ウィリアムのいたずらの、まちあるき、たべあるき

ウィリアムのいたずらが、街歩き、食べ物、音楽等の個人的見解を主に書くブログです(たま~にコンピューター関係も)

ソフト業界は、なぜ規格化して、規模を大きく出来ないのか?

2005-02-11 17:59:39 | 開発ネタ
 一般的に考えると、サービス(ソフト業界ならシステム開発)を規格化すれば、
 その規格に合わせたサービスを大量に供給でき、サービスの技術もあがり、
 規模を大きく出来ます。
 これを規模の経済という。。。っていうのは、普通の経営の授業で習うこと。

 でも、ソフトハウスの場合、これだ、できないんです。
 理由は、ソフトを作る目的が、ビジネスモデルの構築だからです。




 企業は、競争して、勝ち残ったものが利益を得ます。
 それが、日本やアメリカを初めとする資本主義社会のしくみです。
 で、競争に勝つには、どうするか。。。

 放送大学大学院の経営システムIのテキスト62ページにあるばあい、
普通とる戦略が差別化です。
 で、差別化には(そのページの図にあるように)2つあり、
 ・製品あるいはサービスの差別化と
 ・ビジネスシステムの差別化
があります。一般に、後者のほうが、差別化として、大きなインパクトがあります。
で、これを行うためにビジネスモデル特許などもあるのでしょう。

 でも、ここで問題です。ビジネスモデルを規格化したら、差別化できないですよね。
その規格と、違うことをするのが差別化ですから。




 つまりですね、ビジネスを差別化するために、システム開発する場合、
規格にはずれたことをするわけですから、規格化はあんまり役に立たないです。
 もちろん、二番煎じ、そのあとに続く人たちに対応するために、規格化と
いうのは考えられますが、この場合は、パッケージソフトが出てしまうので、
ソフト開発的には、規格化というよりかは、パッケージ化の問題になります。




 じゃあ、そのような新たなビジネスモデルに対応するにはどうしたらよいか
というと。。。

 規格化でなく、部品化と、その部品の限界(問題点)を分かりやすくすること、
 部品を使いこなせる人を増やすことです。

 つまり、ミドルアップダウンの、ミドルマネージメント層を増やし、その人たちに
有効な情報を提供することになります。
 では、効率よく、ミドル層を養成するには、どうするかというと、小さな成功で
いいので、それを積み重ねることです。




 たとえば、証券システムを開発しようとした場合、規格化で考えるなら、
一つの証券会社のシステムを受注して、それで規格をつくり、そのあと、
いっせいにその規格をもとに、他の証券会社のシステムを開発するということになります。

 しかし、この場合、証券会社のビジネスモデルは、多くの場合、かなり異なっています。
 ネット証券だけみても、10万円以下無料、ループトレードで課金のところも
あれば、1回の取引手数料が安い(けど毎回の取引にお金がかかる)といったように
さまざまです。
 これを規格化するというのは、無茶でしょう。証券会社が納得しません。

 っていうことで、この部分を作り変えると。。。
 結局、規格化できない部分が複雑で、それと、規格が合わず。。。問題化してしまいます。



 一方、ウィリアムのいたずらの述べた、部品化&小さい部分の成功ということから
考えると、今、手付かずの分野として、証券仲介業の部分があります。
 ここの部分だけを受注、システム化します。
 で、ここの部分で、どんどん部品化します。

 証券業界の場合、手数料部分は違いますが、発注の出し方は、むしろ、取引所
ごとに決まってるし、その日の集計なども、使えるかもしれない。。。

 そうやって、成功事例がたまっていくと、あらたな受注を受けたとき、どの部品が使えるか
みえてくるということです。




 一方、規格化して、いっぺんにやる場合は、そういうミドルを育てないで、いきなり
やるので、前のブログに書いたように、それだけ、危険性が増します。
 結果として、だれか、おおきな失敗をしでかして、儲けを吐き出してしまうということに
なってしまう。
 やっぱ、ソフト業界で、規格化は、危険だと思います。じみちにいこう。




ということで、ウィリアムのいたずらの富士ソフトABCの記事のコメントはおしまいです。
で、次回から、「コピーされるほど儲かるシステム」の、プロジェクトの見積もりの話から

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