行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

キバナアキギリ、ノササゲの花

2024-12-30 20:00:19 | 花,植物
10月初旬の丘陵の山道にて、
キバナアキギリの花を大写しにして見ました。
仮雄しべ、雄しべ、雌しべと蕊の位置関係が特徴的でおもしろい花です。


キバナアキギリ(黄花秋桐)。
本州から九州の低い山地の木陰などに自生しています。
シソ科アキギリ属の多年草です。


花冠は2.5~3.5cmの唇形、
その上唇から長く突き出ている糸状の紫色が雌しべ。
柱頭は片方が短く2裂します。


花の基部真ん中に見られる紫色が仮雄しべ、
花粉を出さない雄しべです。
2個あり、それぞれが花粉を出す2個の(本)雄しべとつながっています。


仮雄しべにハナバチなどの昆虫が触れると、
テコの原理で、連動して(本)雄しべが下に動き、
昆虫の背中に花粉を付けます。
背中につけた花粉をつけた虫が別の花の雌しべに触れて受粉となります。


(本)雄しべは上唇の中に隠れていて、見えづらいのですが、
上唇を外して見ると、長い葯を持った2個の雄しべが雌しべの上に現れます。


キバナアキギリの近くにやはり黄色の花を見つけました。
つる性の多年草、マメ科ノササゲです。


ノササゲの果実鞘は秋遅くに美しい紫色に熟し、
中からこれもきれいな青色の種実ができます。

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「こもれびの丘」で

2024-12-27 20:00:56 | 花,植物
10月2日の昭和記念公園、
「こもれびの丘」を歩いて秋の植物を探して見ました。


カリガネソウ(雁金草)がまだ咲いていました。
シソ科の多年草で花期は8~9月、
葉腋から集散花序を伸ばし、青紫色の花を咲かせます。
花の形状を雁にたとえられ、この名があります。


シソ科の多年草シモバシラが
丘のところどころに白い花を咲かせていました。
花よりも、枯れ茎の導管に吸い上げられた水が凍って、
正月頃、茎に美しい霜華(霜柱)が出来ることで知られる植物です。


我家近辺では目にしない、
ヤマジノホトトギスの花を見つけました。
ヤマホトトギスによく似ますが、葉腋に1~2個の花をつけます。


ヤマホトトギスも咲いていました。
主に茎先に散房状に花をつけます。


シラヤマギク。
秋の山地に咲く野菊の1つ、
茎が高く伸び、白い舌状花がまばらにつきます。


ホウチャクソウ(宝鐸草)の紺色の実を見つけました。
ユリ科チゴユリ属の多年草、
4~5月、緑白色の釣り鐘状の花が咲きます。


低木に紅い実が数個ぶらさがるようについていました。
先が尖る鋸歯の葉から、オトコヨウゾメと思われます。
ガマズミ科ガマズミ属の落葉低木、別名コネソ。
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ノダケ、カシワバハグマ

2024-12-25 20:00:18 | 花,植物
9月末日の丘陵の山道散歩、
ノダケ、カシワバハグマ、ヤマホトトギスを写しました。


山道のところどころにノダケ(野竹)が花をつけていました。
本州、四国、九州に分布、
山野に見られるセリ科シシウド属の多年草です。
花期は9~11月で茎頂の先端に暗赤色の複散形花序をつけます。


花は5弁花、
花色は暗紫色がふつうですが、白色もあります。
花弁から突き出た5本の雄しべがよく目立ちます。


暗紫色の咲き初めの花序と、
花弁が落ち雌性期をむかえた花序が並んでいました。


左はまだ雄しべが残る雄性期の白花。
右はすっかり花弁と雄しべが落ちて雌蕊だけになった雌性期の花です。
ステージの違う花が並んで見られました。


山の林縁道にカシワバハグマ(柏葉白熊)の白い花を見つけました。
キク科コウヤボウキ属、
本州(宮城県以南の太平洋側)、四国、九州に分布する日本固有種。
山林のやや乾いた林縁や林下に生育する多年草です。


花期は9~10月。
茎上部に穂状または総状に頭花がつきます。
頭花には9~14個の白色の小花があり、小花は筒状花からなり花冠が5深裂します。
総苞は円柱形で、総苞片が8~10列に重なって並びます。
これが爬虫類の鱗のようで、特徴的です。


林縁道のところどころにヤマホトトギスが花をつけていました。
ユリ科ホトトギス属の多年草です。
今回は花被片から飛び出た雌しべにピントを合わせて見ました。
花被片だけではなく、雌しべ花柱にもたくさんの紅紫色の斑点が見られます。


斑点が少なく、淡色のヤマホトトギスも写してみました。
花被片に斑点が少なくても、雌しべの斑点は濃色で数もそこそこあります。
雄しべは6個あり、花糸は互いに寄り添って束状に立ち、
上部で反り返って先端に淡黄色の葯をつけます。
雌しべ花柱は3裂し、各枝の先はさらに2裂します。
雄しべの花糸そして雌しべ花柱とその分枝、いずれにも紫色の斑点が見られます。
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河川敷の草原の花

2024-12-23 20:00:59 | 花,植物
9月29日の多摩川の河川敷の草原、
夏の終わりから秋の草の花がいろいろと咲いていました。


ヤハズソウ(矢筈草)。
マメ科ハギ属の小型の1年生雑草です。
葉を引っ張ると矢筈形に千切れることから名が付けられています。
花期は7~9月とありますので、今年は遅くまで花がついているようです。


メドハギ。
ヤハズソウと同じくマメ科ハギ属、
やはり、夏から花をつけていました。
こちらは高さが1mほどに立ちあがり、茎は硬く木質化、
木本のように見えますが、多年草だそうです。


シソ科トウバナ属の花です。
この仲間はよく似ていて難しいので自信がありませんが、
トウバナ(塔花)と判断しました。
山野から人里の田の畦ややや湿った道ばたなどによく見られる多年草です。


きれいには咲いていませんがマメ科ヤブツルアズキです。
キク科ヨモギの花が接して咲いていました。


タデ科イタドリ(虎杖)。
山野や道端、土手などによく見られる雌雄別株の多年草です。


オオイヌタデがところどころに群生していました。
タデ科イヌタデ属の1年草です。


アレチノウリ雄花にイチモンジセセリ。
特に河川敷によく見られる北アメリカ原産の帰化種、
特定外来生物に指定されています。
花期は8月~9月、雌雄異花のつる性1年草です。
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カラスノゴマ、サクラタデ、キツリフネ

2024-12-18 20:00:34 | 花,植物
9月26日の長池公園、
山野道に小さな花を写しました。


カラスノゴマが小さな黄色をつけていました。
アオイ科(以前はシナノキ科) カラスノゴマ属、
関東地方以西の本州、四国、九州に分布し、
道端、畑、空地などに生育する1年草です。


ヒガンバナの赤色を背景にカラスノゴマの花。
花期は8~9月、葉腋に直径1.5cmほどの黄色い5弁花を
1個横向きから斜め下向きにつけます。
雄しべのほかに仮雄しべが5本あり、長く突き出しているのが目をひきます。


湿地にサクラタデ(桜蓼)が花をつけていました。
タデ科イヌタデ属の多年草です。
日本産のタデ属の中で花が最も大きい種、
名は花の色と形が桜に似ていることに由来します。


花期は9~10月、
花序は茎先につき細長く、ややまばらに花をつけます。
しばしば茎先が垂れ下がります。


やはり湿地にキツリフネ(黄釣船)、
8月から花をつけ続けています。
ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草です。


草丈は40~80 cmほどに生長、
葉の下から細長い花序を伸ばして、
先端に花弁状の萼と唇形の花びらからなる黄色い花を釣り下げるようにつけます。
葉は鋸歯で、楕円形から広披針形、ツリフネソウより楕円形に近い。


黄色の花をもう一つ。
キバナアキギリ(黄花秋桐)が花をつけていました。
丘陵や山麓、谷間などの木陰に見られるシソ科アキギリ属の多年生です。

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ヤブツルアズキ、ノアズキ、ツルマメ、ヤブマメ

2024-12-17 20:00:25 | 花,植物
9月26日の長池公園にて、
マメ科の野の花を写して見ました。


草藪のところどころにヤブツルアズキ(藪蔓小豆)が黄色の花をつけていました。
マメ科ササゲ属のつる性の一年草、
アズキ(小豆)は本種の変種が基本種だそうです。
アズキは栽培種で茎が直立し、つるにならないのに対し、
本種は野生種であり、藪に生え、つる性になります。


花期は8~10月、
葉腋から花序柄を出し、数個の黄色い花をつけます。
花はノアズキに似ますが、果実は細長いがササゲ状で豆果状のノアズキとは異なります。


公園の自然館の中庭でノアズキ(野小豆)の花と果実。
ノアズキは林縁や堤防などの草地に生育するマメ科 ノアズキ属のつる性多年草です。
しかし、長池公園のある八王子市内には自生しておらず
このノアズキも他地域からの移植ものであると記されていました。


ノアズキの花期は8~9月、ヤブツルアズキより少し早いようで、
花はもう終わりに近く、豆果がたくさんできていました。
別名はヒメクズ、葉が小型のクズといった感じです。


再び公園の林縁の草原にて、
ツルマメの花を見つけました。
マメ科ダイズ属のつる性1年草、
ノマメ(野豆)とも呼ばれ、ダイズの原種とされます。
花期は夏から秋にかけて、葉腋(ようえき)から房状花序を出して、
長さ6 mm前後の小さな蝶形の赤紫色の花を3~4個つけます。


似たような名で混乱しますがヤブマメ(藪豆)も花をつけていました。
マメ科のつる性1年生草本です。
花期は9〜10月、白色で、旗弁が淡紫色から紫色をしています。


つい先日まで小さな花をたくさんつけていたヌスビトハギ、
早くも2節からなる眼鏡形の果実をたくさんつけていました。
マメ科ヌスビトハギ属の多年草、
この果実、秋の藪草原の厄介者のひっつき虫のひとつです。
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コヒガンバナと白いヒガンバナ

2024-12-14 20:00:26 | 花,植物
今年は9月の気温が高く、
彼岸になってもヒガンバナがほとんど見られませんでしたが、
なぜか白いヒガンバナは咲いていました。
白いヒガンバナ、ヒガンバナより花期が少し早いようです。


9月19日は彼岸の入り、
ヒガンバナでもと思い散歩に出かけました。
例年なら彼岸入りには咲き出しているヒガンバナですが、
今年は遅れているようでどこにも見られません。
しかし、白いヒガンバナの花は見られました。


彼岸の中日の9月22日の散歩道でも、
数が少なく珍しいといわれる白いヒガンバナは咲いていましたが、
紅いヒガンバナは蕾どまり、花は見られませんでした。


白いヒガンバナはシロバナマンジユシヤゲとも呼ばれ、
おもに九州に自生しているそうですが、
近年、東京の多摩地区でもよく目にするようになりました。
球根が流通しているようです。


白いヒガンバナはヒガンバナとショウキズイセンの自然交雑種とされていましたが、
最近の遺伝子検査によると、
ヒガンバナの原種であるコヒガンバナとショウキズイセンの自然交雑種が正しいようです。
ヒガンバナは3倍体で種ができませんが、コヒガンバナは2倍体で種ができます。


9月初旬、
ヒガンバナにしては花が早過ぎそして花が貧弱だなと思いながら写しておいた花。
これがコヒガンバナでした。
ヒガンバナの原産地である中国にはもともと2倍体のコヒガンバナがあり、
突然変異で3倍体のヒガンバナができて、これが日本へ渡ってきました。
3倍体であるヒガンバナは種ができず、球根のみで増えます。


コヒガンバナ、
ヒガンバナより1月近く早く、花が咲きます。
9月初旬には、ほとんど枯れたものも並んでいました。
白いヒガンバナがヒガンバナより少し早く咲くのは
このコヒガンバナのDNAによるようです。


10月初旬
黄色の彼岸花といわれるショウキズイセン(鍾馗水仙)が咲いていました。
花期はヒガンバナより遅く、ヒガンバナとは異なり種ができます。
黄色のショウキズイセンと赤色のコヒガンバナの交雑種が白いヒガンバナ、
黄と赤が交雑して白、少し不思議です。
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ゲンノショウコ、ミツバフウロ

2024-12-13 20:00:06 | 花,植物
9月中下旬の散歩道に
紅白のゲンノショウコが咲いていました。


谷戸の野道に白いゲンノショウコ、
咲いて間もない花、雌しべがまだ開いていない雄性期の花です。


別の場所で白いゲンノショウコ、
こちらの花は雌しべが開きはじめていました。


こちらは2つの花ともに雌しべが開き、雌性期の花。
左の花は雄しべが散ってなくなっています。
また、下方に花びらが散り、雌しべだけになったものが見られます。


山の草地に紅いゲンノショウコの花。
雌しべが5裂して開き、紫色の雄しべ葯が残る盛りのきれいな花です。
右横には蕾も見られます。


こちらは2つとも終わりに近い紅い花、
雄しべが散り、花弁や雌しべ色も褪せて見えます。


公園の管理地に紅いゲンノショウコ、
こちらは色鮮やか、盛りの花です。
ゲンノショウコ(現の証拠)はフウロソウ科フウロソウ属の多年草、
日本全土の山野や道端にふつうに見られます。


上と同じ、公園の管理地にゲンノショウコによく似た花。
ミツバフウロ(三葉風露)と札がありました。
ゲンノショウコと同じく、フウロソウ科フウロソウ属の多年草です。
ゲンノショウコの花は白か濃いピンクですが、
ミツバフウロは淡いピンクで花弁に目立つ筋が見られます。
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ヤマホトトギスとヒヨドリバナ、

2024-12-11 20:00:37 | 花,植物
丘陵の山道に様々な斑点模様の
ヤマホトトギスが花をつけていました(9/22、23)。


ヤマホトトギス(山杜鵑草)はユリ科ホトトギス属の多年草、
山地の林下に生え、高さは30~70cmほどに草丈を伸ばします。


花期は8~10月、
茎先および上部の葉腋に散房花序を出し、花を上向きにつけます。
葉は長楕円形または楕円形で、長さ8~15cm。


花は漏斗状で花被片は6枚。
長さは1.5~2cmほどで、3個の内被片と3個の外被片からなります。
内被片は披針形で狭く、外被片は広倒披針形で内被片より幅が広くなります。


花被片は6枚ともに基本的に強く反り返り、
白色の地に紫色の斑点が見られます。
この斑点、色の濃淡、その大小などに個体差がかなり見られます。


斑点が小さく、淡色のヤマホトトギス。
斑点の濃淡で花の雰囲気がずいぶん変わります。



雄蕊、雌蕊ともに太く、花被片の上まで伸びます。
雄蕊は6個、花糸が互いに寄り添って束状になって伸び、
上部で反り返り、先端に淡黄色の葯を外向きにつけます。
雌蕊の花柱は3枝に分かれ、それぞれの枝の先はさらに2裂します。
花柱と分枝にも紫色の斑点が見られます。


キク科の多年草ヒヨドリバナ、
7月に花をつけていましたが、
暑い盛りを過ぎ、9月中過ぎになって再び咲き出しました。


そのヒヨドリバナにアオスジアゲハ、
吸蜜に夢中、すぐ近くで撮れました。
ヒヨドリバナや同属のフジバカマはアサギマダラがよく集まる花、
アサギマダラが来てくれるとうれしいのですが、
多摩丘陵のマイフィールドは移動の通り道ではないようで、なかなか見られません。

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サンショウの種実、果実

2024-12-10 20:00:17 | 花,植物
9月16日の散歩道に
サンショウの実など木の果実を写しました。


畑地端のサンショウ(山椒)の木に果実と種実の両方が見られました。
サンショウはミカン科サンショウ属の落葉低木、
別名はハジカミ、雌雄異株の木本です。


雌株には球果ができ、秋(9~10月)に赤褐色に熟します。
この果実を乾燥させ、粉末にしたのが粉山椒、
ウナギのかば焼きなどの香辛料として重宝されます。
また、春の若葉は「木の芽」と呼ばれ、
香りがさわやかで彩りがよく、日本料理に添えられる食材です。


果実は十分に熟すと、
裂開して中から黒い光沢のある球形の種子が現れます。


バラ科シロヤマブキの果実(種実)。
サンショウの種実と同じく黒光りした実が4個が一組でつきます。


コムラサキの実が紫に色づき出していました。
シソ科ムラサキシキブ属、
ムラサキシキブの園芸品種といわれ、コシキブとも呼ばれます。
ムラサキシキブより実付がよく、早めに色づきます。


白い実のコムラサキも見つけました。
コムラサキの白花品種です。
シロミノコムラサキあるいはシロシキブと呼ばれます。


公園に植えられたクマシデ(熊四手)が実をつけていました。
カバノキ科クマシデ属の落葉高木、
山地の沢沿いなどに自生します。


シラカシに青いドングリがたくさんできていました。
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