(写真は十津川)
G-up presents Vol.4 散歩する侵略者
http://www.land-navi.com/backstage/report/g-up/index.htm
満足度 ★ ★ ★ ★ ☆
感動度 ★ ★ ★ ★ ☆
舞台監督 小野八着
脚本 前川知大
演出 赤堀雅秋
舞台美術 福田暢秀
出演 寺十吾・・・夫
小林顕作(宇宙レコード)
中野英樹(グリング)
猫田直・・・妻
岸潤一郎(NAィKI) 他
またまたテレビなのですが・・・
『散歩する侵略者』をみました
どこか懐かしい舞台美術。
どこか安部公房氏の作品を感じさせる具象的ナンセンスで安定した脚本。
訓練された発声と声の役者陣。
なんだか学生時代に戻ったような懐かしい作品で楽しませていただきました。
楽しかった・・・
「それ、いただきます。」
言葉と内容が概念の剥奪によって離脱してしまう・・・
台詞と話のイメージは突拍子もないといえばそれまでですが、自然体にも感じ、結構身近に感じられて怖かったですね。
妻は中味は別人とは知りつつ、夫或いは夫の抜け殻、または夫の形を借りた別人を心底愛す。
「私の『愛』という概念をうばって。そうすればあなたがどこかに行ってしまって、死んでしまっても、もう悲しむこともないんだわ・・・」
の言葉と愛のの深さ・・・
夫は今まで漠然としていた愛について、妻から愛の意味を盗むことによって初めて根本的に本当に愛することの意味を知る。ここで、
「うばわなければよかった・・・」
という脚本家の意図がじんわりとこちらに伝わってくる。
テレビながらに少し目頭がにじんでしまいました。
夫は愛の概念を無くした妻を置いて、後ろ髪を引かれる思いでドアの前で立ち止まり、去る・・・
この『ドアの前の夫』のグレーベースの色彩と構図が、スプレーで書いた80年代に流行った油絵のようで、見事に美しかったです。
面白かった!
芝居について何も知らない初心者ですので、間違いや失礼なことを書いていればお許しください。
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