在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Pinot Nero 2008 -Franz Haas

2012-07-09 10:15:39 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
”ピノ・ネーロ2008”フランツ・ハス -アルト・アディジェ州

昔、よく飲んだワイナリー。
モダンなラベルの走りとは言わないが、あの頃は斬新なラベルで、一度見たら忘れられないラベルの一枚だった。
今見ても、本当に可愛いラベルだと思う。
白のマンナが好きで良く飲んだ。そして、ピノ・ネーロは贅沢をいうとschweizerが好きだが、ノーマルな方もシンプルで大好きである。
なお、ハスのピノ・ネーロはイタリアのピノ・ネーロの中ではかなり好きで、個人的には一番に上げたい。

きれいなルビー色で、ガーネット色が縁に見える。
花の香り、スミレと野バラの香りがきれいで、小さな赤いフルーツが広がり、そして、スパイスが時折混じる
ボディがあり、タンニンは優しく、持続性も良く、口の中にブラッドオレンジの香りが残る感じがとても心地良い。(87点)

Rubino, leggero granato a bordo.
All'olfatto bei sentori di fiori, viola, rosa canina, piccoli frutti rossi, lieve nota speziata.
Buona struttura, tannini generosi, intenso e PAI con il gusto di succo di arancia rossa nel finale, molto piacevole(87/100)

Cabernet Sauvignon Jpseph 2010 -Hofstatter

2012-07-07 09:17:40 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“カベルネ・ソーヴィニオン ヨセフ2010”ホフスタッテル -アルト・アディジェ州

ひいきにしているレストランの主力商品なので時々飲むが、たいてい白を頼むので、赤は久しぶりに飲んだ。
ホフスタッテルは、安定していて、値段も手頃、気軽に飲むのに悪くないと思っている。
その昔、オーナー主催の試飲会に行ったことがあるが、とても感じの良い人だった。
その時、あなたは外国人ですねと聞かれ、私もです。と彼が言ったのを覚えている。
つまり、アルト・アディジェでは、イツ語が中心なのでイタリア語を話す自分たちは外国語なんですよ、という意味であった。

ルビーからガーネット色。割と濃いめの色合い。
バラとスミレの香りがきれい。ホフスタッテルのワインはどれも香りがとてもきれいだと思う。パイプタバコ、シナモンに、カベルネらしい緑の香りが加わる。ピーマンの香りがほんのり甘いくらい。
ボディ、タンニンの質は最高とは言わないがとても良く、酸味がきれい。最後にややアルコールが残る感じが若干残念。(86点)

Rubino tendente a granato, abb intenso.
Al naso pienamante fiori, rosa e viola, tabacco dolce da pipa, canella, leggei sentori verdi come pepe verde.
In bocca, caldo, strutturato, tannini di discreta qualita’ , adeguata freschezza, piacevole, nel finale rimane un po’ di alcol (86/100)


Acqua Reale (Trento), Ribollanero (Friuli), Luigi Ghislier (Marche) -pasta e bollicine 3

2012-04-15 18:09:32 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Pasta e bollicine 3 - ultimi 3 spumanti

Ribollanoir -Primosic(Friuli)
Luigi Ghislieri Cuvee del Presidente- Colonnara (Marche)
Aquila Reale -Cesarini Sforza 2004 (Trentino)

こう見ると、スプマンテにもまあいろいろあるんだぁ、とわかっていても改めて感心。
イタリア人はスプマンテというとプロセッコ、甘ければアスティというイメージで、ちょっとワインをわかってくるとフランチャコルタ。しかし、全国各地、ヴァッレ・ダオスタからプーリアでも造っているよね~と。
(おっと、シチリアではどんなのがあったか、出てこない・・・)


Ribollanoir Primosic - Friuli
プリモジックがスプマンテを造っていたとは知らなかった。
リボッラは私の大好きな品種。数は多くはないが、リボッラでスプマンテを造っているところは他にもある。でも、概して、スプマンテではなくワインの方が好み。それも、できれば、かもしを10日とかしたタイプが。

品種は、リボッラ・ジャッラが中心のようだが、ピノ・ノワールも混じっている。
柑橘がかなり際立つ。グレープフルーツ、レモン、緑が混じってライム風、そして、フレッシュなパイナップル。酸味の好きな人には喜ばれるだろうと思うほど、さわやかな感じ。
そして、若干ほろ苦さが香りにも出ている。
シンプルなフレッシュさが心地良いが、若干ほろ苦い後味が続くのが気になる。(82点)


Luigi Ghislieri Cuvee del Presidente Colonnara - Marche
コロンナーラは一度訪れたことがある。結構大きなワイナリーだった。
品種はヴェルディッキオ。これもまた個人的に好きな品種である。
なお、タンクではなく、伝統的方式となっている。
花と柑橘、結構熟したフルーツに香草の香りがきれいで、パンの香り、ナッツの香りが香ばしい。
なかなか良いボディ、細かい泡がとても心地よく、トーストしたナッツのほろ苦さが残る。悪くない印象。(85点)

Aquila Reale Cesarini Sforza 2004 -Trentino
2004年、ミッレジマート(ヴィンテージもの)である。
品種はシャルドネ。当然、伝統的方式。
このスプマンテは飲んだことはあるだろうが、記憶にない。このエノテカで売っているのは見ていたが、絶対に手を出さないスプマンテだった。値段が結構高い(40ユーロ前後)のと、この値段なら他が、まあ贅沢は言わないけれどシャンペンも買えるかも、と思うことと、ラベルが苦手なのである。
ラベルで判断してはいけないとはいつも思うのだが、やはりラベルはワインの顔である。
クラシックかモダンかという違いではなく、やたら派手なラベルは苦手なのでした・・・

中身はちょっとびっくり。
エレガントであるが、そして強さがある。
色もしっかり、泡にも勢いがある。
甘いバニラの香りが漂い、よく熟したフルーツ、ナッツのトースト、バターなど。花も柑橘もあるのだろうが、隠れてしまっている。広がりがあり、魅力的な香り。
甘いパイナップルを思わせるインパクトで、心地よい味わい、泡は口の中ではじけ、しっかりしたボディがあり、個性、主張がある。トーストが長く持続し、満足感が大いにある。
ラベルのようにちょっと派手、華やかで、大変良いのであるが、個人的にはもう少ししっとりしたものが好みかと思った。しかし、よく出来ている。(90点)



Moscato Giallo -Barleit 2011

2012-03-27 14:58:40 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“モスカート・ジャッロ”バルレ2011 -アルト・アディジェ州

このワインを飲んだとき、実直、という単語が浮かんだ。
非常にまじめなワインだと思う。
アルト・アディジェで、表示がドイツ語の方がイタリア語より先に、または大きく書かれている。
ほぼ、ドイツ人が造っていると言った方が正しいかも。

色は割りときれいでつやのある黄金色。
とてもきれいな香りで、結構強さがある。
まだ硬い黄桃、ほろ苦さを含み香草の香り、黄色い花のブーケ、ミネラルが結構たっぷり、柑橘の実と花と茎部分、そしてアルコールが若干上がる。
結構ボディがあり、インパクトはしっかりしている。酸と塩辛さが同時に出る。心持ほろ苦いフィニッシュ。(84点)


Villa Gresti -Tenuta San Leonardo 2006

2012-03-17 15:11:43 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
”ヴィッラ・グレスティ”テヌータ・サン・レオナルド2006 -トレンティーノ・アルト・アディジェ州

品種はメルロー90%、カルメネール10%。

色はきれいなガーネット。
香りに奥行きがある。まじめと言うと何だが、そんな感じで、そしてきれいに広がりがある。緑の香りが感じられる他、熟したフルーツ、ドライの花、パイプタバコ、バルサム臭などが交互に混じる。
インパクトがよく、ボディもよい。タンニンと酸のバランスがよく、肩肘張りすぎずの雰囲気にとても好感がもてる。PAIエレガントで長い。(89点)

Terre di San Leonardo - Tenuta San Leonardo 2008

2012-03-17 15:03:22 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“テッレ・ディ・サン・レオナルド”テヌータ・サン・レオナルド2008 -トレンティーノ・アルト・アディジェ州

品種はカベルネ50%、メルロー50%。
色はやや透明感のあるガーネット。
香りは澄んできれいだが、やや奥行きにリミットがある感じ。小さな森の実に、甘いスパイスがかぶる感じ。バルサム臭、キナの香りも混じる。
味の方は酸がきれいで、ボディもよく、タンニンもなめらか、PAIも長いが、最後に香りがやや消える感じがあり、アルコールが少し残る。(87点)

San Leonardo -Tenuta San Leonardo 2004

2012-03-17 11:21:42 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“サン・レオナルド”テヌータ・サン・レオナルド2004 –トレンティーノ・アルト・アディジェ州

品種はカベルネ・ソーヴィニオン60%、カベルネ・フラン30%、メルロー10%。
心持ち(数値には出ないまたは出さない程度)プティ・ヴェルドが混ざっているとのこと。

色はパーフェクト。素晴らしくきれいなガーネット。
最初は閉じて、時間がかかるが、きれいな辛口の香りでエレガント。タバコなどのスパイスに、フルーツが混じる。奥にわずか、腐葉土、キノコが出ていて、緑がだんだん出てくる。
やや緑の感じが出ている。タンニンが素晴らしく、繊細で、酸とのバランスも絶妙。エレガントでやさしく長く続く。
2004年とは思えない。衰えがなく、華やかと言うより優雅。今ちょうどよいと思われるヴィンテージでした。(94点)

Raif Sauvignon - Castelfeder 2010

2012-03-15 08:10:08 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
”ライフ・ソーヴィニオン”カステルフェデル –アルト・アディジェ州

友人の家で飲んだ1本。

ツヤのあるとてもきれいな色。アルト・アディジェのワインにしてはやや濃いめなくらい
米ぬかを思わせるソーヴィニオン独特の香り、ネコのおしっことまではいかない。
そして、きれいな緑、香草など。ステンレスのみで、透き通る感じがあるがはっきりしたちょっと太めの香り。
味は甘い。もちろん糖分の甘さではなくまろやかさ。そして、白いバラとライチを思わせる香りが口の中に広がる。もしかして、ゲヴルツが入っているかも?との疑問を、一瞬、私も、一緒に飲んでいた友人も感じた。
もちろんラベルには明記はないが、生産者はうそつきである。
と、ワインを始めたころに言われた。
大抵15%程度は明記なしで他の品種を混ぜることができるので、別に「うそ」をついているのとは違うし、可能性がないとはいえない。そして、生産者がうそを付く、と言うより、本当のことを言わない大きな理由に、正直に明記すると他の生産者が真似する、というのがある。
まあ、納得できる。
だからでもあるが、よほどの関係でない限り、本当に本当であるのかはわからないのである。

さて、だから、このワインの場合、本当のところはわからないわけだが、夜になって残りを飲んだ時は、まとわりつくような甘さ、バラとライチの香りがだいぶ消えて、だいぶソーヴィニオンンらしくなっていた。(88点)


Pinot Nero -Tramin 2010

2012-03-06 00:20:46 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
”ピノ・ネーロ”トラミン 2010 -アルト・アディジェ州

親しい友人に外科医がいて、ワインが好きなのでよく一緒に飲む。
彼の大好きなワインがこのワインである。
結構面白がって(私が)、いろいろなワイン(ヴィンテージの古いもの、自然派のもの、重たいものなどいろいろ)を開けるのであるが、これが一番好き、と言う。
彼にとっては、軽快で癖がなく、香りよく、飲み心地がとてもよいのである。

ここで考えさせられる。
私たちプロは評価の高いワインのみがよいワインだと解釈しがちだが、これは結構落とし穴だと思う。
つまり、心地よいワインというのはかなりの個人差があり、決して値段の高いもの、有名なもの、評価の高いものだけではないということだ。
だから、評価の高いワインと売れるワインに差が生じたり、ソムリエは客を見て薦めるワインを大きく変更しなければいけないのである。
相手を見て、評価の高いワインばかりを押しつけてはいけない。個人の、ワインの経験や好みも尊重すべきなのである。

色はきれいなガーネット色。
香りはワインらしく、ある程度の強さがあるのでパフォーマンスがよい。森の木の実、木イチゴ、スパイスなど。シンプルであるが心地よい。
程よいボディ、酸味があり、ほろ苦さが残るが強すぎず、最後にイチゴ、木イチゴのコンフィ風の香りが残る。(85点)

なお、ガラスの栓を使用しているので、開けるときにソムリエナイフが要らない。
まだ瓶の値段が高いのだろうが、便利なので普及して欲しい。
シリコンコルクより見た目がよく、また、残ったワインを取っておくにも、本当に便利である。

ガラス栓の拡大写真に関しては、同じワイン(もちろんヴィンテージ違い)のコメントを書いているので、そちらをご覧ください。

Nova Domus Riserva -Cantina Terlan 2008

2012-01-29 15:39:14 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“ノーヴァ・ドムス リゼルヴァ”カンティーナ・テルラン 2008 -アルト・アディジェ州

バーリ市の中心部、歴史的地区からすぐのところにあるレストランAlberosoleアルベロソーレで飲んだ2本目の白。
レストランAlberosoleの経営者アントニオ氏は、ロンゴ氏の友人である。

ラベルはドイツ語とイタリア語の表記があるが、ドイツ語を基本的に話す地域である。
なお、カンティーナ・テルランとラベルにはあるが、私たちは一般にテルラーノと発音しているような気がする。。。このあたりのワイナリーは、名前が、ああ、面倒くさい。
多くのワインを造っているワイナリーだが、安いものも、ランクが上のものも、はずれがなく、また値段に見合っている。そういう意味では安心してオーダーできる優良ワイナリー。

傾向として、最近は、単一品種がもてはやされるが、イタリアは伝統的にはブレンドが多い。アルト・アディジェもまだブレンドが普通に造られている。
品種は、ピノ・ビアンコ60%、シャルドネ30%、ソーヴィニオン・ブラン10%

色は濃い目の黄金色。
熟したフルーツがとてもきれいで、じわっと樽香りが出る。心持ち強い感じがするが、ほんのり広がる甘さが心地よい。
口の中でフルーツとバニラが同じように広がる。まろやかで、ボディがあり、持続性も良い。(89点)

”テルラネル 2006” カンティーナ・テルラーノ

2009-06-03 17:39:38 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“Terlaner 2006” Cantina Terlano (Cantina Terlan) –Alto Adige(点数7.5)

本当に信頼できるワイナリーである。
アルト・アディジェ州は個人経営のワイナリーに対して、組合経営のワイナリーが多く、組合経営というと、一般には(他州では)品質が良くないにもかかわらず、非常にこうレベルを保っている。組合員一人一人が自覚を持ち、できるだけ良い物を造りたいという意識がしっかりしているのだろう。
すぐ隣がスイス(つまりドイツ系民族)だからできるのだろうか?
これが南なら、ちょっとくらいできの悪いブドウを混ぜたって、バレないさ、へへへ、となるかもしれない…(南の方、スミマセン)

そして、アルト・アディジェのワインの特徴の一つに「値段が安い」ということがある。
もちろん、個人経営ワイナリーのはそう顕著でもないが、組合経営のものは概して大変お得な値段である。
イタリアの白というと、フリウリもカンパーニャもよいが、値段と品質のバランスを考えたら、やはりアルト・アディジェがダントツのような気がする。

それから、アルト・アディジェのワインの特徴として、造っているワインの数がめちゃくちゃ多いということも挙げられるかも。
このワイナリーも、モノ、ブレンドを合わせて、15種以上は造っている。

さて、アルト・アディジェの組合系ワイナリーを代表する一つである、テルラーノ。
しかし、ドイツ語では、テルランとなる。
さて、ベースと上級ものとに分けている中の、ベースのベース、そして、ブレンドものである。
品種は、ピノ・ビアンコ60%、シャルドネ30%、ソーヴィニオン・ブラン10%。
色も程よく濃い目、かおりがとても良く、アルコールが13%とは思えない。白い花、黄色い花、ジャスミン、桃の花など、花の香りがとてもきれいで、さらに桃、リンゴ、そして、緑の香りとミネラル臭がベースにあり、香全体を引き締めている感じ。
北のワインらしいほどよい酸味と、イタリアのワインらしいボディと、塩味、心地よい後味。10ユーロ程度で、この味は本当にうれしい。
もちろん、香りが大きく変化するわけでもないし、かなりダイレクトであり、後味が極端に長いというのではないが、とにかく、飲んでいて気分が良くなワインである。
また、食べ物を良く引き立ててくれるのがうれしい。

”サン・レオナルド” 1985-2000 テヌータ・サン・レオナルド

2008-11-17 22:53:43 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“San Leonardo” 1985-2000 Tenuta San Leonardo –Trentino

少し古いテイスティングのメモがたくさん出てきた。
紙はできるだけ捨ててしまいたいと思うので、ちょっと古いが、まあいいか。。
昨年末の試飲。

おなじみ、トレンティーノを代表するサン・レオナルド。
このワインで、いつもびっくりするのが、収穫。
このクラスなら当然手収穫よねー、と思うが、機械収穫である。
最初に聞いた時は耳を疑った。
ただし、かなり高度な選別システム搭載の収穫機だという。
機械なら3日で済む、と言い切るその選択にも一理ある。

初リリースは1982年で、サッシカイアのタキス氏が手掛けたのは2000年まで。(ただし、1985、86年は、まだタキス氏は入っていなかったとのこと。)
今はカルロ・フェリーニ氏に代わっている。

品種は、カベルネ・ソーヴィニオン、カベルネ・フラン、メルローのブレンド。

1985年
色は、ガーネットで周りがオレンジ色。濃さは良く、かなり細かい澱が少し見える。つやはかなり良い。
香りは、割と開いていて、スパイス臭など熟成香がきれいに出ている。タバコ、カルダモン、キーナ、葉巻たばこ、白コショウ風とミント風の香り、ユーカリなどで、強さも良く、複雑性もあり。
味は、酸がかなり感じられ、酸っぱいくらいでもある。やや細身な印象。タンニンはかなり丸くなっている。塩味がかなりある。程よい長さで、細くエレガントだが、最後に消えてしまう印象がおしい。後味に、シチリアのブラッドオレンジ。

1986年
濃いめのガーネットで、澱がかなりある。
ちょっと堅めで、ミネラル、タール、アスファルト、リコリース、革、香草、などに加えて、梅の香り。
味の広がりは良く、結構果肉の質感あり。タンニンはまろやかになっているが、ボディがまだしっかり感じられる。後味は最初良いが、突然消えてしまう感じがあり。後味はマンダリン風。

1987年
濃いめのガーネットに、オレンジがはっきり。
結構閉じている。タバコ、ミネラル、葉巻の箱、プルーンの甘さ、煮豆的な香り(怒らないでね!)、血、ミントなど。
酸と塩味。タンニンは丸くなっている。持続性は良く、後味はオレンジ。

1988年
まだガーネットでつやがきれい。
フルーツの甘さがまだあり、バルサム臭、タバコ、プルーン、森の木の実のコンフィ、ユーカリ、スモーク、カカオなど。かなり良い香りで、複雑。
酸とタンニンのバランスが良く、ボディもあり、エレガントさもある。後味にフルーツが残るくらいの若さがまだ感じられる。
とても良い年。なるほど。こうなるとさすが、と言いたくなる。

1990年
ガーネットで澱あり。
バルサミコ、ダイオウrabarbaro、タバコ、湿った土、ドライのバラ、リコリース、ミントなど。
タンニンはかなり丸く、酸と、塩味がかなり印象的。

1991年
唯一、トレビッキエーリを取らなかった年だそうだ。。
やや細い感じ。バルサム臭が控えめな感じであり。他に、タバコ、付け汁(とでもいうか。。)salamoia、アニマル、馬の臭みあり。香りはあまり長くない。
味も全体に細めで、全体に印象が薄い。

1993年
かなりきれいなガーネット。
きれいにまとまる。良い複雑性が出ている。バルサム臭、ミント、キーナ、ユーカリ、香草、シトロンの木legno di cedro、オレンジの皮など。
ボディあり、柔らかさも申し分ない。タンニン、酸、塩味のバランスが良く取れていて、心地よい後味。
かなり良い年というが、いいねー。。と言いたくなる。

1994年 省略!

1995年
フルーツが甘いくらいに、スパイスが混じる。バルサム臭、タバコ、薬草、丁子、ダイオウにおなじみミント。
まだ若いくらいの味。後味も良い。

1996年
キーナ、スパイス、柑橘、ユーカリ、ミント、カフェ、カカオ、一緒に混じってアフター8(というチョコ)など。かなり良い。
酸がきれいでしまった感じに塩味とタンニンが絡む。ボディがある上にエレガントさも見せる。

1997年
ユーカリがはっきりに甘さがきれいに出ていて、果肉の甘さを感じる。バニラ、マンダリン風の柑橘、スパイスなど。良く出来ている香りの印象。
ほほー、という感じ。1997年伝説を個人的には信じないが、これは良く出来ている。広がりあり、複雑で、ミネラルがベースにあり、ボディ良く、エレガントさもあり。まだフレッシュなフルーツが残るくらいで、今後の熟成を期待したいところ。

1999年 省略

2000年
タキス氏とフェリーニ氏の入れ替わりの年。
複雑性が出ている。フルーツ、プルーン、ブルーベリー、バルサム臭、スミレ、香草、バニラなど。
味も広がりがありとても良く、タンニンはエレガント。しかし、酸がやや物足りないくらい?


”シルヴァーネル 2006” アバツィア・ディ・ノヴァチェッラ

2008-11-12 06:28:23 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
 “Slivaner 2006” Abbazia di Novacella –Alto Adige
この前ノヴァチェッラのワインをいくつか飲んだと思ったら、家にも1本あった。
ずっと前に買っていて、すっかり忘れていた。
白で軽く飲めて、なおかつ冷えているのがこれしかなかったので開けた。
シルヴァーネルのベースの安いタイプである。
香りは、花の香り、フルーツの香りなど。程よいすっきり加減、ほんのり甘く、プラエポズィトゥスに比べるとだいぶシンプルであるが、心地よい。
味も花とフルーツが中心で、持続性はやや欠けるが、とても良く出来ている。値段も安いし。
昼に半分飲んで、夜にもう一度飲んで、最後に少しとっておいたら、数時間経って、とても面白い香りが出てきた。
生クリームの添えられたリンゴパイ、スポンジケーキ、シャンティリークリームなど。。。甘くて心地よい。リンゴが若干酸化した感じ、アメ風の後味が残るが、個性が出て、開けた直後よりずっと美味しい。
という訳で、2度楽しんでしまった。安いワインなのになんだか特した感じ!

”サルトナー・ピノ・ネーロ 2006” カンティーナ・カルダーロ

2008-11-06 07:41:32 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“Saltner Pinot Nero 2006” Kellerei Kaltern Caldaro –Alto Adige

私にとっては不思議なワイナリーなのである。
ドイツ語のKellerei Kalternとカルダーロという名前が、私の頭の中で一致しないからか、ワインのラベルがいくつかあって、そこに一貫性を見い出せないからか。。
もうずいぶん前になるが、ローマ近郊の結構良いレストランで、あるワインを飲んだ。ラベルにはGiovanelliとあり、記憶にないラベルで、でも、これ、かなりいいじゃない!と思った。
ワインの勉強をしっかりしなくちゃ!と思っていたさらにずいぶん前、カンパネルのワインは有名だった。
美味しいよね、これ。のワインと、ジョヴァネッリのラベルが、なんだか、あまりに違い過ぎて(ラベルで判断してはいけないのだが、そこに難解なドイツ語が入るからか)、つかみどころがなかった。
この2つがやっと一致した時、なーんだ、と思ったというか、少し拍子抜けしたのを覚えている。(おいしいはずじゃん!と思ったわけだ。)

いくつか飲んだ中、ピノ・ネーロ好きの私としてはなかなか満足のいくものであった。
サービスしてたのが友達だったこともあって、なかなか面白いわね、と話かけてみたら、そういう人が結構いるわねー。。と。でも、どうも反対の意味のよう。
香りにアニマル臭がある。決してきつくはないし、この感じは、私にとってはとても心地よい香りなのだが(趣味が悪い??)、これが鼻につく人が多いようだ。
でも、アニマル臭の他、森の木の実、スパイス臭、少し土っぽい香りが、程よく複雑に絡み、良い意味で面白かったのだが。。
味の方はそう臭みを感じない。ボディがしっかりあり、良い持続性があり、最後のほろ苦さがとても心地良い。

”モスカート・ローザ 2006” 他 フランツ・ハース

2008-11-05 03:04:35 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
 “Moscato Rosa 2006” ed altri Franz Haas –Alto Adige
他のワインと飲み比べると、ハースのワインには、とてもきれいなミネラルが出ているのがよくわかる。
落ち着き、程よい硬さの表現としてのミネラルが全体にベースにある。

2007年のマンナを飲んだが、当たり前だが若過ぎ。でも、とても良い。
少なくとも3年、できれば5年は置いて飲みたいワインである。

ピノ・ネーロ(2006年)もベースの方(上級クラス“シュワイザーSchweizer”ではない)だったが、フルーツとスパイスのバランスが良く取れ、良く出来ていた。主張し過ぎない程度の存在感があり、とても心地よく飲める。
イタリアのピノ・ネーロでは、好きなタイプである。(もちろん、シュワイザーの方が良いが。。)

そして有名なモスカート・ローザ(2006年)。
花の香りがとてもきれいで、バラ、野バラなどの小さな花。フルーツのアメの甘い香り、そして、シナモン風の甘さが強い。
味は、当然甘いがべたつかないし、重たくない。甘さと酸の番ランスが取れ、程よいボディがある。モスカートの特徴だが、最後にほろ苦さが残る。

ハースのワインはすぐに飲んではもったいない。
白も含めて、数年はぜひ置いてから飲みたいワインである。