いつも笑顔で
穏やかな口調の天野さん
その天野さんは15年前
くも幕下出血で倒れた
右手足に残るマヒを抱えながらも
好きだった短歌の創作に励んだ
行動範囲は狭まったが
その分 草花や昆虫などの
ちいさな命にも目が向くようになった
仲間の励ましを受け 自身も社会に取り残されてはいけない
残された日々を見つめ あこがれやユーモアを歌にのせて
明るく生き抜いて見せようと歌をつづけた
短歌で自分をさらけ出すことで気が楽になった
生きる励みになり何度も命をすくわれてきた
昨年見つかった 脳動脈りゅうの手術が決まった際
何が起きてもおかしくない 作ってきた短歌を形に残したい
という思いで歌集の出版を決意した
歌集「たぶのきの風」天野さんから送られてきた
今なお回復せぬ機能と共生しながらも 短歌と多くの仲間を支えに
一生懸命生きる天野さんの優しさがいっぱい詰まった本だ
「目の前にスーパーもコンビニもあれど行けぬ雨傘と杖を共に持てねば」
「採れしもの食べて生き継ぐ農の子われ冬瓜・南瓜大好き今も」
「逆らはずスローライフに身を任す流るる季節の楽譜に乗って」
「粟ケ岳登りつめればドヴォルザークの「新世界」さながら青き山畑」
「川根路の地名(ぢな)とふ地名のんびりと山裾に桐の淡きむらさき」
ちなみに私は気を楽にするために ブログで自分をさらけ出す