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『包青天之七侠五義』その7(完)

2011年01月09日 | 中国古典小説ドラマ
『包青天之七侠五義』第35~最終40話まで見ました。

塩幇では先代の総舵主が何者かに殺害され、左護法の鉄栄が先代の娘朱瑛を新総舵主として擁立。そして鉄栄と対立する右護法の肖鋒が梓州で役人と結託し、官塩の密売を行っているらしいという情報を入手。朱瑛は旧知の艾虎に捜査を依頼します。

一方、朝廷でも梓州での官塩密売が問題となりますが、その容疑者として他ならぬ包拯の甥包勉の名前が浮上。包拯は両親が年を取ってから生まれたので、兄嫁にあたるこの包勉の母に養育され、彼女を実の母同様に慕っていたのであります。そういう事情があって積極的に捜査に乗り出しづらい包拯。しかしかつて息子を殺されたことを根に持っている龐太師は(その1を参照)、敢えて今回の事件の取り調べを包拯に任せるよう要求。審問に手心を加えたり罪を見逃すようなら、当然激しく弾劾する構えですが……

ということで最終シリーズは「鍘包勉」です。自分の身内が悪事を犯した(と疑われた)時に名裁判官はどう動くか?という割と衝撃的なテーマのはずなんですが、同様のテーマを扱った『大宋提刑官』での神展開(『大宋提刑官』その8その9を参照)と比べると、かなり見劣りするなあというのが正直なところ。塩幇が私塩を精製して密売するのはオーケーで、役人と結託して官塩を密売するのはNGという倫理観もよく分かりません……

【総括】

というわけで、今回は『三侠五義』をドラマ化しているっぽいということで本作を見てみたわけですが、フタを開けてみると七侠(小諸葛の沈仲元を除く)と五義が登場したというだけで、ストーリーは『三侠五義』と全然違ってましたねえ(^^;) ただ、ストーリー展開自体は最初と最後のエピソード以外は大体満足できるもので、1エピソードが3話~5話程度と、ほぼ旧版と同様のスピード感を保っているのも良かったかなあと。

で、新版『包青天』は今後もシリーズ化されるようですが…… 続編『包青天之碧血丹心』の紹介文を読むと、日本の天皇のお姫様が和親にやって来るとか、藤原氏が大宋の江山を乗っ取ろうとしているとか、なかなか楽しそうなことを書いてますね。こっちもやっぱり見るしかないのか(^^;)

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