったピノ・グリジョは、まるでそれが合言葉であるかのように、必ず玉ねぎ色を呈している。
ビオ・ワインなので、色にはやや濁りが見られる。フィルター処理は当然していない。最初のインパクトはくさい。やはりビオ系ワインの特徴である。そして、甘いアメのような香りと、アプリコット、パン、スペック(燻製のハム)、やや煙たい香り、スパイス臭が交錯し、白ワインらしくない複雑性を帯びている。口に含んだ瞬間は優しく、ボディがしっかりとあり、酸と塩味がワインを引き立ててている。
なお、苗は、アメリカ産の苗を接木していない貴重なもの。(Pie di franco)
こういうピノ・グリジョを飲み始めると、普通のものが飲めなくなるのが怖い。