在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

某実験的試飲会

2013-06-11 21:42:56 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他


このところ、イタリアにいてはワインを学べないと思っているが、イタリアにいては、本当にワインを学ぶことはできないと思う。
それはイタリアのワインがあまりにてんでばらばらで、体系だっていなく、あれもあり、これもあり、そして、造っているほうも、最高のものを造りたいという気持ちはあるのだろうが、では何が手本になっているかというと、信念だけだったりする。
信念は必要だが、お手本、目標も必要ではないかと。。。
そして、普段、自分のワインしか飲んでいないオーナーが意外と多い。
某ワイナリーのオーナーは、僕は他人のワインしか飲まない、と自慢げに言ったが、楽しんで飲んでいるだけで、そこから何かを学ぼうとして飲んでいないのは明らか。第一、赤を造っているのに、白が好き、と言って白しか飲まないのだから。おまけに、このところ遊びほうけていて、ワインの質も極端に下がっている。と、言ったら、そうかなぁ、との回答。
あまり良くない評価(3グラッポリ)をつけると、どうしてうちのワインがこんな評価なんだ、と文句を言ってくるワイナリーもある。
こんなオーナーばかりではないが、醸造家に任せ、何を造っているのかわかっていないオーナー、質問しても技術的なことには答えられないオーナーも実はまあまあいる。

さて、ちょっと実験的な試飲会に参加した。
数種類のワイン(未販売のもの)があり、平地のものと丘のものがあった。
ここで、体系だてて学んだ場合、ほぼ自動的に、
丘のもの=やや上質、フルーツはやや未熟かも、酸味が強くなる
平地のもの=品質が丘のものに比べてやや劣るかも、フルーツがふくよかで、酸味がやや弱い
との考えに及ぶはずだが、説明を聞いていて、何かがおかしい、と思って聞くと、平地のものの方が酸度が高いということがわかった。(つまり収穫が早い)
醸造家の説明すら体系だったものではないのである。

こんな感じで、このところ、イタリアワインにちょっと疲れている。
イタリアワインを学びたいならそれでもいいかもしれないが、ワインを学びたい場合、イタリアでは学べるところがないということがわかったのでした。

ただし、逆に、だからこそ、イタリアワインを学びたいと思ったらイタリアに来る必要がある。日本でどこぞのコースに参加して資格を取っただけでは、イタリアワインを学んだとは言えないのである。

写真はサンペレのパヴァロッティバージョン。この日、一番満足したのはこのラベルであった。。。。