博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『包青天之九 探陰山』

2008年08月17日 | 中国古典小説ドラマ
『包青天』シリーズのうち、今回は「探陰山」(全4話)を鑑賞。前回と同じく『三侠五義』にも採られているエピソードですが、「探陰山」というタイトルは同様の筋の京劇の題目から採られています。

書生の顔査散は亡父の友人の娘である柳金嬋と許嫁の仲ですが、彼女の父親は貧乏な顔査散を疎んじ、娘を地元の有力者である馮君衡と結婚させようと目論んでいます。ある日顔査散が柳家の屋敷で柳金嬋と密会している時に、見張り役をつとめていた侍女の秀紅がふとした拍子に馮君衡に殺害され、顔査散がその容疑者として検挙されてしまいます。しかし顔査散は柳金嬋の貞節のために密会の事実を隠し通し、秀紅を殺した罪を頑として否認せず……

この話、『三侠五義』では白玉堂が顔査散と義兄弟になって彼を助けたりと大活躍するので、ドラマの方でもそういう展開を期待していたところ、結局彼は登場せずじまいでした。このドラマの白玉堂って、出て来たら出て来たらでもの凄くウザいんですが、出なきゃ出ないで何か物足りないという非常に難儀なキャラです(^^;)

見所は馮君衡が冥府の判官となった亡き母方の叔父の力を借りて事を有利に進めようとするのに対し、包拯が文曲星の化身として判官の悪事を断罪する場面。この人、冥府の裁判でも「該当何罪!」とか「大胆!」といったいつもの包青天語(注)を発するんですね(^^;) あまりの変わらなさっぷりに笑ってしまいました。

(注)包青天語:包拯が裁判の場面で発する口癖。他に「豈有此理!」や「好大的胆子!」などがある。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする