ニセアカシアの花
多摩丘陵を抜けるように走る京王相模原線,
稲城から多摩センターへ向かう途中,
5月の半ばになると,野山の新緑に混じり,
ところどころの木に咲く白い花が目を楽しませてくれます。
白藤のような房花を枝いっぱいに付けて咲くのがニセアカシア,
葉を覆うように白い小花をたくさん付けているのがミズキです。
ニセアカシアはマメ科ハリエンジュ属の落葉高木,
北アメリカ原産で明治の初期に渡来しているようです。
ニセの名が付けられていますが,
日本でアカシアというと一般にはこの樹,この花を指すようです。
札幌のアカシア並木,昭和30年代の流行歌「アカシヤの雨のやむとき」の
アカシアは両方ともニセアカシアのことです。
外国でアカシアと呼ばれているものと異なるので,
ニセの名が頭に付けられたようです。
ハリエンジュという和名もあります。
繁殖力が強く,在来の樹木を駆逐してしまうところから,
侵略的外来樹とされ,駆除される対象であるようです。
一方,きれいな花が咲き,これか良質な蜂蜜になり,
養蜂にとっては重要な資源になっている樹木なのだそうです。
ミズキはミズキ科ミズキ属の落葉高木,
扇状に広げた枝先に多数の白色小花をつけ,
遠景からのその姿はまるで枝先に雪が降り積もったようにも見え,
おもしろく思えます。
ミズキの名は樹液が多く,春先など枝を切ると,
水か滴たり落ちるように思えるところからの名のようです。
アカシアのむせぶ香りや畦の道
ミスキの花