Amarone della Valpolicella 2012 Tenuta Sant’Antonio テヌータ・サンタントニオ
Amarone della Valpolicella 2012 Tommasi トマシ
Amarone della Valpolicella Costasera 2011 Masi マージ
Amarone della Valpolicella Monte Ca’ Bianca 2010 Begali ベガーリ
Amarone della Valpolicella 2010 Allegrini アッレグリー二
アウグスト氏経営のエノテカ、食料品店ディ・ビアジョDi Biagioの土曜日の午後の試飲会。
久々のアマローネ。本当にこのところ飲んでいなかった。
昔(もちろん今でも)どんなワインが好きかとか、ワインでは何が好きかとかよく聞かれたものである。
その時はアマローネとよく答えていた。(ちなみに今はバローロ)
どうして?と聞かれると、敬意を表して、と。
ぶどうを干してワインを造る、という行程は、ワインを学び始めたころには結構印象的だった。
干さなくったって造れるのに~ が単純な個人的意見。
ソーテルヌのように貴腐が付く(もちろん勝手に単純に付くわけではないが)
収穫を少し遅くして完熟、超熟のぶどうからワインを造る(これも、鳥に食べられてしまうリスクなどあり)
ならともかく、わざわざ収穫して、そのまま醸造すればいいものを、箱に並べる、藁の上に並べる、または吊るして干すなどの面倒くさーい行程を経てから醸造に取り掛かる。
その間、通常3ヶ月。
一部屋、それも屋根裏など、条件の整った部屋が必要だし、風通し、温度、湿度など考慮して毎日窓を開け閉めしないといけないし(収穫直後のことだから秋から冬場)そういった条件の整えられない部屋の場合は、エアコンなどの機械設備をばっちり整えなといけない。つまり、手間暇をかけるか、お金をかけるか。
干して水分の蒸発したぶどうから取れる液量は当然少なくなるし、収穫するぶどうは全く傷の付いていない完熟ぶどうでないといけないし、干してある間ヘタなカビ(貴腐ではない)が付くこともあるし、なんでざわざわそこまでして??が単純な第一印象だった。
そして、造るワインはソーテルヌのようなデザートワインではなく(一応)辛口のワイン!
それなら、干さないで造ってもいいのでないの??
しかし、人間のチェレンジ精神はこういうところでも発揮され、収穫し、干して、デザートワインではなく、食事用の辛口ワインを造ってしまうのである。
アマローネと一般に呼ぶが、正式にはアマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ、つまりヴァルポリチェッラのアマローネということである。
干さなければ普通のワイン、ヴァルポリチェッラに、ちなみに、干して甘いデザートワインにすれば、レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラになる。
品種は必ずブレンドで、コルヴィーナが主体、45%から95%までなので、コルヴィーナだけで造ればアマローネとは名乗れない。
クラシカルなブレンドはコルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラだが、最近はコルヴィノーネがコルヴィーナの代わりに使われるし(50%まで)モリナーラはだいぶ使われなくなっている。
さて、これだけ手間暇かけて造り、収量も少ないアマローネは当然値段が高い。
それをタダで5本も開けてしまうアウグスト氏の心意気は半端ではない。
アマローネは全体に色が濃く、ボディがあり、主張がある。残糖分の多いタイプは辛口ワインの中でも甘いくらいだし、残糖分をほとんど残さず醸造したタイプは辛口の中にほろ甘さ、ほろ苦さを感じる。超熟のフルーツ、コンフィ、バルサム臭、カカオ、チョコレート、カフェなどの香りが特徴。
2012 Tenuta Sant’Antonio
コルヴィーナ70%、ロンディネッラ20%、クロアティーナ5%、オセレータ5%。
値段も比較的安くて、華やか、モダンで明るい印象の万人受するタイプのアマローネ。ヴェルポリチェッラの上級クラスのラ・バンディーナLa Bandinaはよく飲んだものだと懐かしかったりする。++++
Amarone della Valpolicella 2012 Tommasi
コルヴィーナ50%、コルヴィノーネ15%、ロンディネッラ30%、オセレータ5%。
個人的には好みのタイプ。モダン、華やかとは逆に落ち着きがあり、最初はやや閉じている印象で、徐々に出てくる。持続性もよく、クラシックにまとまった感じが好み。+++++
Amarone della Valpolicella Costasera 2011 Masi
コルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラ。
超有名ワイナリーなので、マージだと思って飲むとなんでも美味しく感じてしまう。こういうワインこそブラインドで飲まないと。。。香りはやや弱く、味の持続性もやや劣る。+++(+)
Amarone della Valpolicella Monte Ca’ Bianca 2010 Begali
コルヴィーナ40%、コルヴィノーネ35%、ロンディネッラ20%、オセレータ5%。
このアマローネだけ知らなかった。それともラベルが変わったために記憶にないのか。とにかく、ちょっとびっくりのアマローネだった。値段は決して安くない。しかし、色は濃く、華やか、モダンで、きれいで、アルコール度16%と高いのに(他は基本的15%)感じさせることはなく、しっかりしたボディを持つのだが、優雅さもある。+++++
Amarone della Valpolicella 2010 Allegrini
コルヴィーナ90%、ロンディネッラ5%、オセレータ5%。
コルヴィーナの使用量が最も多い。アッレグリー二と言えば、コルヴィーナ100%で造ったラ・ポーヤLa Poja(当然DOCではない)が思い浮かぶ。90年代、なんて斬新なワインだと思ったことだろう。あの頃、ポーヤもアマローネも結構競うようにして買ったので、今でも何本かうちのワインクーラーに眠っている。。。さて、とにかく値段が高い。60ユーロをはるかに超え、確かにアマローネは安いワインではないのだが、ちょっと高すぎ。香りはじわじわと出てきて良いのだが、これだけの価値はないような。。。。トマシを2本買ってもお釣りがくる。。。+++(+)