ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

雨の月曜日

2021-04-06 08:53:17 | エッセー

 認知症の夫は都立松沢病院で11年前に診断されたが、それ以来3か月に一度定期的に

診察を受けている。昨日は病院へ着いたら、マスクをしていないことに気づいたが

きっとバスの中で外して、落としたのだろう。今ある事で頭がいっぱいな私は、注意力

に欠け、必ず予備のマスクを持ってくるのに、それをすっかり忘れていた。

 マスクなしでは病院の中は歩けない「今売店で買って来るから、ここで待ってて」と

言ったら「マスクならありますよ、どうぞ!」と、そばにいた中年の女性が言って

くれた。※新病院長のために玄関に飾られたお花

「有難うございます。本当に助かります、分けて頂けますか」と言ったら

「そんな高いものではありませんのでどうぞ」と、差し出して下さった。

 何とやさしい方だろうと、丁寧にお礼を言って予約時間のため、足早にそこを立ち

去ったが本当に有難かった。粗忽な私は何か落としたり、ときどき人様のお世話

になることがあるが、そんな時いつも感じる「私も誰にでも親切にしたい」と。

 

 心理学の勉強をしているとき「人は80%の人はやさしく、誰かのために役立つこと

に幸せを感じるが、残りの20%の人はそうではない人だ」学習したことがあった。

 雨の松沢病院は雨に濡れた樹木が、とても美しくしっとりした雰囲気だった。

初診から満10年間お世話になっている先生と、毎回2人でお目にかかるが、すると

とても精神的に安定した気分になれる。それは、優しく穏やかな先生の、見えない

やさしさが心に広がっていくのかも知れない。

コメント
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