9月8日(金)午前10時からは、生坂村議会9月定例会が開会し、毎定例会ごとに全員で「村民憲章」を唱和した後、私が開会の挨拶と提出議案の説明をさせていただきました。
令和5年第3回生坂村議会定例会の開会の挨拶
皆さん、おはようございます。令和5年第3回議会9月定例会の開会に当たり、ご挨拶を申し上げます。
実りの秋を迎え、生坂産ぶどうの193カラットは例年より生育が早く、今年も農家の皆さんの努力により糖度が乗り、とても美味しい露地物の出荷が始まり、それぞれにぶどうの集出荷、稲刈りなど農作業に大変忙しい時季となりました。
議員各位に於かれましては、何かとご繁忙の折、全員のご参集を賜り誠にありがとうございます。日頃は、村政運営に対しましてご指導・ご鞭撻をいただいていますことに感謝を申し上げる次第でございます。
また9月定例会は前年度の決算審査について、ご意見を頂戴するために池本代表監査委員さんにもご出席をいただいていますことにお礼を申し上げます。
それでは、9月定例会は、決算議会と言われるように、令和4年度の歳入歳出決算の認定をお願いする訳ですが、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」により、令和4年度決算における4つの健全化判断比率を監査委員の審査に付した上で、議会に報告させていただき公表することになっております。
令和4年度は、村のすべての会計において、黒字決算となりましたので「実質赤字比率」や「連結実質赤字比率」の該当はありませんでした。
次に、標準財政規模に対する普通会計の元利償還金及び準元利償還金の割合の3年間の平均であります実質公債費比率は、前年度より0.1%下回り、7.3%でございました。
また、起債償還金額、退職手当支給予定額などから、基金、交付税算定額などを引いた自治体が将来負担すべき実質的な負債の割合の「将来負担比率」は、今年度も「数値なし」となっております。よって、財政健全化判断比率の財政指標は、良好に推移している状況でございます。
次に財政状況を示す指標につきましては、財政の硬直度を示す経常収支比率は、前年度より3.3%下回り、80.4%でございました。
また、公債費比率は5.3%、起債制限比率は3.6%となっており、それぞれに良好な状況となっております。
よって、実質公債費比率につきましては、県営中山間総合整備事業などの過疎債の償還が続いておりますが、繰上償還など公債費対策を継続して進めており、3ヶ年平均の比率はほぼ昨年度並みとなり、良好な傾向を示しているところでございます。
昨年度までは、各比率が改善されるように、臨時財政対策債においては、減債基金を取り崩して繰上償還を実施するとともに、なるべく国、県の交付金事業の導入をすることにし、その補助裏に交付税措置の高い過疎債を中心とした起債の発行を図りながら、将来負担を下げる充当可能な基金の積立もしてまいりました。
その結果、令和4年度の決算では、積立金現在高は2,095,114千円、地方債現在高は2,539,572千円となり、私が村長になって4期16年間で、村民の皆さんと議員各位のご理解とご協力、職員各位の努力により、基金を約13億円増やし、起債を約20億円減らすことができた次第でございます。
しかし、今年度は環境省の脱炭素先行地域づくり事業が採択され、6月定例会で当事業の計画作成及び設備設計等の委託業務と事務局運営サポート業務の補正予算をお認めいただきましたので、今後、当事業計画に沿って様々な事業を実施してまいります。
そして、民生部門を中心に2030年度までに、生坂村の特性に応じた取り組みにより、先進的かつモデル的に脱炭素の達成を目指すために、令和10年度までに約60億円の当事業を実施してまいります。
その内約42億円を環境省の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を見込み、村事業の補助裏は過疎債を充当していきたいと考えております。
生坂村始まって以来の最大の事業でございますので、財政状況の数値は下がっていくと思いますが、次世代につなぐ持続可能な生坂村を構築するために、私の政治生命をかけて取り組んでまいりますので、ご理解とご協力をお願いする次第でございます。
それでは令和4年度は、引き続き新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、当村でも住民生活や村の行事、産業などで大きな影響を受け、多くの行事、イベント等の中止や縮小を余儀なくされてまいりました。
村としては、引き続き村民一人当たり1万円の生活応援商品券を配布し、プレミアム率50%のいくさかマル得商品券スーパープレミアムを発行し、加えて物価高騰対策生活応援商品券も配布して、村民の皆さんの生活の一助と、村内の消費拡大を促し地域経済の活性化に努めてまいりました。
公共事業のうち単独事業では、災害対策として緊急防災・減災事業債を財源に、さぎの平地区の防災拠点施設の新設、日岐区の防災公園整備の着手、上生坂区の防火水槽の新設、移動系防災無線のデジタル化を実施しました。
人口減少対策としては、過疎対策事業債を活用し、石原団地の若者定住促進住宅2棟を建設し、5カ年計画の8棟の整備が完了いたしました。
地域のデジタル化に向け住民票、印鑑証明書等の発行サービスの提供に向けたシステムを構築するとともに、安定した水道水の供給を図るため、建設から50年以上が経過しました上生坂第1配水池を更新いたしました。
近年の異常気象や自然災害の激甚化・頻発化に起因する二酸化炭素排出量の削減のため、6月にゼロカーボンシティ宣言を表明し、雲根地区において、いくさか「創造の森」の脱炭素型ライフスタイルを実践するモデル地区として、元気づくり支援金を活用し、アースオーブンの製作、ワークショップ等のイベントを開催いたしました。
また、ゼロカーボン推進プロジェクト会議等で協議を重ね、脱炭素社会の実現に向け、脱炭素ロードマップを策定し、2050年までに温室効果ガスの排出ゼロを目指す取り組みを始めました。
普通会計の歳入決算は、村税159,691千円、地方交付税で1,373,763千円等となっており、地方交付税のうち普通交付税は1,205,794千円の交付を受けました。
ふるさと納税寄付金を積み立てた「いくさか」応援基金から55,053千円を繰り入れ、村の創生事業や福祉分野の財源として活用いたしました。
財政運営の将来負担を軽減するため、村債1件、44,551千円の繰上償還を行い、地方債の過疎対策事業債は、総額135,400千円を借り入れ、その内ソフト分は40,800千円となっております。
また、一般単独事業債130,200千円 の借入、臨時財政対策債11,922千円等で、地方債全体では繰越分を含み、288,022千円の借入となりました。
普通会計の歳入全体は、2,653,096千円で、ハード事業の増額に伴い地方債の借入も増え、前年度比2.4%増、61,883千円の増額となりました。
歳出の状況は、普通建設事業で防災拠点施設や防災公園の整備、消防自動車等の移動系無線のデジタル化、定住促進住宅建設事業、県営中山間総合整備事業、社会資本整備総合交付金事業等の実施により、全体で397,142千円となり、前年度比153,497千円の増額となりました。
義務的経費では人件費で会計年度任用職員の増員等により、12,703千円の増額、扶助費で7,362千円の減額、公債費で繰上償還44,551円除き、14,251千円の増額となりました。
物件費で79,471千円増、積立金では財政調整基金、減債基金、ふるさといくさか応援基金等へ168,941千円の積立を行い、基金残高は前年度比73,338千円の増額となりました。
普通会計の歳出全体は2,620,030千円で前年度比1.8%増、46,870千円の増額となっております。
今後も限られた財源を施策の目標達成のため、有効かつ効率的に活用することが責務であり、これを念頭に重点事業の推進及び諸事業の充実を図ってまいりたいと考えております。
令和4年度の各種村税、国民健康保険税、後期高齢者医療保険料及び介護保険料の収納状況につきまして、現年度分の収納率は前年と比べ0.92%低下し、98.81%、滞納繰越分は12.87%低下し、15.10%、全体では、0.76%低下し、97.36%となっております。
全体的に収納率が低下する結果となりましたが、当村の貴重な自主財源であります村税や公共料金等は、負担の公平性からも滞納を極力無くすようにし、各部署とも連携をとりまして滞納整理に力を入れ、差し押えや不能欠損等を適切に執行するように考えております。
そして、徴収困難な案件につきましては、県税徴収対策室や長野県地方税滞納整理機構と連携を図りながら、折衝機会を増やすことによって滞納者、滞納額の減少に努めていきたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
今年度の普通交付税と臨時財政対策債が決定いたしました。今年度の普通交付税は、前年度交付額より4.2%増、49,896千円増額の1,231,989千円となりました。
また、臨時財政対策債につきましては、前年度比54.5%減、6,495千円減額の5,427千円となり、普通交付税と臨時財政対策債の合計では、前年度比3.6%増、43,401千円増額の1,237,416千円となり、安定的な財政運営を行うことに資する内容となっております。
村民の皆さんの安全で安心な住み良い生活を守るために、様々な分野で課題は尽きないところですが、村民の皆さんのご理解とご協力をいただきながら、引き続きしっかりとした行財政運営を進めていかなければと考えております。
どうか、議員各位に於かれましても、生坂村のために、格別なるご指導、ご鞭撻を賜ります様お願い申し上げます。
それでは、今議会定例会に提出させていただきました議案は、報告4件、決算認定1件、事件案1件、予算案3件の計9件であります。
報告第10号 令和4年度決算に基づく健全化判断比率及び資金不足比率の報告について
この報告は、令和4年度の健全化判断比率及び資金不足比率について、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項及び第22条第1項の規定により報告するものであります。
報告第11号 令和4年度公益財団法人生坂村農業公社の経営に関する書類の報告について
この報告は、地方自治法第243条の3第2項の規定により同法第221条第3項に規定する法人について、経営状況を説明する書類を作成し報告するものであります。
報告第12号 令和4年度社会福祉法人生坂村社会福祉協議会の経営に関する書類の報告について
この報告は、地方自治法第243条の3第2項の規定により同法第221条第3項に規定する法人について、経営状況を説明する書類を作成し報告するものであります。
報告第13号 専決処分の承認を求めることについて
この報告は、令和5年度生坂村一般会計補正予算(第4号)で、既定の額に1,646千円を追加し、総額を2,257,693千円とする補正予算であります。
いずれも県事業の生活困窮世帯緊急支援金、子育て世帯生活支援特別給付金に係る経費を補正するもので、歳入で県支出金を1,646千円増額し、歳出で民生費を1,646千円増額する補正予算の専決処分であります。
議案第54号 令和4年度生坂村歳入歳出決算の認定について
この議案は、令和4年度各会計の歳入歳出決算を地方自治法第233条第3項の規定により、議会の認定に付すものであります。
議案第55号 生坂村さぎの平防災拠点施設の指定管理者の指定について
この議案は、生坂村さぎの平防災拠点施設の指定管理者を指定したいので、地方自治法第244条の2第6項の規定により、議会の議決を求めるものであります。
議案第56号 令和5年度生坂村一般会計補正予算【第5号】
この予算案は、既定の額に35,549千円を追加し、総額を2,293,242千円とする補正予算であります。
主な内容は、歳入では地方交付税 25,253千円、国庫支出金 5,343千円、諸収入 2,577千円などを増額いたします。
歳出では総務費 15,074千円、衛生費 6,656千円、農林水産業費 3,597千円、土木費 6,000千円、消防費 4,455千円などを増額し、教育費 1,203千円を減額する補正であります。
議案第57号 令和5年度生坂村営バス特別会計補正予算【第1号】
この予算案は、既定の額から2,641千円を減額し、総額を45,059千円とする補正予算であります。
主な内容は、歳入で国庫支出金2,282千円、繰入金359千円を減額し、歳出では総務費で3,608千円を減額し、運行費を967千円増額する補正であります。
議案第58号 令和5年度生坂村福祉センター特別会計補正予算【第1号】
この予算案は、既定の額に352千円を追加し、総額を96,352千円とする補正予算であります。
主な内容は、歳入で使用料及び手数料352千円を増額し、歳出では経営管理費352千円を増額する補正であります。
以上の議案でございます。よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げ、挨拶並びに議案の説明といたします。