私のモットーというか、常日頃からの心得として「よい時に、悪い時の備えを」ということを心がけている。
良い時は得てして「このまま続くものだ」と安んじてしまいがちだ。
危機管理は常日頃からが私の生き方だった。
「備えあれば憂いなし」で、国家安寧を担う政府・行政は万全な対策を講じておかねばならないだろう。
昔、といっても20年ほど前だが、現在の仕事についてほどなくして「保険ライブラリー」という表裏二面構成のタブロイド版を作成し発行した。
私の提案で個人購読を目当てに作成したものだが、これに「古都逍遥」「花の詩」を連載したり、機関幹部向けの経営マニュアル、社会保険労務士による社会保険に係るもの、弁護士による生命保険に関わる法律・凡例、そして豆知識コーナーとして古典に学ぶあれこれを連載した。わずか二面構成だったが結構大変で、手詰まりとなってオリジナルなセールスマン物語も書いた。
12年ほど続けて業界斜陽化が進み、オーナー方針で休刊となった。寂しかったがホットした。
その記事の中から「備えあれば憂いなし」を短文で綴ったものがあった。
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処世術「備えあれば憂いなし」
中阿含経(ちゅうあごんきょう)という経典にこんな言葉がある。
「平素の心は異常の時に乱れる。異常の時にも、平素の心を持つように学ばねばならぬ」
平素、冷静な人でも突如として異変が起これば慌てふためくことがある。そうした異常を想定して心の準備をしておくことが大切だということを教えているものだが、これなどは正に保険思想そのものと言えるが、人の一生には「登り坂」と「下り坂」という浮き沈みがある。そしてもう一つ「まさか」の坂というのもある。この「まさか」の時に平常心を失わないように心を整えておくことが肝要である。
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