在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Santus; Franciacorta, brut saten e rosato

2013-09-15 10:23:49 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
Santus
Franciacorta brut, saten e rosato



何とまあ久しぶりです。
このところ、飲んではいても書く暇なしの状態でしたが、新年(つまり年度始まり)を迎えて、重い腰を上げてみました。

近くのひいきのエノテカDi Biagioが、早速土曜日の試飲会を始めた。
土曜日の午後、誰でも気軽に、無料で飲める。一時期、この手の試飲会をやっているところはたくさんあったが、今は少し減ったような。Di Biagioでは、相変わらず健在。

さて、毎回テーマを決めて、今回はFranciacortaの新しいワイナリー、Santus。
ラベルがFranciacortaらしくないかなりモダンな感じ。しかし、わかりやすいというか、一度見たら覚えてしまうので、戦略的にはいいかも。
ワインは3種。全てmillesimatoとのことで、ラベルに年号が入っているわけではないが、バックラベルのロットナンバーからはっきりとわかるようになっている。

brut
かなりフルーティーで、誰にでも好かれるタイプ。しかし、フランチャコルタらしいベースはある。フルーツの香りがきれいに前面に出て、香りも味も重たさはなく、可愛くまとまり、食前酒や、最初のワインにウケそうな感じ。

saten
こちらは残念ながら、個性を出し切っていない感じ。香りが穏やかなのはわかるが、味もおとなしく、これぞ、という個性に欠けてしまっている。しかし、だからこそ、料理を引き立てると思う。例えば、日本料理にスプマンテが飲みたいという時にぜひ試してみたい。

rosato
マセラシオン6時間で、ちゃんとしたロゼワインをベースに造っている。
色はそれほど濃くないので、優しめかと思いきや、最初からインパクトが強い。フルーティーさもあるが、その点ではbrutの方が強く、こちらは外見と違ってかなりしっかりしている。味わいもしっかり主張があり、ロゼだからロマンチックに食前酒行きたいところであるが、魚でも白身の肉でも大丈夫で、逆にメインに合わせてみたい感じであった。

Santusで造っているワインはこの3種。昨今あれやこれや、これでもか、と多くのワインを造っているワイナリーが増えている中、こだわりが見えて、今後に期待。


某実験的試飲会

2013-06-11 21:42:56 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他


このところ、イタリアにいてはワインを学べないと思っているが、イタリアにいては、本当にワインを学ぶことはできないと思う。
それはイタリアのワインがあまりにてんでばらばらで、体系だっていなく、あれもあり、これもあり、そして、造っているほうも、最高のものを造りたいという気持ちはあるのだろうが、では何が手本になっているかというと、信念だけだったりする。
信念は必要だが、お手本、目標も必要ではないかと。。。
そして、普段、自分のワインしか飲んでいないオーナーが意外と多い。
某ワイナリーのオーナーは、僕は他人のワインしか飲まない、と自慢げに言ったが、楽しんで飲んでいるだけで、そこから何かを学ぼうとして飲んでいないのは明らか。第一、赤を造っているのに、白が好き、と言って白しか飲まないのだから。おまけに、このところ遊びほうけていて、ワインの質も極端に下がっている。と、言ったら、そうかなぁ、との回答。
あまり良くない評価(3グラッポリ)をつけると、どうしてうちのワインがこんな評価なんだ、と文句を言ってくるワイナリーもある。
こんなオーナーばかりではないが、醸造家に任せ、何を造っているのかわかっていないオーナー、質問しても技術的なことには答えられないオーナーも実はまあまあいる。

さて、ちょっと実験的な試飲会に参加した。
数種類のワイン(未販売のもの)があり、平地のものと丘のものがあった。
ここで、体系だてて学んだ場合、ほぼ自動的に、
丘のもの=やや上質、フルーツはやや未熟かも、酸味が強くなる
平地のもの=品質が丘のものに比べてやや劣るかも、フルーツがふくよかで、酸味がやや弱い
との考えに及ぶはずだが、説明を聞いていて、何かがおかしい、と思って聞くと、平地のものの方が酸度が高いということがわかった。(つまり収穫が早い)
醸造家の説明すら体系だったものではないのである。

こんな感じで、このところ、イタリアワインにちょっと疲れている。
イタリアワインを学びたいならそれでもいいかもしれないが、ワインを学びたい場合、イタリアでは学べるところがないということがわかったのでした。

ただし、逆に、だからこそ、イタリアワインを学びたいと思ったらイタリアに来る必要がある。日本でどこぞのコースに参加して資格を取っただけでは、イタリアワインを学んだとは言えないのである。

写真はサンペレのパヴァロッティバージョン。この日、一番満足したのはこのラベルであった。。。。

Vinitaly Chardonnay Cuvee Bois Les Cretes 6 annate

2013-04-15 22:49:41 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
Chardonnay Cuvee Bois Les Cretes
2004 2005 2006 2008 2009 2010
6 vintage


今回のVinitalyで気がついたのは、以前に比べて、州やワイン協会主催の試飲会が増えたのではないかということである。以前から試飲会ホールでの試飲会はたくさんあった。昔参加した試飲会で忘れられないほど素晴らしかったものもある。そういった比較的規模の大きなものは今でもあり、さらに、パディリオン内のブースで行うコンファレンス、試飲会に大変有意義、内容の濃いものが増えたような気がする。
規模の小さなものは、予約が要るものもあるが、直接時間と場所に行けばいいというものもありうれしい。Vinitalyのような規模になると、いろいろプログラムをたてていても、時間通りに行かないことも多いからだ。
今回は、Taasting..Express主催のサウス・オーストラリアのシラー中心の試飲会とアブルッツォのモンテプルチャーノ、そして、レ・クレテの試飲会の3つに参加してみた。


Tasting…の試飲会は結構好きだが、今回の試飲会はニュージーランドのマルボロのソーヴィニオンが何故か1種、シラーで弱発泡性のもの1種、カベルネ・ソーヴィニオン3種、他は全てシラーで、合計14種。

アブルッツォのモンテプルチャーノは合計9種。ちょっと時間がなくて途中で失礼することになってしまったのだが、ゆっくり試飲すればかなり興味深かったと思う。


そして、レ・クレテの試飲会。Cuvee Boisの6ヴィンテージ。
レ・クレテは、個人的に非常に思い出深いワイナリーのひとつである。創設者のコスタンティーノ氏が大好きで、Cuvee Boisはイタリアのシャルドネの中で最も良いものだと思っていた。いつの間にか時が流れ、コスタンティーノ氏が第一線をしりのぞき、ラベルも変わり、味も変わったような気がすると思ったが、少し前に2009年を飲む機会があって、やはり、はっきりと変わったような気がした。そこで、今回、6ヴィンテージの試飲というので、すぐに申し込んだ。

2004年から2010年まで、ただし2007年をのぞく6ヴィンテージ。
古いラベルはいつから変わったのかと思っていたが2006年から。
試飲のために2ボトルを開けていたが、うち2008年と2006年の2本がコルク臭だった。
主催者がテイスティングをしたというが、そして、ど素人が嗅いですぐにわかるというほどではないが、プロが集まる場では完全なコルク臭である。それも2本とは、ちょっとご愛嬌。主催はヴァッレ・ダオスタ州で、ワイナリーが直接ではなく、他にもいくつかの試飲会をオーガナイズしていて、かなりばたばたなのがわかる。

新しいヴィンテージからの試飲。
2010年
当然かなりフレッシュ。最初はあまり香りが出ず、心持シンプルな感じで、若干香りも味も短いような気がしたが、時間と共にかなり良くなってきたヴィンテージ。

2009年
人間の好みは本当に各人によって違うと思った。この前飲んだ2009年がどうしても納得いかず、非常に興味深かったのだが、やはり今回も悪くないが、どうしても後味が消えてしまうところが気になる。緑がやや強い。時間がたっても、良くはならず。しかし、おお、これいいね~と言っている声も聞こえる。(一応、もう1本のボトルをテイスティングしていた人であったが)

2008年
香りも良く、特に味の方にインパクトがあり、非常に好感が持てた。

2006年
フルーツがきれいで、酸味が非常に心地よい。まだ若さを感じるくらいのヴィンテージ。

2005年
かなり良いと思った。個人的によく熟している白が好きなのだが、熟成の良い感じが出ている。アニマルが奥にきれいに出ていて、馬の汗をほんのり感じるくらい。(ごめんなさい、決して悪い意味ではありません)しかし、偶然会場で出会った知り合いダヴィデ(やっぱりこの試飲は外せないよね、という感じで彼も来ていた)は2004年の方が良いと言っていた。私は微妙な差で2005年の方が気に入った。

2004年
エレガントでバランスが取れている。2005年のアニマル臭風が個人的には好きなのだが、そういった香りが好きではない人にとっては、このヴィンテージは、きれいに熟して、まだフレッシュさが残る感じで非常に良いのではないかと思う。

実は、まだ家に、かなり古い(90年代のもので正確なヴィンテージは覚えていない)のものが1本あるはずで、そのうち開けてみようと思った。

Franciacorta Sanseve' Saten -Monterossa Pasta e bollicine 2

2012-04-14 22:06:57 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
“フランチャコルタ・サンセヴェ・サテン”モンテロッサ -ロンバルディア州

フランチャコルタと言えばザネッラかベッラヴィスタというのにもそろそろ飽きてきたかというころ、モンテロッサが優雅に登場した。
まず、ラベルがきれい。(ラベルでワインを判断してはいけないのだが、ラベルはワインの顔でもある)
そして、優雅さと力強さを兼ねている。今は星の数ほどフランチャコルタのワイナリーはあるが、モンテロッサの地位は揺らがないだろうと思う。

サテンなので品種はシャルドネ100%。そして、気圧が少し抑えてあって優しく女性的。

優雅な花と優しく香る柑橘、白桃、ゴッチェ・ドーロ(プルーン)、ほのかにパイナップル、緑の香りがアクセントに、そして、クロワッサン風の香ばしいトーストの香りが奥にある。広がりと複雑性は文句なし。
味わいは、しっかり主張があり、インパクトがきれい。泡が口の中ではじけ、ナッツ、トーストのほろ苦さがとても心地よく、PAIが長い。まあきれいにまとまっていること、と感心。(90点)


Paasta e bollicine 1: Fripon (Valle'd'Aosta) e Prosecco (Carpene')

2012-04-14 21:00:45 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
ひいきにしているエノテカでの今日の試飲会はパスタとスプマンテだった。
パスタとスプマンテ?こういう企画は始めてである。
なぜパスタなのかというと、ローマに大変美味しいPastificioがあるから。
Pastificio Secondi、ローマの南東にある。
と言っても、食べたのは初めてである。
非常に美味しかった。

シンプルパスタはしっかりアルデンテで、風味があって美味しいが、ラビオリがまた素晴らしい。
ラビオリの中の詰め物がバター(風味)とアンチョビ。最高。昔懐かしい味。イタリア人が、昔はパンにバターを塗って、アンチョビを乗せて食べたものだ、と語って盛り上がっていたが、なるほど、そんな味を思い出す。シンプルが一番、という代表の味。
もうひとつ、素晴らしいラビオリはカタラーナ。中に、香草、松の実、干しレーズン、そして、チンタ・セネーゼなどなどが詰まっている。チンタは、トスカーナ、シエナ周辺、ごく一部の地域だけで飼育されている月の輪グマのようなかわいらしい豚で、このハム、サラミは大変な美味。しかし、生産量が少ないので地元を離れるとなかなか手に入らないし、また、地元でもニセモノが出回っているくらいである。
そういえば、だいぶ前だか、チンタの飼育を見に行ったことがあるのでそんなときの写真もアップしようかな。

さて、スプマンテは6種。試飲会なのに、すっかりご馳走になりました。

Fripon Extra Dry Quatremillemetres Vins d’Altitude – Valle d’Aosta
いたってシンプルなヴァッレ・ダオスタのスプマンテ。
品種はprie blanc 50%、muller thurgau50%というちょっと変わったブレンド。
高山の小さな花、柑橘系など控えめに出る感じで、強さはない。
泡がやさしく、酸味がさわやかで、ほんとうにわずかの甘さとバランスが良く取れている。
ただ、香りと味の両方に、わずか煙たい感じが奥にあるのが残念。
持続性があるわけではないが、値段がとても良心的なのと、軽くシンプル、決して邪魔をしないので、夏にきんきんに冷やして、気軽に飲む食前酒にはぴったり。(81点)

Prosecco di Conegliano Valdobbiadene SUperiore Cuvee Storica Extra Dry Carpene’ Malvolti – Veneto
おなじみカルペネのプロセッコ。しかし、上のクラスのもの。
なかなか良い。柑橘がかなりはっきり主張している。黄色の花束、レモンの花、ミネラル、白桃など。
泡もよく、活気がある。ボディも良い。ややほろ苦さがあるが、それも心地よい。PAIも悪くない。大手なので生産量も多いわけだが、良く出来ています、と言っていいかも。そして、値段がさらに良心的。カルペネを買うことは普通ないが、たまには悪くないかもと思った。(85点)




Franciacorta Brut -San Cristoforo

2012-04-04 15:44:20 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
”フランチャコルタ・ブリュット”サン・クリストーフォロ -ロンバルディア州

あまり良く知らないフランチャコルタ。
フランチャコルタの試飲会で飲んだことはあるかもしれないが、意識して飲んだのは初めて。

香りは柑橘、緑が香り、花の香り、そして、メドトクラシコにお馴染みの酵母、パンの香りは、田舎パン風。
味は、発泡が優しく口の中で弾ける感じ。酸味が心地よい。(85点)

場所が暗いのでボトルの写真がほとんど見えません。ごめんなさい。

Petite Arvine -Les Cretes 2010

2012-03-05 09:32:01 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他

“プティ・アルヴィーネ 2010”レ・クレテ -ヴァッレ・ダオスタ州

シャルドネと一緒に試飲。

品種はプティ・アルヴィーネ。地元の土着品種である。
ヴァッレ・ダオスタは独特の品種が多いが、これもそのひとつ。

香りにかなり強いミネラル、そして白いフルーツの香り、若干パッション風の香りも混じる。それから香草。全体の強さも持続性もよい。
味は、とにかく塩辛い。ワインは塩辛いの?ワインが塩辛いなんて、と思う人は、一度飲んでみるとよい。イタリアのワインは塩味の強いものが多いが、このワインはとてもよい例と言えると思う。しかし、きれいな酸味がある。塩辛い後味が酸味で消える感じ。ボディがあり、持続性もよい。
シャルドネには若干失望したが、プティ・アルヴィーネは、もともと個性が強いワインだからかも知れないが、まだ個性が残っていた。しかし、やはり、以前のなんともいえない暖かさがちょっとなくなり、洗練されているというか、逆に言うとつまらないというか・・・
初めて、このワインを飲んだとき、それはもうずっと前のことであるが、おお~塩辛い、と思ったのを懐かしく思い出す。いつもなんだか、気になるワインだった。(90点)

Chardonay 2009 e Cuve'e Bois 2009 - Les Cretes

2012-03-04 15:57:26 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
”シャルドネ 2009”
”シャルドネ・クヴェ・ボア 2009”レ・クレテ -ヴァッレ・ダオスタ州

私はアンチ・シャルドネである。
シャルドネと聞いただけで、たいていの場合、断る。
しかし、世の中にはシャルドネが好きな人が多いし、自分から進んで頼まないだけで、飲まないわけではない。
そして、自分から進んで頼むときもある。フランスのもの、非常に変わったもの、面白いもの、ヴィンテージものなど、そして、それに加えて、レ・クレテのものである。
しかし、であった、と書かなければいけない。
残念ながら、ちょっと悲しかった。

数年前、ラベルが変わり、ああ、前の方が良かったのに、と思った。
好きで良く買うワイナリーのひとつ、Traminトラミンも数年前にラベルを変え、やはり前の方が良かったのに、と思った。
ラベルを変えて良くなることはめったにない、と言い切った人がいるが、まあ、わかる気もする。

話が外れた。
今回、非常に懇意にしてくれるローマのエノテカ、Di Biagioでの簡単な試飲会で4種を試飲し、特に赤のフミンは洗練されて良くなっているといえるのだが、あの懐かしい土っぽさ、ちょっと田舎っぽい、でも暖かさのあるあの味が消えてしまっていると思った。
そして、大好きだったシャルドネが軽くなって、個性がなくなってしまっていた。
コンスタンティーノ氏のあの味が懐かしい…

まず、ノーマルなシャルドネ。
光沢のあるきれいな色。
白い花、白いフルーツ、柑橘がほんのり香り、全体に軽やか、しかし、それほど複雑ではなく、また、持続性がかなりあるわけではない。
味は、ボディは程よく、酸もあり、ほろ苦さは心持ち強いが心地よく、塩味が結構きついが、全体に以前のようなひきつけるものがあるわけではなく、印象がさらっと通り過ぎてしまう。残念。(86点)

クヴェ・ボワの方。
ドライの花、柑橘のドライ、コンフィに香草が混じり、白コショウが結構特徴的。バターがベースにあり、それほどきつくはないと思ったのもつかの間。
味は、完全に樽である。もちろん、柑橘、かなり強いミネラルも感じるが、樽である。酸味と、かなりきつい塩味も樽に隠れてしまう。持続性があるのだが、どうしても樽が残る。
香りの方の複雑性と持続性は決して悪くなく、以前のわくわくする感じはないけれど、と思ったのだが…
代が変わるとこうなってしまう、というひとつの例でした。
昔は、イタリアでも最も素晴らしいシャルドネ、と言われた時代もあったのに。
そして、個人的に最も好きなイタリアのシャルドネだったのに。
確かに昔も樽は強かったが、なんだかあふれる個性があった。
ああ、やっぱり、コスタンティーノ氏の味が懐かしい…(88点)



Pinot Grigio Le Plantse - Didier Gerbelle 2009

2012-02-06 23:03:23 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
”ピノ・グリ・レ・プランツ“ ディディエ・ジェルベル 2009-ヴァッレ・ダオスタ州

銀座コリドー街すぐ近くの大野さんのお店、銀座タッポへお邪魔させていただいた。
Twitterでお知り合いになり、初めてお目にかかった。
小さな、かわいらしい、きれいに整ったお店で、キッチンがよく見え、話をしながら飲めるのがとてもうれしい。
食事も美味で、新鮮な魚、面白い食材、そして、パスタは思わずうなりたくなるアルデンテ。うーん、日本でこのアルデンテは懐かしくてうれしい。

さて、ワインその1は白とする。
個人的に泡ものは好きだが、だから、泡ものを飲むときはそれで食事をしてしまうことが多い。だから、泡もので食事をしないときは、ダイレクトに白、または赤に行く方が好きである。
ヴァッレ・ダオスタのピノ・グリ。
ヴァッレ・ダオスタは、実は唯一イタリアの州の中で行ったことがない州なのだが(ローマからは遠すぎ~)、ワインには思い出深いものがある。
そして、今はヴァッレ・ダオスタにも新しいワイナリー、新しいワインが生まれているが、その昔の主なワインは全部飲んだ。
ヴァッレ・ダオスタのワイン界の第一人者M. R氏には、以前、ヴァッレ・ダオスタのワインをこんなに飲んだ日本人は他にいない、と言われたことがある。

品種はピノ・グリ。赤ブドウである。
ピノ・グリは、色がついているもののみ興味がある。色のついていないピノ・グリには一般的にあまり興味がない。造るならちゃんとマセラシオンをしてよね、と言いたい。でないと、ピノ・グリがかわいそう・・・
色は濃い目、黄金色。ピノ・グリはこうでなくちゃ。(個人的には、玉ねぎ色のピノ・グリが好きであるが・・)・
香りはよく熟したフルーツとミネラルが混じり、そこに白コショウと香草が加わり、きりっとした感じを出す。
ボディがあり、程よい酸味、持続性も良く、実に心地よい。
いいね~!うれしい1本でした。(88点)



Valtellina Superiore Quadrio - Nino Negri 2004

2012-01-21 23:07:13 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
”ヴァルテッリーナ・スーペリオーレ・クアドリオ”ニーノ・ネグリ -ロンバルディア州

イタリアで一番南のシチリアで、イタリアで一番北のヴァルテッリーナのワインを飲むことにした。
シチリアのピアッツァ・アルメリーナ、チェントロ・ストリコにあるかわいいレストランで、ワインリストにあったので頼んだのだが、どうも隣の酒屋に買いに行った感じだった。
(隣には、別経営なのだろうと思うが、なかなか良さそうな酒屋があった)
シチリアでシチリアワイン以外を頼む人は少ないのであろう。
しかし、シチリアワインばかりだと飽きてくる。そんな時に、北のワインはとても新鮮に感じる。
ネグリのワインは、その昔、"5 stelle"に感動したものであるが、なんとなく(GIVになってから)飲まなくなった。
しかし、偶然だが、このところ立て続けに、これが2本目である。

北らしい、やや透明感のあるガーネット色。2004年であるが、明るめの色合い。淵は心持ち透明感が強い。
強すぎず、主張しすぎず、エレガントで、小さな森の木の実に鉄分っぽい香り(ferro)が混じり、緑とスパイスが控えめに出る。
酸味がきれいで、フルーツが心地良く、持続性はまずまず。タンニンが細く、後味がきれい。(86点)









”フランチャコルタ・カボション 2004” モンテ・ロッサ

2009-05-05 06:15:51 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
“Franciacorta Cabochon 2004” Monte Rossa -Lombardia(点数9)
今現在人気のあるカボション。人気が出てもうだいぶたつが、風格も身についてきたような気がする。
スプマンテなのに、白なのに、スミレ風の花の香りがする。そして、パンの香り、酸がきれいに上がってくる。
味も酸がきれいで、エレガント。後味の酸味がさらにきれい。

少し前に2001年を飲んだ。
少し疲れはじめという感じが出ていたので、それと比べると、2004年は今飲み頃!だと思う。

品種はシャルドネ70%、ピノ・ネーロ30%。
値段と品質のバランスが非常によく(どこかのワイナリーのように法外な値段ではない)、個人的に、ベースのものを時々購入する。

”フランチャコルタ・サテン 2004” フェルゲッティーナ

2009-05-04 06:10:10 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
“Franciacorta Saten 2004” Ferghettina -Lombardia(点数8.5)
フェルゲッティーナはフランチャコルタのワイナリーの中堅どころと言えるかもしれないが、かなり質の良いものを造っている。
フランチャコルタがずらっと並んだ試飲会で、私もはっとさせられたが、かなりの人が、いいね~と、同意見だった。
ブラインドで飲めばかなり上位にランクされると思う。

とにかくきれい。ここまできれいだととても気持ちが良い。そして、柑橘がいい感じで出ていて、パンの香りが隠れている。つまり、奥にパンの香り、その上に流れるような柑橘の香りがとても良いハーモニーをなしていて、心地良い。
味の方も負けずに心地よい。ボディがしっかりあり、マーマレード風の甘さが後味にきれいに残る。
なお、サテンはフランチャコルタがつけたファンタジー名だが、シャルドネ100%で造ったものを指す。

”フランチャコルタ・グラン・クヴェ 2004” ベッラヴィスタ

2009-05-02 02:42:37 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
“Franciacorta Gran Cuvee 2004” Bellavista –Lombardia(点数8.5)
ご存じ、フランチャコルタを代表するワイナリーの一つ。
首が細く伸び、エレガントで特徴的なボトルで有名、印象的。
かなり有名、つまりイタリア人ならたいてい知っているほど有名なのであるが、品質は安定し、決して安くはないのでが、コストパフォーマンスが悪くないと思う。
つまり、人の家にお邪魔するときなど、ワインのことを知らなくて、どれを買ってよいかわからないような時、ベッラヴィスタを選ぶのは悪くない。
特に、ワインにあまり詳しくない人の場合、なんか見たことのある結構いいスプマンテを持ってきてくれた、と株が上がるかも??

なお、ベッラヴィスタはトスカーナのスヴェレートに、ペトラという超モダンなワイナリーを建設している。

色はわりと濃い目。香りは強くしっかりと、甘い甘いブリオシュ、トーストの香りがある。深みもあって良い。イタリア語でいう、ベッラフィグーラである。
しかし、泡は割とすぐに消えてしまう。(フランチャコルタは良いものでは泡が続かないものが多い。。)酸がとてもきれいで、味の強さ、持続性も良く、ボディがあり、エレガント。
感動があるわけではないが、信頼できるはずれのないフランチャコルタと言える。

品種は、シャルドネ72%、ピノ・ネーロ28%。


”フランチャコルタ・アンナマリア・クレメンティ 2001” カ・デル・ボスコ

2009-05-01 22:13:57 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
“Franciacorta Annamaria Clementi 2001” Ca’ del Bosco –Lombardia(点数8)
かの有名なアンナマリア・クレメンティ様に7をつけたら、怒られてしまうだろう。
だから、オマケで8。
(イタリア・ソムリエ協会では、輝くように5グラッポリがついている)
フランチャコルタ、というより、イタリアのスプマンテ全体で、ベルッキかフェラーリか、せいぜいベッラヴィスタ?という時代に、ザネッラ氏のカ・デル・ボスコは、それは話題になった。ベースも、門出のリキュールを足していないドザッジョ・ゼロも、全てが話題になり、知らないとか、まだ飲んでいないとなると、遅れてる~、という時代があった。
ベースのフランチャコルタは、コストパフォーマンスが良く、いろいろな機会にずいぶん飲んだものだ。
そのカ・デル・ボスコの看板ワイン(正確にはスプマンテ)がアンナアリア・クレメンティである。
値段も高かった(今でも高い)が、後光が差している感を受けたのは私だけではないと思う。

色は、当然かなり濃い目。アンナマリア・クレマンティ様はこうでなくっちゃ。
香りは甘さとほろ苦さが出ている。ほろ苦さはトーストというのではなく、もう少し苦味がある感じ。ブリオシュ、柑橘系の香りがあり、ほろ苦さと一緒になってオレンジマーマレードを思わせる。広がりは悪くない。
味は、酸味はあるが、苦味もある。うーん。。。ちょっと苦味が残り過ぎのような。
過去の栄光、と言ってはファンに怒られてしまうが、過去にならず、イタリア女性の平均寿命も延びていることだし、まだまだがんばって欲しいものである。
しかし、8年以上たってこの味なので、文句は言えないかもしれない。
ただ、個人的には、ここまで待たずにリリースして良いのではないかと思うのだが。
品種は、シャルドネ55%、ピノ・ビアンコ25%、ピノ・ネーロ20%。

”オルトレポ・パヴェーゼ・ロゼ・ディ・ノワール” モントゥ・ベッカリア

2009-03-31 00:00:38 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
“Oltrepo Pavese Rose’ di Noir” Montu’ Beccaria –Lombardia(点数7+)
オルトレポ・パヴェーゼは、ローマのフラスカーティのようだと言われることがある。
フラスカーティというと白で、品種もトレッビアーノ、マルヴァジアがほとんどで、似通ったタイプが多いのとは対照的、つまり、多くの品種を使い、白、赤、スプマンテなどなど実に様々なタイプを造るのだが、大都会のすぐ近くに控え、都会の消費を担っているという意味ではよく似ていると思う。
あまり高級ワインではない、ということも共通である。つまり、ちょっとした食事にちょっと合わせるのに都合のよい、ほどほどの値段のワイン。
しかし、それにしても、オルトレポ・パヴェーゼの場合は、本当に多様であるが。

最近、ロンバルディアは頑張っている。
ミラノがあるので、経済力、政治力もあるわけだが、あれよあれよという間に、DOCGが5つになってしまった。
そのうちの一つがオルトルポ・パヴェーゼのスプマンテ・メトド・クラシコである。

さて、全く聞いたこともないワイナリーだったが、なかなか良いロゼだった。
名前からして、ピノ・ネーロで造っている。
明るい玉ねぎ色が少し薄い感じの色合い。自然な感じで、ピンクピンクしていない。
香りが非常に心地よく、イチゴ、レッドベリー、そしてそれらの飴などで、デリケートだが、漂うような香りである。パンの香りもないわけでないが、完全にフルーティーな香りに隠れてしまっている。
味は、思うよりボディがありしっかりしている。香りでは、食事の前のつまみに良いかと思ったが、これだけしっかりしていたら、食事にもしっかりいけそう。
糖分ではない甘さをほんのり感じ、フルーツの香りが最後まできれいに残る。

ロゼ・シャンペンよりぐっと手軽、気軽に飲めて嬉しい。