在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Terraviva

2014-05-30 16:33:43 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Terraviva


先日のTerravivaの試飲会は非常に良い試飲会だった。
試飲会は街中のホテルで行われるものが多いのだが、たまに、郊外にある昔の別荘や田舎屋を改造したところで行われるものもある。
こういった場所は、結婚式の会食や、いろいろな行事に貸し出すための建物であるのが普通で、キッチンがあり、契約をしているケータリング業者がリクエストに応じて会食を用意する。
郊外になると、車がないと行けないので、つまり、ふらっと立ち寄るという感じではなくなるが、良い季節の天気の良い日に、こういった場所での試飲会は雰囲気が出る。

今回の試飲会の場所は、ローマの北、環状道路から郊外に数キロ行ったところだった。
この手の建物は、田舎屋の雰囲気を残した造りの、やや暗めのところも多いのだが、この建物はかなり明るく、清潔でとてもきれいだった。広さが十分あり、かなりの人が入っても十分なゆとりがあり、また、スペースの配置がちょうど良い。
外のスペースも気持ちがよく、試飲の合間の休憩にとても気持ちが良かった。
(ただ、たまたま2階はエアコンが壊れていたらしく、下と比べて結構な温度差があったので、2階に配置されたワイナリーはだいぶ暑かったかもしれない。)

入り口入ってすぐに目に付いたのが、まるでスパイス市場のような紙袋。スパイスの説明書のように、札が付いている。
よく見ると土や石が入っている。なるほど。そして、各ワイナリーの土壌の説明書。さらに、なるほど。
円形のテーブルに、他のどんな飾りよりもおしゃれな趣向だと思った。
多分、拡大すればなんとか読めるかと思う。










参加のワイナリーは自然派、自然派系が多く、うれしいことにTRIPLE“A”が参加していた。TRIPLE”A”が参加する試飲会はそう多くはないので、非常にうれしい。
また、昨今ニセモノの自然派が目立ってきているが、そうではない、本当の自然派の参加が多かった。
(参加ワイナリー一覧は、ポスターを参照してほしい。)
そして、シャンパーニュを含め、フランスワインが比較的多く、また、スロベニアのワインを含む珍しいワインもいくつかあった。
参加ワイナリーの数もちょうどよかったと思う。

以下は、TRIPLE "A"の解説。
興味深いのでTRIPLE"A"を知らない人はぜひ読んで欲しい。(イタリア語だが。。。)




そして、食べ物も、かなりおいしく、チーズやサラミを盛った小さなお皿がついてくるほか、かなり頻繁にいろいろな食べ物を小皿に入れて配布していた。
ここのキッチンで作っている食べ物だが、これがびっくりするほどおいしく、トリッパの嫌いな私が、おいしい、とうなったし、赤ピーマンのクリームソースは、お代わりをしたいくらいだった。
あまり派手な宣伝をしていないようだが、ちょうど運よく日程が重なったら、ぜひ参加してほしいと思う試飲会であった。



Montepulciano d'Abruzzo di Valentini 2006-1968

2014-05-10 12:16:18 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Montepulciano d'Abruzzo di Valentini
2006-2002-2001-1997-1995-1993-1992-1985-1973-1968



Valentiniのモンテプルチャーノの縦飲みの試飲会に立て続けに参加した。
この前のが昨年の12月で、半年もたっていないため、本当に「立て続け」である。
こんなことは人生めったにない、というか、絶対にないだろうと思う。
前回は30ヴィンテージ、1880年から2006年まで。
今回は10ヴィンテージ、1968年から2006年まで。
つまり、今回の全てのワインを2度試飲したことになる。新しいヴィンテージの印象は大きく変わらないのだが、古いヴィンテージは印象がかなり違っていた。


前回は、1880年のワインから始まり、30と数が多く、「新しい」ヴィンテージに集中することが難しかったので、立て続けに2度の試飲は非常に有意義であった。
そして、今回は10ヴィンテージとちょうど良い数、講師はArmando、各ヴィンテージ1本のみの少人数で、かなり集中できた、素晴らしい試飲会だった。
前回は古いヴィンテージからの試飲、今回は新しいヴィンテージからの試飲。

2006年++++ 個人的にはかなり好みのヴィンテージ。エレガントさとポテンシャルの両方があり、将来が楽しみ。
2002年+++ 2002年ヴィンテージはご存知の通り、良くないヴィンテージで有名なのであるが、アブルッツォは非常に良かったとのこと。そこで、意外や意外に、リリースされている。やや細く、ポテンシャルには欠けるが、とてもエレガント。
2001年+++(+)かなり奥行きのあるワイン。
1997年++++ タンニンが非常にきれいで柔らかい。かと言って、タンニンのポテンシャルがなくなっているのではなく、このままずっとこの柔らかさが持続しそう。
1995年+++++ チョコとカフェの香りが大変きれい。
1993年++(+)やや個性に欠けるかも、と思わせる。もちろんこのヴィンテージだけで飲んだら素晴らしいのだが。
1992年+++++ かなり好み。エレガントでバランスが非常に良い。
1985年+++++ カフェやヨードなど、92年とは違う印象で甲乙つけがたい良さがある。
1973年++++(+)柑橘がほんのり感じられるくらいで、40年以上たって、酸化の影は全くなく、さすが。
1968年+++ これも酸化の影は全くない。まだ生きている、と思わせるワイン。



Mater Matuta 1997 Casale del Giglio

2013-12-22 18:59:00 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Mater Matuta 1997 Casale del Giglio
Syrah 85% Petit Verdot 15%



最近はワインを外で飲むことが多くなった。試飲会、ワインバーなどで飲む。そこで家飲み用のワインを買う頻度が少なくなっている。または、買うとなったらすぐに飲むのではなく、しばらく取っておくために買う。そこで、新しいヴィンテージの、気軽に飲めるワインが正直ほとんどない。そこで、ワインクーラーを見回し、なんとなく1997年のこれを開けてみた。

ラツィオのワイン。正直、どうせダメになっているだろう、と思って開けた。
ところが、これがかなり良かった。
たしか、ガンベロ・ロッソのトレ・ビッキエーリを取ったように思う。そこで、ちょっとおいておいてみようかと思って、そのままになったワインだったように記憶している。まだ結構トスカーナや南やローマ周辺のワインを飲んでいたころに買った1本。

色はすっかり茶系の色合いかと思ったら、これがかなりきれいで、ビビッドなガーネット。爪はオレンジ系になっているが強くなく、よく見ると、という程度で、深みの中に輝きがある。ちょっとびっくりな色だった。
当然アニマルが出ているが、もっともっとすごい感じで出ているかと思ったら、これもそうではなく、腐葉土、バルサム臭、キーナなど、よく熟したワインらしい香りで、強さが十分あり、なかなか複雑。
味もインパクトが十分あり、タンニンはまろやかで、持続性も十分あり、ほろ苦さのまじる後味が心地よい。

ラツィオのワインは、最近Cesanese、というよりPiglioと呼ぶべきなのだが、Casale della Ioriaのワインの相当古いヴィンテージを飲んで、しっかりもっているのに感心したが、見直すところはあるように思った。


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Montepulciano d'Abruzzo 1957-1969 Valentini

2013-12-20 10:07:44 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Montepulciano d'Abruzzo Valentini
1957 +++
1958 +
1960 +++
1965 +
1966 ++++
1967 +(+)
1968 ++++
1969 +



50年以上飛んで今度は1950年代から。それでも古い。なかなかお目にかかれないヴィンテージ。





1957
暗いトーンのガーネット。しかし、すでに茶色系になっていてもいいくらいなのに、まだこの色合いを保っている。きれいな透明感、そして輝きがとてもよい。
アニマルの香りが最初にちょっと出るが、決して強くないし、かなり繊細でエレガント。タロッコオレンジ、腐葉土、ドライフルーツなども含め、熟成香りがそれはきれいに出ている。透き通るような香りでかなりよい。
味にも非常によい熟成が出ている。酸がきれいで、そこに加わる塩味とのバランスがよく、ほのかなアーモンドの香りが味の余韻を占める。とても心地よい。50年以上たったワインだとはとても思えない。というより、50年たってこうなるワインこそが本物のワインだと思う。と言い切ったら、世の中はニセモノのワインだらけになってしまうが・・・

1958
イワシ風の海の香り、アニマル、ドライフルーツ、腐葉土など。
酸がかなり出て、絞ったオレンジの余韻。

1960
たぶんボトルをかなり揺らしたのだと思うが(この辺でサービスする人の緊張も少し解け、だいぶボトルが揺れているのがわかる)澱がかなり出ている。
カフェ、チョコレートが強い。還元臭あり、さび、トマトのコンフィ風、煮詰めた香り、コットもわずか出ている。
味のほうはインパクトが大変よい。味にまだまだパワーがあり、酸が締め、塩味も程よく余韻が長い。
香りはまあまあ、かなり個性的だと思ったが、反して味が非常によい。

1965
オレンジで、わずか濁りが見え、完全に透明ではない。色はかなり薄く、他とは全く違う色合い。
香りの奥にアニマル臭。トースト集がやや強く、線香の香り、キーナ、カフェ、それもややインスタント風といっていいかもしれない感じ。全体にほのかに漂う感じがエレガントといえなくもないが、品質がやや劣り、エレガントより全体的にワインの本質が欠けているという感じ。
酸がきつく、バランスが悪い。繊細だか、痩せている感じで余韻も細い。

1966
打って変わって、ガーネット色がかなり濃い。爪に若干のオレンジ色が見える。大変魅力的な色。
閉じている。そして、だんだんと出てくるが、よい。非常によい。ラバルバロ、キーナ、タロッコオレンジなど、どんどん出てくる。かなり複雑でよい香り。
味のインパクトがよい。最初酸がやや少ないかと思うが、じわっと出てきて、際立つほどではなく、全体の構成のバランスが取れて素晴らしい。余韻も長く、非常によく熟成しているワイン。

1967
66年よりよりガーネットで、濁りが見える。
還元臭、イオウ臭、肉、血の香りに加え、奥にはやや臭みがある。ただし、臭みは不快な香りではないが。
酸が際立ち、これはちょっと気になる。痩せていて、余韻が細い。

1968
かなり濃い目のガーネット。爪がオレンジ。
最初閉じていて、だんだん出てくるが、フルーツに花の香りが混じる。60年代でほのかに花の香りが上がることはたまにあるが、やはりある意味感動的。金属的な香りがエレガントさを与えるし、奥にはほんのり甘い感じも出ている。
当然甘くはないのだが、甘いくらいの心地よいインパクト。アルコールがまろやか、というのとは違う、本能的に感じる甘くやさしい心地よさ。著わが見事に取れている。余韻は長く、非常に魅力的。

1969
ガーネット色、クミン、オリエンタルスパイスの香りが混じり、バランスが悪い。
酸が際立ち、こちらもバランスが悪く、全体の構成がよくない。余韻も短く、強くはないが苦味が残る。
アルコールが非常に高く、酸が多く、雨の多かった年との事。ワインが麻痺して、熟成が止まってしまうのだそうな。

みてわかるが、毎年違う。それもちょっとやそっとの違いではなく、まるで、全く違うワインに感じるほどの違いがある。そして、これが、本当の、農産物としてのワインだといえると思う。よい年は、本当に神の恵みだろう。

Montepulciano d'Abruzzo 1880 1890 1896 Valentini

2013-12-19 17:46:53 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Montepulciano d'Abruzzo Valentini 1
1880 +++
1890 +(+)
1896 ++++
(星の数は3つを基準にして、3つでかなり良く、それ以上の4つは非常に素晴らしい、という個人的、勝手な基準)
(3 stelle è molto buono, cioè buono 'normale' e 4 stelle è più che 'molto buono' cioè eccellente)





ローマのAIS、現在は正確にはBibendaでValentiniの試飲会があった。
試飲会の予定が発表されて、早くに気がついた人のみが参加できたと言っていいかもしれない。すぐに満席になり、ええー、売り切れ!?と嘆いた人がたくさんいた。
最初の予定は1890年から28ヴィンテージ、うち1ヴィンテージがVin santo、だった。これで140ユーロ。高いか安いかはそれぞれだろうと思うが、なにせ、一番古いヴィンテージが1890年、高いはずはない。(個人的意見)
私が申し込んだとき、すぐその後売り
切れになったので、もしかしたら、ゲットしたのは最後の席だったのかも。




結構ぎりぎりになってぱらぱらと人が集まるいつもの試飲会と違って、結構早くから参加者が来ていた。
会場に入ると、ずらっとボトルが並んでいる。各ヴィンテージ4本ずつ、ずらっと並び、ラベルが貼っていないものも多いが、貼ってあるものはラベルが同じなので、数えようとすると頭がくらくらするので断念。
当然、古いヴィンテージのボトルは埃をかぶり、ラベルはカビで覆われている。
私が着いた時は、有名ジャーナリストのブルーノ・ヴェスパがボトルのそばで試飲をしていた。
席にグラスは一人31個。そこで、結局、合計28ヴィンテージではなく、31ヴィンテージ、うち1ヴィンテージがVin santoであった。
そして、最も古いヴィンテージが1890年ではなく1880年という「おまけ」までついていた。
いつもは定時に始まる試飲会だが、かなりの人がなんとなくボトルの回りに集まり、席に着かない。見ているだけで壮観、とはみんな思ったと思う。時間をだいぶ過ぎ、促されて、やっとみんなが席に着き、歴史的な試飲会が始まった。
ValentiniからはFrancesco氏と息子、将来の経営者になる、まだ若いGabriele氏の二人が来ていた。会場に映し出されている写真は、1880年代の3本のワインを造ったGaetano氏。
参加者は各ヴィンテージ4本ずつなので60-70人程度。
140ユーロは高い、と思う人は来ていなかったし、結構なメンバーが集まっていた。

AIS(現在はBibenda)は、古いヴィンテージから試飲を始める。普通の試飲会なら個人的には新しいヴィンテージからのほうが好きだし、新しいヴィンテージから試飲する団体のほうが多いような気がするが、今回は古いヴィンテージからが正解だと思う。なにせ数が多いので、最後のほうは、どうしても集中力が鈍ってしまう。

全部をアップするまでにはかなりかかると思うが、とにかく1800年代の3本。


1880
今から132年前のワイン。なかなかというよりめったに飲む機会はないと思う。今回の1880年代の3つのワインは、何故か、オイルを入れるような15リットルの容器に入れてあって、長い間忘れ去られていたと言う。50年代に入って1リットルのボトルに移し変えられ、消費されたものが多いが、今回のボトルは残り少なくなったものなのだそうだ。

色は琥珀色。若干薄い感じと、やや濃い目と、ボトルによって微妙に違うが、遠くから見る限り、大きな違いはない。見事な透明感、輝き、美しいコニャックの色合いである。
ワインの色は、最終的には色が落ちて透明になるというが、透明になるにはまだまだかかりそうな感じである。色だけでもすでに感嘆の域。

一瞬、還元臭があったかと思うが、すぐにほのかに香りが上がってくる。別のボトルにあたった人と交換してみると、残念ながら、私にあたったボトルはやや香りが弱いが仕方がない。香りの全体像には大きな変化はなかった。
甘い香り、かなり甘く、蜂蜜の香りがする。コルベッツォロか栗。干したフルーツの香り、プリンかと思うくらいクリームの香り、カラメル風、薬草の香りがほのかに、キーナ、白檀、カモミールなど・・・ほのかで、やや弱いがどんどん上がってくる。そして、1時間後も同じように香りが上がって、まったく消えていなかった。ジェヌインで、今時の造ったワインの香りではなく、非常に自然で、透明感のある素敵な香りだった。
味は反して、つまり非常に甘い香りと対照的に、当然辛口。酸がきれいで、ややほろ苦さがある。まだワイン、つまり、衰えやら、臭みやらはなく、生きて変化しているワインである。50年もたたないうちにどれだけ多くのワインが死んでしまうかと思うと、感動的でもある。全体に細いが、繊細で、ガラスのようでもあり、わずかほろ苦さのある余韻が続く。


1890
色は非常に似ている。とにかく、輝きが素晴らしく、120年以上前に醸造されたものとは信じられない。
80年と比べて香りがやや強い、というかはっきりしている。しかし、80年ほど繊細な感じではなくややオイリーな感じを受ける。香りの傾向は似ていて、蜂蜜、ドライフルーツ、薬草、香草などだか、ややアーモンド風の香りが混じる。
味は80年とはかなり違う。塩味が強く、酸味がやや少ないうえに塩味が酸味を隠しているところがある。ほろ苦さが強く、塩辛さとほろ苦さが余韻に残る。


1896
琥珀色の色合いは同じだが、澱が混じっていることもあるが、やや濁りが見える。そこで、輝きはやや劣る。
わずかにエナメルの香り。やや還元臭が強い感じがするが、同じく甘く、栗の蜂蜜、クリーム、カラメル、カフェ・クリーム、バルサミコ・・・甘いが、80年よりは甘さが抑えられている。80年のほうがダイレクトで、こちらのほうがオブラートに包まれた感じで複雑。
味は、びっくりするほどインパクトがよい。しっかりと主張がある。酸味がきれいで、ほんのりほろ苦さがとても心地よく、カフェ風の余韻が残る。後味は長く、きちんとした主張を持ち、かつエレガントでとても印象がよい。

1880年のボトルで大変良いものに当たった人はそちらの方が良いと言うかもしれないが、個人的な感想は1896年が素晴らしかった。

Carpineti

2013-09-30 06:52:38 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Carpineti -Cori, Lazio


ずっと前から興味のあったCarpinetiに行った。
すぐ近くにあるワイナリーCincinnatoの新カンティーナのお披露目に行ったついで、本当にすぐ近くにあるのだが、突然行った。
マルコ氏を良く知っている人がいて、ほぼ突然、訪問と言うより挨拶に行ったという感じ。
Cincinnatoで素晴らしい昼食をいただき、その後、これまたすぐ近くにあるアーティチョークのオイル漬けを造っている素晴らしく優良な小さな製造所Agnoniを訪れ、その後である。
これから寄るの?と言ったのだが、イタリア人の一日は長い。


Carpinetiは、これまた素晴らしいワイナリーであった。
まず、建物。急斜面にあり、素晴らしく眺めが良い。急斜面に造られているので、カンティーナ部分の奥の壁は、岩、である。むき出しの岩。そこに丁寧に、ワイナリーが造られている。
樽を解体した木材をデザインに使っているのは、Cincinnatoに似ている。(ただし、アイデアはこちらが先)そして、(たぶん再利用の)麻袋を椅子のカバーに使っていたりするのは、なかなか斬新なアイデアである。
そして、見事というほど素晴らしいのが景色。景色の見える側、一面に細長くサロンを造っている。窓から光が差し込み明るく、そよ風が吹き込み、急斜面なため、視界を遮るものはなく、遠くは海らしきという景色。
明るい昼間も良いのだが、あまりに素晴らしいのが日没。思わず、キレイ~と唸ってしまう。その景色を見ながら、ユッタリした空間での試飲。この時間に来てよかった。。。と思ったのでした。


写真は、角に向いて造られているテラス部分。こちらもユッタリ、雰囲気最高。。。
もちろん素晴らしいのは建物や景色だけではない。それに見合うほどワインの方も良い。

さて、ワイナリーで見つけたのは大きな袋。空中にほぼ浮かんでいるようにある。数年前から利用しているそうだが、窒素を入れる袋で、ぶどうの圧搾機につながっている。つまり、真空状態で圧搾をしているのだそうだ。後ろには窒素のボトルが何本もある。窒素が充満している圧搾機にブドウが入ると窒素が押し出され、大きな袋に入る。ブドウが取り出されると再び、圧搾機に窒素が入るが、袋に充満している窒素で足りなくなるとボトルから補充される、という仕組みなのだそうだ。高かった!というのはマルコ氏。

言うまでもないが、Carpinetiは1994年からビオである。
かなり早い時期からビオのワイナリーと言っている。つまり、昨今多い(ほぼ)ニセビオとは違う。
なにせ午後の遅い時間の訪問で、超満腹状態、挨拶程度の訪問のため、スプマンテ2種を開けてくれた。品種は、BelloneとNero Buono。どちらも地元の土着品種である。

Belloneのスプマンテ。
どちらもmetodo classicoであるが、こちらは白ブドウ品種のBelloneを使った最低24ヶ月の熟成、Brut Millesimato。ベッローネは酸が多い品種で、スプマンテに向いているそうだが、かなり良い。イタリアのスプマンテに多い、華やかな花の香りがぐっと抑えられて、ブラインドだとシャンパンと間違えても不思議はないかもしれない。

Nero Buonoのスプマンテ。
名前からして黒ブドウ品種である。ロゼと呼んでいたので、ロゼかと思いきや、色は濃いが、ロゼと言うほどでもない。さて、こちらは、まだ生産途中。販売されていない試作品。
今年の3月11日にボトル詰めしたとのことで、ちょうど6ヶ月たっている。それを1本開けてくれた。
黒ブドウらしい強さがあり、ものすごく期待できそう。Belloneで24ヶ月以上の熟成なので、どれくらい熟成させるのか聞いたら、50ヶ月くらい、との回答。つまり、4年以上、つまり市場に出回るのはまだまだ先なのである。乞うご期待。
ところで、熟成途中のものを開けてくれたので、普通にボトルを立てにしては開けられない。ボトルの口にたまっている(たまりはじめている、が正しい)澱が散ってしまう。
そこで、ボトルを逆さまにしたまま開けるのであるが、そのまま開けたら、重力の法則でワインが当然こぼれてしまう。そこで、水の中で開けたのであるが、そのときのsbocaturaのビデオを撮ったのだが、こちらにうまくUPできない。。。FBで見てね、と言っても無理?

Cincinnato

2013-09-29 11:40:02 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Cincinnato


このところ、ラツィオから遠ざかっている。というより、北に集中していると言う方が正しい。
最初は、近くて有名産地のトスカーナ、ローマ周辺、南もなかなかいいね、特に安いし・・・であるのだが、いつかは北へ行く。もちろんどこかにとどまっても良いし、好みはさまざまであるし、南も中部も素晴らしいものはあるし、北のワインだから全てが良いわけではないが、北の‘良い’ワインはあきない。

でも、ラツィオもいいね、と思ったのはこのCincinnatoと、そして同時に訪問したCarpineti。
Carpinetiは昔から知っていたが、Cincinnatoはあまりよく知らなかった。
オーナーの女性、Giovannaと知り合って、素晴らしく人柄の良い彼女のワインを飲むようになって、ちょっと開眼した。
ラツィオのワインと言うと、味も香りも平凡なもの、またはなんだか無理して造ったメルローとか(美味しくないわけではないが)のイメージなのだが、Cincinnatoは、(別に述べるCarpinetiも)地元の品種、ベッローネとネーロ・ブォーノに焦点を当てている。どちらもあまり知られていない品種だが、このところ土着品種流行りなので、これから知られるようになると思う。


そのCincinnatoが新しいカンティーナを造って、そのお披露目に招待された。
場所はローマの南、1時間ちょっと行った、コーリという場所にある。
建物は、ふんだんに光を取り入れ、また、デザインのあちらこちら(カウンター、扉、椅子、その他)に解体した樽の木材を使った、大変味のあるものだった。建物は、20年近く放っておかれたものだというので、こうやって素晴らしいカンティーナになって、よみがえったことになる。

写真はバリックの木材で造ったカウンター。焼印がそのまま残っている。

醸造はいまだあるカンティーナの方で行い、こちらにはバリックとトノーの樽が置いてある。コーリの町ときれいに整ったブドウの畑とに囲まれ、地元の食材、地元で取れる葉、野菜をふんだんに使った美味しい料理を味わうのは最高であった。



食事がほぼ終わったころ、Nero Buonoの3ヴィンテージをさらっと試飲した。
2010年 非常にまろやか、インパクトが大変よく、飲みやすい。タンニンがまろやかで、女性的な印象を持つ。万人に受けるタイプで、肉料理にぴったり。
2009年 2010年のあとだと特に、なのだが、やや細く、硬い印象。酸味がある。しかし、ずいぶん後になってかなり変化して良くなった。
2008年 2010年と対照的に男性的な印象。硬くはないのだが、重みを感じ、タンニンと酸のバランスがよく、ちょうど良い飲み頃に熟している。


Cincinnatoは協同組合で、200人のブドウ生産者からなっているという。それは、コーリの畑の50%になると言うが、協同組合でこれだけの質を保つのは難しいと思う。ラツィオのワインであることもあり、値段も手軽でうれしい。
なおラツィオのもうひとつの有名地元品種Cesaneseを使ったワイン、そして、Belloneで、とても飲みやすい白、スプマンテ、デザートワインを造っているので、こちらもぜひ試してほしい。

Vinaioli Naturali a Roma

2013-02-11 22:35:24 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
自然派ワインの試飲会 ローマにて -ラツィオ州

友人、ティツィアーナがオーガナイズする自然派ワインの試飲会が2日間にわたってローマで行われた。
これで何回目だろうか。最初は人の入りもまあまあ、そんな試飲会があるの~?という程度だったが、今回は、事前にすでにかなりの話題に上がっていた。
そして、ウンブリアから友人が何人か、そして、その友人というひとはシチリアからわざわざ来たほどである。

ティツィアーナが始める前は、ローマでは自然派ワインの試飲会はほとんどなく、数回、細々とやったことがあるだけだったが、今では、この試飲会がすっかり有名になった。
今回は、参加ワイナリーもぐっと増え、約100社近くのワインが出展。
人の入りもすごく、特に土曜日の夕方はものすごい人で、足の踏み場もないくらい。ワインを貰おうにも、人の壁が何重にもわたって出来て、有名どころワイナリーは、近づくのが困難なくらいだった。

2日にわたって、かなり飲んだと思う。
有名どころのワイナリーの写真を何枚か。


ご存知Emidio Pepeの赤。1883年。
2009、2003、2000年が出ていたが、あとで83年を開けるからね~と、あとでこそっと開けた83年。


白は最新ヴィンテージ以外、2004年を開けていた。


Oasi degli Angeliは、今回はKupraのみ。
本当は非売品の白が飲みたかったのだが。


バルベーラで有名なTrinchero。ここのバルベーラは好きなので良く買って飲む。
しかし、面白いのは白。いつもどんなワインなのか楽しみで大好き。


シチリアのFaroを造っているBonavita。シチリアの、重たくて、土臭いイメージとは違うもうすこし軽やかなワイン。期待の星。


ちょっとびっくり。トレンティイーノのPino Nero。
ちょっと地味だが、堅実でとても好感の持てるワイン。


La DistesaのNur。今回じっくり飲みたかった1本。


同じく、じっくり飲みたかった1本がValgiano。

他、2日で100以上は軽く飲んだのだが、なんとなく撮った写真でした。

Mercanti di vino

2012-11-29 09:30:39 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
"Mercanti di Vino" ルカ氏オーガナイズの試飲会 



昨日のルカのオーガナイズした試飲会は、相変わらず面白かった。
どれだけ先入観、ラベルなどに左右されるものなのかがよくわかる。



昨日は全部で赤が7本。(最初にもらう情報はこれだけ)
ふたを開けてみると、全部イタリアだと思ったらフランスが1本混じり、残り6本は、南、ラツィオ、サンジョヴェーゼ、バローロ、ビオ、ヴィンテージ・・・みんなバラバラ。
何も知らないと、本当に何かわからない。フランスはもう少し地域で特徴がはっきりしているが、イタリアは北から南までシャルドネを、カベルネを造っている国。つまり、当てることがかなり難しい国である。
本当にまったく何の情報もないとなると、ビオになると品種がわからなくなり(ビオだということはわかる)、ペルゴレ・トルテの色の薄さはまるでピノ・ネーロに見えてきたり、ラツィオのチェサネーゼがまあまあ良かったり、ボルドーだと知らないとどれかまったくわからなかったり・・・たくさんの驚きがあったのでした。



Mercanti di vino : la degustazione organizzata da Luca
Le Pergole Torte 2008 Montevertine
Montevetrano 2009
Notarpanaro 2006 Taurino
Barolo 2008 Brezza
Cesanese Colletti Conti
Barbera 2006 Roddolo
Chateau La Garde 2005 (Francia)

7 rossi, tutti coperti, nessuna informazione in anticipo, ne paese, ne vitigni, ne annate, ne bio o no…l'unico e piu’ effecace modo da capire la “qualita’ “ del vino.
Tante sorprese.
Montevetrano era buono ma senza entusiasmo.
Il colore di Pergole assomigliava tanto a quello di pinot nero.
Cesanese non era male.(sempre sottovalutato...)
Barbera bio, quando bio difficile capire il vitigno.
Notarpanaro era un po’ troppo alcolico (ovviamente e’ del sud..)
ecc.
Bella, veramente bella degustazione.

Litrozzo -Le Coste (Lazio)

2012-09-09 15:53:46 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
”リトロッツォ” レ・コステ -ラツィオ州

リトロッツォをこんなにたってから飲む人は他にいないと思う。
テーブルワインなのでヴィンテージ表示がないのだが、ロットは08とある。つまり、ほぼ5年??
ジャンマルコ氏からの頂き物で、最初はちょっとはとっておこう、なんとなく何かの機会にでも開けよう、そのうち時間が過ぎ、こうなったらもうちょっととっておいてみよう、と思って今になった。
今ではビオワインでよく知られるようになったレ・コステのテーブルワイン。
ラベルが実にかわいい。ボトルで飲むには重いが(1リットル)、気軽に飲んで欲しいという意味の絵なのだそうである。
そう、気軽に飲めるワイン。1リットルというのもそうだが、コルクではなくスクリューキャップ、そして透明なボトル。長く持たせるワインではないのだが、長く持たせないワインが長く持たないとは限らない、
で、良いワインはもつ。の証明。
工業的に造られたワイン(ヴィーニ・コンヴェンツィオナーレと控えめに言っておこう・・・)で、同じだけもたないワインのなんて多いことか!
色はやや濃い目になっている。フィルターをしていないはずなので、ボトルの底にはやや澱がたまっているが、それを出来るだけ動かさないようにグラスに注ぐ。
酸がきれいで、きりっとした感じと、まろやかになっている感じのバランスがとても良い。
あくまで気軽に、ぐびぐびっと、軽い食事にぴったりで、やさしく、心地よい。
いいね~・・・でした。
Grazie Gianmarco e Hiroto san!

vino da tavola senza annata (lotto 08), bottiglia trasparente da 1 litro con il tappo a vite.
Un vino dell'azienda oramai conosciuta nel mondo di Bio, Le Coste di Gianmarco.
UN vino da bere subito, un vino da bere senza pensieri seri.
Invece l'ho tenuto per circa 5 anni.....troppo? No, era buonissimo!
Bravo Gianmarco e grazie a Hiroto.

Trebbiano d'Abruzzo 2007 Valentini e Franciacorta 2006 Il Mosnel a Il Sanlorenzo a Roma

2012-09-05 18:55:12 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Trebbiano d’Abruzzo 2007 Edoardo Valentini
Franciacorta Extra Brut 2006 E.B.B. Il Mosnel
al ristorante Il Sanlorenzo a Roma

“トレッビアーノ・ダブルッツォ2007” エドアルド・ヴァレンティーニ(アブルッツォ州)
“フランチャコルタ・エクストラ・ブリュット2006”イル・モスネル(ロンバルディア州)
イル・サンロレンツォにて

久々のイル・サンロレンツォ。
モンドヴィーノのノシター監督にワインの値段で酷評された。イタリアはワインの値段を乗せ過ぎ、たとえばイル・サンロレンツォのように、と。ははは。。。
しかし、良いレストランのワインが高いのは常識である。世界共通の傾向だと思う。良いレストランで比較的安くワインを提供しているところもあるし、比較的安いレストランで、ここぼってるね~という感じのところもあり、これはワインで稼ぎたいか、ワインを気軽に提供したいかのオーナーのフィロソフィーに寄るのではないかと。
(個人的には、比較的安いレストランでワインに高値を付けているところのほうに不満が残る。)
だから、イタリアは、とか、イル・サンロレンツォは、とか言うのはちょっと間違っているような気がしたのでした。

最終的にアブルッツオのぺぺかヴァレンティーニを候補に挙げた。
ぺぺの少し古いのとヴァレンティーニの少し新しいのの値段がほとんど変わらない。
ぺぺを見るとちょっと高いような気もするが、ヴァレンティーニを見ると決して高くない。むしろ安いとも言える。
だから、選び方さえ気をつければ、イル・サンロレンツォも決して高くはないような。。。


イル・サンロレンツォの料理の方はさすが。魚は新鮮だし、若干気取るが、このところ良く見られるド派手な盛り付けではなく、シンプルに見せ、伝統的な料理を丁寧に作ったもの、香草など工夫を凝らしたものなど、出てくる料理が楽しみ。
トラットリアもいいし、気軽に食べられるところもいいし、伝統的な料理ももちろん好きだが、たまにはこういう丁寧に作られたちょっとおしゃれなイタリアンもいい。こういうのはイタリア料理じゃない、と言って、拒否する人もいるが、それはもったいない。
たまのこういう美味しくてきれいな料理は、目の保養と同時に小さな幸せを感じさせてくれるのである。
(写真はお通し)



ワインはIl Mosnel のFranciacorta Extra Brut 2006とValentiniのTrebbiano d’Abruzzo 2007。
Mosnelはこの春に食事つきの試飲会にご招待いただき、オーナーと話し大変良い印象を持った。
Trebbianoはリストには2009とあったのだが、2007年を持ってきた。
Mosnelは主張しすぎず、上品さと風格を兼ね備え、Valentiniはさすが。少なくとも10年、20年くらいたったのでも飲みたいのでまだまだ若いのだが、熟成の始まりのところだった。


Rosso Sangiovese -Falesos

2012-08-13 00:01:25 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
"ロッソ・サンジョヴェーゼ" ファレソス ーラツィオ州

ビオワイン、それも偽ものではなく本物のビオワインを多く扱っているところで購入したもの。
聞いたこともないワイン、聞いたこともないワイナリー、昔なら、農家のおじさんのワインだったかもしれないものが、今は、ボトルに詰められて売られていると思っていいかもしれない。
その昔は、ちゃんと造られたワイン(いわゆるvino convenzonale)のみがワインで、その他の、農家のおじさんが造っているワインはワインではないという感じがあったが、それも変わってきていて嬉しい。

ビオの団体の1つ、デメテールの認証を受けている。
後ろのラベルに2011年9月20日との印字があるが、きっボトル詰めの日にちで、収穫年は?たぶん2011年。

色はガーネット色。輝きはいいが、ボトルの底にはすでに若干のおりがあり。
香りは、小さな森の木の実。小さな花の香りに、鉄分に血の香りが少し。スパイスの香りも、辛めの香りが出ている。香り全体はそれほど強くはないが、自然のワインらしくて良い。そして、安ワインによくある汚れたような香りはまったくない。
酸味がきれいであきない。ボディは、まずまずで、昨今やたらボディのある、というか、ボディがあるだけのワインが多い中、ちょうど良い。タンニンは若干渋めではあるが、vini convenzionaliで、もっと渋いワインが星の数ほどあることを考えたら、全然渋くないと言ってもいい。小さな森の木の実がきれいに後味に残る。親しみが持てるワイン。(83点)

Rosso Sangiovese di Falesos 2011?? (Lazio):
C'e' l'approvazione di Demetere ed e' vero biologico non biologico finto.(ci sono tantissimi finti..........)
Colore rosso rubino e luminoso. Gia' si vedono un po' di fecce in fondo.
All'olfatto piccoli frutti di bosco, fiori, ferro, leggero sangue e speziatura, abbastanza intenso.
In bocca una discreta struttura che fa tanto piacere (non troppo pesante come certi vini....), freschezza davvero gradevole e finale molto carino con piccoli frutti di bosco. Vino molto simpatico(83/100)




Macchiarossa Tintilia 2008 -Cantine Cipressi

2012-07-30 12:04:25 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
”マッキアロッサ ティンティリア 2008”カンティーネ・チプレッシ -モリーゼ州

イタリアは土着品種の宝庫であるが、なるほど、まだあった。
ティンティリア。モリーゼの土着品種。そしてワインはDOCである。
モリーゼは、小さく地味な州であるが、ワインを含め、良い農産物をまじめに作っている。
そこにティンティリアなる品種があったとは。

色はかなり濃い目で、2008年なのに、ルビー色が輝いている。まさに名前のようにmacchia rossa(赤い染み)という感じ。
香りはフルーツの香りがきれい。サクランボ、森の木の実、プルーンなど。熟したものというより、まだ青いフレッシュ感がある。そこにピリッと辛いスパイスが加わる。若干アルコールがあり、ふくよかさが出ている。
味は、結構しっかり主張している。ボディがあり、エキスたっぷりで、まだびっくりするほどタンニンが強い。酸味がきれいで、タンニンのほろ苦さとマッチし、心地よく続く。
これは、まだまだもつ、と思わせる品種。

夏、暑いけれど、赤が飲みたいと思ったとき、いつもの軽めではなく、ほんの少し温度を下げて、軽めのおつまみと一緒にワインを飲む。
赤を飲んでるぞ~、という気にさせてくれる。
友人ルイジ氏からの頂き物。開けるのが楽しみだったちょっと驚きの1本。

Vino di Molise.
Vigitno autoctono molisano Tintilia.
D'estate con un desiderio di bere un "rosso", abbassta leggermente la temperetura, e' una delle ottime soluzioni.

Colore intenso come il nome "Macchiarossa", rubino brillante.
Al naso sentori pieni di frutta rossa con spezie scure. Ottima intensita' e persistente.
Vino di corpo, esprime una struttura dall'attacco, caldo, tannini piacevolmente ammandorlati nel finale.

Grazie Luigi!



Cerasuolo 2011, 2010, 2008 e 2007 -Nicola di Sipio

2012-06-25 21:46:58 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
“チェラスオーロ2011、2010、2008、2007”ニコラ・ディ・シピオ -アブルッツォ州

ロゼの試飲会で2011年から2007年まで(2009年をのぞく)のヴィンテージを持参し、参加していた。
白もそうだが、ロゼは特に、すぐに飲まなきゃね!というイメージがあるような気がする。
そんなことはない。もちろん白のようにフレッシュさを求める場合、早めに飲んだ方が良いに越したことはない。しかし、良いロゼは数年はしっかり持つのである。

それを証明するかのように4ヴィンテージの小さな縦飲み。こういうのがこういうところで気軽に出来るなんて、なんて嬉しい。
ワイナリーの人は、普通の試飲会では、どうしてもロゼは1種(最新ヴィンテージ)しかもって来れないけれど、今回はロゼのみの試飲会なので良い機会だと思って持ってきた、とのこと。素晴らしい!

チェラスオーロなので品種はモンテプルチャーノ。

2011年 ロゼといってもチェラスオーロなので、若干主張がある。ボディがあり、しっかりした感じ。フルーツの香りもしっかり、はっきり。酸味はあれども強くはなく、肉料理に合いそうなロゼ(85点)
2010年 ロゼの中に落ち着きが出る。フレッシュな最新ヴィンテージもいいが、ちょっとおいて落ち着きが出たロゼはさらに良いと思う。購入後、すぐに飲んでしまうのがもったいない、という証明(86点)
2008年 アニマルが出ている。これを好みでないというか、好みというかは人それぞれ。私は好みである。しかし、慣れていない人にはちょっと熟成が行き過ぎたかも?という印象を残す(83点~87点、自然派的ワインの好みによる)
2007年 アニマルはほとんどない。フルーツの香りがまだ残っているが、かなり落ち着きが出て、ほんのりスパイシーに隠れている。味にも落ち着きがでて、よく熟したロゼの味わいが心地よい。よく出来たロゼは十分持つし、持たせて飲んでも良いかも、とわからせてくれる。(87点)

Cerasuolo 2001, 2010, 208 e 2007 di Nicola di Sipio (Abruzzo): verticle di quattro annate del vino rosato (una cosa rara…)
2011 naturalmente piu’ fresco, ma di buona struttura, bel fruttato(85/100)
2011 piu tranquillo, fruttato meno evidente sfumatura di spezie(86/100)
2008 animale evidente, spezie, ottimi sentori terziali che mi piacciono ma non a tutti(83-87/100)
2007 poco animali ritorna leggera sensazione fruttata, spezie, mostra una lngevita' dei vini rosati(87/100)


Shiraz -Casale del Giglio 2001

2012-04-16 22:54:03 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
”シラー”カサーレ・デル・ジリオ -ラツィオ州

うちにはたいしたワインがあるわけではないが、ワインクーラーに入りきらないワイン、ガレージにおいてあるワイン、そして、家の隅になんとなく放ってあるワインがある。
家の隅と言っても冷暗所、発泡スチロールで管理しているので、保存が極端に悪いというわけではない。
そこに、こう言ったら失礼だが、「開けるのがちょっと恐ろしいワイン」がある。
そのほとんどが買ったワインではなく蔵出しの試飲用で余ったもので、それがなんとなく手つかずで残っている。もちろん良いワインはワインクーラーに入れているので、まあごく普通のワインがほとんどである。だから、年数がたつと、いったいどうなっているんだろう?と、つまり「開けるのがちょっと恐ろしいワイン」になってしまうのである。

しかし、そろそろ開けないと、ダメになっているのではないかと思い、いくつかを恐る恐る開けることにした。
このワインは、ちゃんとしたワインで、恐る恐るではないのだが、ヴィンテージを見たとき、2001年か~と思った。

ラツィオ州のシラー。カサーレ・デル・ジリオはかなり大きなワイナリーである。

色は、かなり暗いガーネット色で、オレンジをおび、レンガ色と言ってもいいくらい。爪はやや薄く、茶色。ぱらぱら澱が見えるので、底には結構たまっているだろう。

香りは、結構来ている。でも、決して悪くはない。アニマルと言うか、発酵臭がする。また、完全に丸くなっているので、酸味が上がってくる。ブルーベリーのコンフィ、ヴィッショラ(酸味のあるサクランボ)、腐葉土、カカオ、オリエンタルスパイスなど。持続性はあるが、変化は少ない。
タンニンはまろやか。まあ当然である。酸味と、そして、塩味がかなり残っていて、塩辛い。かなりと言ってもいい。オリエンタルスパイスが強く、クミンなど、カレーの味がある。それも福神漬けをたっぷりかけたカレー。(食べたくなってしまった・・・)持続性はまあまあで、酸味とアルコールが残るが、あとは残念ながら消えてしまう。
2001年だから仕方ないと言えば仕方ない。本当は5年くらい前に飲むんだった・・・(81点)