最近知り合えた友人が昨日遠方より自宅に来ていただき誠にありがとうございます。彼は最近FYNE AUDIO F500を購入したそうだが、その音質と本日筆者の所で聴く10吋TANNOYの音質とよく似ているとおっしゃておられた。
筆者の考えるオーディオの楽しみは例えばテノール歌手のマリオ・デル・モナコがスピカーの中央で歌う歌声が腹の底から出る肉声を聴くような音に夢中になる、この様な楽しみがオーディオいじりの醍醐味かも知れない、TANNOYオリジナルⅢLZでは決して味わえない音なのです。オリジナルⅢLZではせいぜい楽しんでも弦楽四重奏程の音量を少し絞って鳴らす事が限界と思う。
FYNE AUDIO F500のスピーカーは以前TANNOY社のシステムにも同様のスピカーユニットが下方向に向けられた写真を見た記憶がある、コマーシャルの写真を見た物なので音質は不明だが、低域は豊かなプレゼンスが得られる様にも思う。
FYNE AUDIO F500はTANNOYを制作した人が音を現代風にしたエンクロージャーとお聞きします。ユニットの作りもTANNOYとよく似た作りになっていて、音質もよく似ているそうです。現在音質はエージングが進むにつれ良く無であろうと言ってました、武漢ウイルス感染ワクチン注射後には一度訪ねてさせてください、等の会話でお別れしました。次回はより深いオーディオ談義に花を咲かせましょう。勿論エージングが進めば素敵な音が鳴ると言っておられました。
自慢の美味しい珈琲など召し上がっていただきたい所ですがコロナ禍の事もあり今回飲食は省略させていただき申し訳ありませんでした。
と同時に最近筆者の業務用CDは若干の音飛びがする、この状態は軽度なのでレンズクリーナーで清掃すれば改善の予期はあると彼は言われ又、それでも治らない場合はレンズを無水アルコールで清掃する良いという方法を教えて頂く。
翌日早速近くの大手電気屋で湿式のクリーナーを購入して清掃した、今までのクリーナーはクリヤー液は無いものを利用していたが効き目はなかった。扱い方は簡単でCDに付属するクリヤー液をCDに突起したブラシ部分に溶液を染み込ませ可動テストする。清掃終了後は清掃終了のコメントが流れ、CD購入後は全くクリーナー清掃はしてないため続けて2回ほど行った。
古めのCDを試聴すると見事に音飛びもしなくクリヤーに改善され若干だが音質も寄りクリヤーになったように感じる、又古いCDも無水アルコールにて清掃すると以外に汚れが取れる様子、早速確かめてドライブするとクリヤーな音が再現される、やはり定期的なメンテナンスは大切である。
しかし此のようなオペラ鑑賞は今後は映像も見えるDVDでの鑑賞が最強のようにも思う、「見える音」も興味あります、例えばワグナーの指輪の劇中、指輪を投げるシーン等も音より確実に目視できる音(場面が見える)が面白い。
今注文の24インチiMacが後少しで到着すると思うが、しっかりセッティングして今後違った方式の鑑賞ができると思うと楽しみが増える。
もしオペラ好きの方がいれば、エンクロージャーは低域のタップリ鳴る、大型の物での視聴をお薦めする、高級なブックシェルフ型のスピーカーでは決して味わえない、ホール感が体験出来る、如何にも舞台で行わるるオペラの醍醐味、迫力感が味わえる事は間違いないようです。この様な体験をすれば適度な据え置き型の大型エンクロージャーは手放せなく成ってしまう。
音楽とは、まさに音を楽しむ・・・基本は楽しむ事が一番に思う。武漢ウイルスが蔓延する以前国立劇場での『トゥーランドット』のオペラを予約していたが、公演は中止延期になり観劇は夢に終わる。
今後もチャンスが有れば是非観劇したい。最近少しただなんとなく世の中の不安が気になり「軽い鬱状態」になり少し安静状態で体調も戻りホットしています。筆者も意外と人間らしい部分が残っていると関心している。
意外と今も続く武漢肺炎のための意味のない緊急事態宣言発令、只々国民を脅し今回のワクチン注射を強要しこの注射のために亡くなった方の人数も発表はしない、国民に納得させ実施する行政はこれで良いのか疑問である。薬害訴訟に対応する姑息な方法と思わないのであろうか?疑問はつきまとう。
台湾もアストラゼネカの薬も入手出来、中共より益々東アジア地区の不安も高まり、すでに台湾にはアメリカ陸軍部が上陸し慎重な訓練をしている事も公開されている。中共、お隣さんも含め今後の動きに最新の注意をしなければならない、と同時に親中、親韓議員並び、慰安婦問題の巣窟の朝日新聞等の反日記事も横行し日本も不安要素は大いに広がって心配は深まる。
先の大戦で戦争の辛さは十分承知しているのに、間違った教育をした結果アジア地区は危険状態になったようである。
以前にも紹介したジャコモ・プッチーニ(Giacomo Puccini/1858年-1924年)1858年生まれ。1924年没。イタリア出身。ヴェルディに続く、イタリア・ロマン派歌劇の後半を飾る大作曲家。教会オルガニストとして出発、ミラノ音楽院で学ぶ。ヴェリズモ・オペラをさらに発展させ、旋律美と管弦楽の効果的使用でドラマチックな世界を創出。
ジャコモ・プッチーニが作曲した最後のオペラです『トゥーランドット』(Turandot)の最大のハイライト、とにかくマリオ・デル・モナコのカラフが凄いです。当時から言われた、こんなカラフは聴いたことがありませんと言われています。「黄金のトランペット」の異名をとっただけのことはあり、このカラフだけでも聴く価値はあると思うのだが・・・・。
ここで真打ち登場である。アルベルト・エレーデ Alberto Erede指揮のプッチーニ: 歌劇「トゥーランドット」 全曲が古い録音出すが最高傑作と思う。
他の歌手の存在感が薄れてしまいますが、戦後カラスと人気を二分したというレナータ・テバルディのリューも非の打ちどころがない歌唱で、役にふさわしいと思いますので少し古いですが再度。この際しっかり『トゥーランドット』を検証したいと思います。
以前の筆者の音響機材の音質と比べ確かに、オーケストラ、オペラは臨場感も豊かに再現できる「続銘AXIOM80 TANNOY」と命名した、但しGOODMANS AXIOM80専用のオリジナルボックスは無く、当時は一枚の箱の図面で皆さん自作したと聞くが、我が国はYAMAHA楽器でエンクロージャは製作し販売したと聞くが事実は定かではない、筆者仕様のエンクロージャーは確かにしっかりした作りは気に入ってます、堂々とした佇まいである。
筆者の思うオペラの楽しみ方は、一番はホール感を感じられる程々のエンクロージャーとユニットの組み合わせが絶対の必要上演にも思う、ブックシェルフの様な小型のスピーカーでは体感できなく不満が募る、現在居間で聴く筆者のエンクロージャーは我慢すれば楽しめる音は鳴ってくれるようです。
TANNOY IIILZ(Monitor Gold)のユニットを渋柿液を2度塗り乾きも陰干しし上手く仕上がった、此のユニットの特質は高温の涼やかさは特質であり一度聞けばその音に魅了される。GOODMANS AXIOM 80の箱にオリジナルの(A.R.U.180)装置の付いた箱に移植し発売当初のユニットに近い物に復活したと思うシステムはオペラ、歌劇、ワグナーの「指輪」はたまたバッハのカンタータ等を鑑賞するには実にホール感たっぷりに味わえる現在の装置には(特にこの装置をお譲り頂いたY氏には)大変感謝しています。現在の装置は筆者の部屋にはこのサイズは限界でこれ以上の装置は不要である。当分無理だが、今後は程良い素直な三極管の真空管アンプは試して見たいと思う。
感じることに思うはひっそりオペラを満喫するにはこの「AXIOM80 TANNOY」で適度な音量では改めて楽しむエンクロージャーと思う、此のエンクロージャー入手して歌劇、オペラ鑑賞の機会が多くなっている、適度な大きさも影響あると思うが、最高な臨場感豊かな歌声、大好きなジャコモ・プッチーニの最後の作品を楽しむことにした。筆者所有のエンクロージャーでの鑑賞はリアル感もあり、見事に響くホール感を味合えば益々オペラの鑑賞が好きになります。
愚妻などオペラ鑑賞すると壊れた音楽と言われ、音量を小さくして聞けと叫ぶが・・・?確かに隣室では低音のボンボンと聴こえる音は、嫌いな人には地獄の響きのような音なのであろう(笑)
先ずは『トゥーランドット』(Turandot)は、フランソワ・ペティス・ド・ラ・クロワ、1963年にパリで生まれ、パリで死去。1713年12月4日は、フランスの東洋学者が1710年~1712年に出版した『千夜一夜物語』(原題Les Mille et un Jours、『千一夜物語』とは別の作品)の中の「カラフ王子と中国の王女の物語」に登場する姫の名前であり、また、その物語を基にヴェネツィアの劇作家カルロ・ゴッツィが1762年に著した戯曲、および、それらに基づいて作曲された音楽作品である。上記に該当する音楽作品は複数存在するが、本項では、これらのうち最も有名なジャコモ・プッチーニのオペラ『トゥーランドット』について記述する。
『トゥーランドット(Turandot)』は、ジャコモ・プッチーニ(Giacomo Puccini/1858年-1924年)が作曲した最後のオペラです。
残念ながら「リューが自刃した場面」でプッチーニは亡くなってしまい、それ以降の場面は友人フランコ・アルファーノによって書き加えられました。
また、このオペラでカラフによって歌われる「誰も寝てはならぬ(Nessun dorma)」はオペラの代名詞的存在となっており、テレビCMなどでも度々流れています。
最近は特にルチアーノ・パヴァロッティが歌った「誰も寝てはならぬ」は、クラシックとしては異例のイギリスのシングルチャートでトップを記録し、全英で400万枚以上、全世界で1200万枚以上の売上を記録しました話は有名です。改めて此の二人を比べる事ができるYouTube配信を紹介する。コロナ禍の時代欧州で昨年にもこの曲が流され多くの医療従事者の人々が感激を味わった事であろう。
いつ聴くも感激する、最も有名なハイライト曲は第三幕第一場の誰もがわかりやすい内容とプッチーニ《トゥーランドット》「誰も寝てはならぬ」 デル・モナコが有名である。
オペラ対訳プロジェクトよりジャコモ・プッチーニ 《トゥーランドット》から「誰も寝てはならぬ」をイタリア語日本語対訳字幕付きでお届けします。音源はマリオ・デル・モナコのテノール、エレーデ指揮 / ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団です。
続いてYouTube(ルチアーノ・パヴァロッティの演奏)
ここで簡単なあらすじを述べると・・・・・。
第1幕
はるか昔、伝説時代の中国・北京。皇帝アルトゥムの娘トゥーランドット姫は、世界各地から求婚してくる王子たちに3つの謎をかけては、答えられなかった者たちを斬首の刑に処すため、人々に恐れられていた。国を追われ、心優しい召使いの娘リューを従えて放浪するタタールの前国王ティムールは、生き別れた息子のカラフと、宮殿前の広場で再会する。カラフは、広場で一目見たトゥーランドットの美貌の虜になり、彼女の愛を勝ち取ろうと決意する。カラフを心密かに慕うリューは泣きすがるが、カラフはリューに年老いた父の世話を頼み、3つの謎解きに命を賭けて挑む。
第2幕
トゥーランドットは、昔、祖先のロウ・リン姫が異邦人に虐殺された、だから私は異邦の王子たちに復讐するのだと話す。謎解きが始まり、名も知れぬ若者(カラフ)は見事に正解する。皇帝をはじめ人々は喜ぶが、トゥーランドットは動揺し、私は誰のものにもならないと結婚を拒む。姫の真の愛を欲するカラフは、夜明けまでに私の名を明らかにできたら命を捧げよう、と今度は自分から謎を出してみた。
第3幕
北京の町には、若者(カラフ)の名前が分かるまで誰も寝てはならないという布告が出された。カラフは名高いアリア「誰も寝てはならぬ」を歌い自信を示す。
トゥーランドットは、リューを拷問にかけて若者の名を明かさせようとするが、リューは秘密を守ろうと自らの命を絶つ。姫は愛の力に心を打たれる。カラフがトゥーランドットに情熱的な口づけをする。トゥーランドットは、カラフの名が「愛」であると人々に告げ、2人は結ばれる。
トゥーランドットは、リューを拷問にかけて若者の名を明かさせようとするが、リューは秘密を守ろうと自らの命を絶つ。姫は愛の力に心を打たれる。カラフがトゥーランドットに情熱的な口づけをする。トゥーランドットは、カラフの名が「愛」であると人々に告げ、2人は結ばれる。
定番中の中の定番とされ、録音は古いが音質は大変良く全曲聴いてしまう。「トゥーランドット」の作品としては是非視聴して頂きたいアルバムである。
プッチーニ: 歌劇「トゥーランドット」 全曲
指揮アルベルト・エレーデ(Alberto Erede)
1909年11月8日、ジェノヴァ生まれの指揮者。2001年没。ミラノのヴェルディ音楽院を経て、スイスのバーゼルでワインガルトナーに師事する。1935年にトリノでデビューし、45年からトリノ放送交響楽団の指揮者や、ライン・ドイツ・オペラの音楽監督などを歴任。イタリア・オペラを中心に演奏活動を続け、59年にはイタリア・オペラ団と初来日し、「オテロ」などを指揮した。68年、バイロイトで「ローエングリン」を指揮、その後も、メトロポリタン歌劇場を初め、欧米各地で活発な演奏活動を展開した。
1813年10月10日、ジュゼッペ・フォルトゥニオ・フランチェスコ・ヴェルディ(Giuseppe Fortunio Francesco Verdi) は、カルロ・ヴェルディの10番目の子供として、ブッセート近郊レ・ロンコーレに誕生。この頃は政情が不安で、翌年1月には同地にロシア軍が侵攻しています。生家は旅館兼居酒屋を営み、宿泊客の旅芸人の音楽に幼少から惹かれていたとのこと。
ローマ聖チェチーリア国立音楽院管弦楽団
1908年創設、管弦楽を専門に演奏するイタリア最古のシンフォニー・オーケストラ。これまでマーラー、ドビュッシー、R.シュトラウス、ストラヴィンスキー、ヒンデミット、トスカニーニ、カラヤンらを指揮に迎え、14000回に及ぶコンサートを行なう。83年から90年まではバーンスタインが名誉総裁を務め、97年から2005年までチョン・ミュンフン首席指揮者に就任。2005年10月よりアントニオ・パッパーノが音楽監督に就くと、カンタービレも音もさらに輝きを増し、2007年の来日公演でも絶賛される。2009年、クラシックFMグラモフォン賞(オペラ部門)受賞。翌年の英・クラシックFM誌で〈世界のオーケストラ・トップ10〉に選出。
ローマ聖チェチーリア音楽院合唱団
伊・ローマを拠点とする現存する最古の音楽教育機関、サンタ・チェチーリア国立アカデミアに所属する合唱団。古典クラシックや現代作品まで幅広いレパートリーを持ち、ロリン・マゼールとシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州のオーケストラ、カルロ・マリア・ジュリーニとRAI、クラウディオ・アバドとベルリン・フィル、ヴァレリー・ゲルギエフとキーロフ・オーケストラ、アバドとルツェルン祝祭管など名門オーケストラおよび指揮者とともに活動を展開。また、ザルツブルク音楽祭ほか著名音楽祭にも出演。受賞歴も多い。
ソプラノ:レナータ・テバルディ
1922年2月1日、イタリアのペーザロ生まれのソプラノ歌手。2004年12月19日、サン・マリノにて没。パルマのボーイト音楽院でカルメン・メリスに師事し、1944年『メフィストーフェレ』のエレーナ役でデビュー。その後、トスカニーニに認められ、1946年のミラノ・スカラ座再開記念コンサートに出演し、一躍注目を浴びた。以来20余年に渡り、世界各地の主要な劇場で活躍し、イタリア・オペラ界を代表するプリマ・ドンナとして、マリア・カラスと人気を二分した。レパートリーはヴェルディ、プッチーニ、ヴェリズモ・オペラのヒロインなどで、その輝かしい声と見事な演技力は聴衆を魅了した。
マリオ・デル・モナコ
テノール歌手。1915年フィレンツェ生まれ。85年没。「黄金のトランペット」と呼ばれた輝かしい声を持ち、ドラマティックな役柄で高く評価された。13歳からヴァイオリンを学び、16歳から本格的に声楽を学ぶ。後にペーザロ音楽院のメロッキに師事。卒業後はレコードなどを通じてほとんど独学で発声とオペラ表現を学んだと言う。大戦中もイタリア各地の歌劇場に出演して経験を積み、46年『アイーダ』のラダメスで評判を取り、49年のミラノ・スカラ座での大成功を経て“黄金のトランペット”と称され、名テノールとしてオペラ界に君臨した。
半世紀以上を過ぎた現在も絶大な人気を博しているのがエレーデの《トゥーランドット》です。デル・モナコ演じるカラフが強烈なインパクトを有し、彼の歌う2つのアリア、第1幕終了時のアンサンブルを貫く声の輝かしさなどは不滅のもの。これが全盛期の歌声です。その他どの歌手も素晴らしい歌唱を繰り広げる20世紀の名盤です。
歌劇《トゥーランドット》(全曲)Turandot - Complete
トゥーランドット インゲ・ボルク(ソプラノ)
Turandot Inge Borkh, soprano
リュー レナータ・テバルディ(ソプラノ)
Liu Renata Tebaldi, soprano
カラフ マリオ・デル・モナコ(テノール)
Calaf Mario del Monaco, tenor
ティムール ニコラ・ザッカリア(バス)
Timur Nicola Zaccaria, bass
ピン フェルナンド・コレナ(バリトン)
Ping Frnando Corena, baritone
パン マリオ・カルリン(テノール)
Pang Mario Carlin, tenor
ポン レナート・エルコラーニ(テノール)
Pong Renato Ercolani, tenor
皇帝アルトゥム ガエターノ・ファネッリ(テノール)
The Emperor Altoum Gaetano Fanelli, tenor
大臣 エツィオ・ジョルダーノ(バリトン)
A mandarin Ezio Giordano, baritone
【演奏】
サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団・合唱団
Orchestra e Coro dell'Accademia Nazionale di Santa Cecilia, Roma
指揮:アルベルト・エレーデ
Conducted by Alberto Erede
【録音】
1955年7月 サンタ・チェチーリア国立アカデミー
伝説的なトゥーランドット歌いであり、ワーグナーなどのオペラでも一時代を築き上げたボルクのトゥーランドット、そしてデル・モナコのカラフ、テバルディのリューという、イタリア・オペラの黄金時代と呼ばれた1950年代を代表する「トゥーランドット」の歴史的名盤であり、歌の魅力でこれを凌ぐアルバムは他にないとおもう。
音質も1955年録音今から60年以上前の録音とは思えないほどクリアで分離がよく、低音の迫力が違います。近年の録音と言われてもわからないクリーヤーな音質が大変魅力的だ。前奏曲から始まる音に驚き実にオケも上手く古い録音だが音質は実にリアルに聴こえる。東洋を思い浮かべる鐘の音も(仏教で使う鐘の音)それらしく聴こえる感じも面白い。インゲ・ボルグのトゥーランドットはニルソン程ではないですが及第点。しかしなんといっても本録音のウリは黄金のトランペットのデル・モナコによるカラフでしょう。コレッリやパヴァロッティも目じゃないですね。熱さ、ハリ、声量。圧巻です。
とにかくマリオ・デル・モナコのカラフが凄いです。こんなカラフは聴いたことがありません。「黄金のトランペット」の異名をとっただけのことはあり、このカラフだけでも聴く価値はあります。
他の歌手の存在感が薄れてしまいますが、戦後カラスと人気を二分したというレナータ・テバルディのリューも非の打ちどころがない歌唱で、役にふさわしいと思います。
トゥーランドットとは中国の姫の名前です。とても美しく、求婚する若者が後を絶たないのですが、冷酷なことでも知られています。彼女と結婚するためには3つの謎を解かなければならず、それに失敗した者は首を切って殺されてしまうのです。今日もペルシアの王子が月の出と共に命を絶たれてしまいます。そこへある国の王子カラフがあらわれ、自分がその3つの謎かけを解いて姫に求婚すると名乗りをあげます。このトゥーランドットが出した3つの謎というのがちょっとしゃれているというか文学的で面白いのです。
トゥーランドット「毎夜生まれて明け方に消えるものは?」
カラフ 「それは希望。」
トゥーランドット「赤く炎の如く熱いが火ではないものは?」
カラフ 「それは血潮。」
トゥーランドット「氷のように冷たいが周囲を焼き焦がすものは?」
カラフ 「それはトゥーランドット」
禅問答のような問のようなやり取りは、これで全問正解だそうです。
流れとしてはこれでめでたしめでたしという事になりそうなのですが、そう簡単には行きません。トゥーランドットが結婚をいやがり父王に訴えたのです。父王は「約束は約束だから」と娘を諭します。そしてカラフは姫に対して「私も謎を出そう。私は誰にも名前を知られていないはず。明日の夜明けまでに私の名をつきとめれば結婚をあきらめて私は潔く死のう」と言います。
トゥーランドットは月明かりの下で、「今夜は誰も寝てはならぬ。彼の名を解き明かさなければ住人を皆死刑にする」と命令を下します。ハイライトでは、それを聞いたカラフはこのアリア「誰も寝てはならぬ」を唱います。
このアリアはその美しさからテノール歌手の憧れの曲なのですが、一躍世界的に有名にしたのはルチアーノ・パヴァロッティという歌手です。彼は世界三大テノールの一人と言われた名手なのですが、あるラジオ番組で彼が歌うこの曲が流れるや否や全ての人を魅了し、CDをシングル発売、イギリスの全ジャンルシングルチャートトップを数週間に渡り記録、全世界で1200万枚以上の驚異的セールスとなりました。
サッカーのワールドカップ記念コンサートやトリノオリンピックの開会式でもパヴァロッティ本人の歌唱で披露されました。クラシック内外の色々な歌手のレコーディングがありますが、私はパヴァロッティ以上に完璧に、しかもこの上なく美しく歌われたものに出会ったことがありません。パヴァロッティはルックスはお世辞にも「王子様」という感じではないのですが、この人以上に美しい声と情緒を持つ歌手が今後現れてくるのかどうか……。とにかく最高の歌声です!
だまされたと思って一度お聞きください!ブラボー!