信州生坂村「山紫水明 食と文化癒しの郷!」

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全国治水砂防協会第9回「砂防現地視察と討論会」&白日集落上空からの風景

2023年10月10日 | 私の活動報告

 10月10日(火)は時々日差しが届いてもにわか雨が降り、朝晩はヒンヤリしても昼間は過ごしやすい体感でした。

 午後0時30分に全国から24名の市町村長が、長野県治水砂防協会からは6名の町村長が仙台駅の集合場所に集まり、令和元年東日本台風災害の復旧現場へ行くバスの中で、災害の概要や復旧状況等の説明を受けながら丸森町に向かいました。

 復旧現場では、国土交通省 東北地方整備局 宮城南部復興事務所の堀井事務所長より、内川流域直轄特定緊急砂防事業について説明を受けました。

 令和元年東日本台風(台風19号)により発生した土砂・洪水氾濫で甚大な被害を受けた丸森町において、当事業により、河川計画と整合のとれた砂防計画に基づく、短期的・集中的な遊砂地、砂防堰堤の整備を実施していました。

 砂防堰堤を10基(改築6基、新設4基)整備し、更に土砂の捕捉に効果の大きい遊砂地を3カ所(内川、五福谷川、新川にそれぞれ1カ所)整備していました。

 これにより、流域全体での土砂洪水氾濫による人家やインフラへの直接被害や孤立化を未然に防止し、地域の安全度を向上させるとのことでした。

 遊砂地工とは、大規模出水時に大量の土砂を一時的に受け止める施設になります。今回の災害のように、内川流域から流出してくる大量の細粒土砂を上流域の砂防堰堤のみで捕捉するには限界があります。

 土砂・洪水氾濫からの被害を軽減するためには、上流域の砂防堰堤の整備に加え、下流域で一時的に土砂を受け止める遊砂地が最も効果的とのことでした。

 次に、蔵王町の松川火山砂防事業に行き、宮城県大河原原土木事務所の熊谷事務所長から説明を受けました。

 松川氾濫対策は、水蒸気爆発期の融雪型火山泥流に対する恒久的な対策工として、「流路工の整備」「堆積土砂除去及び樹木除去」「堤防の嵩上げ」を行っていました。

 松川火山砂防事業では、景観に配慮し、リサイクルの推進を図るため、従来のコンクリートなどによる護岸ではなく、現地で採取できる玉石を最大限に活用して護岸工や床固工を施工して事業費も抑えていました。 

 視察後は宿泊先のホテルで、全国から24名の市町村長と国土交通省、東北地方整備局、宮城県、丸森町、蔵王町、全国治水砂防協会等の関係者で討論会を行いました。

 大野理事長から開会の挨拶をいただき、国交省草野砂防部長、東北地方整備局成田河川部長、宮城県伊藤副知事から、それぞれのお立場よりご挨拶をいただきました。

 話題提供として、丸森町保科町長より「丸森町における復旧・復興と砂防事業」と題して説明していただきました。

 丸森町の概要、令和元年東日本台風(台風19号)による被災の概要、被害の概要、被災の状況(町内の浸水・土砂災害)、宮城県災害関連緊急砂防事業・砂防激甚災害対策特別緊急事業、復興に向けて~関係機関との連携~、災害復旧・復興の状況として、復旧・復興計画の策定・各地域の状況などの説明をしていただきました。

 続いて蔵王町村上町長より「2019年災害時の状況・対応・警戒避難における市町村長の責務」と題して説明していただきました。

 観光と農業の町で観光客は年に約170万人、こけしの発祥の地などの町の概要、令和元年東日本台風(台風19号 10月11日~13日)での蔵王町の対応、蔵王山火山防災について、蔵王山の火山の概要、松川砂防事業、蔵王山火山監視設備、蔵王山火山監視設備運用開始式などの説明をしていただきました。

 宮城南部復興事務所 堀井事務所長より、当事務所の事業概要、令和元年東日本台風の気象状況と被害状況、土砂・洪水氾濫、土石流の被災状況、直轄砂防災害関連緊急事業・直轄特定緊急砂防事業、阿武隈川水系内川 災害関連緊急事業、特定緊急砂防事業位置図、各砂防施設施工状況、阿武隈川水系内川流域 土砂・洪水氾濫対策技術検討会などの説明をしていただきました。

 最後は、宮城県土木部 鈴木防災砂防課長より「令和元年東日本台風の土砂災害とその復旧状況」と題して、気象の概要、県内の被害の状況、丸森町の被害の状況、復旧について、災害関連緊急砂防事業・砂防激甚災害対策特別緊急事業について、復旧状況についてなどの説明を受けました。

 総合討論では、大野理事長が座長なり進行し、人家被害が大きい割に人的被害が軽減されたソフト面については、自主防災組織があり消防団の声がけがにより避難したことと日頃から地域の皆さんの交流が大切で地域の防災リーダーも重要であること、タイムラインの中で避難指示を決定することに関しては、高齢化であり早めの避難指示を心がけており、空振りでも判断は早い方が良いこと、要支援者リストを民生委員に提供し対応してもらっていて、今後は個別避難計画を作成したいなどが話し合われました。

 今年7月10日の明け方以降に九州北部で線状降水帯が発生し記録的な豪雨となり、 九州北部各地において川の氾濫や土石流などの土砂災害が相次いで発生しましたが、平成29年の九州北部豪雨による復旧工事で30基の砂防堰堤を整備し、その内19基が土砂を捕捉して被害を軽減したこと、地方大学の砂防関係の土木や農学の学部を継続するように皆さんも要請して欲しいこと、土砂災害のシミュレーションの作成については、ダイナミックSABOの「防災啓発」にもつながり、砂防部砂防計画課「地震・火山砂防室」、地方整備局、大学などに相談していただきたいなど多岐にわたり協議をしました。

 本日の現地視察と討論会は、長野県にも甚大な被害をもたらした令和元年東日本台風の宮城県での被災状況、復旧・復興状況等を視察と詳細に説明していただきましたが、防災・減災対策において、ハード事業で減災効果が見込める対策や、日頃のソフト対策の重要性を改めて痛感しました。

白日集落上空からの風景

▽ 毎朝恒例の写真は、先日白日集落に上り、青空が広がっていた上空から撮影した風景です。

本日生坂村では、小学校で貯金日、中学校で学習オリエンテーション、食育作品コンクール表彰式、3班の皆さんの元気塾などが行われました。