新年あけましておめでとうございます。
輝かしい平成27年の新春を、おすこやかにお迎えのことと心からお慶び申し上げます。
日頃、村民の皆さんには、村政運営にご理解とご協力を賜り、村民の皆さんとの協働による村づくりをさらに進めるために、それぞれのお立場でご支援、ご尽力を賜っていますことに心より感謝を申し上げる次第でございます。
さて、先月24日に第3次安倍内閣が発足いたしました。政府は、地方自治体による商品券の発行支援などを通じた個人消費を刺激する取組や、観光振興、創業支援など自治体の優れた試みなど、自治体が地方創生の事業を進めるために財源として地方側が国に要望していました自由度の高い新たな交付金など、4,200億円程度が、今年度補正予算案に計上されることになりました。経済対策の裏付けとなる予算案は、今月召集される通常国会に提出され、経済対策の規模は3.5兆円前後に上る見込みとのことであります。
当村では、地方創生の新たな政策で、農林水産省の新規事業で「農村集落活性化支援事業」として、住民が主体となり地域の将来ビジョンの作成及び地域全体の維持・活性化を図るための体制の構築を行うために必要な経費を、補助率100%で年間上限10,000千円を5年間継続して行える事業を検討しているところでございます。
この事業により中山間地域総合整備事業で建設予定の直売施設の運営に向けて、農産物の庭先集荷の方法、冬場の農産物の確保ための農産物の交流、生鮮食品の販売等の買い物弱者対策、また、地域営農組合の法人化に向けての支援、農産物に付加価値を付けた直売の仕組みづくりについて研究したいと考えております。
そして、都市との交流として、ネットワークづくり、生坂村の情報発信、担い手や生坂村のファンの確保などが行えるためにも、事業採択に向け取り組んでいるところでございます。
また、先月3日に平成27年度予算編成打合せ会議を開催し、2月に村長選挙がありますので、「骨格的予算」と「施策予算」の2段階の編成により実施することになります。また、「生坂村第5次総合計画」を根幹に「いくさか村づくり計画」を実施計画として進めています村政運営ですので、毎年度実施しています「村づくり計画」の更新の策定作業も並行して進めてまいります。
来年度の予算編成では、引き続き様々な課題解決に向けて、職員も知恵を出し創意工夫をして、真に必要とされる事業へ限られた財源を効果的に配分しなければと考えております。
また、引き続き経費の節減と合理化に努めながら、村民の皆さんのニーズに応えられる施策の推進を図り、将来の見通しを充分考慮した有効で効果的な予算配分に努めてまいります。
それでは、昨年を振り返りますと、重点事業の一つ「福祉の村づくり事業」では、今年度から健康福祉課に保健師1名を増やし、3名体制になりまして、さらに積極的な保健指導に力を入れていただき、当村の医療費の抑制につなげていただいております。
健康福祉課のそれぞれの取組の成果があり、医療費の伸びを抑えられている現状から、基金の保有額は、25年度末の基金保有額、51,467千円で26年度中の12月補正積立額の12,535千円を加えますと64,000千円余りになり、予算化されています6,300千円を差し引きますと57,700千円程になります。過去3ヵ年の保険給付費の平均は169,937千円、その25%は42,484千円となり、国保の予算編成に係わる国の通知の観点からみますと15,000千円程、基金に余裕があることになります。
よって、先月18日に開催されました「国民建康保険運営協議会」において、国保の医療費分、後期高者医療への支援金、介護保険への納付金のそれぞれの税率の引き下げを視野に協議をし、今月19日の協議会で引き下げ率を決め、4月から国保税を引き下げたいと考えております。
また、高齢者となっても住み続けられることのできる地域づくりと生活支援サービスを目指して、第5期介護保険事業を実施しております。介護保険料は、1号被保険者の保険料基準額で月3,680円と県下で2番目に安い介護保険料になっていますが、4月から第6期介護保険事業計画が実施されます。先月開催されました「介護保険運営委員会」で協議をしていただき、全国的に伸びています介護保険料を当村も値上げせざる負えない状況ですが、県下で安いランクで設定できるのではと考えております。
今後も、引き続き元気塾、お達者教室、健康応援隊などで介護予防や健康維持に努めていただくとともに、社会福祉協議会が新体制の基、介護認定者に合わせた介護サービスを、デイサービスセンター「かしわ荘」と地域密着型デイサービスセンター「はるかぜ」の両施設で、安心して介護が受けられる体制を維持していただくことだと考えております。
また、社会福祉法人としてより一層、介護サービス、高齢者生活福祉センター「ふれあいの里」の運営、軽度生活支援、配食サービス、居宅介護支援、福祉有償運送サービス、緊急宿泊事業等の充実強化にも努めていただきたいとお願いする次第でございます。
いくさか敬老の日は、今年度も希望者には米寿のお祝いを会場でさせていただくなど、高齢者のご要望を反映しながら行い、170名ほどの皆さんにご参加をいただきました。久しぶりにお会いされた方も多く、賑やかに会話が弾み、盛大に開催できました。今年も皆さんに楽しく喜んでいただけますような「いくさか敬老の日」を開催したいと考えているところでございます。
また、「走れいくりん健康体操」を広げるなどして、引き続き村民の皆さんに健康管理の意識を高めていただき健康維持に努めていただきますとともに、積極的な保健指導の実施と健康管理のため、特定健診・特定保健指導の受診の啓発普及に努めてまいります。
そして、高齢者見守り隊に加え、高齢者緊急通報装置設置事業を新規に始め、高齢者が住み慣れた地域で、安全で安心して暮らしていける村であり続けるために取り組んでおります。
それらによりまして、健康な暮らしの継続と福祉の充実により、高齢者の生活の安定に努めるために、引き続き「福祉の村づくり事業」を重点事業として取り組んでおります。
次に、「子育て支援事業」としましては、18歳までのご家庭の水道超過料金を1㎥あたり50円の補助と、3歳児以上の保育料の半額を補助しています「健やかに産み育む子育て支援金」、村単福祉医療費の18歳まで無料化、「犀龍小太郎助成事業」として妊婦健診等の助成に加え、インフルエンザ予防接種など各種ワクチンの接種の全額助成も18歳まで実施しております。
また、出産祝金を第1子50,000円、第2子100,000円、第3子以降200,000円とし、入学祝金として、小学校入学時に30,000円、中学校・高校入学時に10,000円を児童生徒の保護者に対し支給させていただいております。
そして、今年度から奨学金制度も拡充しまして、3名の方にご利用いただいているところであり、新たに妊産婦新生児助産師訪問も行っており、安心して出産・育児ができるように相談等の対応もさせていただいております。
児童館・生涯学習施設「たんぽぽ」では、今年度も司書を2名配置して、ブックスタート事業を始めまして、幼児期からもっと本に親しんでいけるように努めております。また、児童館の指導員を兼ねていますので、学習支援員、コーディネーターと多くのボランティアの皆さんのご協力をいただき、さらに松本大学との域学連携も進める中で、子ども達が児童館で勉強や遊びができる環境づくりや、楽しみながら打ち込める教室や企画も実施しております。
お陰様で図書室の利用は伸びていまして、引き続き施設運営の充実に努めてまいりますので、村民の皆さんにもより一層のご利用をお願いする次第でございます。
小・中学校の各学年の教室・保健室・職員室等へのエアコン設置と小学校のグラウンドの改修、そして、エアコン設置に伴い電気料を賄うため、自然エネルギーの太陽光発電設備の設置事業等を実施いたしまして、近隣より早い取り組みのエアコン設置により、快適な環境の教室で勉強ができていると喜ばれており、子ども達のために良い事業を実施できたと感じております。
以上の子育て支援事業により、安心して健やかに産み育てられ、将来を担う子ども達が個性豊かに育まれる環境づくりになればと考えているところでございます。
次に「産業振興事業」としましては、昨年10月20日から11月28日に掛けて、農業懇談会を4年度連続で開催させていただきました。
説明要旨は、「生坂農業未来創りプロジェクト会議」で協議してきました「地域農業の今後の振興及び農地保全について」、「人・農地プランについて」、「新たな農業・農村政策の実施について」と今年度からJA松本ハイランド生坂支所にお願いしています「生鮮食品の販売及び宅配サービスについて」を説明させていただきました。
また、「農業懇談会」や地区要望等で把握させていただき、事業計画及び概略設計を作成しました「中山間地域総合整備事業」が国・県の「公共施設等評価委員会」でAランクの評価をいただきまして、今年4月からの新年度から事業着手できることになりましたので、この事業の対象地区には図面をお示しして説明させていただきました。
今後、中山間地域総合整備事業の着手の時には、地元の皆さん等との協議をしっかり行い、実施計画を詳細に作成し、農業用用排水施設整備などの農業基盤整備や農業集落道整備などの農村生活環境整備、直売施設及び加工施設の建設による6次産業化等を強力に進めてまいりたいと考えております。
そして特産品開発部では、大豆、小麦などの村内産農産物の有効活用を図り、広く村外へも販売していただくなど「かあさん家」を健全経営して、雇用確保の点でも貢献していただいていると感じております。この様に6次産業化の取り組みによる経営の複合化、特産品開発などを進め、さらに健全運営に努めていただいているところでございます。
「男・女村活性化対策」は、村おこしで活躍していただいています「暮らしを楽しむセミナー」として、「おじさま倶楽部」「女・人輝きくらぶ」等の活動でグループ育成の成果が出てきております。「おじさま倶楽部」は、「信州ひすいそば」を栽培し、「新そばを味わう会」や、やまなみ荘での手打ちそばの提供、どぶろく「腹の神」の醸造などに取り組んでいただき、「女・人輝きくらぶ」では、「第23回信州の味コンクール」で知事賞を受賞しました「筍寿司の素」の評判がよく、醤油造りにも取り組むなど多岐に渡って活動していただき、村の活性化に大変貢献していただいております。
「お父さん頑張る会」は、農業公社の豆腐や味噌などの原料になる大豆を1町歩以上も栽培され、給食センターには新米を650Kg余りも贈呈いただくなど、大変多くの団体・グループの皆さんが、村づくり、村の活性化、環境保全等々のご活動をされているところでして、それぞれの立場でのご活動で、村政運営に参画されている割合は日本の自治体の中でトップクラスであると、心から感謝と敬意を表するところでございます。
生坂マル得商品券は、商工会主催の商工感謝祭を開催し、購入者には抽選により賞品を贈るなどの付加価値を加えたこともあり、定着して来たと感じております。また、個人住宅リフォーム補助と家庭用の太陽光発電施設とエネファームの設置補助のための、生坂村地球温暖化防止対策設備設置費補助により、商工業者の育成と経済の活性化に取り組んでおります。
以上の農業、商工業の施策による「産業振興事業」で当村の経済の活性化を目指したいと考えております。
次ぎに「地域活性化対策等事業」としましては、下生野区に新築2棟と中古住宅1棟の購入による定住促進住宅の整備を行いました。また、集落支援員として区長さんが兼務していただく事や、やまなみ荘を拠点として観光業務のためのいくさか大好き隊の増員に併せ、高齢者見守り業務、農業支援業務も引き続き行っております。
また、昨年度から「いくさか大好き隊員」として、南部、中部、北部にそれぞれ2名ずつを基本とし、農地保全・環境保全等の作業、地区の行事・イベントの企画・情報発信等の支援を「地区担当職員」と連携して活動し、地区の活性化から村の活性化につなげていくために大いに活動しており、各地区に喜ばれていると感じております。
また、自助・共助・公助を基本とし、村民の皆さんと行政が対等な関係と信頼関係で結ばれ、さらなる協働による村づくりを推進するための「絆づくり支援金」は、選定の結果、9事業、総事業費12,065千円余りで、歴史伝承事業、神社改修事業、特産品推進事業、偉人頌徳事業、地域の魅力発信事業と多岐に亘り、各地区や団体・グループで協働による活動を行っていただいております。
そして、村道1級1号線の改築工事は大日向北平地区が完了しまして、今年度、草尾高鼻地区の改良にも着手でき、安全で安心な道路の整備にも努めております。
以上の4つの重点事業の相乗効果によりまして、第5次総合計画の大きな課題であります人口維持につなげていかなければと痛切に考えているところでございます。
今年度も県の「地域発 元気づくり支援金」で実施しています内容は、第2次募集合わせまして、村名申請の3件と団体申請4件を合わせて7件で10,644千円の支援金を頂戴できました。
そして今年度は、営農組合の活動を活性化するための支援として、農機具の購入や住民への農業技術の研修を実施する「生坂農業未来づくり事業」。一般住民・健康推進員・趣味のサークル4団体を対象とし、「はしれいくりん」の創作健康体操を提供実施していき、健康運動指導士による体力測定を行い筋力向上のプログラムを提供するなどの「はしれいくりん」でひろげよう健康づくりの輪事業。群馬大学の協力を受け、地区ごとに住民懇談会を開催し、災害発生時の避難方法について、独自の取組を検討し防災マップを作成し、豪雨災害を想定した避難訓練を実施する。「地区の防災安心応援事業」であります。
また、団体事業としまして、使用されなくなった公共施設を菓子の製造許可が取れる施設に改築し、おやき作りの技術を高めながら、従来のイメージを脱した灰焼きおやきと粉に関連した加工品を開発研究し村の活性化につなげます「21世紀のおやき作り~粉を活かした元気な村づくり~」。荒廃農地を借り受け、平種なし柿を新規で植栽し、低樹木栽培方式による柿園の造成を行い、乾燥施設を設置し、安定したころ柿の出荷を目指す「川霧にはぐくまれる柿・めじろの里づくり事業」であります。
第2次募集で採択されました事業は、法学博士「加藤正治(犀水)先生」顕彰会の皆さんが、卒塔坂公園に『歩々緩く 遅きハ克たむ 富士詣』の句碑を建立しました「法学博士『加藤正治(犀水)先生』頌徳事業」と、地区や村の観光ポイントをまとめた独自の案内マップの作成や登山客の立寄り所として既存のお堂を整備しました「下生坂地区 地域の魅力発信事業」の2事業でございます。
今年度もこの元気づくり支援金事業で、村民の皆さんが協働による事業を実施していただき、さらに地域、村の元気を生み出す取組で、村の活性化、生きがいづくりに結びつけ、村内外に生坂村のパワーと素晴らしさを発信していただいていると感じているところでございます。
村営バス「いくりん」につきましては、今年度も「地域公共交通確保維持事業」により、犀川線と周回デマンドバスを「地域内フィーダー系統」として位置付け、永続的に維持していくこととして進めております。しかし、市町村ごとに算定される国庫補助上限想定額が決められており、年々減額されているところですが、特別交付税で8割の補填がありますので運行できている状況であります。
また利用者の皆さんのご意見、ご要望をなるべく反映し、村民の生活の足の確保と利便性の向上、効率的な運行による財政負担の軽減など、持続可能な運行形態により、引き続き村営バスの運行を進めてまいりますので、村民の皆さんのご利用をよろしくお願いいたします。
やまなみ荘につきましては、毎月定例会を開催し、運営委員会は春夏秋冬に1回の開催をお願いし、健全経営に向けて職員一丸になって頑張っているところであります。「犀川に親しむ会」としての山清路でのラフティングや大城・京ヶ倉のトレッキングのカメラマン同行プランなど、アウトドアアクティビティを楽しむプランも取り入れながら、営業に頑張っていますので、昨年度より運営状況は良好ですが、経営面では厳しい状況でございます。
先月20日からはスポーツパークに約3万個のイルミネーションが輝いて、とても綺麗ですので、村民の皆さんの引き続きのご利用をよろしくお願いいたします。
従業員、パートが総勢20数名働いておりまして、雇用の場となっていますし、今年も地元食材を使った季節を感じるお料理、様々な企画などを提供させていただき、おもてなしの心を大切に頑張ってまいりますので、変わらぬご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。
昨年長野県は、豪雪災害、土砂災害、火山噴火災害、神城断層地震災害に見舞われました。このように身近で発生した災害により、村民の皆さんの防災意識の高陽がみられる中、11月9日に村内の全10区で避難訓練を実施しました。この取り組みは、昨年度に続き、群馬大学大学院広域首都圏防災研究センター、長野県建設部犀川砂防事務所等のご指導と、長野県の「地域発 元気づくり支援金」をいただき、残り5区の皆さんに7月4日の「土砂災害対策としての地域防災の必要性を知る」としての住民懇談会事前説明会から始めました。
今年度の5区の皆さんは、区長さんをはじめ区民の皆さん、地元の議員各位、地区担当職員、群馬大学、犀川砂防事務所等の皆さんで、「地域の土砂災害の危険箇所を知る」、「地域の避難方法を考える」、「防災マップ(案)の確認」、「避難訓練の事前打ち合わせ」として、4回の「生坂村の防災を考える住民懇談会」を行っていただき、「自主避難ルール」と「緊急避難地図」を作成していただきました。そして、全村で避難訓練が実施でき、総勢764名の村民の皆さんにご参加いただきました。
この取り組みは、豪雨・土砂災害が発生したとしても、生坂村から一人の犠牲者も出さないために、普段からの取り組みや災害発生時の避難方法などについて、地区の実態に合った独自の仕組みを構築し、「災害に強い生坂村」の実現を目指しております。
そして今後も、第五次総合計画を根幹にして「いくさか村づくり計画」を実施計画として整合性を持たせ、村民の皆さんのご理解とご協力の基、協働による村づくりに寄りまして、「やまなみに抱かれ、いつまでも楽しく暮らせる未来を創り出す村」という将来像の実現を目指してまいります。それには健全な行財政運営に努める事により、持続可能な行政を推進していき、計画の実現に邁進していかなければならないと考えております。村民の皆さんが見える規模の基礎的自治体であり、村民の皆さんとの対話を重視し、村民の目線で考え、村民の立場になって行動し、楽しく暮らせる未来を創り出す村づくりと開かれた村政のための情報公開に努めていかなければと考えております。
第五次総合計画のキャッチフレーズであります「犀川の朝霧のように村民の希望が翔け昇る郷 いくさか」に愛着と誇りを持っていただき、地域の絆を大切に、支え合い守り育てていこうという責任感を共有する中で、村民の英知を結集して、自信と希望を持って、安全で安心して暮らしていける生坂村であり続けるために、本年も村民の皆さんのご理解とご協力を引き続きお願いする次第でございます。
結びに、生坂村の発展と村民の皆さんのご健勝、ご多幸をご祈念し、本年も、変わらぬご指導・ご支援を賜りますようお願い申し上げますとともに、村民の皆さんにとりまして、幸せ多き年となりますよう心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。