ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

「世界心理治療学会」で発表 小池能里子のアドバイス

2018-11-15 07:29:56 | エッセー
 ☆ クレッチマーの気質型分類法 相反する気質との付き合い方
 私達は生まれて時すでに持っている、性格、人格の基礎というべき「気質」
があります。それは大きく5つのタイプに別れますが、その二つの気質について
お話しましょう。これは(精神病的分類法とも言われます)
1)そううつタイプ(賑やか好き、社交的、協調的、気分の変動が激しい、お調子者
緻密さに欠け、親分肌)は、ことに淋しさや孤独感に大変弱いようです。
2)それと相反するタイプが統合失調症タイプ(昔は分裂型)
(非協調的、創造性や独創性は高く、独自の価値観や考えを持ち、プライド
が高く、非協調的)そのため孤高の貴族、誇り高きロマンチストとも言われます。
ドンカンと繊細さを併せ持つのが特徴。孤独を好み、一人でいる方が楽なので
孤独感やさみしさをあまり感じないようです。
 
2)はどちらかと言うと、人間関係があまり良くない場合が多いのです。
私は典型的なそううつタイプで、気分の変動が激しく、大変寂しがりです。
でも、心理学を長年勉強するとともに、コントロールはできるようになりました。

☆指導ケース
50代で独身のYさんは、80代の母と二人で住んでいましたが、母子とも昔から
気が合わなかったのですが、父親が亡くなってからもずっと一緒に住んでいました。
不幸なことに二人とも、非協調的な統合失調症・別名芸術家タイプでした。
そのため、お互い譲り合うことなく、いつも口を開くと喧嘩ばかり、一階と二階に
住んでいましたが、食事は一緒でしたが、驚いたことにゴミは二人で別々に出していた
そうです。Yさんは会社員でしたが、職場では仕事に差し障りがないように、自分
を抑えていたそうですが、実は同僚から「付き合いにくい」と、陰口を言われていたとか。

 彼女の言い分は「会社で我慢しているのに、家に帰っても我慢するのは嫌だ」と
言うことでした。一人でいるのが好きで、旅行もいつも一人で行き、それを母親が
羨ましがっても、決して誘うことはなかったとか。私は、「もう今更お母さんは高齢
だし今更変えられないから、あなたがもう少し優しくしたり、意見に協調してみたら」
と、アドバイスしても無駄でした。だんだん弱っていく母親をどうするべきかが
相談内容でしたが、結局家を処分し、母親は施設に入り、自分はマンションを買いま
した。それからは、母子は全く会わないそうで、極端な事例ですが、一般的に見ると
信じられないようですが、これは紛れもない気の毒な事実でした。

 孤独に強いタイプは、そううつタイプから見ると、ある意味強いと思えますが
果たしてそれが幸せでしょうか?この実例を見ても考えさせられました。
 しかしこのタイプで頭が良い人は、「カミソリのように切れる」と言われるほど
シャープですので、出世街道を驀進するかもしれません。
 いずれにしても、持って生まれた性格の基礎である、気質を上手にコントロール
できる人が、世渡りの上手な人なのでしょう。
 
もしもあなたが気分の変動が激しく、気が変わりやすく、人付き合いが良い方なら
それは1のタイプでしょう。逆に孤独が好きで一人でも淋しくなく、あまり協調的
でなければ、2のタイプかも知れません。良いとか、悪いとかではなく、それらは天性の
性格の基本なので、それがある程度理解できれば、上手に相手と付き合うことができる
事でしょう。すると生きていくことが、随分楽になると思いますよ。
 自分で満足できる人生を歩めるのは「自分自身の内面を、ある程度把握すること」
だと思いますが、何より重要なことは、相手に迎合することではなく「ある程度自分の
主体性を持ちながら、共感と受容と愛の気持ち」ではないでしょうか。
 私はそんな気持ちで、認知症8年目の夫に接しているためか、いつも夫は穏やかで
幸せそうです。
コメント
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