「古都逍遥 京都・奈良編」「花の詩」「日常のこと」や花や風景写真

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いのちの停車場

2021年06月17日 17時52分37秒 | 日常のこと&写真
 「映画を観に行こう」
 突然妻が私を誘った。
 滅多に映画を観に行きたいと言ったことがないだけに、エッと驚いた。
 「で、何を観たいんだい」と妻の顔を見ながら問うと、「いのちの停車場」が評判らしくて・・・。
 そう云えばfacebook友達も鑑賞へ行き感想をかき込んでいた。
 早速ネットで上映時間を調べると10時30分が1回目の上演とあり席も空いていることからネットで買った。
 映画館は目と鼻の先で徒歩5分とかからない。駅前モール2階に映画館がある。
 この前に見た映画は何だったんだろうとふと思いを巡らせた。
 多分「この世界の片隅で」だったかな、いや、待てよ、2年前、韓国映画でアカデミー賞を獲った「パラサイト 半地下の家族」だったと思い出した。
その前は「万引き家族」、そうそう、そうだった・・・。いやいや、アニメ「鬼滅の刃」を忘れていた。そう思えば評判の映画はまず見逃していないようだ。
 館内はさほど混んではいなかった。
 スクリーンに映し出され感動の場面で妻が涙しているようだった。ところが1時間ほど経ったとき「気分悪くなったから」と言い残して席を立った。
トイレに行ったのかもしれないと思ったが、最後まで戻って来なかった。
 
 映画は一流の役者を揃え、名演技に圧倒され続けた。
 だが、具たくさんの太巻き寿司を食べさせられているようで、いささか息苦しくなっていた。
 医療とは何か、人、命、家族、愛、在宅診療を通してそれらの課題を突き付けられる。
 そして最後に「命の尊厳」つまり「尊厳死」問題に迫って映画が終わる。
 涙してしまう場面も多々あるのだが、いかんせん多くの課題が突き付けられ生々しく胸が痛む。

 妻も私も、終末期体験をしてきていることから、そのことが頭を駆け巡り「見ていられない」ほど苦しくなった。
 妻は、交通事故死した弟や、酒が原因の脳卒中で苦しんだ父、股関節骨折から長年苦しんだ上に認知症へと移行し亡くなった母のことが思い出され、気分が悪くなり二度と席に戻れなくなったのだ。 先に帰宅していた。
 私も身近な甥の自殺、両親の介護、義兄の末期膵臓癌の苦しみ、そして姉の認知症の介護等々、実体験が目まぐるしく駆け巡り、やはり最後まで観ているのが辛かった。良くできた映画だと思う、だけど体験者には「終末期医療」を問いかけられたテーマにはついていけなかった。
 吉永小百合さんの映画は名作だが、凝りすぎて心が暗くなってしまうストーリー仕立てが多い。若き時代の小百合さんは良かったなぁーー・・・。



コメント
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