ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

自分では若いと思っていても、厳しい現実

2018-07-05 08:53:41 | エッセー
 先日旅行から帰った朝、3日目はどこへ行ったのか思い出そうとしても、全然
思い出せない。昨日のことなのにと、恐ろしくなったがそう言えば最近そんなこと
がしばしばある。最もショックだったのが、先月学会で講演したときに「これだけ
は絶対に話すべきこと」と思っていたのに、パワーポイントの操作だけで終わり
「これでは私の伝えるべき骨子がなかった」と後悔しても遅かった。
 若い頃は暗記力だけはバツグンだったが、記憶力は良くはなかった、何故なら人前
で話すときは、改めて毎回その記録を引き出していたからだ。

 昨日は自分のレッスン中に、自分で振り付けた「第二の青春体操」が、突然踊れ
なくなり、大ショックだった。とても年齢だから仕方がないでは済ませなくなり
不安に襲われた。実は3年程前に夫が通っている松沢病院で、認知症の精密検査を
受けたことがあった。その時点ではすべて正常で、ある検査では大変優れている
と診断されたが、もう一度精密検査を受けたいと思い電話をした。
 すると新規の診察は大変混んでいて、予約は8月の半ばだそうだ。

 仕事はいつでも辞められるが、私には認知症の夫の介護と言う重要な役目がある。
認知症と診断され、8年目になり彼は、優等生ではあるが、現在私の介護なしでは
生きられない状態だから、私は絶対に認知症などになっていられない。
 でも、「認知症になると、何にも考えないから、苦労がなく楽でいいなあ」と
実は感じることが多々ある。自分でいうのもナンだが、頭の回転、行動力、感受性
創造性、健康度などは、多分衰えてはいないし、むしろ他人より優れているのでは
と思う。でも、こと記憶力、記銘力に関しては全く自信がない。
 いくら気が若くても、頭は完全に老化しているのだ。これだけはどうにもならない
けど、もしもその前兆であれば、できるだけ早く阻止しなければと思っている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする