在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Collio - Edi Keber 2011

2012-04-24 07:04:35 | Friuli フリウリ
”コッリオ” エディ・ケベール -フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州

色は麦わら色で割と濃いめ。
緑の香りと、ミネラル、さわやかな柑橘がはっきりと出ている。グレープフルーツ、レモンの葉、サルビアなどの香草、ニワトコ、そして、ノリの海藻の香り。
味わいにもミネラルがきれいに感じられ、程よいフレッシュ感と若干の塩辛さのバランスが良く取れている。そして、ほろ苦さが心地良く持続する。
簡単な寿司と一緒に飲んだが、ノリ風のミネラルの香りが日本食合う。フリウリのワインは、アルコール度が強いものも多いが、そうでなければ、日本食には比較的合うワインだと思う。(87点)

Vinnae - Jermann 2009

2012-03-16 00:02:42 | Friuli フリウリ
“ヴィナエ”イェールマン 2009 -フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州

品種はリボッラ・ジャッラ。
大好きな品種の一つである。

イェールマンのワインは、昔はよく飲んだものだ。今でも、ヴィンテージ・トゥニーナはいくつかのヴィンテージがまだ家にある。自分で買ったものもあるが、いただいたものも多い。ヴィンテージ・トゥニーナがイタリアでも最も良い白ワインの1本だったときが(今でもそうだと言う人はいるだろう…)懐かしい。

かなり濃いめの麦わら色。つやもあり、おお、いいね、と思わせる色。
熟したフルーツの香りに、ほろ苦いような緑の香り、柑橘系の香りが混じる。しかし、ややアルコールが上がって来る。強さがあり、パフォーマンスが良い。
味はしっかりしたボディで、ほろ苦さがある。強さ、持続性も程よくあり、ややアルコールが残る感じが気になるが、全体にパフォーマンスの良さを感じさせる。
ただ、パフォーマンスがよすぎでつまらない。ボトルを開けるときのドキドキするようなわくわく感がない。逆に言うと、よくできているので、人と一緒のときに開けるには安心感がある。

今なら、リボッラの名前で販売できるだろうが、その昔は、リボッラでは、売れなかったのかもしれないと、ふっと思った。(85点)

なお、ヴィナエの後にソーヴィニヨンを続けて飲んだが、同じくボディがありアルコールがやや目立ち、やはりパフォーマンスが良かった。個人的にはもっとしっとりした、凛としたタイプのソーヴィニオンが好みだが、こうタイプは受けが良い。

と言うわけで、ちょっと久々にイェールマンを続けて2種飲んだのだが、さて、ヴィンテージ・トゥニーナ。この歴史的名ワインを今飲むとどう感じるのだろうか。久しぶりに最近のヴィンテージを飲んでみたくなった。




Merlot - Radikon 1998

2012-01-31 18:21:40 | Friuli フリウリ
“メルロー”ラディコン 1998 -フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州

バーリ在住の友人、ロンゴ氏の手料理と一緒に開けた。
なお、1本では足りず、結局、フォンテルートリの”コンチェルト“も続けて開けたのである。
ところで、ロンゴ氏の手料理は、男の料理なので大胆かつ大雑把であるが、素材がとてつもなく良い。
マッセリア(昔の、規模の大きな農家)を所有しているので、生んだばかりの卵、自然肥料で育てた豚で作ったサルシッチャ、サラミ、所有の畑で取れるトマトなど、自然の恵みばかりである。そのうえ、グルメなので、めちゃくちゃ美味しいトルテッリーニ、オレッキエッテなども秘蔵(?)していて、何を食べても美味しいのである。

さて、ワインの話。
裏のラベルに亜硫酸は含みませんと明記がある。
そして、ノンフィルターの表示。
ラディコンは、フリウリではグラヴナーに次いでというとオーバーかもしれないが、フリウリのビオの大御所である。
普通のワインに慣れていると、亜硫酸が入っていなければもたない、と思うかもしれないが、ラディコンのワインはびっくりするほど長寿。
全てのビオのワインが良い、美味しい、長寿では決してないが、良く造られているビオのワインは本当にうれしい。(賛否両論があるので「美味しい」とは断言しない)
ところで、このワインの容量は750ml。今はラディコンは750mlのボトルを造っていないので、幻のボトルである(ちょっとオーバー・・?)。もうかれこれ10年近くになると思うが、ラディコンは500mlと1リットルの製造に替えた。もちろん彼らのコンセプトに基づいてである。

色は濃い。深いガーネット色で、かなり濁っている。もうここでビオとわかる状態。また、期待が膨らんでくる色。
奈良漬けまでいかないが、発酵臭。人は臭いというかもしれないが、個人的には結構好き。スパイス、アニマル、腐葉土など。
普通のワインしか飲んでいない人は、あ、もうこのワインだめ、と言って、どぼどぼ捨てるかもしれない・・・
しっかりした味わい。タンニンは当然まろやか、ボディもあり、持続性も悪くない。

最後のグラスをわざと残しておいた。
そして、翌朝。(朝シャンならぬ‐シャンプーじゃないですよ~‐朝ワインは美味しい)
香りがまだきれいに出てくる。決して衰えていない。
一緒に残しておいた“コンチェルト”は香りがかなり消えてしまったにもかかわらず・・・
(当日87点、翌日88点)

”ピコル 2007” リス・ネリス -AISの採点方法で

2009-06-20 22:47:00 | Friuli フリウリ
“Picol 2007” Lis Neris –Friuli Venezia Giulia
試飲の方法は、世界的には統一されていない。
各団体が適当に、自分たちの尺度を持ち、採点している。
だから、注意しなくてはいけないのは、ある団体があるワインに95点の評価を下し、別な団体が違うワインに93点をつけた場合、95点のワインの方が優れているというわけではないことである。
各団体により、採点の特徴、点数の幅などがあるので、それらを良く確認してからでないと、同じ100点満点であっても、同じ評価ではないということである。

だから、イタリア・ソムリエ協会(AIS)には協会の採点の仕方がある。
実際に学んでいても、これでよいのか?と思うこともあるし、講習を終えると、自分の主観で採点をするようになり、だんだん基本から外れていくこともある。
それを正すために、基本に戻るために、参考までにいくつかのワインの採点を掲載する。
日本では同じワインが手に入らない、また、同じワインであっても日本までの旅をしているので、やや違うところはあるかもしれなしが、参考になればと思う。

なお、多くを5段階評価としているが、1や5は、内容によっては否定的表現となる

外観
クリスタルな輝き(5段階のうちの4)
麦藁色でやや緑がかる感じが見える
粘着度あり(5段階の4)

香り
強い(5段階の4)
複雑~かなり複雑(5段階の4~5)
品質が良い~素晴らしい(5段階の4~5)
フルーツの香り、やや緑の香り、ミネラル臭など


辛口(5段階の1)
アルコールは熱い(5段階の4)
まあまあ柔らかい~柔らかい(5段階の3~4)

酸味がある(5段階の4)
塩辛い(5段階の4)

ボディがある(5段階の3)
バランスがまずまず取れている~取れている(3段階の2~3)

味は強い(5段階の4)
非常に長い(5段階の5)
品質は素晴らしい(5段階の5)

総合評価
のみ頃である(5段階の3)
まずまずの調和が取れている(3段階の2)

総合点 91点

個人的な試飲としては以下の評価(点数 9点)
品種はソーヴィニオン100%。
すぐにソーヴィニオンとわかるが、イタリアのものらしいふくよかさがある。
緑と米ぬか風の香り、ミネラル、柑橘などがとてもきれい。香りの広がりがとても良い。
アタックがきれいで、フルーツと緑がきれいに広がる。持続性もよく、かなり心地よく、イタリアのソーヴィニオンとしては、かなり魅力的と言える。

1879年創設という100年以上の歴史を持つワイナリー。
モダンで、時にバリックの強いものもあるが、全体のレベルがかなり高い。


”リボッラ・ジャッラ””トカイ・フリウラーノ””ピコリット” ヴィナイ・デッラバーテ

2008-11-06 08:20:30 | Friuli フリウリ
"Ribolla Gialla 2007"
"Tocai Friulano 2007"
"Picolit" Vinai dell'Abbate =Friuli Venezia Giulia
ワインと美味しい食べ物の組み合わせは、ただ、機械的にワインを試飲するより嬉しいものである。(当たり前だが。。)
たとえ、それが、ほんの一口のフィンガーフード的であっても、とても嬉しい。
むしろ、美味しいワインを飲みたい時、ほんの一口の食べ物が、ワインをより美味しくし、しかし、ワインの邪魔をしないとなると、ワイン好きにはさらに嬉しい。
フリウリのワイン数種を、カナさんの手作りフィンガーフードと一緒に試飲した。
(幸せ!)

リボッラ・ジャッラ(2007年)は、透き通った感じがとてもきれい。マセラシオンをしてない、ステンレスだけの醸造。個人的にはリボッラは、マセラオン7日とか10日とかが面白くて好きだが(60日という極端なのも美味しかった。。。)、ステンレスだけの、透明感を持ったリボッラも、食事に合わせやすいし捨てがたい。柑橘がきれいで、酸がとても良い感じ。非常に丁寧に造ってある。

トカイ・フリウラーノ(2007年)は、品種名「トカイ・フリウラーノ」と明記できる最後のヴィンテージ。ハンガリーとの「トカイ戦争」に負けてしまって、いったいどうなるの?どんな品種名になるの?と思っていたが、ついに来てしまった2007年ヴィンテージ。裏も含めて、ラベルに明記できるのはこれが最後で、2008年ヴィンテージからは、「フリウラーノ」という名前の品種になるのだそうだ。フリウラーノじゃあ、あまり迫力(?)がなくてさびしいが。。ところで、トカイはヴェネト州の一部での栽培されていて、それはどうなるの?というと、これもフリウラーノだそうだ。品種名の記載ということで、ヴェネト州のワインなのに「フリウラーノ」と書いたものが生まれるかも知れない?? なんて、紛らわしい!!
全く、あっち(ハンガリー)のトカイはデザート・ワインだし、こっちのトカイは品種の名前だし、綴りは違うし、いったい何が問題なのか?? 本当に残念なフリウリの敗訴でした。
ミネラルがきれいに出ていて、白い花、柑橘、そして、ビタミン剤風の香りもある。同じく、透明感があって、とてもきれい。
味もミネラルが出て、落ち着いた感じで、後味もとてもきれい。

ピコリット(ヴィンテージは忘れました。。)は、フリウリの特殊な品種。結実不良、と言い、房になるぶどうの粒が極端に少ない為、成分が凝縮され、糖度も高まる。
しかし、それだけでは、ここまでのデザートワインにはならない。
ワイナリーによって、製造方法は異なるということだが、遅摘みをするところ、陰干しをするところとあるという。
このピコリットは、陰干しの方で、9月20日ごろ収穫し、その後、11月終わり~12月初めまで干すという。
干したフルーツ、ナッツ、栗のハチミツ、カラメル、燻製の香り、チョコ風の香りなどが複雑に交る。
甘いがべたついた感じではなく、非常に心地よい。


”コッリオ・フォザリン 2007” ロンコ・デイ・タッシ

2008-11-04 07:03:22 | Friuli フリウリ
"Collio Fosarin 2007" Ronco dei Tassi -Friuli Venezia Giulia
頒布会なるものをやっている。
もう、いったい何年になるか??(8年くらいだろうか。。)
最初は月に1度だったが、年とともに体力が付いていかなくなる(ワインは重いのよ~)ので、2か月に1度程度にしているが、10月に選んだワインがこのワイン。
2006年がトレビッキエーリ+ソムリエ協会ワイン5房の両方を取ったので、2006年で揃えたかったが、まあまあの数を揃えねばならず、若干の2006年を除いて、とにかく2007年を入手した。

まず、ラベルが可愛い。
特に小動物好きとしては、とても魅かれるラベルである。
ワイナリーに本当に生息しているアナグマから生まれた名前で、だから、ラベルにも描かれているのだそうな。

さて、このワイナリー、前はこんなに良かったかしら?と思う。
フリウリで、このところ、かなりレベルの向上しているワイナリーの一つであろう。

品種は、ブレンド。ピノ・ビアンコ40/50%、トカイ・フリウラーノ30/40%、マルヴァジア20%
最近は単一品種が流行っていて、単一品種に(不当な)価値を見出す傾向があるように思うが、フリウリは伝統的にブレンドの地域である。
 
色は、きれいな麦藁色で光沢があり、木樽を使って熟成された白ワインにしては薄め。
香りは、白い花の香り、フルーツの香りは、柑橘系のフルーツ、白桃、緑色の洋ナシなど。ミネラル臭がとても強く、他、緑の香りがきれいで、サルヴィアなど。とてもエレガント。
味の方もエレガントで、さわやかな柑橘系の味がしたと思うと、じわじわっとふくよかさが出てくる。その後にアルコールの熱さが残るくらい。柑橘のさわやかさ、フルーツの味がとてもきれいに後味に残り、持続性よし。最後にきんかん風の香りが残る。

さすがフリウリ、というワインの1本でした。


”コッリオ・ビアンコ・フォサリン 2006” ロンコ・デイ・タッシ

2008-05-27 00:54:56 | Friuli フリウリ
“Collio Bianco Fosarin 2006” Ronco dei Tassi –Friuli
値段は安い(15ユーロ)のに、ガンベロのトレビッキエーリとイタリアソムリエ協会のブドウ5房を取っている。
なるほど、非常によく出来ている。
品種は、ピノ・ビアンコ50%、トカイ・フリウラーノ35%、マルヴァジア15%のブレンド。
色は、きれいな麦藁色で、つやがとても良い。
香りは、花の香りがとてもきれい。そして、白いフルーツのコンポストのようである。リンゴ、洋梨、白桃などがとてもきれいに熟している感じにミネラルが奥の方に混じる。
味は、まろやかさがよく出ていて、ボディも良い。酸味がきちんとあり、味の強さ、持続性がとても良い。
前から良いワイナリーではあったが、このところ非常に良い感じで、目が離せないワイナリー。

”リボッラ・ジャッラ・ルッタルス” プイアッティ

2008-04-22 07:31:21 | Friuli フリウリ
“Ribolla Gialla Ruttars” Puiatti –Friuli Venezia Giulia
プイアッティのワインはかなり長いこと飲んでいなかった。
ヴィンテージは確か2005年だったような気がする。
品種はリボッラ・ジャッラ。
色は標準的な麦藁色で、つやがとても良い。
香りは、ミネラルがじわっと出る感じで、変化が結構あり、良い。もちろんきれいにフルーツもあるのだが、それより、ミネラルやスパイス、香草などがきれいで、パフォーマンスが良い中、落ち着きもあり、好感がもてる。
味は、最初、ふわっとまろやかさを感じる。ボディはかなりある。酸、そして、苦味がやや出てくる感じがあり(白なのにタンニンを感じるような感じ)、最初のまろやかさがだんだんと消されていく。持続性はほどよくある。
値段は決して高くなく、その割にパフォーマンスが良い。
うわべだけの華やかさだけではなく、ちゃんと芯を持っている感じで、なかなか捨てたものではないと思った

”リボッラ・ジャッラ 2002” ラディコン

2008-04-11 16:29:43 | Friuli フリウリ
“Ribolla Gialla 2002” Radikon –Friuli Venezia Giulia
一番最初にラディコンのワインを飲んだのはヴィニタリーである。
その頃は、ラディコンもスタンドを出していた。
しかし、その次の年かさらに次の年にはまだ出ていたが、その後はやめてしまった。
そうやって出店しなくなった優良ワイナリーがどれだけいることか。
だから、ヴィニタリーはもう面白くないのである。

その時、赤、白ともに何種類か飲んだのだが、一番印象に残っているのは、メルローの、かなり古い、7,8年はたっているヴィンテージのものだった。
友達の間で、噂が回ってきて、スタンドを探して訪ねていった。
同じ年、友人が協力していたスタンドでも自然派ワインをずいぶん飲んだが、今思い起こすと、自然派ワインとのふれあいの初期だったと思う。
その頃は、何がなんだかよくわからなかったと、今は正直思う。
どうして今頃、こんなに古いヴィンテージを出すのか?
(リリース直後ではないと思ったが、飲み頃を知ってもらう為に出していた感じだったと思う。)
共通して「臭み」がある。
こういうワインもワインなのか?
普通のワインとは大きく違い、では、何が違うのか?
美味しいと言えば美味しいが、それより変わっている、というのが印象だった。
その後、頭の片隅にいつも残っていたとは言え、「一般的な通る道」を通ることとなったので、よりボディのあるワイン、よりパフォーマンスの良いワインに魅かれる時期があった。
バローロで言うと、伝統的よりモダンなタイプ、という感じである。
しかし、そういったワインに飽きてくるようになると、頭の片隅から、再び出てきた。
決して飽きの来ないワイン。体に優しいワイン。自然の恵みとしてのワイン。
今はその良さが理解できるようになった。

こういう自然派ワインを、最後まで好きになれない人はいるだろうが(このところローマで有名になったジャーナリストF. T氏は、「自然派ワインなんて、みんな同じ」と豪語したようだ)、年とともに好きになっていく人も多いと思う。
その時に、経験があるかないかで変わるわけではないが、経験があった方が良いような気がする。
あの時にはこう感じた、今はこう感じる、という比較は面白いものだと思うからだ。
というわけで、初心者には絶対に美味しいと感じないとは思うのだが、一度飲んでおくことをお勧めする。
もちろん、飲むワインは、ラディコンでなくてもいい。グラヴネルでもヴァレンティーニでもぺぺでもいい。自然派ワインの洗礼は早い方が良いと、個人的に思う。

で、ラディコンのリボッラ・ジャッラ。
色は、玉ねぎの皮を濃いめにした色。白だが、皮を漬け込んでる(macerazione)とわかる。
香りは、若干臭みがあるが、自然派好きにはこれが良い、とも言える。パフォーマンスのあるワインのようなふくよかさではなく、ワインの持っているふくよかさ、豊かさが表現されている。複雑で、揮発酸volatileが若干強く、酸化臭が感じられ、オレンジ、丁子、日本人ならわかる(日本人でないとわからない)シソ、梅の香、そして、スパイス臭、ドライ・フルーツ、イナゴマメcarrubaなど。
味は、酸が強い。ボディは、程よく、最近、どーんとしたワインが多すぎるよね~と感じる。白なのにタンニンを感じるくらいの口当たり。持続性かなりあり、タンニンの心地よい渋さが消えたこと、甘さが出てくる。

なお、容量は、研究の末のこだわりで、750mlではなく、500ml。
ボトルの首の直径なども一般のものとは違っている。

”リボッラ・ジャッラ 2007” ロンキ・ディ・チャッラ

2008-04-08 02:49:09 | Friuli フリウリ
“Ribolla Gialla 2007” Ronchi di Cialla –Friuli Venezia Giulia
うちの近くのエノテカ(酒屋)「ディ・ビアジョDi Biagio」は、真夏、クリスマス、復活祭の時期を除いて、毎週土曜日の午後に、立ち飲みの試飲会を開いている。
気軽に誰でも立ち寄れ、たまたま用事があって買いに来た人でも臆することなく何種類かのワインを飲める雰囲気が嬉しい。
その時によって、1社のものを数種提供したり、品種を決めていくつかのワイナリーのものを提供したり、バラバラである。
時にはフランスのワインが出ることもあるし、また、他の試飲会をオーガナイズしている団体と提携したりして催し物を行うこともある。
そして、経営者のアウグスト氏は、とてもgeneroso(心が広い)で、追加ワインを出してくることもままある。
今回も、リボッラ・ジャッラRibolla Giallaというテーマで5種(それでも多い方)が出ていたが、途中で1本追加して計6種となった。

さて、リボッラ・ジャッラはフリウリのややマイナーな品種であるが、個人的に大好きである。
リボッラ・ジャッラの試飲会、と聞いたら、他の用事をキャンセルしてでも行きたい。

ロンキのリボッラは、フリウリのワインにしては値段がかなり安い方で、10ユーロ弱。
その分シンプルなワインであるが、そういうシンプルさが嬉しい場面では大活躍するだろう。
色は、かなり薄め。やや緑がかる感じがあり、とてもツヤがある。
香りは、最初にミネラル、次にスパイス臭を感じるが、あまり強くはなく、ちょっとニュートラルな印象。しばらくするとフレッシュな柑橘系の香りが出てくる。いかにも若い、という感じ。
味は、当然酸が優っている。フレッシュな感じが心地よく、ややほろ苦さがあり、最後にアルコールの熱さ、ふくよかさがやや残る感じがある。
夏の暑い時に、海の幸の前菜と共に飲みたい1本。

”ピノ・ビアンコ””トカイ・フリウラーノ” 2006 トロス

2008-01-20 09:40:36 | Friuli フリウリ
“Pinot Bianco 2006”
“Tocai Friulano 2006” Toros –Friuli
トロスは、何年か前、初めて飲んだ時(あれは、第1回目のスーパーホワイトだったような気がする。。)ちょっとしたショックを受けた。香り、コク、ボディが見事に表現されている。そして、確かトカイだったか。。ステンレスしか使ってない、と言う。ステンレスだけで、よく、どうして、ここまでの味が出せるのだろう。。。とひとりで考え込んでしまった。
造っているフランコ氏も素晴らしい人物だと思う。こういう人が造っているなら、と納得。

ピノ・ビアンコ
華やかな香りが立つ。白い花、黄色い花(エニシダginestra)、熟したフルーツなどがそれはきれい。香りにうっとりしていると、味はかなりのボディがあり、ちょっと塩辛いくらいミネラルが出てくる。魅力的な甘い香りに隠れてしまっているが、確かに、香りの奥にはミネラル臭がある。そして、アルコール度もかなりあるのだが(ラベルは14%)こちらも隠れてしまい、それほどとは思わない。あれ、そんなにあったの?という感じ。後味がとても心地よい。
トカイ
堂々たる味と香り。トカイの個性がきれいに表現されている。ニワトコsambuca風のやや臭みを帯びた香りは、花とミネラルが混じったのではないかと思う。香りに奥行きがあり、複雑で、きれいに変化を見せる。味は、ボディあり、コクあり、酸味と塩味が見事に一体化している。後味が長く、さすが、の一言。

もっと軽いワインがいいよね、という人には重すぎるかもしれない。しかし、ハレの日の白ワインとしてはお勧め。そして、これだけの質なのに、20ユーロ弱という価格はお見事。

”ピノ・グリジョ””トカイ・フリウラーノ””ソーヴィニオン” 2006 ファンティネル

2008-01-20 08:15:04 | Friuli フリウリ
“Pinot Grigio Sant’Helena 2006”
“Tocai Friulano Sant’Helena 2006”
“Sauvignon Sant’Helena 2006” Fantinel -Friuli
生産数が結構多い大手なので、気にして飲んだことはなかった。
でも、決して悪くない、が感想。
ただし、値段はちょっと高いかも。(15ユーロ位)もう少し安かったら、かなりのお得感ありなのだけど。
以下、3種、全てステンレスのみ。

ピノグリから。
香りがとても良い。熟したフルーツの香りとほんのり緑の香りが主張し過ぎず、やや控えめに立つ。柔らかさと酸のバランスが良く、後味がとても心地よい。
トカイ。
最初、ニュートラルな感じだが、次にミネラル臭が出てくる。味にもかなり塩辛さが出て、酸味が隠れてしまうか、というくらい。
ソーヴィニオン。
緑の香りがきれい。猫のおしっこ風ではない、すっきり、澄んだ緑の香り。そして、ここにもミネラル臭がかなりあり、まずまずの「風格」を漂わせている感じ。ボディがあり、酸と塩味が広がる。

”ブラウ&ブラウ 2004” イェールマン

2007-11-30 23:13:50 | Friuli フリウリ
“Blau & Blau 2004” Jermann –Friuli
白が得意なイェールマンの赤。ピニョーロという品種で「ピニャコルッセ」という長命ワインを造っているが、こちらは、もう少し安くて飲みやすい方。
かわいい犬(だと思う)の絵のラベルから、ブラウ&ブラウでなくて、バウ&バウ(犬の鳴き声)ではないか?名前の由来はジョーダンっぽくその辺?と一瞬思うがが、ブラウは品種の名前から来ている。
品種は、ドイツ語なので、そのまま書く。Bluafrankisch 90%、Blauburgunder 10%。なーるほど。だから、ブラウ&ブラウで、バウバウではないのだ。
さて、色は、やや暗めの色調のルビー色。
香りは、革などのくさみと熟した黒い木の実、桑の実mora、ブラックチェリーamarena、プルーンなどが混じった感じ。ミネラルが、白と同じようにちゃんとあり、やや青っぽい感じもある。
味は、タンニンの質は良いが、まだ若さが出ていて、結構渋みがある。そして、酸味もやや隠れるがしっかりある。味の強さ良く、持続性もまずまず。
イエールマンというと、白、という感じだが、赤も決して悪くない。

”ドリーム 2005” イェールマン

2007-11-30 23:10:17 | Friuli フリウリ
“Where Dreams… 2005” Jermann -Friul
このワインも出た時は非常に話題になったものだ。値段が高く、そう簡単に手が届かないワインでもあった。名前は、有名な話であるが、超有名ロックグループU2の歌のタイトルから取っているという。
品種はシャルドネ100%と思いきや、97%で3%はなにがしかの品種とブレンド。
バリック(225リットル)よりやや大きい300リットルの樽で熟成10か月。
色は、黄金色に近い麦藁色。
香りは、最初、ちょっと閉じている。そのうち、じわっと、木の香りをはじめとして出てくるが、思ったより弱い感じ。昔はもっと強かったイメージが残っているせいかも知れない。そして、フルーツが出てくる。柑橘、そして、若干のパッションフルーツあたり。バナナもある。それから、やや未熟なナッツ、スパイスなど。
味も、意外とおとなしいような気がする。すぐに樽だとわかる香り、まろやかさがる。強さは意外と普通で、持続性も悪くないが、ものすごく長いという感じではない。バリックのシャルドネらしい後味。
決して悪くはないが、値段が決して安くないので、やっぱり、買うなら、ヴィンタージュかな。。。


”ヴィンタージュ・トゥニーナ 2005” イェールマン

2007-11-30 00:45:03 | Friuli フリウリ
“Vintage Tunina 2005” Jermann -Friuli
昔、まだイタリアワインのレベルが現在のように高いところまで達していなかった頃、イタリアでも10本指に入る名ワインの1本だった。今は、他の多くのワインのレベルが上がってきているし、新しいワインはどんどんリリースされるしで、やや影が薄くなった感じはあるが、久しぶりに飲んで、堂々たる風格を備えていると思った。また、個人的に、非常に思い出多いワインの1本でもある。
品種は、ソーヴィニオン、シャルドネ、マルヴァジア・イストゥリアーナ、ピコリット、リボッラ・ジャッラ、5種のブレンド。
色は、とてもきれいなつやのある麦藁色。
香りにきれいに奥行きあり。ミネラル臭がすぐに感じられる。他、オレンジの花、柑橘、白コショウ、サルビアなどの香草、そして、ややスモーキーな感じがある。そして、一番奥にはビタミン剤風の香りも混じる。
味は、インパクトがもっとあるように期待するが、インパクトのすごさより、もっと奥行き、広がり、エレガントさなどが出る。酸がきりっとしまり、じわっと塩味が出る。エレガントで、かつ、ボディもあり、持続性は申し分ない。
白ワインはもたない、と一般に信じられているが、決してそんなことはない。ワインによっては、むしろ、リリースされてすぐに飲んでしまうともったいないものもある。このワインも、そういうタイプである。幸い、かなり7-8年ほどたったヴィンテージを何度も飲む機会があった。古くなるほど落ち着きが増し、とても良い。もちろん、フレッシュなフルーツの香りのワインが好みであれば早めに開けてもよいが、風格を増した白が好きな方は、ぜひ、少しおいてから飲んでほしい。