カタクリの育成がされている城山公園の山斜面,
20日の春分の日に覗いたときは蕾一つ確認できませんでしたが,
25日に覗いて見ると,
紫のカタクリがもうずいぶんと咲いていました。
今年は,地上の梅や桜は開花が大きく遅れましたが
地下で冬を越したカタクリには大きな遅れはないようです。
ここのカタクリ,まだ小さなものがほとんどですが,
枯葉を持ち上げ,短い地上での命を精一杯に育んでいました。
カタクリは日が照ると開きだし,
時間とともに花びらが反り返るように咲きます。
この反り返って,少し下を向いて咲くのがカタクリの正常形と思われます。
このとき花びらの内側に見える桜の花びらのような模様が特徴的です。
この模様,蜜標と呼ばれ,虫たちに蜜のありかたを教えるためだそうです。
カタクリの花はみんな同じ方向を向いて咲くようです。
斜面の上のほうに上がり,背面から撮ってみました。
時間は午後3時を回っていますが,
今頃やっと開きだした小さな花が隣に2つ,3つ確認できます。
今年初めて花をつけることのできたカタクリかも知れません。
種から発芽したカタクリは,
春のほんの数ヶ月の間,光合成活動を行い,
根に養分を貯め,地上部が枯れることを毎年くりかえします。
こうして毎年徐々に大きくなったカタクリが
花を咲かせるようになるまで7~8年かかるそうです。
花を咲かせることができるカタクリは双葉で姿を現します。
単葉のものはあと何年か後に花をつけます。
大切に守っていくことが必要です。
写真は姿を現したばかりの蕾のカタクリ,
花開くのは明日になると思われます。
片栗は遅れもせずに咲きにけり