
どこにでも見られるカタバミ,
黄色の花がカタバミでこの薄紅色がムラサキカタバミです。
もともとは園芸用として持ち込まれた帰化植物,
それが野生化して広がっていますが,
色合いもよく春から初夏の野を彩っています。

この花,適用環境が似ているのかも知れません。
ドクダミの花と一緒にあるのをよく見ます。
白と緑のドクダミに薄紅色のムラサキカタバミがよく合います。
下の写真は花色が濃い紅色です。
ムラサキカタバミより群生して花をつけるイモカタバミと思われます。

住宅街の道端に咲いていたムラサキカタバミ,
ちょうどよい花数だったので撮ってみましたが
よくみると,この薄紅の花に真っ赤な小さな虫が確認できます。

その真っ赤な虫のあたりを拡大してみました。
これ虫ではなく,タカラダニというダニだそうです。
5月~7月ごろ限定で,
住宅のベランダやブロックなど,
コンクリートの上でよく確認されるダニです。
刺したりする直接の被害はありませんが,
あまりにも紅く,よく目立つので,
行政には不快害虫としての苦情がよく寄せられるそうです。
ふと,こんなに見事な赤そしてたくさん発生するダニ,
集めて天然の色素でも抽出できないかと考えてしまいました。
実は,食品や化粧品などたくさんの製品に使われている
コチニールといわれる紅い色素,
植物につくガイガラムシから抽出された天然色素なのです。
インカ帝国の時代から,いろいろと使われていたこの色素,
たくさんのデータがとられ,色素成分については,
科学的には安全性が証明され,世界的に使用が認められています。
最近,このコチニールを使用した製品で,
かゆみなど,場合によっては呼吸困難を伴う
急性アレルギー反応を引き起こす可能性があるとして,
消費者庁から注意喚起を促す文書が出されました。
アレルギーはいろいろな原因で起こる可能性があり,
よくは分かりませんが,
原因は色素と一緒に抽出された
特定のたんぱく質にあると考えるのが妥当と思われます。