在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Ebner Gruner Veltliner 2015 e Gewurztraminer 2015 エブネル 2種

2016-06-19 14:08:19 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Ebner: エブネル
Gruner Veltliner 2015 グルネル・ヴェルトリーネル2015
Gewurtztraminer 2015 ゲヴルツトラミーネル2015



まだローマではマルコのところ(Il Vinaietto)しか入っていない。
マルコと協力してワインを仕入れているパオロが、少し前に「発掘」したもの。

マルコもパオロも、そして私もだが、アルト・アディジェのワインはかなり好きである。
いろいろな品種があり、その時の気分で選べるし、重たさがなく、エレガントで、特にマルコのところのように、食べ物がない場所でアペリティフ的に飲むにはちょうどいい。
(たまには「真夜中のアペリティフ」になるが。。。)

さて、その、オーダーしていたエブネルのワインがようやく届いた、というのでマルコに飲んでみて、と言われ飲んだ。



Gruner Veltliner 2015
たいてい、何も言わずにワインを出してくるマルコ。
瓶の形状からして、すぐにアルト・アディジェとわかるが、品種は??
グルネル・ヴェルトリーネル(日本ではたぶん、グルナー・ヴェルトリーナーと発音する?)だった。オーストリアに多いという品種。
ここで、オーダーしてたのが届いたんだよね〜、とマルコ。

最初に一瞬、白い花、すぐに、かなり熟したフルーツの香り、随分たって、柑橘系、緑の香りがほのか〜に感じられる。香りはかなり強く、しかし、程よい複雑性はあり、印象が強い。珍しく、アルト・アディジェにしては、重ためのワイン。。。。という印象。
味の方も強さがあり、存在感たっぷり、酸はあるが、柔らかさの方が先に立ち、ボディしっかり、余韻も太く長く、パイナップルの甘い香りが残る。アルト・アディジェの物にしては珍しく肉厚系〜という感じのワイン。
これだけを飲むのもいいが、食べ物が欲しい。。。。++++



Gewurztraminer 2015
ゲヴルツもあるというので、ついでなので飲んでみた。
バラの花とライチがゲブルツの見本のよう。これまた存在感あり。どーんとしていて、若干重たすぎ。
味も負けない。同じく存在感たっぷり、酸味がまろやかさに隠れ、ゲヴルツにあるほろ苦さまで隠して、余韻が太く長い。これもかなりの肉厚系。
珍しく、飲んでいて若干飽きがきたのだが、それは食べ物がないこともあったと思う。ただ、非常に良くできているし、ぐっと冷やして食べ物と一緒なら、そして、この手の存在感のあるタイプが好きなら、絶対に気にいると思う。+++(+)

ワインだけでも、飲んでいるとあまりお腹が空かないので、マルコのところ長くいてお腹すくということはあまりないのだが、今回は珍しく、飲んでいてすご〜くお腹が空いたのであった。









Sauvignon 2015 Castel Sallegg

2016-06-04 18:34:54 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ

Sauvignon 2015 Castel Sallegg



いつものワインバーに2夜連続で行くことになった。
(3夜連続になりそうな雰囲気も。。。。)

さて、ちょっと立ち寄っただけなので、挨拶だけして失礼しようかと思ったのだが、ミュラーとピノ・ビアンコとソーヴィニオンとどれがいい?と経営者のマルコに聞かれた。
これから約束があるから立ち寄っただけよ~と言ったら、飲んでいかないのか???という雰囲気になった。
降参して、えーっと、ミュラーとピノ・ビアンコとソーヴィニオンかぁ。。。

マルコは、私が、北イタリアのワインしかほぼ飲まないことを知っているので、選択肢は全部北のもの。
昨日はピノ・ビアンコだったので、ミュラーでもいいが、ソーヴィニオンらしいソーヴィニオンならソーヴィニオンにする、と言ったら、にっこりして出してくれたのがこれ。

マルコは、実はソーヴィニオンがあまり好きではない。(ということは知っている)
そのマルコが珍しくいったいどんなソーヴィニオンを出してくるのか、に興味もあった。

ソーヴィニオンは、自然派のものだと残念ながら、ソーヴィニオンらしさが薄れてしまっているものが多い。
樽を使ったものは、例外を除いて好きではない。
個人的に好きなのは、ソーヴィニオンらしい酸味、爽やかさのある、柑橘、猫のおしっこ風の香りのあるタイプ。

Sauvignon 2015 Castel Sallegg
柑橘のヴァリエーションが綺麗に出ている。猫のおしっこ風の香りもあり、個人的に好み。イタリアのものなので、フランスのものよりかなりしっかりした香りと味わい。
酸が綺麗に出ていて、ボディも上々、余韻もよく、満足。++++

なるほど、珍しくマルコの気に入ったソーヴィオン。
グラス半分のはずが、フルに1杯になり、友人たちとの約束にはかなり遅れて到着。
まあ、イタリアは、みんなこんな感じなので、全く問題ないのが幸い。。。。


Weissbrugunder Mediaevum 2014 Markus Prackwieser

2016-06-03 13:57:18 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Weissbrugunder Mediaevum 2014 Markus Prackwieser



ワインは本当にしょっちゅう飲んでいるのだが、必ず写真を撮ったりメモを取ったりするわけではない。
日本人の友人は写真に撮る人が多いので、私も遠慮せず一緒に撮るが、イタリア人の友人の多くは食べ物や飲み物を写真に撮る人が少なく、何かちょっと変わった、または何かの記念の食事以外、雰囲気を壊したくないので、写真は撮らない。
そこで、久々というわけではないが、いつものワインバーで撮った1枚。

マルコとジャンカルロが経営するこのワインバーは、ローマでは老舗。かなり古くからある。
ローマで一番ブルット(カッコ悪い、というような意味)だが、一番シンパティコ(感じが良い)ところだと思う。
贔屓にしているところをカッコ悪い、というのもナンだが、つまり、今時のモダン、おしゃれ、センスの良いワインバーではなく、本当に古くからあるそのままの雰囲気を保っている。
最近、テーブルと椅子を幾つか設置して(古いものをマルコが新しく直した)少しは座れるようになったが、基本、ほとんどの人が立ち飲み。
それも、道路で立ち飲み、というところである。
道路は私道ではなく公道。だから、たまに車も通る。

他のワインバーでも、結構人が外に出て、談笑しながら飲んでいるが、ここほど、その数が多いところはないと思う。
もちろん、屋根があるわけではないので、雨の時はみんな中に入るか、別の場所に行くかするので、人の数は多かったり少なかったり。

そして、このワインバーのもう一つの特徴は、食べ物が基本ないことである。
あるのは、ゆで卵(もちろん手作り)、タラッリ(プーリア州のクラッカー的存在)、ピーナッツ、ポテトチップスのみ。
だから、持ち込みOK。

はす向かいには、近くの有名レストラン、ロッショーリRoscioliの姉妹店のピッツェリア、エンマEmmaがあるので、テイクアウトして持ち込むことも可能。
という、本当に今時珍しい、愉快なところなのである。

ワインはイタリア中のものがあり、他では見れないラベルもかなりある。

私たちのお気に入りはアルトアディジェのワインで、安くて美味しいので結構いろいろ飲む。

さて、アルトアディジェは、ドイツ語圏なので、ラベルがドイツ語。
表のラベルだけ見ると、読めない。
ヴァイスヴルグンダー、つまりはピノ・ピアンコ。



Weissburgunder (Pinot Bianco) Mediaevum 2014 Markus Prackwieser

ピノ・ビアンコの白い花の香りが鼻につかない、もう少し辛口タイプ。
可憐な白い花が好きなら他がいいかもしれないが、あの甘さがダメ、という人には向くタイプ。
香りも強すぎず、柑橘系の香りがほのかに立ち上る。
味も、余韻がすごく長いというわけではないが、細く続き、酸味も程よい。
軽めの食事でも良いのだが、ここでのように、アペリティフ代わりにワインだけ飲むにはこのくらいがちょうど良い。+++(+)



5 Gewurztraminer Terlano Tramin Novacella ecc. ゲヴルツトラミーネル5種 テルラーノ、トラミン など

2016-04-28 10:25:20 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
5 Gewurztraminer ゲヴルツトラミーネル5種

Hofstatter 2014
San Michele Appiano 2015
Cantina Terlano 2014
Abbazia di Novella 2015
Cantina Tramin 2015



このところ映画の話題が多いが、ワインに関してはノートが溜まっている。。。

さて、今回のご贔屓のエノテカDi Biagioでの無料試飲会のテーマはゲヴルツ。
昔はよく飲んだ品種だが、最近はあまり飲まない。
志向は変化するのである。

ゲヴルツというと、バラの花とライチ。

昔は、これが心地良かったのだが、今はどちらかというと鼻に付くようになった。
昔好きだったドルチェットも、今は、例外を除いて、結構です、と言うくらいだし、かなり昔だが嫌いだったバルベーラは大好きだし。
アマローネも好きだったが今は重たすぎるし(年~)、バローロよりブルネッロだったのが、断然バローロだし。

さて、というわけで、たまには飲まないわけではないが、最近ご無沙汰のゲヴルツ5種が今週のワイン。

Hofstatter 2014
1年経ってる、と思った。2014年だが太さがある。ホフスタッテルは、もともとしっかりしたインパクトのあるタイプのワインを造るが、これも、1年経っていることもあり、フレッシュ、さわやか、繊細とは反対。バラもライチもよく熟し、ほろ苦さが余韻に残るが、心地よく、余韻は比較的長い。+++

San Michele Appiano 2015
がらっと変わって15年で、フレッシュ~。やや細身、エレガントな雰囲気でもある。しかし、15年ヴィンテージにしてはやや物足りさを感じる。全体にフレッシュで、柑橘が綺麗に出ている感じで香りはかなり良い。ところが、苦味が結構きつく、それはそれでゲヴルツらしいのだが、その後の余韻がふっと消えてしまうのが残念。++

Cantina Terlano 2014
最初は閉じている。だんだんと香りが出てくるが、出てくると香りがかなりきれい。テルラーノで香りのきれいでないワインはないが。。。ほろ苦さがふっと消えた後、ほわっと甘さが出て、続く。ただ、全体に細い感じ。+++

Abbazia di Novella 2015
クラシックに、バラとライチ。柑橘もあるが、とにかくバラとライチ。とてもきれいなゲヴルツの見本のよう。華やかさが程よく、強すぎず、気取りすぎず、全体がとても綺麗にまとまっている。程よい存在感。余韻が長く、ゲヴルツらしい、しかし上品なほろ苦さのあるフィニッシュが非常に心地よい。++++

Cantina Tramin 2015
香りは非常にきれい。インパクトが強い。しかし、これが好きかと言うと、きっと昔は好きだっただろう。。。という印象。ボディがあり、ゲヴルツではなくアルコールの苦さが出ている感じ。ドシンとした、インパクトのあるワインが好きならうってつけ。アルコール度もアルト・アディジェのワインだが14、5%。個人的には、アルコール度を抑えてその分酸味が欲しい。。。+++


今回のイチオシワイン

ゲヴュルツトラミネール アバツィア ディ ノヴァチェッラ 2014 白 750ml
アバツィア ディ ノヴァチェッラ(TUSCANY)
アバツィア ディ ノヴァチェッラ



アルトアディジェの再優良ワイナリーのひとつ


ゲヴュルツトラミネール テルラーノ 2014 白 750ml
テルラーノ(TUSCANY)
テルラーノ



5本目のしっかりしたワイン

アルト アディジェ ゲヴュルツトラミネール ケラーライ トラミン 2015 白 750ml
ケラーライ トラミン(TUSCANY)
ケラーライ トラミン

Terlaner 2014 Terlano テルラーネル 2014 テルラーノ

2016-04-03 23:24:50 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Terlaner 2014 Terlano
テルラーネル 2014 テルラーノ



ややこしいのだが、テルラーノのテルラーネル。ただし、アルト・アディジェのワインなのでドイツ語表記が先。
そこで、私たちはテルラーノとイタリア風に呼ぶが、ドイツ語だとテルランとなる。
でも、地元では、普通テルランと呼んでいるのではないかと思う。



今は単一品種の方が人気があると思うが、イタリアは伝統的にはかなり品種をブレンドしている。
バローロとバルバレスコ、ブルネッロは違うが、キャンティもそうだし、北ピエモンテも、フリウリも、シチリアも。。。
そこで、アルト・アディジェでも伝統的なタイプとなるとブレンドもの。
割合はそれぞれだが、3種類、4種類と混ぜているのが普通。

これは3つの品種、ピノ・ビアンコ、シャルドネ、ソーヴィニオンのブレンドである。

テルラーノは個人的に好きなワイナリーなので、あれば結構選ぶが、幸いリストに見についたので、数種類あった中から、久々にブレンドものを選ぶ。

2014年だからか、全体に細く、デリケート。
若干、ソーヴィニオンが優っているのではないかという気がするが(割合のことではなく)、爽やかな緑が漂う中に、白い花、柑橘が綺麗に出ている。
味もインパクトはやや弱い感じ、酸がきつくはなく、爽やかな感じが心地よく、余韻はまずまずの長さ。+++


ピノ グリージョ ケラーライ トラミン 2014 白 750ml
ケラーライ トラミン(TUSCANY)
ケラーライ トラミン



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三国ワイン

Glimmer 2013 Castel Juval グリンメール 2013 カステル・ユヴァル

2016-03-31 14:45:15 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Glimmer 2013 Castel Juval
グリンメール 2013 カステル・ユヴァル



いつものワインバー。
行ったらちょうど、なんだかちょっと面倒くさい人がカウンターにいた。

最初勧めてくれたシャルドネはグラッソで(まろやかと言いたのだろう)良かったけど、その後食べたスプリ(ライス団子をフライにしたようなもの)には合わなくなって、その後の白がすっきり酸味があったからうまく油を流してくれて良かったけど、で、次は何がいい?
赤がいいのか白がいいのか。。。? 赤でもいいけど、タンニンがきついのは好みでないよ。。。

こういうリクエストに対応するマルコ。
みんながみんなこうではなくて、いつもの、とか、フラスカーティ、とか、フランチャコルタ、とか単純明解な人も多いから対応できるんだろうなぁ。

私とマルコで、白が続いたから赤にする?
でも、タンニンがきついのは好きじゃないって言ってる。
ちょっと古いの、どう? 2012年あたり。だいぶまろやかになってるんじゃない?(注:ここはすごく高級なワインが多いわけではないので、2012年くらいの赤で割とまろやかになっているものも多い)

ちょっと酸味ある白でもいいよ~ とは面倒くさい人。

白がいいみたいよ。
じゃあ、アルト・アディジェ?
でも(スプリは食べ終わったから)もう少しまろやかなのがいいかも。
2013年のとか。。。(注:ここは、なんとなく残っている少し古い白が結構ある)
フリウリがいいかも。

で、がさがさと、巨大なワインクーラーの中から適当なものを探すマルコ。
出してきたのがコレ。
フリウリ、テキトウなのない~と言って、アルト・アディジェになった。

美味しい! とは、面倒くさい人。
一件落着。



ここは、なんとなく出しているその日のワイン以外でも、好きなワインがあればグラスでも頼める。
金額はテキトウに換算。(一応基準はある)
そこで、せっかく開けたボトルを私も飲むことにする。

アルト・アディジェのワインのラベルはドイツ語が先。
ヴィンテージ記載はないが、ロットから2013年。

香りは強く、華やか。甘すぎず、これくらいがちょうどいい。よく熟したフルーツの香りとジネストラなど、黄色の花の花束。
味のインパクトもしっかりしていて、酸味はやや物足りないが、まろやかな感じ。ミネラルがあり、ボディもよく、やや塩辛い感じとほろ苦さがあるのだが、まろやかさに隠れる。余韻はそれほど長くはなく、シンプルだが、何度飲んでもあきがこないワイン。
そして、今頃飲むには、2013年くらいがちょうどいい。+++(+)

品種はFraueler, Müllerのブレンド。


サン・ミケーレ・アッピアーノ サンクト・ヴァレンティン アルト・アディジェ・シャルドネ 750ml
San Michele Appiano(サンミケーレアッピアーノ)
モンテ物産


Foradori 4 teroldego フォラドーリ 4種

2015-02-10 20:03:20 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Foradori 2013
Sgarzon 2012
Morei 2012
Granato 2011
Frodatori フォラドーリ



フォラドーリのワインの夕食にお誘いいただいた。
フォラドーリは白ワインも造っているが、テロルデゴ4種に的を絞って、4種の飲み比べ、そして、それに合わせたメニューの夕食という趣向である。
テロルデゴに的を絞った趣向はかなり良い。この手の食事会は、最初は白、そして赤、という風に、ワイナリーの展望を紹介するケースが多く、もちろんそれも悪くはないのだが、それでは、ワインも美味しい、食事も美味しい、で終わってしまう。
もちろんワインも食事もただ美味しければ良いのかもしれないが、それではもったいない。
せっかくなら、やはり何かを比較したいものである。
ちょうど良い具合にフォラドーリはテロルデゴを4種造っている。というか、赤はテロルデゴのみである。そこで、白はおいておいて、赤4種の試飲。

企画はカンポ・ディ・フィオリのすぐ近くにあるL’Angolo Divinoのマッシモ、30人弱の参加である。
L’Angolo Divinoはカンポの広場からすぐ近く、広場はある意味どうしようもない、客引きを頻繁にやっているレストランやカフェの多いところだが、ちょっと離れるとなかなか良いところがいくつかある。そのうちの一つ、超真面目なマッシモ氏の経営、広場からわずか1分、良いロケーションである。
店内は木をふんだんに使い、おしゃれ。この場合のおしゃれは、モダンという意味ではなく、ワイン好きにとってのおしゃれという意味。有名ワインの本物の木箱をテーブルや店内の装飾にふんだんに使い、ワイン好きにとってはたまらない。
自然派ワインを多く取り揃えているが、有名どころワインも欠かしていない。
ワインを買うだけでも、ちょっと一杯飲むだけでも、そして、軽く食事もできて便利な場所である。

フォラドーリは北イタリア、トレンティーノの、超有名、大御所ワイナリーの一つである。
そして、正真正銘ビオディナミ、15年前からということで、イタリアではかなり古い。念のため、ビオロジックではない。
自然派ワイン、それもビオディナミのワインというと、臭いワインが多いが、フォラドーリのワインは全く臭くない。つまり、自然派ワインだから臭いとか、自然派ワインは臭い、などの認識は正しくないことがわかる。
そして、一部のワインにアンフォラを使用している。



造っているワインは白2種、トレンティーノのクラシックな品種、ノズィオーラと、マンゾーニを使ったもの。
赤は4種、全てテロルデゴで、オーナー女史エリザベッタのテロルデゴへの愛着がうかがえる。単一品種とはいえ、そのクローンは現在は15種ほどになるとのこと。



Foradori (2013?) +++
昔、それはしょっちゅう飲んだワイン。あのころはワイン評価本がそんなにたくさんあったわけではなく、みんなガンベロを見ていた。ガンベロが出していた、トレ・ビッキエーリとは別に、品質と値段のバランスの良いワイン(qualita’ - prezzo)を挙げた雑誌を出していたが、その常連だったワイン。安くて抜群に美味しかった。
今も美味しいのだが、残念な事にあまり値段は安くはなくなってしまった。
色が明るく、濃いめで輝きがあり、とても魅力的な色。よく熟したフルーツがふくよかで、甘いスパイス、辛めのスパイスがほんのり混じり、とても心地よい。味のインパクトはやわらかく、まろやかさと酸味のバランスがよく、まとまりがある。


Sgarzon 2012 +++(+)
アンフォラ使用。アンフォラで6ヶ月の熟成。写真を見ると、アンフォラはグラヴネルのように埋めてあるのではなく、カンティーナに置いてある。現在120のアンフォラがあるそう。
香りも味もやや酸味が立つ。酸味のあるさくらんぼ、次の Moreiと比べて、血の香りがやや少ない。味も酸味が勝り、余韻にも残り、透明感があるのだが、ふくよかさに欠け、やや細身の印象。
Morei 2012 ++++
同じく、アンフォラ6ヶ月。畑が違う以外、Sgarzonと同じように造っているとのこと。この比較が面白い。どちらも標高250m、若干向きは違うというが、 Sgarzonは粘土に砂が混じる。片やMoreiは粘土に石が混じる。あとは造り方は同じでこの違い。非常に面白い。
血の香りが非常に強く、より複雑でふくよか、フルーツの香り。よりバランスが取れている。味のインパクトがよく、余韻に、酸味とともにほろ甘い感じが残る。




Granato 2011 +++++
3つの畑を混ぜたもの。色が再び若く、明るくなり、綺麗なルビー色。熟したフルーツに、ややアルコール漬けのものも混じる。より複雑で、奥にわずかグルーンの香りが全体を引き締めている。タンニンがまろやかで、甘いくらいのフルーツの余韻がとても心地よい。まだ若く、あと5年以上たって飲みたい。






Ferrari 5 spumanti @Di Biagio フェラーリ 5種

2014-11-16 09:06:47 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Maximum 
Perle 2007
Perle rose 2007
Riserva del fondatore 2002
Maximum demi-sec


うちの近所というわけではないが、車で5分程度のところにあるエノテカDi Biagio、オーナーのアウグスト氏の人柄の良さでとてもひいきにしている。
夏や、クリスマス前などの忙しい時期を除いて、土曜日の午後、無料で立ち飲みの試飲会を催している。もう何年も、そして、結構良いワインまで気前よく開けてしまう。
テーマは一つのワイナリーだったり、品種だったりいろいろで、面白いので、予定の空いている土曜日はできるだけ行くようにしている。
このところ、ローマ外の仕事が多く、なかなか行けず、久々に顔を出してみた。
今週のテーマはFerrari。
まず、ワイナリーのFerrariと車のFerrariは関係がない。要はオーナーの名前で、たまたま同じ名字であるということだが、F1のFerrariにあやかって、かなり得しているとは思う。
そして、幸い品質も伴っていると思う。

個人的にFerrariは好きである。へたなシャンペンより良いし、へたなフランチャコルタよりはるかに良い。最近は、イタリアのスプマンテというとフランチャコルタが頭一つくらい出ている感じがあるが、Ferrariはフランチャコルタではなくトレントである。



試飲は5種。
今回も1本80ユーロ程度にはなるriserva del fondatoreを開けてしまっている。。。
(+++でかなり良い。あとはプラスマイナス)

Maximum シャルドネ100%のきれいな香りと柔らかさが出ている。しかし、香りの印象より味は真面目な感じ。さらっと飲みたい時にお勧めのスプマンテ。 +++

Perle 2007 こちらは逆に香りの印象は真面目、エレガントで繊細、持続性がある。味はやはり逆に、柔らかく優しい感じが一瞬、とても心地よく、その後すぐにしっかりした印象に変わり、続く。食事の最初から最後までこれ1本で通せるスプマンテ。万人向きでもあり、期待を裏切らないタイプでもある。++++(+)
Perle rose 2007 ピノ・ネーロをロゼに造り、シャルドネをブレンド。色は濃すぎず、薄すぎずとてもきれいでロマンチックな場面にはお勧め。香りはほんのり森の木の実系が出て心地よく、味も良いのだが、そして、ピノ・ネーロらしいしっかりした面も見せてくれるが、意外と余韻が続かないのが残念。ロマンチックな場面でなければ迷わずPerle +++
Riserva del fondatore 2002 リリースに10年と言うことなので、これで最新ヴィンテージ。個人的にとても好きなスプマンテ。ぐだぐた言わず、ただ飲む。きれい、エレガントでもあり、個性的でもある。素晴らしい余韻。+++++
Maximum demi-sec 意外な発見。とても心地よい。ほんのり甘い程度で、食前酒にはかなり受けそう。ただ、難点はそれにしては値段が高い。。。+++

Di Biagioは、お菓子やパスタ、パテなどの食材からワイン、ウィスキーなどまで、かなり豊富に揃っている食材店。
何かの機会があったらぜひ訪れてみて欲しい。

Franz Haas Pinot Nero Schweizer Manna e altri フランツ・ハス

2014-05-15 20:24:59 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Franz Haas フランツ・ハス
Pinot Nero Schweizer 2012(anteprima) 2008 2003 2002
Manna 2012 2006
Istante  2010
Moscato Rosa 2010



ハスは思い出のあるワイナリーのひとつである。
(ところで、ハスは、本当はハースと発音するのだが、たぶん日本ではフランツ・ハスと呼ばれていると思うので、ハスで統一)
まだワインの勉強を始めたばかりのころ、友人と集まって家で勉強を兼ねたテイスティング、ひよこが集まってなんてことはない、要は飲んで食べる会を開くことにしたのだが、そのとき友人Kの持ってきたワインがハスのマンナだった。このワイン、おいしいって聞いたのよね~と。確かに美味しかったし、ラベルが当時はかなり斬新で覚えやすく、その後、個人的に何度も買った。
今は、ワイナリーの数もワインの数も星の数ごときになり、ハスのワインを飲むことも少なくなってきたが、今でも個人的に大好きなワイナリーのひとつである。



さて、今回の試飲会は、かわいらしい(かっこいい、が正しい)息子氏と共に来ていた。思わず、かわいい~
試飲会が始まり、ハス氏が淡々と語り出す。
ワインの造り手は、必ず、良いワインを造る条件の一つとして、情熱、を挙げる。
確かに、情熱がないと良いワインは造れないので、当たり前なのだが、その情熱の後ろにあるものは造り手によって微妙に違うと思う。お金をもうけたいための情熱、有名になりたいための情熱もある。(実際に、ヨットを買ったり、投資のアパートを買ったりのために良いワインを造ることに情熱を燃やしている造り手もいる。。。このケースは、ワインの品質は良くても、コストパフォーマンスが非常に悪い)しかし、ハス氏のような人物は、純粋に良いワインを造るための情熱を持っているのが、その話し方、語る内容からわかる。
僕オーナー、詳しいことはあっちに聞いて、という造り手(とは呼びたくない)もいるが、ハス氏は、丁寧に、いろいろな内容の質問に答える。
ただひとつ答えられなかった質問は、ワインの値段だった。よく知らない、と。(コストパフォーマンスが悪いワインを造っているオーナーは、概して、ワインやぶどうのことより値段に詳しい。)

その他、良いワインを造るために必要なものは、気候、土壌。ここまでは、他の造り手と同じ。そして、さらに付け加えたのが、標高、だった。
話はピノ・ネーロを中心に展開。ブルゴーニュのワインが全て良いわけではなく、むしろ美味しくないものは多い、と。アルト・アディジェの土壌はブルゴーニュのそれにかなり近いそうだ。しかし、イタリアは暑すぎ、と言う。同感。
イタリアでは標高が高くある必要がある。
では、高ければよいか?シチリアのエトナで造られるピノ・ネーロは、確かに標高は高いが、粘土を多く含む土壌が違う。だから、良いワインはできても、似て非なるものにしかならない。同感。
アルト・アディジェは、イタリアでもかなり寒い気候で、山に囲まれている土地であるにもかかわらず、900m、1000m以上の標高にピノ・ネーロを植えているのだそう。
(海に近い土地で、標高も低い平地、砂を多く含む土地で、僕のワインすごーく美味しいでしょ、と自慢しているオーナーに聞かせたい。。。)




さて、試飲は白のマンナから。
+++でかなり良いワイン。加えて、プラスとマイナス。
もっとワインの記述がほしい、というリクエストがあったので、少し詳しく。
Manna 2012 +++ 品種は基本的にReisling 50% (ステンレス)、Chardonnay20%(バリック)、Traminer20%(ステンレス)、Sauvignon10%(バリック)。香りの第一印象は、ソーヴィニオン。緑、柑橘、細い感じでミネラル、香草など。香りに奥行きがある。酸味がさわやかで、透き通るようにきれい。
Manna 2006 ++++ 熟したリースリングの風味が出始め、白コショウなどのスパイスと蜂蜜風の甘い香りが交互に。フルーツとトースト臭、持続性良く、後味が心地よい。
Istante 2010 +++ Petiti Verdot 65%その他。ボルドータイプ。タバコ、葉巻、スパイス、色の暗いフルーツ、緑がほのかに。タンニンは繊細、酸味がきれいで、持続性良い。重たさがない。

ここまで来て、やはりいちいち記述していられない。。。(時間だけがかかる)
Pinot Nero 2012(リリース前のサンプル)+++ 良いが、当然未完成で、バランスが整っていない。
2008 ++++ 落ち着きが出て、花、フルーツ、スパイスがほんのり香り、非常に良い。タンニンがとても繊細で柔らかくエレガント。
2003 +++(+)若干太い、強い印象。酸味がその印象をカバー。
2002 ++(+)熟成進み、わずかマデイラ臭。
Moscato Rosa 2010 ++++ ノーコメントで飲みたいワイン。

Sparkle 2014

2013-12-02 08:09:03 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Sparkle 2014

イタリアでのスプマンテの人気の高さには驚いた。
雑誌Cucina&Vini主催のSparkleは大盛況だった。参加は、Franciacorta、Trento DOC、プロセッコ(正確にはConegliano Valdobbiadene)を中心に、それ以外の州からの参加は少なかったが、シャンパーニュを2社含んで70社以上が参加した。
かなり広い部屋2つを使い、移動にちょっと苦労するほどの人手だった。
入場料10ユーロと別に食べ物にそれぞれお金がかかるのだが、スプマンテは飲み放題なので、夕食を食べに来ている風の、業界とは関係ない人も多かったし、業界の知り合いにはほとんどお目にかかった。長らく会っていなかった知り合いとも久々の再開ができたくらいだった。

全体の印象。
Conegliano Valdobbianede、簡単に言ってプロセッコは、今、日本で大人気である。(のようである。)プロセッコ、飲みたいですね~という人が増えていて、ちょっとびっくり。指名があるほど日本での知名度が上がっているということだろう。しかし、個人的にはちょっと甘すぎ、軽すぎ。全体によくできているので、軽いアペリティフ、大勢で気軽に飲むのは良いが、まじめにちゃんと飲むには少しさびしい気がしてしまう。
その他の州での注目は、ピエモンテのConti di Roeroのアルネイス80%、ネッビオーロ20%で造ったスプマンテ。軽め、すっきり、エレガントで大変心地よく、重たい感じものが多くなっている中、大変好感が持てた。
そして、プーリアを代表するd’Arapriのスプマンテは、味わいに樽の印象がかなり残るが、非常に良くできている。
Franciacortaは知名度が若干先行している感がある。Franciacortaは美味しい、という人が多いが、ワイナリーの数が多いこともあり、ばらつきがかなりある。人気がある点、人が多く、終わっていたものもあり多くは飲めなかったが、大御所以外で、CastelvederのExtra Brutは大変良かった。
逆に、知名度は低いが、値段とのバランスもよく、非常に良くできているのはTrento Doc。Francicorta ほどでなかったのでかなり試飲できたが、Letrari、Maso Martis、Methius、Balterと、どれもお勧め。
さて、クリスマスから年末には何を開けるか。

Terlano 6 vini

2013-04-14 12:07:42 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Terlano 6vini
Pinot Bianco 2012
Chardonnay 2012
Kreuth 2011
Winkl 2012
Nova Domus 2010
Vorberg 2004


近くのひいきのエノテカ、Di Biagioでの恒例の土曜日の試飲会。いつもやっているわけではないし、いつも行けるわけではないのだが、土曜日の午後、プロモーションに適当なテーマを決めてワインを振舞ってくれる。
テーマは、品種だったりワイナリーだったり。
オーナーのアウグスト氏は素晴らしい人で、1-2種のワインでもいいのに、通常4種程度、昨日は6種が出ていた。完全に無料である。
そして、昨日は、大変おいしい野菜瓶詰め、パテの製造業者のプロモーションも一緒に出ていた。そこで、他には何も買わず、タダで飲んで帰る輩もまあまあいるわけだが、昨日はおいしいワインに素晴らしく美味なつまみ付きで、最高だったと思う。

さて、昨日のテーマはワイナリーTerlano。
アルト・アディジェのワイナリーの中では、もちろん、小さな高品質のところ、自然派などをのぞき、ある程度の大手では、今、一番乗っているワイナリーのような気がする。
とにかくきれいで、心地よく、万人に受け、選んで間違いがない。


Pinot Bianco
香りが非常にきれいで、白い小さな花、柑橘系の香りをすぐに感じる。そして奥にあるミネラルが非常に心地よい。全体に甘くてきれいな香りでインパクトがよく、万人に受けるが、シンプルで、複雑さには若干欠ける。(ベースなので当然)
味も印象が非常によく、酸味のバランスがぴったり。わずかに感じるほろ苦さがスパイスになり、持続性もこのクラスでは十分。

Chardonnay
ベースのシャルドネ。黄色のバラなどの花、グレープフルーツなど、華やかでふくよかで、そこにスパイスと香草が加わる。ほんのり、くるみ風の曇った香りも混じるが、かえって心地よさを引き立てる。
甘さかと間違うほどの柔らかさ、しかし、酸が非常に強く、このコントラストは意外にバランスが取れている。ボディもあり、強さあり、このクラスでは非常によくできたきれいなシャルドネ。


Kreuth
同じシャルドネの上のクラス。こちらは樽を使っている。
ぐっと落ち着きがでて、華やかな香りが抑えられ、その分スパイスが出てきている。
ボディがあるが、アルコールくささは全く感じない。酸は思ったより抑えられてあり、味にも落ち着きが増している。持続性がよく、後味のフルーツと花の香りが非常にきれい。

Winkl
ステンレスだけだが、ソーヴィニオンの緑の香りの、時には鼻につくくらいの香りがかなり抑えられている。ソーヴィニオンだとすぐにわかるが、あのvivacita’はない。むしろ、柔らかいくらいで、グレープフルーツは黄色とピンク、ニワトコの香り、香草も決して強くはない。しかし、よい複雑性は出ている。
酸が際立ち、エレガントで、しかし、まろやかでもあり、後味にニワトコが残る感じにソーヴィニオンらしさが出ている。


Nova Domus
3種のブレンド。シャルドネ、ピノ・ビアンコ、ソーヴィニオン。
うまくブレンドされているといえばそうだし、それぞれの品種の特徴が出ているといえば出ているし、しかし、逆にそれぞれの個性がなくなっているとも言える。
やわらかく、心地よく、そこにソーヴィニオンの緑がほんのり出て、華やかさもあり、複雑で高級感あふれ、良いが、香りと味に、このワインだけアルコールが残るのを感じた。

Borberg 2004
ずっと昔、Borbergの縦飲みをしたことがある。はるか昔、それはここのアウグスト氏がオーガナイズしたもの。その頃は、こんなに安い白ワインがそんなに持つものかと思ったが、まあ見事だった。
今回のborbergはマグナムボトル。熟成がかなりゆっくりで、2004年とは思えない。ある意味若干中途半端かもしれない、つまり、もっと早めに開けてしまうか、いや、私ならあと5年置いておいて飲みたいところ。このボトルは、アウグスト氏かのものではなく、Terlanoを扱っているセールスの人が家に個人的にもっていたのを今回放出したそうだ。
白い花がややドライになり、白いフルーツは完熟。Goccia d’oroなどプルーンの香り、白こしょうなどのスパイスが出て、ミネラルがたっぷり。
味は、素晴らしい酸。酸が際立つ。持続性もそれなりにあり、非常によい経験でした。

S.Maddalena 2010 Franz Gojer, Barbera Asinoi 2011 Carussin e Habemus 2010 San Giovenala (Lazio)

2013-02-22 08:41:29 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
S.Maddalena Classico 2010 Franz Gojer -アルト・アディジェ州
Barbera d'Asti Asinoi 2011 Carussin ーピエモンテ州
Habemus 2010 San Giovenale Agricola -ラツィオ州

ブラインドでの試飲は本当に何が出てくるかわからない。
イタリアは特にワイン、品種がてんでばらばら状態で、当てようにも本当に苦労する。
今回もさるエノテカのファブリッツィオ氏の協力のもとに、てんでばらばらにワインを出してもらった。
赤3種。


S.Maddalena
このワイナリーは知らない。
新しいワイナリーがどんどん増えると感心。いや、新しくはないのかもしれないが、ちゃんとボトル詰めをするところが増えていると言った方がいいかもしれないし、流通の幅が広がったのかもしれない。
色は透明感のあるルビー色。
若干、曇った香りがある。そしてタンニン、アルコールが上がる。ブルーベリー、酸味を帯びたサクランボ、若干アルコール漬け風でもある。スパイス、コショウ、毛皮風のアニマルの香り、奥には緑の香り、土の香りなどがある。
味はアルコールが割りと強く、口の中で渇きを感じる。酸はまあまあ、意外と少ない。タンニンも意外と少なく、しかし質はまあまあで、若干ほろ苦い。持続性はあまりないのが残念。タンニンがかなり残る。
今回は3人。全員で北、と判断した。ピエモンテではなく、フリウリでもない。となるとトレンティーノ・アルト・アディジェ?テロルデゴ?正解はスキアーヴァとラグレインだったのでした。


Carussin
ルビーとガーネットの中間。爪にはまだ明るい色が残る。
メタル風のキーンとした香りがあり、しばらくして血の香りも混じる。フルーツもあるが、それよりブロンドのタバコや、若干のアニマル、線香の香り、そして、タロッコの香りが鼻につく。割と複雑でよい。
インパクトもいいし、程よいボディ、際立つ酸味があり、タンニンは細く繊細に長く続く。持続性、後味も良い。
これも北と判断。しかし、色が薄かったので、バルベーラだとはちょっと思わず。
ビオでした。


Habemus
色は濃く、まだ赤紫が残るくらい。
ブラックベリーの甘さ、花の香り、バニラ、ベリー系のコンフィ、アルコール漬け、甘いスパイス、パイプタバコ、ミネラル、グラフィティなどに、ほのかなマロングラッセの香りやら、マンゴーの香りやらが混じる。
強さがよく、モダンな感じで、好き嫌いはあるが、複雑でもある。
味のインパクトもよく、ボディがあり、まろやかで、果肉を十分感じる。酸もきれいでタンニンの存在感もあり、持続性がある。
モダンだけどかなりいい、モダン・サンジョヴェーゼでメルローがブレンドされているのかもと思ったら、なんとラツィオのワインでした。はあ・・・ラツィオと来たかぁ、と。このワイナリーも知らない。ラベルは英語が前面に出ている。
品種はグラナッシュ、カリニャーノ、シラーのブレンド。




Julian 2011 (vitigno:Bronner) -Lieselehof al Pascucci di Fiumicino

2012-11-11 19:03:55 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“ジュリアン2011”(品種:ブロンネル) リーゼルホフ(で良いのだろうか・・・) -アルト・アディジェ州
フィウミチーノのパスクッチにて


たまには知っているワインではなく、知らないワインから選ぼうということになった。
そして、知らない品種もいいかも、と。
場所は、ローマはフィウミチーノのパスクッチ。

昔は、ちょっとおしゃれ、そして緑いっぱいのベランダがかわいく、美味しいのに高くない、というレストランだったが、そのころから、このレストランは将来有名になる予感。
予感はあたり、今はすっかり有名、そして、シェフのパスクッチ氏もイタリアを代表するシェフの一人になってしまった。
当たり前に、それは素敵なレストランになり、緑のベランダも白を基調におしゃれになり、しかし、当然値段も大きく上がってしまった。
というわけで、しばらく疎遠だったのだが、最近再び行くようになった。
近所のレストラン、アル・モーロは絶景で、ドンナ・ベアトリーチェは美味い上にまだ庶民の味方であるが、料理と雰囲気、贅沢な空間をたまには、ということになるとやはりこのあたりはパスクッチがダントツだと思う。

そして、うれしいことに、パスクッチはワインの品揃えが良い。(昔から)
シャンペン、スプマンテ、白を中心に、結構な品揃え、そして、面白いワインが多々ある。
自然派を多く揃えているが、こだわりすぎていない。
極端な自然派ではなく、普通の人でも飲みやすいタイプのものを中心に揃えている。
これは、最近良く見られる悲しい自然派(ニセモノと言ったら怒られるが)と言う意味ではなく、丁寧に造っている自然派を揃えていると言っていいと思う。
そして、よく知られていないワイナリーは、一言説明書きが添えてある。

狙うは北(私も一緒にいた人も北ものが好きなのです)、アルト・アディジェかフリウリか・・・最終的にはこのどちらかになるのだが、アルト・アディジェで選んだ。
裏のラベルは、当然のごとく、まずドイツ語、そしてイタリア語の表示になっている。(最後に英語) このあたりの人たちにとってはイタリア語は外国語になる。少し前、友人がアルト・アディジェの人から届いたメールをFBに公開していたが(内容は問題にならない程度のもの)、読んで(と言うより、見て、の方が正しいかも?)ゲラゲラ笑ってしまった。それくらいイタリア語がヘタクソと言ってもいい。


色はかなり濃い目で、マセラシオンがいったいどれくらいか、興味のあるところ。
そして、品種は?と思ったら、調べてみるとかなりややこしい品種。
Bronner=Seyve-Villard5-276とRieslingとPino Grigioを掛け合わせたものにZarya SeveraとSaint Laurentを掛け合わせたものを掛けている(何こっちゃ、というほどややこしい・・・)

香りは比較的ニュートラルだが、だんだんと出てくる。緑の香り、ニワトコ、りんご、アカシアの蜂蜜、ミネラルなど。
酸味が強すぎず、主張がありすぎず、しかし、きちんと出来ていて、料理を引き立てるタイプのワイン。
自然派だから良いのではなく、自然派はいいよね、と思わせるタイプのワイン。(88点)

Julian 2011(vitigno: Bronner) di Lieselehof (Alto Adige) al Pascucci di Fiumicino
Vitigno sconosciuto: Bronner=(Seyve-Villard5-276 x (Riesling x Pinot Grigio)) e (Zarya Severa x Saint Laurent) ….ci vuole un po’ per capire……….
Vino biologico ma non eccessivo, senza sentori sgradevoli ma e’ molto serio.
Colore dorato molto carico.
Naso, sambuca, fiori bianchi, miele di acacia, mela, fondo minerale.
Bocca, adeguata freschezza (acido tartarico), medio intense, PAI lung e piacevole. Assomiglia un vino del nonno o del padre di una volta, dei tempi belli…. (88/100)

4 sauvignon - Casale del Giglio, Tramin, Terlano e Ronco del Gelso

2012-10-10 20:23:43 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
4 sauvignon:
Casale del Giglio 2011 -Lazio
Tramin 2011 -Alto Adige
Terlano Winkl 2011 -Alto Adige
Ronco del Gelso Sottomonte 2011 -Friuli

ソーヴィニオン4種
カサーレ・デル・ジリオ 2011-ラツィオ州
トラミン 2011-アルト・アディジェ州
テルラーノ ウィンクル 2011-アルト・アディジェ州
ロンコ・デル・ジェルソ 2011-フリウリ州


Casale del Giglio
薄い麦わら色。
すぐにソーヴィニオンらしい香りが感じられる。柑橘、グレープフルーツ、ニワトコ、緑の葉、ミネラルなど。しかし、若干主張が強すぎなところがあり、心地良いが、単調さも加えて重たい感じが出ている。
ボディは十分あり、塩味が強く、酸味を隠しそうな感じ。持続性はまずまず。(84点)


Tramin
緑がかる。
洗練された感じがあり、カサーレより強さが強くない。複雑際にやや欠けるが、オレンジの葉、やさしい柑橘、ミネラルなどがエレガント。
酸味がきれいで、ほろ苦さが若干あり、細く長く続く。(85点)

Terlano
やや濃い目。輝きが良い。
強さがきれいに出ている。ミネラルが強く、熟した柑橘、白いフルーツ、洋ナシ、黄色のスモモ、香草など、複雑性があり、きれい。
塩味が強く、酸味がエレガントで、ボディは十分あり、持続性が良い。(88点)


Ronco
やや薄めの黄金色。
ビタミン風の香りが強く、しばらくして開いてくると甘い香りが漂う。ソーヴィニオンらしくはない香り。サルヴィア、スパイスなどがふくよかさを与える。
まろやかで、ボディがあり、アルコールがやや強く感じられる。ほろ苦い塩味が長く残る。(87点)

4 sauvignon:
Casale del Giglio 2011 -Lazio
Tramin 2011 -Alto Adige
Terlano Winkl 2011 -Alto Adige
Ronco del Gelso Sottomonte 2011 -Friuli

Casale:
Paglierino chiaro. Subito si nota sauvignon; agrumi, pompelmo, sambuca, foglia verd e minerale. Al naso una leggera pesantezza proveniente dalla intensita' e discreta complessita'. Intenso, sapidita' nasconde quasi l'acidita', PAI media lunga(84/100)
Tramin:
Verdolino. Fino, meno intenso di Casale, un po' stabile, foglia di arancia, sfumatura di agrumi, sottile minerale in fondo, abbastanza elegante. Buona acidita', lievemente amarognolo, PAI lunga ma sottile(85/100)
Terlano:
Leggermente intenso di colore e luminos. Intenso, complesso, forte minerale, agrumi maturi, frutta bianca, pera William, susina goccia d'oro, erbe aromatiche. Sapidita' e' la protagonista, acidita' elegante, intenso, strutturato, PAI molto buona (88/100)
Ronco:
Dorato chiaro. Intenso, apre una nota molto dolce ma non sembrerebbe sauvignon. Vitamine, erbe aromatiche, salvia, spezie, leggero pepe. Rotondo, ottima struttura, l'alcol lievemente eccessivo, PAI lunga ma rimane una bella sapidita' amarognola ( 87/100)

Rosato Vin dei Molini 2011-Pojer e Sandri

2012-09-06 19:35:25 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
”ロザート ヴィン・デイ・モリーニ2011”ポイエル・エ・サンドリ -トレンティーノ州

レストランSettembrini のリストでは赤になっていた。
ただし、夏でレストランの方は閉まっていたのでビストロの方。
簡易リストだからだろうか。

たいてい白を飲むので、ポイエル・エ・サンドリの赤だぁと思い、頼んでみた。
そうしたらロゼでした~。何だが、偶然も重なり、このところロゼばかり飲んでるなぁ。。。
多分ロゼのリストに入れたら出ないのだろう。しかし、時代は変わり、今ならロゼだけでちゃんとしたリストができるし、頼む人もいるはず。
ロゼのページをぜひ作りましょう。

色は、ポイエルらしくやや地味な色合いのロゼ。でも、この真面目さ(?)が個人的には大好き。
このところ飲んだロゼの中では一番地味かもしれない。
この真面目さが好きなのである。(86点)
疲れているのでイタリア語はなし。