在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”ルガーナ・イ・フラーティ 2006” カ・デイ・フラーティ

2007-07-03 23:26:47 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
 "Lugana I Frati 2006" Ca' dei Frati -Lombardia
この前1996年を飲んで感心したルガーナの最新リリース版。2006年と1996年だからちょうど10年の差となる。8,50ユーロという驚きの値段。そりゃあ、イタリアでは1ユーロでもワインは手に入るが、ちょっと良い物をと思うと10ユーロは覚悟という物価高になってしまったので、この値段は嬉しい。ここのワイナリーは、ぼてっ、ぽちゃっとしたボトルを全てのワインに使用している。品種はルガーナ100%。ワイナリーでは地元名トゥルビアーナで呼んでいる。
かなり透明感のある、紙の白bianco cartaに近い麦わら色。色が薄いして、つやはとても良い。若さの証拠炭酸ガスがグラスに付く。これが10年で黄金色に近くなるわけだ。
香りは、一見シンプルで、ミネラル臭が強い。柑橘、白桃、花の香りがきれいだが、しばらくすると、特にミネラル臭に深みがあるのに気づく。これが、10年で、アプリコットや、ナッツ、レッドベリー風の香りになるわけね。。。と一人で思う。
味は、アタックが柔らかい、しかし、もちろん若いし、酸味がある。いや、塩味がかなり強いと言える。最後は、ほろ苦さが残る。長さは1996年の方が断然長いような気がする。
もちろん、ヴィンテージが違えば同じ10年たっても全然違うワインになるわけで、そうなると比べようがない。しかし、やはり共通点は多くあり、若い少女が大人になってどんなになるかを垣間見れたような気がする。(または、少年→青年、だろうか。。)

”ルガーナ・イ・フラーティ 1996” カ・デイ・フラーティ

2007-06-21 15:56:15 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
"Lugana I Frati 1996" Ca' dei Frati -Lombardia
ガルダ湖周辺の大量生産ワイナリー。白がほとんどで、値段お手頃。ルガーナ、つまりトレッビアーノ・ディ・ルガーナ(品種)でスプマンテを含むいくつかのワインを造っている。その中でも、これは安いランクに入り、イタリアでは8ユーロ程度。だから、incredibile(びっくり)!!
トレッビアーノ・ディ・ルガーナはトレッビアーノの中では最も良いとは言え、たかが(ちょっと失礼だが。。)トレッビアーノ。それが、10年以上たっても、resistere(耐える)なんて。。
色は、黄金色に近い。10年以上を経ているのでもちろんこの色。つやがそれはきれいで輝きがある。
香りは、甘い。よく熟したフルーツ、アプリコット、柑橘系、ナッツの香りもあるが、甘い感じ。木苺、レッドベリーなどの赤い木の実の香りも感じられるのは珍しい。他に蜂蜜、香草、白コショウなどが僅かにある。香りの変化はそれほど大きくはないが、止まっているわけではない。ひたすらきれい。
味は、口に含んだ時、同じくきれいな印象。酸がある。同時に、甘さがふくよかな感じになり、味の強さも程よくある。木、ナッツなどが後味に残り、塩味もある。後味がやや細いが、長くきれい。
とにかく、全体に甘くきれいな印象。10年以上経ているとはちょっと思えない感じがある。たまたまこのボトルだったからとは思いたくない。安いワインでもこれだけもつものがあるという好例のひとつ。

”オルトレポ・パヴェーゼ ・モンテブォーノ 1991” リーノ・マガ

2007-05-31 06:56:47 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
"Oltrepo' Pavese Montebuono 1991" Lino Maga -Lombardia
オルトレポ・パヴェーゼだからと言って甘く見てはいけない。品種はボナルダ。
1991年ヴィンテージという貴重な機会。
細かい粒で濁りが見える。また、グラスの底には澱が溜まる。「爪」は完全にガーネットだが、全体に明るいニュアンス、透明感のあるルビー色がきれいに残る。
香りはシンプルなのか、複雑なのか、一瞬わからない。酸、除光液などの揮発性物質volatileの香りが上がってくる。レッドベリー、レッドカランとなどの小さなベリー系の香り。ドライのスミレ、バラらしき香りも一瞬過ぎる。と思うと、赤コショウなどのスパイス、アニマル臭、土、芝、木、茎などつかみ所のない香りも出てくる。くさくもある。もちろんミネラル臭はたっぷり。
味は、一瞬タンニンかと思うが、タンニンではなく、酸のよう。酸がしっかり。ボディは中程度、後味は細く比較的長い。イナゴマメcarruba、栗粉のケーキcastagnaccioなど。
アルコール発酵後、瓶詰めし(つまりタンク熟成も樽熟成もなし)マロラティック発酵はボトル内で。
驚異的な「農民のワインvino da contadino」。(と言ったら、失礼だけど。。)当然、ビオ。