「古都逍遥 京都・奈良編」「花の詩」「日常のこと」や花や風景写真

 京都・奈良を中心に古刹・名刹や「花の詩」等の紹介。花や風景写真、オリジナルの詩、カラオケ歌唱など掲載しています。

「智積院」(ちしゃくいん)  

2006年08月02日 22時15分25秒 | 古都逍遥「京都篇」
 京都の洛東、三十三間堂に面する七条通りを東に100mほど行くと東大路にぶつかり、その正面に広大な真言宗智山派の総本山、智積院がある。駐車場に車を止めると、真新しい鐘楼が見える。手入れの行きとどいた長い参道を行くと、東山随一を誇る金堂が威風堂々と構えている。その左手に歩いていくと大師堂がひっそりと佇んでいる。開山した弘法大師を祀ってあるものだが、参拝者の影はほとんど見当たらない。

 智積院を有名にしているのは、国宝の障壁画であろう。庭園の拝観料を支払い庭内に入るとすぐ、高浜虚子の句碑が目に飛び込む。「ひらひらと つくもをぬひて 落花かな」と刻まれている。「つくも」は高さ1~2m、池沼などに生える多年草。庭園は利休好みの庭仕立て、中国の魯山(ろざん)を模って造ったとある。桃山時代の特色である自然石を使い、深山の奥深さを漂わせた野性的な魅力がある。京都は水が豊富だったことから、水と建物とをうまく調和させたものが多く、ここ智積院もそうで、名勝庭園の中でも傑作の一つであろう。

 庭もさることながら国宝障壁画は必見である。長谷川等伯(とうはく)とその一派が筆をとっている。等伯は狩野派の一門だったが、作風があわず一派と対立。独自の画風を創造していった。秀吉に認められ智積院の襖絵師に。彼の描いた「楓図」は好きだ。生命力に溢れ強烈なインパクトで迫ってくる。

交通:京阪京都線七条下車徒歩8分。

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