鮮やかな新緑に包まれた東福寺通天橋。橋を渡ると緑なす海原の中を歩いているような錯覚すら覚える。秋には絶景なるかなの紅葉に覆われる。通天橋のたもとにある天得院が、特別拝観を行っていると知り訪ねてみた。
臨済宗東福寺の塔頭の1つである当院は、正平年間(1346~70)東福寺第30世、無夢一清禅師が開創した。慶長19年(1614)に文英清韓(ぶんえいせいかん)長老が住持となったが、清韓は、豊臣秀頼の請に応じ方広寺の鐘名を撰文したことで知られている。だが、その銘文中の「国家安康、君臣豊楽」の文字が徳川家を呪詛するものとして家康の怒りを招き、寺が取り壊されれる運命となった。現在の堂宇は天明9年(1789)に再建された。
荻原井泉水(おぎわらせいせんすい)の句碑がある。庭園内は初夏の頃より土塀に沿って100㍍ほどにわたり桔梗や萩が花を咲かせ、霧島ツツジも色を添える。秋は楓が赤く色づき、白とピンクの山茶花の垣根が色を競う。
苔に覆われた庭園には、田舎の民家の庭のように雑然と草花が茂っている。
その頓着のない景観と花々とが旨く溶け合っているという感じが妙に心を癒してくれるのだ。セラピー的というか、利休好みの「花は野にあるように」という「あるがままに」の自然を堪能できる空間である。堂内いたるところに京都の写真家水野克比古氏撮影の花の写真が飾られているが、これは少々興醒めの感がある。
普段は隣接地に幼稚園を営んでおり、幼児たちの楽しげな声が東福寺内に響き渡ってくる。
特別拝観は6月中旬~7月上旬、11月1日~30日。
所在地:東山区本町15丁目802。
交通:JR/京阪電鉄本線ともに東福寺下車、徒歩約7分、
市バス JR京都駅八条口より特207系、四条河原町より207系「東福寺」下車徒歩5分。
臨済宗東福寺の塔頭の1つである当院は、正平年間(1346~70)東福寺第30世、無夢一清禅師が開創した。慶長19年(1614)に文英清韓(ぶんえいせいかん)長老が住持となったが、清韓は、豊臣秀頼の請に応じ方広寺の鐘名を撰文したことで知られている。だが、その銘文中の「国家安康、君臣豊楽」の文字が徳川家を呪詛するものとして家康の怒りを招き、寺が取り壊されれる運命となった。現在の堂宇は天明9年(1789)に再建された。
荻原井泉水(おぎわらせいせんすい)の句碑がある。庭園内は初夏の頃より土塀に沿って100㍍ほどにわたり桔梗や萩が花を咲かせ、霧島ツツジも色を添える。秋は楓が赤く色づき、白とピンクの山茶花の垣根が色を競う。
苔に覆われた庭園には、田舎の民家の庭のように雑然と草花が茂っている。
その頓着のない景観と花々とが旨く溶け合っているという感じが妙に心を癒してくれるのだ。セラピー的というか、利休好みの「花は野にあるように」という「あるがままに」の自然を堪能できる空間である。堂内いたるところに京都の写真家水野克比古氏撮影の花の写真が飾られているが、これは少々興醒めの感がある。
普段は隣接地に幼稚園を営んでおり、幼児たちの楽しげな声が東福寺内に響き渡ってくる。
特別拝観は6月中旬~7月上旬、11月1日~30日。
所在地:東山区本町15丁目802。
交通:JR/京阪電鉄本線ともに東福寺下車、徒歩約7分、
市バス JR京都駅八条口より特207系、四条河原町より207系「東福寺」下車徒歩5分。