乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

寺山修司生誕80周年 花組芝居が挑んだ実験浄瑠璃劇『毛皮のマリー』菊組 2015年

2020-06-10 | TVで舞台

 寺山修司生誕80周年

 2015年

 花組芝居が挑んだ実験浄瑠璃劇『毛皮のマリー』菊組

 

 

 まぁ、面白やの大明神!

 よ!花組芝居!

 

 思い出したように、ネット配信で公演案内が来るものの、東京公演がほとんどで、真面目な主婦の私は遠征できずで臍を噬む。

 今回、寺山修司の『毛皮のマリー』を浄瑠璃に合わせてリズムよく演じられる舞台を見ることができ、やっほうほい!と喜こびころこび、見入っていた。

 変調に変調を重ねた歌舞伎のパロディ(例えば、『白波五人男』など)や謡曲(例えば『俊寛』など)が盛り込まれ、バレエあり日本舞踊あり、エロあり変態あり。

 大笑いに笑いながら舞台を楽しんでいたが、最後の男の子の表情の表現力で、寺山修司の『毛皮のマリー』という作品をしっかりとしめ、幕を閉じる。

 これだから演劇、というか、花組芝居は興味深い。

 家に居ながらにして、満足のいく時間を過ごすことができた。

 見終わった後、軽快なピアノ曲を何曲か口ずさんでいた。

 

 

 

 

●作:寺山修司
●脚本・演出:加納幸和
●監修:寺山偏陸
●作曲:鶴澤津賀寿 杵屋邦寿

●東京公演
 2015年12月16日(水)~23日(水・祝)

 あうるすぽっと

〈梅組キャスト〉
谷山知宏 丸川敬之 堀越涼 原川浩明 松原綾央
押田健史 大井靖彦 山下禎啓 二瓶拓也
桂憲一 北沢洋 横道毅 磯村智彦 小林大介 
〈菊組キャスト〉
秋葉陽司 美斉津恵友 加納幸和 山下禎啓 北沢洋
押田健史 二瓶拓也 横道毅 松原綾央
桂憲一 原川浩明 大井靖彦 磯村智彦 小林大介


 

 

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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 12 「むさし野は けふハなやきそ浅草や 妻もころへり われもころへり」 七丁表 和泉書院影印業刊

2020-06-10 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 12 七丁表

和泉書院影印業刊 65(第四期)

1998年 初版

1997年 第三

 

七丁表

◯をかし男有りけり、きりしたんのご法度よりて、武蔵野へ

つれて行ほとに、科人なれは、町奉行にからめら

れにけり、女も男も草村の中にをきて、火つけん

とす、女わひて

  むさし野は けふハなやきそ浅草や

  妻もころへり われもころへり

とよみけるを聞て、夫婦なから扶てはなちけり

 

七丁表

◯おかし男有りけり、切支丹のご法度よりて、武蔵野へ

連れて行くほどに、科人なれば、町奉行に絡(から)めら

れにけり、女も男も草村の中にを来て、火付けん

とす、女詫びて

  武蔵野は 今日は な 焼きそ 浅草や

  妻も転げり 我も転げり

と詠みけるを聞て、夫婦ながら、扶て放ちけり

 

 

きりしたん(切支丹)

扶て(たすけて)(扶 フ たすける)

妻(夫)

 詫びて

  武蔵野は 今日は な 焼きそ 浅草や

  妻(夫)も転げり 我(女)も転げり

 と詠みけるを聞て、夫婦ながら、扶て放ちけり

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  むさし野は けふハなやきそ浅草や

  妻もころへり われもころへり

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  武藏野は けふは焼きそ若草の

  つまもこもれり 我もこもれり

 

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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 11 「たゝくなよ 程は雲井になる神も 太鼓の皮のうちやふるまて」 六丁裏

2020-06-10 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 11 六丁裏

和泉書院影印業刊 65(第四期)

1998年 初版

1997年 第三

 

六丁裏 

◯をかし男神なりのなりけれハ、友達のみちにて

落ちけれは、よみける

  たゝくなよ 程は雲井になる神も

  太鼓の皮のうちやふるまて

 

六丁裏 

◯おかし男、雷の鳴りければ、友達の道にて

落ちければ、詠みける

  叩くなよ 程は雲井に鳴る神も

  太鼓の皮の うち破るまで

 

なる神

 鳴神

叩くなよ→打ち破る

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  たゝくなよ 程は雲井になる神も

  太鼓の皮のうちやふるまて

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  忘るなよ ほどは雲ゐになりぬとも

  空ゆく月の めぐり逢うまで

 

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BUNGY 開運バンジー  奈良県生駒郡三郷町信貴山西 大門池

2020-06-09 | お出かけ

 

 

 BUNGY 開運バンジー

 

 お正月のこと。

 信貴山 朝護孫子寺近くの大門池にかかる橋に、バンジー台が設置されていた。

 

 

 

 そして今回橋を渡ると、まさにこれからバンジー ジャンプしようとされる二十代の女性が…。

 女性は、スタッフたちに支えられ、

「大丈夫ですよ。」

と勇気付けられ、かんねんしたように、

「じゃ、行きま〜す。」

と言って、飛び込まれた。

 

 ひゅーん

 

 ギャラリーのクールビズ姿のサラリーマン 三人もニコリ

 私も、ニコリ

 挑戦された女性も清々しい顔をされていた。

 

 私ももう少し若ければ…あはは^^

 怖がりの私にはムリムリ とも思いつつ、良い時間を過ごさせて頂いた。

 

 

 

 

636-0832

奈良県生駒郡三郷町信貴山西1190-20

30メートル     |      ¥10、000

2020年1月1日より、ジャンプ料金を改定させていただきます。
ジャンプ料金にGoproレンタルとデータが含まれます。

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「七難即減」  信貴山 朝護孫子寺にて

2020-06-09 | お出かけ

 

 

 原付バイクで、信貴山 朝護孫子寺に行く。

 上り坂、一番勾配がキツイところでは、25キロしか出ない。

 車は少ない。まして、バイクなどは一台も見かけない。

 時々車が追いつくが、即座に左折ランプを出して、左脇に身を寄せ道を譲る。

 マイペースで、のんびりと登りを楽しみたい。

 

 朝護孫子寺に着き、歩きもマイペースで楽しむ。

 自由とは、最上のスパイス也。

 

 少し進むと、石の鳥居があった。 

 目をこらすと、鳥居の右側足元には「七難即減」の文字。

 

 目をこらしても逆光で読むことができない。

 フォトショで加工をすると、文字を読むことができた。

 

「七難即減」

 これはしたり。

 コロナが収束しない今、「七難即減」と云う言葉は喜ばしい。

 ありがたく 心に刻み、先に進む。

 マスクが顔の湿度を上げ、信貴山を歩くにも一苦労だが、

 俄か修行僧になった気分で、朝護孫子寺を見て回った。

 

 空が、青い。

 緑が元気だ。

 ぶらりと歩き、良い空気を吸い、元気を頂いた。

 

「七難即減」

 良い言葉である^^

 

 

 

七難即減(しちなんそくめつ)  国語大辞典

 七難がただちに滅び、福がもたらされること。下に「七福即生」と続けて用いられる。

七難  国語大辞典

 1 仏語。火難・水難など7種類の災難。内容は経典により異なる。七苦。

 2 いろいろな難点。多くの欠点。「色の白いは七難隠す」

 

以下は、七福神様の家より▼

「七難即滅 七副即生」は、仁王経に説かれている経文で、「あまたの災難はたちまち消滅し、多くの福徳に転ずる」 という転禍為福の考えから七福神への信仰が生まれたのです。
即ち、世の中の七つの大難はたちどころに消滅し、七つの福が生まれるということ。
つまり「難を滅ぼし福を呼ぶ」という意味です。

七難とは
 太陽の異変、星の異変、風害、水害、火災、旱害、盗難

七福とは?
 寿命、有福、人望、清簾、威光、愛敬、大量

 

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恩頼堂文庫旧蔵本  『仁勢物語』 10 「みよし野の たのも年貢をこはるゝに 君かかりたる かねかへせかし」六丁表 六丁裏

2020-06-08 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本  『仁勢物語』 10 六丁表 六丁裏

和泉書院影印業刊 65(第四期)

1998年 初版

1997年 第三

 

 

六丁表 

◯をかし男 武蔵の國まてまとひありきけり、さて

其國にあらす女をよやハひけり、父ハ「また うど(人)にあハせん」

といひけるを、母なんあたまものに心つけたりける

父ハまたうど(人)にて母なん たて腹也ける、さてなん

あたまものと思いける、此むすこ、金をかりてをこせ

さりけり、すむ所なん、入間の郡、みよしのゝ里也ける

  みよし野の たのも年貢をこはるゝに

  君かかりたる かねかへせかし

むこ かねかへし

  わかかたに くるといふなるみよし野の

  たのもしかねを ついとりかへす

となん、人の国にても なを 借残ハやまたりける

 

六丁裏 

◯おかし男 武蔵の国にて惑いよりける、さて、

其国に在る女を夜這いける、父は又うど(人)に会わせん

と言いけるを、母なん頭ものに心付けたりける、

父は又うど(人)にて母なん、立て腹也ける、さてなん

頭ものと思いける、此息子、金(かね)をかりてをと起こせ

さりけり、住むところなん、入間(いるま)の郡(こおり)、三吉野の

  三吉野の 田面(たのも)年貢を乞はるるに

  君が借りたる 金(かね)返せかし

婿 金(かね)返え

  我が方(かた)に 来ると云うなる三吉野

  頼もし金(かね)を つい取り返えす

となん、人の国にても 名を 借残はやまたりける

 

うど(人)

立て腹(腹をたてる)

たのも年貢(田面年貢)

 領主から領民の田地に対する租税

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  みよし野の たのも年貢をこはるゝに

  君かかりたる かねかへせかし

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  みよし野の 頼むの雁もひたぶるに

  君が方にぞ よるとなくなる

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  わかかたに くるといふなるみよし野の

  たのもしかねを ついとりかへす

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  わが方に よると鳴くなるみよし野の

  たのむの雁を いつか忘れん 

 

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恩頼堂文庫旧蔵本  『仁勢物語』 9【伊勢物語 かきつばた】「かちみちの きのふもけふも すあしたれは はらりきれぬる たひをしぞおもふ」 四丁裏〜六丁表

2020-06-07 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本  『仁勢物語』 9 四丁裏 五丁表 五丁裏 六丁表

和泉書院影印業刊 65(第四期)

1998年 初版

1997年 第三

 

8 五丁裏

左右

四丁裏 五丁表 

◯をかし男有けり、その男 身をえうなき物に思なし

て、「京にハあらし、あつまの方に住へきとて、行けり、

つれとする人ひとりふたり行けり、道しれる

人もなくて、とうて行けり、三河の國岡崎と云所に

いたりぬ、そこを岡崎とハ、茶うりあるによりてなん

岡崎とはいひける、其やとの家に立よりて旅籠(ハタコ)

めしくひけり、その棚に 柿つへた いとおほく有けり 、それ

を見てつれ人「かきつへた いふ五もしを句のかみ

にすへて、旅の心をよめ」といひけれハ、よめる

  かちみちの きのふもけふも すあしたれは

  はらりきれぬる たひをしぞおもふ

とよめりけれは、皆 人わらひにけり、行/\て駿河

國宇津の山に至りて 吾がのほらんとする道ハ

いとくらふたかきに、つた・かえでハしけり、物心ほそく

ひたるきめをみるとおもふに素行物あひたり

左右

五丁裏 六丁表

「かゝる道はいかてかいます」といふをみれハ知人なり

京にその人のもとにてことつてす

  するかなる宇津の山への十團子

  残りなけれハ かはぬ也けり

富士の山をみれは、さ月のつこもりに雪ありて

めしににたり

  時しらぬ 富士八根ほとの いひもがな

  かのこかたひら かへてくふへき

その山を物にたとへハ冷飯をかさねあけたらん

やうにて、なりはすり鉢のしりのやうになん有ける

猶行/\て、武蔵の國と下総國との事におほき

なる河あり、それを角田川といふ、その河のほと

りに、むれいて思やれハ、「かきりなく ひたるくもある

かな」とわひあへるに、渡守、「はや舟にのれ、日も暮

ぬ」と云さる、折しもしろき顔に、帯と小袖とあるき

舟の上にあそひて、いひをくふ 渡し守にとへハ、「これ

なん、みやこ人」といふを聞きて

  なめしあらハ いざ ちと くハん 都人

  吾おもふほと ありやなしやと

と詠めりけれハ、舟こぞりてわらいにける

 

 

四丁裏 五丁表 

◯おかし男有けり、その男 身を要なき物に思なし

て、「京にはあらじ、東の方に住べき」とて、行けり、

連れとする人ひとりふたり行けり、道知れる

人も無くて、問うて行けり、三河の國 岡崎と云う所に

至りぬ、そこを岡崎とは、茶売り有るによりてなん

岡崎とは言いける、其や どの家に立ちよりて旅籠(ハタゴ)

飯喰ひけり、その棚に 柿つへた いと多く有けり 、それ

を見て連れ人「かきつへた いう五文字を句の上

に据えて、旅の心を詠め」と言いければ、詠める

  徒歩道(かちみち)の 昨日も今日も 素足たれば

  はらり切れぬる 旅をしぞ思う

と詠めりければ、皆 人笑いにけり、行き行きて駿河

國宇津の山に至りて 吾(わ)が登らんとする道は

いと暗く 高きに、蔦(つた)・楓(かえで)は茂り、物心細く

ひだるき目を見ると思うに、素行物逢至り

五丁裏 六丁表

「かかる道はいかでかいます」と言うを見れば知人也

京にその人の元にて、言伝(ことづて)す

  駿河なる宇津の山辺の十團子

  残り無ければ 買はぬ也けり

富士の山を見れは、皐月の晦(つごもり)に雪ありて

飯(めし)に似たり

  時知らぬ 富士八根程の 言いもがな

  鹿の子 帷子 変えて食うべき

その山を物に例えば、冷飯を重ね あけたらん

様(よう)にて、形(なり)は摺り鉢の尻の様になん 有ける

猶 行き行きて、武蔵の國と下総國との事に大き

なる河あり、それを角田川と云う、その河のほと

りに、群いて思やれハ、「限りなく、ひだるいくもある

かな」とわい合えるに、渡し守、「早、舟に乗れ、日も暮

ぬ」と云いざる、折し 白き顔に、帯と小袖と歩き

舟の上に遊びて、飯(いい)をく食う渡し守に問えば、「これ

なん、都人」と言うを聞きて

  菜飯あらば いざ ちと 食わん 都人

  吾思うほど 有りや無しやと

と詠めりければ、舟 こぞりて笑いにける

 

 

かきつへた(柿の蔕)(かきつばた のもじり)

宇津の山へ(宇津の山辺) 

十團子(とうだんご)

 茶店に売っていた名物団子

さ月(皐月) 

下総(しもつふさ)

都人

 渡し守の言葉で、謡曲『隅田川』を思い浮かべる。

 

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  かちみちの きのふもけふも すあしたれは

  はらりきれぬる たひをしぞおもふ

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  信濃なる 浅間の嶽にたつ煙 

  をちこち人の 見やはやがめぬ

『仁伊物語』岩波古典文学大系90 より写す

  から衣 きつつなれにしつましあれば

  はる/″\きぬる 旅をしぞ思ふ

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  するかなる 宇津の山への十團子

  残りなけれハ かはぬ也けり

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  から衣 きつつなれにしつましあれば

  はる/″\きぬる 旅をしぞ思ふ

『仁伊物語』岩波古典文学大系90 より写す

  するかなる 宇津の山への十團子

  銭がなければ 買はぬなりけり

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊

  なめしあらハ いざ ちと くハん 都人

  吾おもふほと ありやなしやと

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  名にし負はば いざこととはんむ宮こ鳥

  わが思ふ人 ありやなしやと

『仁伊物語』岩波古典文学大系90 より写す

  菜飯あらば いざちと食わん都人

  我が思うほどに 有りや無しやと

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恩頼堂文庫旧蔵本  『仁勢物語』 8「しらかなる あたまのはちに たつ煙 不動と人のみやハとかめぬ」 四丁裏

2020-06-06 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本  『仁勢物語』 8 四丁裏

和泉書院影印業刊 65(第四期)

1998年 初版

1997年 第三

 

8 五丁裏

四丁裏

◯をかし山伏あり、京や住ううかりけん、東のかたに行て

旦那もとむとて、かちにて行けれハ、汗もなかれ

けり、しらかなるあたまのはちに、いげのたちけれは、

  しらかなる あたまのはちに たつ煙

  不動と人のみやハとかめぬ

 

四丁裏

◯おかし山伏あり、京や 住まう うかりけん、東の方(かた)に行きて、

旦那 求むとて、徒歩(かち)にて行ければ、汗もなかれ

けり、白髪なる頭の鉢に、湯気(いげ)の立ちけれは、

  白髪なる 頭の鉢に 立つ煙

  不動と人の 見やは咎めぬ

 

湯気(いげ)

 ゆげに同じ

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊   

  しらかなる あたまのはちに たつ煙

  不動と人のみやハとかめぬ

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  信濃なる 浅間の嶽にたつ煙 をちこち人の 見やはやがめぬ

  

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映画『東京喰種 トーキョーグール S』

2020-06-06 | 映画

 

  映画『東京喰種 トーキョーグール』

 

 映画館でも見た映画『東京喰種 トーキョーグール』を今一度見る。

 松田翔太のなりきり演技に、見とれてしまった。

 前回見たときよりも、面白く感じた。

 

 

 今回も簡単な記録のみにて失礼いたします。

 

 以下は、wowow公式HP ▼

窪田正孝が運命のダークヒーローを演じるバトルホラーアクション第2作。美食家(グルメ)と呼ばれる最強の喰種(グール)が出現。愛する者を守るための戦いが再び始まる。

石田スイの人気漫画を実写映画化した「東京喰種 トーキョーグール」の続編で、新鋭の川崎拓也と平牧和彦が共同で監督。窪田が演じる半喰種の金木(カネキ)が凶悪な喰種と戦う姿をハリウッド映画ばりのスタイリッシュな演出で見せたのが見もの。この続編は、松田翔太が演じる美食家と呼ばれる月山と、金木の激闘を描写。作品の3分の1を占める教会でのバトルは、山本舞香が演じる董香を交え、ワイヤーアクションを駆使した激しい攻防が展開。狂気をはらんだ月山と傷つきながらも立ち向かう金木の戦いは迫力満点だ。

 

 

金木研(カネキ) 窪田正孝
月山習 松田翔太
霧嶋董香(トーカ) 山本舞香
亜門鋼太朗 鈴木伸之
永近英良(ヒデ) 小笠原海
西野貴未 木竜麻生
西尾錦(ニシキ) 白石隼也
小坂依子 森七菜
芳村 村井國夫
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恩頼堂文庫旧蔵本  『仁勢物語』 7 「いとゞしく すきぬる貝のこひしきも うら山しくも かへる人かな」四丁表 五丁裏

2020-06-06 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本  『仁勢物語』 7 四丁表 五丁裏

和泉書院影印業刊 65(第四期)

1998年 初版

1997年 第三版

 

 

7 四丁表 五丁裏

四丁表

◯をかし男有けり、京にありわびて東に行きけるに

伊勢、尾張に鮑・蛤の海つらにあるを人のいとおほ

五丁裏

くかひけるをみて

  いとゞしく すきぬる貝のこひしきも

  うら山しくも かへる人かな

となん、よめける

 

7 四丁表 五丁裏

◯おかし男有けり、京に在りわびて 東に行きけるに

伊勢、尾張に鮑・蛤の海面にあ有るを 人の愛おしく

買いけるを見て

  いとどしく 好きぬる貝の恋しきも

  羨ましくも 買える人かな

となん、詠めける

 

いとゞしく 

 いとど 副詞  古語辞典

 1ますます。いよいよ。いっそう。 出典更級日記 かどで

 2そのうえさらに。 出典大鏡 序

うら山しく 当て字

 羨ましい

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊   

  いとゞしく すきぬる貝のこひしきも

  うら山しくも かへる人かな

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  いとゞしく 過ぎゆく方(かた)の恋しきに

  うら山しくも かへる浪(なみ)かな

  

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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 6 「をのこか何そと 人のとひしとき 鬼とこたへてきりなましものを」三丁裏 四丁表

2020-06-06 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 

 富田高至 編者

 

恩頼堂文 

庫旧蔵本  『仁勢物語』 6 三丁裏 四丁表

和泉書院影印業刊 65(第四期)

1998年 初版

1997年 第三版

 

 

6 三丁裏 四丁表

三丁裏

◯をかし男有けり、女の子にてうましかりけるを、腰を

とらへていたきわたりけるを からうして うませて

いとくらきに、あくた紙子のやふれなとしきて、草

の上にをきたりける子を、「かれは男か女子」かとおとこ

にとひける、後の物をそく、夜もフケにけれハ

鬼子ともしらす、髪さへいといみしうくろく、額会(アタマ)

もいたうふりまハりけれハ、あバらなるくらがりに

女をハ奥にをし入て、男湯をわかひてあびせ

をり、はや夜も明ぬに、この子おほきになりて鬼

子、母を一口にくひてけり、「あ、いたや」といひけれと、鐘なる

四丁表

さハきに え きかさりけり、漸ゝ夜も明行に見れハ、生(ウミ)し

女も子もなし、足すりをしてなけど かひなし

  をのこか何そと 人のとひしとき

  鬼とこたへてきりなましものを

これハ二條のもとり橋のもとに、つかまきやにてい

たりけるを、刀の柄糸・目貫なとぬすまれて進追て

出たりけるを、堀川の程にて 太郎左衛門 すみついて

いふ大工、またくらきに出ける、いみしう追人ある

を見つけて、とめてとり返してけり、その夜

鬼子をは うみける

 

6 三丁裏 四丁表

三丁裏

◯おかし男有けり、女の子にて生ましかりけるを、腰を

捉えて行き渡けるを かろうじて生ませて

いと暗きに、芥紙子のやぶれ等敷きて、草

の上にを来たりける子を、「彼は男か女子」かと男

に問いける、後の物をそく、夜も更けにければ

鬼子とも知らず、髪さえいと いみじう 黒く、頭(額会 アタマ)

もいとう振り周りければ、あばらなる暗がりに

女をば奥に押し入て、男湯を沸かいて浴びせ

おり、はや夜も明けぬに、この子 大きに成りて、鬼

子、母を一口に喰いてけり、「あ、痛や」と言いけれど、鐘なる

四丁表

騒ぎに 得 聞かさりけり、漸々(ようよう)夜も明け行くに見れば、生(ウミ)し

女も子も無し、足摺をしてなけど 、甲斐なし

  おのこか何ぞと 人のと 等しき

  鬼と答えてきり なまし ものを

これは二條の戻り橋の元に、柄巻屋にて至

りけるを、刀の柄糸・目貫なと盗まれて進追て

出たりけるを、堀川の程にて 太郎左衛門 住みついて

言う大工、また暗きに出ける、いみじう追人ある

を見つけて、止めて取り返してけり、その夜

鬼子をは 生みける

 

額会(アタマ  頭)  額会の額?

 元気が余って、頭をひどく回したので

芥紙子のやぶれ

 産後に出る胎盤、臍帯など

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊   

  をのこか何そと 人のとひしとき

  鬼とこたへてきりなましものを

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  白玉かなにとぞと人の 問ひし時

  露と答へて消えなましものを

  

 

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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 5 「ひとつふたつ わか手なをらぬものならハ よひ/\ごをハ うちもしなゝむ」 三丁表

2020-06-05 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 富田高至 編者

 

恩頼堂文 

庫旧蔵本  『仁勢物語』 5 三丁表

和泉書院影印業刊 65(第四期)

1998年 初版

1997年 第三版

 

 

5 三丁表

◯をかし男有けり、名人の碁うちへ石なをされに

いきけり、大身なる所なれハ、たひ/\も えうたて、藁(ワラ)

苞(ツト)なとに文やり、朔日節供にかよひけり、人より下手

にもあらぬとまけ 度かさなりけれハ、あるし 其

あい手に夜ことに上手をつけてうたせけれハ、うてと

えかたて手もなをらさりけり、さて、詠める

  ひとつふたつ わか手なをらぬものならハ

  よひ/\ごをハ うちもしなゝむ

 

5 三丁表

◯おかし男有けり、名人の碁打ちへ 石直されに

行きけり、大身なる所なれば、度々も 得 打たで、藁苞(ワラヅト)

等に文やり、朔日節供に通いけり、人より下手

にも有らぬと負け、度重なりければ、主人(あるじ)其

相手に夜毎に上手を付けて打たせければ、「打て」と

得勝たて、手も尚更去りけり、さて、詠める

  ひとつふたつ 我が手 直らぬものならば

  宵々 碁をば 打ちも死ななん

 

藁苞(ワラヅト)岩波古典文学大系

 藁で包んだ土産物

うちもしなゝむ

 打ちも死ななん

 うちも し(する)ななん 

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊   

  ひとつふたつ わか手なをらぬものならハ

  よひ/\ごをハ うちもしなゝむ

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  人しれぬ わが通ひ路の関守は

  よひ/\ごとにうちも寝ななん

  

 

 

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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 4「つらやあらぬ 鼻やむかしの鼻ならぬ 吾身ひとつハもとの身にして」 二丁裏 三丁表

2020-06-05 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 富田高至 編者

 

恩頼堂文 

庫旧蔵本  『仁勢物語』 4 二丁裏 三丁表

和泉書院影印業刊 65(第四期)

1998年 初版

1997年 第三版

 

左右

4 二丁裏 三丁表

◯をかし東の五條に扇子屋のかゝわつらふなりけり、西

の洞院にくすし有けり、それハ本堂にはあらて

針に心ふかゝりけるゆへ、行とふらひけるを、む月

の十日ハかりの程に、ほかと腫にけり、腫所ハ聞けと

人の見るへき所にもあらさりけれハ猶うしと

おもひつるなん有ける、又の年の む月にハ目と鼻と

の間に出て腫て立てみゐてみゝれど、去年に

にるへくもあらす、打笑て肋(あハら)骨もいたきに、つらのゆ

かむまて笑て去年を思出てよめる

  つらやあらぬ 鼻やむかしの鼻ならぬ

  吾身ひとつハもとの身にして

とよみて、夜のほの/″\と明るに、なく/\おきにけり

 

4 二丁裏 三丁表

◯おかし 東の五條に扇子屋のかか 患うなりけり、西

洞院(にしのとういん)に医師(くすし)有けり、それは本堂には有りて(あらて)

針に心深かりける故(ゆえ)、行き弔いけるを、睦月

の十日ばかりの程に、他と腫れにけり、腫れ所は聞けと

人の見るべき所にも有らざりければ猶(なお)憂しと

思いつるなん有ける、又の年の 睦月には、目と鼻と

の間に出て腫れて、立てみ居てみ、見れど、去年(こぞ)に

似るべくも有らず、打ち笑いて肋(あばら)骨も痛きに、面(つら)のゆ

かんまで笑いて、去年(こぞ)を思い出して詠める

  面(つら)やあらぬ 鼻や昔の鼻ならぬ

  吾身(わがみ)ひとつはもとの身にして

と詠みて、夜のほのぼのと明(あく)るに、泣く泣く起きにけり

 

あらて

 有りて

む月  岩波古典文学大系

 睦月陰暦正月。)

うし

 憂し

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊   

  つらやあらぬ 鼻やむかしの鼻ならぬ

  吾身ひとつハもとの身にして

 とよみて、夜のほの/″\と明るに、なく/\おきにけり

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  月やあらぬ 春や昔の春ならぬ

  わが身ひとつはもとの身にして

 とよみて、夜のほの/″\と明(あく)るに、泣く/\帰りけり

  

 

 

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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 3「おしやるならハむしろのうへにねもしなん 備前瘡にハ蓋をしつゝも」 二丁表 二丁裏 和泉書院影印業刊

2020-06-05 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 富田高至 編者

 

恩頼堂文 

庫旧蔵本  『仁勢物語』 3 二丁表 二丁裏

和泉書院影印業刊 65(第四期)

1998年 初版

1997年 第三版

 左

3 二丁表 二丁裏

◯をかし男有けり、秘蔵しける女のもゝに備前瘡と

いふものをやみて

  おしやるならハむしろのうへにねもしなん

  備前瘡にハ蓋をしつゝも

二てうの薄緑のまたいてこで、たゝみやにをきける

時の事也

 

3 二丁表 二丁裏

◯おかし男有けり、秘蔵しける女の股(もも)に備前瘡(びぜんがさ)と

云う物を病みて

  おじゃるならば 筵(むしろ)の上に寝もしなん

  備前瘡(びぜんがさ)には 蓋をしつつも

二畳の薄緑(うすべり)のまだ 出で来で、畳屋にを聞ける

時の事也

 

秘蔵しける  岩波古典文学大系

 大切にしている

備前瘡(びぜんがさ)  岩波古典文学大系

 疥癬虫の規制によって起こる伝染性皮膚炎。下腹、股部に生じ、かゆい。

おじゃるなら  岩波古典文学大系

 おいでになるなら

二畳  岩波古典文学大系

 畳二枚分の広さ

『伊勢物語』では、二畳の妃

薄緑(うすべり)  岩波古典文学大系

 茣蓙(ござ)に縁をつけた薄い引き物

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊  

  おしやるならハむしろのうへにねもしなん

  備前瘡にハ蓋をしつゝも

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  思ひあらば 葎(むぐら)の宿に寝のしなん

  ひじきものには 袖をしつゝも

 

葎(むぐら)  大辞林

 広い範囲にわたって生い茂る雑草。また、その茂み。カナムグラ、ヤエムグラなど。もぐら。

 季 夏「山賤(やまがつ)のおとがひ閉る―かな/芭蕉」

 

 

 

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紫陽花の色づきが少し濃くなってきました。

2020-06-05 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 

 

 

 紫陽花の色づきが少し濃くなってきました。

 

 時々ふたりで、此のテーブルでお茶やお菓子をいただいています。

 静かな時が流れます。

 

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