在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”サン・ジョルジョ 2001” ルンガロッティ

2007-10-03 04:12:05 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
“San Giorgio 2001” Lungarotti -Umbria
ルンガロッティの看板ワイン。カベルネ・ソーヴィニオン%、サンジョヴェーゼ40%、カナイオーロ10%。
カベルネも入っているし、色がかなり濃い。グラスを回すと、壁面にぺたっとルビー色が張り付く感じ。こういうのをmacchia bicchieriと言うが、そんな感じ。
香りが強い。看板ワインだし、インターナショナルを目指すワインだし、こうでなくちゃ。プルーン、ブルーベリー、桑の実のコンフィ、ドライになったスミレとバラ、スパイス臭は赤コショウ、タバコ、バルサム臭balsamico、リコリース、キーナ、バニラなどなど。インターナショナルはこうでなくちゃ。
味は、インパクトがどどーん、の上にボディがある。まろやかさがきれいで、甘く感じるくらい。アルコールは申し分なく、タンニンの質にも充分な注意が払われ、後味も甘くきれいで、フルーツのコンフィが残る感じ。インターナショナルは、やっぱりこうよね!(あー、疲れた。。。)

”ルベスコ・リゼルヴァ 2000” ルンガロッティ

2007-10-03 04:10:19 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
“Rubesco Riserva 2000” Lungarotti -Umbria
昔は良く飲んだ。。懐かしい~。
品種はサンジョヴェーゼとカナイオーロのブレンド。
色はやや濃い目のルビー色。細かい澱が最後にグラスに残る。
香りは、アニマル臭があり、毛皮風。なめし革、インク、そして、パイプタバコなどのスパイス臭、腐葉土などに、フルーツ臭は、桑の実moraが混じる。
味は、ボディがどーんと感じられる。アルコールも強い。タンニンは、ちょっとしびれる感じで、やや苦味がある。味の強さは良く、最後にカフェ風のほろ苦さが残る。

”トッレ・ディ・ジャーノ・ヴィーニャ・イル・ピーノ 2005” ルンガロッティ

2007-10-02 17:15:37 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
“Torre di Giano Vigna Il Pino 2005” Lungarotti -Umbria
ウンブリアは海に面していない。そして、イタリアのちょうど真ん中に位置している。それが、「イタリアの心臓」と呼ぶ由縁の一つである。
海に面していないので、料理は当然肉料理。だから赤ワインが多いし、赤ワインが料理に良く合う。しかし、夏の暑い時、軽めの食事、おつまみから始める時には白ワインも欲しくなる。ウンブリアは白ワインはやや苦手だが(いくつかを除いて、特筆できるワインがない)まあまあのものはたくさんある。値段が比較的安いのは嬉しい。
「トッレ・ディ・ジャーノ」は畑名のないベースの白もある。これは畑名入り。
品種は、どちらもトレッビアーノとグレケットのブレンド(こちらは70%、30%の比率)。ベースのはステンレスタンクのみだが、こちらはバリック熟成3ヶ月。
かなりつやがある。最近はノンフィルターも多いし、自然派ワインを飲むことが多いので、これだけの輝きはちょっと久しぶりな感じ。
色はやや濃い目の麦わら色で、やや緑がかる。
香りは、スプマンテにも共通のフルーティがここにもある。華やかで、最初、ふわっ、次に、どーん、と来る。そして、木の香り。イタリアも最近はタルタル(ソースではない。樽・樽)は敬遠されがちなので、どーんとは来ないが、じわっと出て、そのまま留まってる感じ。香りは甘く、バニラ風が漂い、ミネラルがあり、ニワトコsambucoなどの緑の感じがほのかに感じる。
味は、フルーツより木が勝る。柔らかく、ボディがあり、主張が強い。塩気もあり、後味は、程よく続く。最後は、ミネラルを含んだナッツ系の感じか。
Vino ben costruito.(一応、ほめ言葉です。)

”ルンガロッティ・スプマンテ・ブリュット2003” ルンガロッティ

2007-10-02 16:25:16 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
“Lungarotti Brut 2003” Lungarotti -Umbria
ルンガロッティの試飲会があった。ウンブリアのワインの歴史を造ったワイナリーである。
ウンブリアはローマから近いので、ドライブがてらワイナリーも見に行ったし、併設のワイン、オリーブ&オイル博物館も見に行ったし、ワインもよく飲んだものだ。しかし、ワインの世界はあまりに広く、だんだんとメジャーなワインから離れて行き、本当に久しぶりに飲んだという感じ。
10種のワインの中から印象にいくつかをご紹介。
まずは、スプマンテ。ルンガロッティのスプマンテなんて、と言わず、とにかくご紹介。
シャルドネとピノ・ネーロのブレンド。メトド・クラシコである。つまり、シャンペンと同じ瓶内2次発酵方式。期間は36ヶ月。
色は、心持濃い目くらいの麦わら色。泡はかなり細かいが、数は少ない。正確に言うと、しばらくしたら、ほとんど消えてしまう、ほのかに立つだけ、という感じ。光沢は非常に良い。
香りは、ひたすらフルーティ。イタリアによくあるスプマンテのように、とにかくフルーティ。ただし、メトド・クラシコなので、プロセッコとは違うフルーティさ。フルーティさに加えて、奥行き、厚みがある。赤リンゴstarkに、ブリオシュ(コルネットcornetto)、リンゴパイstrudelのような甘さが続く。これは、メトド・クラシコの特徴である酵母の香りとフルーツが一緒になって甘いパンになったという感じである。また、ミネラル系の香りも、隠れて存在している。
味は、やはりイタリアによくあるスプマンテのように、とにかく、どーんとしている。泡が舌にまとわり付く感じがやさしくてきれいで、どーんとしたボディを少しでも和らげている。味の強さ、あり、というかあり過ぎ。長さは良いが、最後に、割りときれいにほろ苦さが残る。
イタリア人好みのスプマンテだと思う。スプマンテに上品さを求めるのではなく、華やかな香りと味を求める。地元のレストランで、スプマンテで始めよう、という時にはぴったりである。

“ヴェルディッキオ・ディ・マテリカ 2004”ファットリア・ラ・モナチェスカ

2007-08-27 07:54:59 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
"Verdicchio di Matelica 2004” Fattoria La Monacesca –Marche
ヴェルディッキオはマルケ州を代表する土着品種である。国際品種があれだけイタリア全土で流行った時に、よく健闘した品種だと思う。幸い、好みの流行はイタリア土着品種に行くようになり、ヴェルディッキオにも再び輝かしいスポットがあたっている。
品種は当然、ヴェルディッキオ100%。
色はやや緑がかった黄色。濃い目で、黄金色に近い。緑がかった色はヴェルディッキオの特徴の一つである。
香りは、ミネラルが強い。また、よく熟した、また、少し酸化したとも言えるフルーツ臭も強い。リンゴの香りはレネッタ種mela renetta、パイナップルはフレッシュと言うより缶詰のもの、そして、花の香りも強い。香りの強さは良く、インパクトもあり、複雑性も程よくある。香草、白コショウなどの緑、スパイシーな香りが全体を引き立てている。
味は、インパクトが甘い。しかし、糖分ではなく、まろやかさから来ている。そして、すぐにヴェルディッキオに多い苦味が出てくる。しかし、これが良いのである。この心地よいほろ苦さは全く邪魔にならず、むしろ個性になっている。そして、白なのに程よいボディがあり、肉質polpaを充分感じる。アーモンド風の香りあり、全体に酸は抑えられて隠れている。ビターチョコと甘さがうまく絡む感じの後味。また、蒸留酒にも感じられる、やや酸化をおびたような感じも残る。
これで、酒屋価格10ユーロだから嬉しい。

”レ・ブスケ” ウマニ・ロンキ

2007-07-13 01:27:59 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
"Le Busche" Umani Ronchi -Marche
各地でレストランを展開している某社、社長にご招待いただいた。場所は、新宿の某デパートの最上階のイタリアンレストラン。最上階だからかテラス席があり、窓の外に見えるテラス席とその向こうの眺めが、都心にありがちな無機的な感じとは違う、とても魅力的な空間を造っていた。店内も静かでゆったりしていて、サービスもとても心地よい。
食事のスタートはスプマンテから。トレンティーノ州で造っている”フェラーリ”は、いつでもどこでも絶対に雰囲気を壊すことがない。
そして、その後のワインとして選んでいただいたのがウマニ・ロンキ社の白ワイン。前菜、プリモ、メインと、肉系を選んだ人、魚系を選んだ人などいろいろいて、こういうふうにかなりバラバラの場合、ソムリエがどんなワインを選んでくれるか、非常に興味がある。魚、肉、夏、昼など、いくつかのキーワードをインプットして答えを出してくれたのだと思う。なるほど、マルケ州の土着品種ヴェルディッキオとシャルドネをブレンドし、樽(バリック)で熟成、魚系プリモにはやや重たいが、肉系プリモに合うし、セコンドで華やかさが全開というワインである。
色は、樽熟なので、かなり濃い目で、黄金色。輝きがとてもきれい。
香りは、樽がややきついが、そこにヴェルディッキオらしい、緑の香りがふわっとやってくる。そして、熟した柑橘の香り、シロップ漬けなど。しばらくするとカラメル臭も出てくる。
味は、辛口だが、かなりまろやか。まとわりつくような感じが、一瞬甘さと錯覚するくらい。しかし、糖分はゼロに近いので、きりっとした辛口。白にしてはボディがあり、最後にヴェルディッキオによくあるほろ苦さがあり、心地よい。香りで感じたカラメル臭も後味に残る。
ウマニ・ロンキ社は、大手だが堅実なワイナリー。手軽なものから、手をかけて造ったものまで幅広い選択ができる。また、このワインはシャルドネとブレンドしているが、ヴェルディッキオのような、ほとんどマルケ州以外では見られないような品種を広めていければ大変嬉しい。

”ヴェルディッキオ・ガイオスピーノ 2000 e 2004” ファットリア・コロンチーノ

2007-06-02 08:08:51 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
"Verdicchio dei Castelli di Jesi Class. Sup. Gaiospino 2000 e 2004" Fattoria Coroncino -Marche
マルケの高品質ヴェルディッキオ。品種はヴェルディッキオ100%。
2000年ヴィンテージ
麦わら色で爪はやや薄めの色合い。
香りは、ナッツ、柑橘、フルーツのシロップ漬けにゴム系の匂いが加わる。白の大変良い熟成状態。複雑性を帯びていて、非常に良い。
味にも、ゴム系の香りが出ている。ボディ良く、酸がきれいにある。味の強さも申し分なく、後味も長い。細く長く続く。最後に塩味残る。
2004年ヴィンテージ
濃い目の麦わら色で、ややグリーンがかったかもという黄金色を帯びる。
香りは甘く、強さとても良い。花、フルーツがきれい。アカシア、柑橘、桃など。広がりあり。ナッツの片鱗感じる。
木は、香りではあまり感じないが、味には出てる。ボディあり。酸より塩味が強い感じあり。
2004年もそれなりに良いが、やはり白でも少し置いてからの方が断然良い。もちろんワイン、ヴィンテージによる訳だが、良質白ワインをすぐに開けて飲んでしまうのは残念。やめよう。がんばって(ちゃんと保存するのにがんばる)、思い切って(誘惑に負けないこと)取っておこう。