信濃デッサン館前の参道を歩いて 前山寺へ詣りした
ここの三重塔は重要文化財 塔の2層3層に窓や扉がない廻縁匂欄もない
未完成のようだが そうではない これで完成だ
「未完成の完成の塔」とも云われている
当時の建築家がこれ以上手を加えると美しさが損なわれると
工事を中止したのだ 縁をつけるためのヌキは見える
ここにスズメバチが飛来しているので近寄ることはできないと張り紙があった
また刺されると 2度目は命が危ないというが近づいてみた 蜂がいた
参拝と言っても目的は ここの「くるみおはぎ」 予約はなくても受け付けてくれた
お寺の庭の見える広い座敷に通された 「くるみおはぎ」が運ばれてきた
くるみをペースト状したタレの中にもち米をつぶしたものを入れてある
向付は「梅のしそ巻き」と香の物 お茶も付く
餅をすぐに平らげた タレが残ってもったいない 箸につけてなめた
「無言館」「傷ついた画布のドーム」「前山寺」の後で
「信濃デッサン館」と「槐多庵」も見学した
デッサン館は塩田平が見渡せる前山寺の門前に建っている
窪島さんが資産を投じて作った 小さな美術館
最近は「無言館」のほうが有名になり こちらは存続の危機まであった
それを乗り越えいま 改築もして存続している
30年くらい前に来た時と入り口などの姿は変わらず当時のままの姿だった
村山槐多や関根正二 靉光 松本竣介など
若くして亡くなった天才画家のデッサンを展示してある
入るとすぐに目につくのが村山槐多の「尿する裸僧」
衝撃的な絵に出会う また離れた場所に別館もできた
「槐多庵」 建物もユニークでたぶん窪島さんのデザインだろう
館内の柱時計の時を刻む音が 過ぎゆく命の尊さを刻む音に聞こえた
「私の小さな美術館は春は桜の花で埋まり 冬は雪の中で
まるでデコレーションケーキの上に乗せたチョコレートの家のよう」という
窪島さんの名セリフにがある これで当時は訪れたのだ
長野といえば「おやき」と云う人が車の中に若干ひとりいた
気にしながら走っていて 無言館の近くでみつけたちいさな店
その店先のテーブルに お茶と茶碗が置いてある椅子も2脚だけある
自分でお茶を注ぎ店先で焼きたての「おやき」を食べた
お昼前だったので一つだけでひかえるつもりだったが
つい もうひとつに手が伸びた これが昼食になった
事前準備をしないで出かけてきた長野 黒部ダムも上高地にも行けなかった
それでも2泊とった宿のキャンセルはしないで 長野時間を満喫した
想定外の渋滞が また訪れる理由になる