ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

著書より「本当の幸せをつかむ心のレッスン」 

2017-07-24 07:14:58 | エッセー
 大和書房(1998年8月発行)エッセー
 ☆褒めてくれる友人はとても大切
 私の尊敬する友人に、同人誌を主宰するIさんがいます。
彼女とはある新聞の投書欄がきっかけで、知り合いましたが、何故か波長が合い
それ以来、ずっと親交が続いています。
 Iさんは長年幼稚園の先生をしていましたが、大分以前に退職し、同人誌を創る
かたわら、短歌などを楽しみ、今は悠々自適に暮らしています。
 私より大分年配のIさんは今では、ホンネで話せる友人の一人ですが、私のカ
ウンセラー的な存在と言っても良いほどです。Iさんはなかなかの名文家で、ある
新聞の投書欄の常連です。私は彼女の主宰する同人誌に、何年か投稿していた
ことがありました。

その度に「イキイキ弾んで明るい」「まるでバラのように華やか」などと、いつ
もやさしく批評してくれました。お調子者の私がすっかり舞い上がったのは言う
までもなく、彼女の言葉があったからこそ、今まで沢山の本が書けるように
なったのかも知れない、と今でも感謝しています。
会ってからすぐに彼女は「あなたは少女というより、まるで私が教えていた幼稚園
児のよう。私の前を歩いていた女の子が、突然振り返ってニコッと笑いかける。
あなたはそんなイメージの人ね」と言われました。
 自分の幼児性をズバリ指摘されて、内心ギクリとしたことも忘れません。

Iさんは練馬区に住んでいて、彼女の住むアパートの周りには、大きなキャベツ
畑になっていて、周りには農家が点在しています。そのため新鮮な野菜が手に入る
そうで、お料理好きで上手なIさんは、私が遊びに行く前日から鰹節や昆布でだし
をとり、手間と時間を十分かけたお料理を御馳走してくれます。食卓に並んだ真心
のこもった手料理は、とてもよそでは味わえない絶品ばかりですが、野菜が大好き
な私にとって、とても嬉しく何時も最高のおもてなしをして下さったのだと感謝
できました。ずっと独身を通してきた彼女は、人柄のせいか、友人がとても多く
悩みやグチ話など、いろいろな人が相談に訪れるようです。
 「さんざん話してから、明るい顔をして帰る人を見ると、これも人助けになるか
と思うのよね」と、やさしく笑っています。私にとってIさんは、人生の先輩と
して、憧れでありまた目標でもあるので、そんな友人がいることを、とても幸せだ
と思っています。

※その後施設に入り、時々会いにいきましたが、認知症になってどこかの施設に
移されました。でもどこに移ったのか、その施設では絶対に教えてくれず
淋しいい思いをしましたが、今は元気にしているのかしらと、時々思い出す
懐かしい方です。


コメント
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