2月16日(日)の午前中は雲が多くても、天気は段々と回復して日差しが届くようになり、日なたでは暖かく感じられました。
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最適土地利用総合対策事業視察研修二日目は、午前8時30分にホテルを出発し、神奈川県相模原市緑区牧野の「農業生産法人 藤野倶楽部」と「一般社団法人 藤野エリアマネジメント」に伺いました。
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農業生産法人 藤野倶楽部は、都心から約1時間の癒しの里山「旧藤野町(現相模原市緑区)」にあります。
一般社団法人 藤野エリアマネジメントの代表理事 中村賢一氏と、農業生産法人 藤野倶楽部の代表取締役 桑原敏勝氏のお二人に我々の視察の対応をしていただきました。
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最初に桑原社長から、自社で栽培した野菜を生かした直営の農園レストラン「百笑の台所」や、オーガニックの自然食品コーナー、宿泊施設、テニスコートなどの施設を見せていただきながら、施設は殆どが手作りであって、その利用内容や利用状況が好調であるなどの説明をしていただきました。
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続いて、今回の視察をお勧めいただいた鈴木さんの進行で、桑原さんの歓迎の挨拶をいただいた後、私から、我々の視察に対応してくださったことに御礼を申し上げ、生坂村は、基幹産業は農業で新規就農者が20組以上移住し、ぶどう栽培を90%以上担っていただいて順調ですが、先祖から受け継いだ田畑は、農業従事者の高齢化や担い手不足などの課題があり、今後5~10年後の農業について地域計画を策定中であり、今回の視察で課題解決や方向性を見出す参考にしたいと思っていますなどの挨拶をさせていただきました。
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次に、一般社団法人 藤野エリアマネジメント 代表理事 中村賢一氏から、旧藤野町の状況として、2007年に相模原市に合併して19番目の政令指定都市になったが、藤野の人口は、合併時11,500人から8,000人を切ってしまい、移住者は総人口の70%ほどになり、55の小集落の内、半数以上が限界集落となってしまった。
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一方、中央東線藤野駅と中央自動車道を利用して首都圏とおよそ1時間で結ばれる便利な場所であり、日本で初めての多目的ダム「相模湖」を有し、横浜市等の水がめであることで、殆どが保安林となっていて土地利用規制が厳しく、豊かな自然が今も残されていました。
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旧藤野町の最大のピンチは1970年代にバブル景気を背景に、残土処分場に急激な住宅開発が進みベッドタウン化により、移住者は多くがサラリーマンであり、非積極的な移住者が集まって来たのがピンチであって、やがて1986年に「ふるさと芸術村構想」ができたとのことです。
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藤野地区は、第二次世界大戦のさなか「藤田嗣治」「猪熊源一郎」「荻須高徳」「中西利夫」「脇田和」「佐藤敬」など世界的に著名な洋画家が疎開した村で、後に「ふるさと芸術村構想」が生まれる大きな要因の一つとなりました。現在、「藤野ふるさと芸術村構想」が提唱されてから40年近くになり、その間に藤野は「芸術のまち」と呼ばれるようになって、多くの芸術家(300人以上)が移り住み、多種多様で自由なカルチャーへ発展してきたとのことでした。
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15年ほど前に芸術家等の移住者中心の有志メンバーが集まり、地域通貨「よろづ屋」をスタートし、現在も有志によるボランティアで運営されていて、高齢者が多い地域であることも意識し、あえてアナログな方式にして、約400世帯の800人ほどが利用していて、その取組に大学生が研修に来ているとのことでした。
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また、「芸術としての教育」「自由への教育」を行う全日制の私立小・中・高一貫校「シュタイナー学園」があり、ひとりひとりの子どもの育ちを注意深くみつめながら、きめ細やかな教育を行っていて、毎年25名ほどの新入生があり、構造改革特区という国の規制緩和の制度により学習指導要領の弾力化が認められ、シュタイナー教育独自のカリキュラムを用いた学校教育を行っていて、6割ほどが定住しているとのことです。
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農業生産法人 藤野倶楽部の代表取締役 桑原敏勝氏からは、アメリカでの経験や歯科技工会社、株式会社アイディシー設立し、代表取締役に就任して、日本歯科技工士協会理事長にも就任され、日中の交流や歯科技工士の社会地位の向上に努めた後、2008年藤野にて農作物の生産を開始し、2011年農業法人藤野倶楽部を設立して代表取締役に就任されました。
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農業法人藤野倶楽部は、農園レストラン、BBQが楽しめ、古民家、キャンピングカー、グランピング、ゲルなどの宿泊施設などもある農業体験施設で、会員制の体験型農園「安心農園」の営業は、無農薬、有機栽培により農業を理解して欲しいとのことでも、栽培は難しいので体験してから契約されているとのことで、時期に合わせて企業による収穫体験や味噌作り、縄文時代や江戸時代の料理体験なども行っていました。
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昼食は、「百笑の台所」自慢の「参鶏湯」と、高圧をかけた独特の製法でもっちり炊き上げた酵素玄米ごはんを皆で食べながら、引き続き話も聞かせていただきました。
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「参鶏湯」は、国産の丸鶏のおなかに高麗人参、オウギ、もち米、にんにくなどを詰め、じっくりと煮込んだ、韓国伝統の高級薬膳スープで、疲労回復、滋養強壮、体力回復、血行促進、美容、デトックスなど、美容と健康にとてもよい効果があり、本場韓国では夏に食べる習慣があって、日本でいう「うなぎ」のような滋養強壮メニューとして親しまれているとのことです。
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昼食後は、築150年以上経つ古民家をフルリノベーションした建物の「柚子の家」を視察させていただきました。
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「百笑の台所」より緑豊かな山奥に佇む柚子の家は、伝統的な民家建築の手法で建てられた古民家で、板張りの床と太い木の梁で構成され、中央の部屋には昔ながらの囲炉裏がありました。藤野地区の閑静な集落の高台に建つ家で、周囲を農園や柚子の木に囲まれていることから「柚子の家」と名付けられ、周辺を豊かな緑に囲まれ、澄み切った空気でくつろげる宿泊施設として来訪者が滞在できるようにリノベーションされました。
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施設内は元の構造の本格的な雰囲気と設備の整ったキッチン、モダンなバスルーム、各部屋のエアコンなどのモダンな快適さが組み合わされていて、広々とした家内は16名までの利用可能で、広い2階はグループミーティングやワークショップなどにご利用いただけます。ダイニングルームでは、お客様が囲炉裏の燃える石炭の上で調理された新鮮な地元の食材を食べながら、この伝統的な共同の雰囲気を体験できるとのことです。
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代表理事 中村賢一氏と代表取締役 桑原敏勝氏のお二人には、お忙しい中、親切丁寧にご説明をいただきありがとうございました。
相模原市に合併して政令指定都市になった旧藤野町のために、お二人をはじめ芸術家など、様々な人材が主体的に創る個性的で多様な暮らしとコミュニティーのあり方を学び、行政への依存体質から自立してきた活動に感心いたしました。
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最後は、山梨県笛吹市一宮町にある「里の駅 いちのみや」を視察しました。
「里の駅 いちのみや」は、県下最大の規模で山梨県の特産品を販売していて、地元特産の野菜・果物・ワイン・お土産など多数取り扱っていました。
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地元特産の野菜や果物の他にも全国から季節の農産物を仕入れていて、お食事の食材の購入や、自社パン工房での焼きたてのパンもあり、スーパー的な雰囲気を感じました。
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店先のコーナー販売では、野菜、きのこ、フルーツ、花野菜の種、地元米、漬物、瓶詰、ジャム、はちみつ、お茶などがお値打ちで販売していていました。
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お土産品コーナー県内最大級の売り場面積で、山梨のものなら何でも揃うとのことで、地酒や勝沼産ワインも充実していて、私はおすすめの里の駅オリジナルワインをお土産に購入しました。
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二日間の最適土地利用総合対策事業視察研修は、藤野エリアマネジメントと農業生産法人 藤野倶楽部の素晴らしい取組に感銘しましたし、「里の駅 いちのみや」は、道の駅とスーパーの要素がミックスした店舗で勉強になりました。
それぞれ関係の皆さんのご対応、ご協力により有意義な視察研修になりましたことに感謝を申し上げます。
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下生坂上空からの風景
△▽ 毎朝恒例の写真と動画は、先日撮影した雲が多めの下生坂上空から撮影した風景です。
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その他生坂村では、スキー・スノーボード教室などが行われました。
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