博客 金烏工房

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『隋唐演義』その1

2013年02月21日 | 中国古典小説ドラマ
今年の旧正月ドラマ『隋唐演義』を見始めました!全62話の大作ですが、新版『水滸伝』のスタッフが制作に関わっているということで期待が高まります。本作は元ネタの古典小説ではなく、単田芳氏の評書(講談本)を原作にしているとのこと。

今回は第1~6話まで鑑賞。

物語は晋王(後の煬帝)が南朝の陳を滅ぼすところから始まります。その勲功により図に乗った晋王は、叔父の靠山王の娘(すなわち従妹)の玉郡主を輿入れさせようとしたり、兄の太子楊勇を陥れようとしたりと、色々画策を始めます。後に皇后となる蕭美娘(南朝の梁の末裔という設定になっている)も夫の軍師役として悪事の片棒を担ぐことに。

で、太子の腹心の李淵(後の唐の高祖)を抹殺するために、父文帝の見た夢を利用して彼が隋の天下を奪い取ることになると謡言を流させますが、李淵の次男の李世民(後の唐の太宗)が機転を利かして文帝に李淵を地方に派遣するよう上奏し、李淵は一家を挙げて太原に赴任することに。この場面で李淵の末子の李元覇(後の本作最強の武将)が、父を陥れる謡言を街中で聞き覚えて父親の前で堂々と歌っているのにワロタw

煬帝はなおも諦めず、配下の精兵「金蛇衛」を派遣して李一家を惨殺させようとしますが、通りすがりの捕り手の秦瓊と樊虎の助太刀によって難を逃れます。敵兵をなぎ倒す秦瓊を目を輝かせて見つめる李元覇少年。彼の憧れのヒーローが誕生した瞬間ですね(^^;) しかしそれによって今度は秦瓊らが「金蛇衛」に追われる身となり、樊虎が負傷した秦瓊を宿屋に預けて歴城に戻ることにしますが、実はこの宿屋がいわゆる「黒店」で、店主夫婦に密かに持ち金を盗まれ、更に宿代と療養費の支払いのために武器や馬の売却を迫られます。

捨てる神あれば拾う神ありということで、売却した馬が縁となって秦瓊は「二賢荘」の主の単雄信のもとに引き取られます。が、この単雄信らが隋の高官から強奪した金塊の一部を「二賢荘」から出立する際に手土産として忍ばせたことから、秦瓊が強盗の一味として官憲に捕らえられて拷問→投獄→北平府に流罪となることに…… このドラマでも序盤の秦瓊さんには不幸が連続コンボのように襲いかかってきますな(´;ω;`)

北平府では自分を慕う役人たちと出会い、彼らが秦瓊に色々便宜を図ろうとします。このあたりは『水滸伝』でもお馴染みの展開ですね。しかし北平府の主の羅芸はそんな部下の様子を不審に思い、敢えて秦瓊を厳刑に処することを決意。人の好意が却って重大なトラブルを引き起こす。これも『水滸伝』でお馴染みの展開ですね。しかし羅芸夫人は秦瓊が自分の甥であることに気付き……

ということで、主役の秦瓊(秦叔宝)を演じるのは、新版『水滸伝』で燕青役だった厳寛。



他にも李世民が西門慶役の杜淳だったり、単雄信が林冲役の胡東だったりと、『水滸伝』でお馴染みの面々があちこちで登場しております。

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