行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

アカボシゴマダラ

2011-09-30 22:19:13 | 昆虫
(9月17日)

まだ残暑厳しき彼岸前
カメラを抱えて,近くの公園を散歩していると,
蝶が一羽,目の前の傾斜地の草にとまりました。
大きさはナミアゲハ,キアゲハぐらいですが,
色はそれらより白が強いように思えます。  
そして,下翅に赤い模様が確認できます。
アカボシゴマダラのようです。

(9月17日)

アカボシゴマダラは中国,朝鮮には普通にいるようですが,
本来,日本本土にはいないはずの蝶です。
しかし,10年ほど前,神奈川県で多数発生しているのを発見,
2006年には東京でも確認されるようになりました。
愛好家が多数の個体を放した結果,
それが定着し,増えているものと思われます。

(9月24日)

そして,一週間後,再びアカボシゴマダラを今度は家近くで発見,
ふわふわとゆっくり飛んできて,モチの木の葉にとまりました。
木の葉にとまり翅を休めているようです。

(9月24日)

実はこの蝶,今回とは少し離れた場所ですが,
昨年も見ています。それで名を知った蝶です。
そのときはピンボケ写真になってしまいましたが,
今回はボケずに撮れました。
もう何年か経つと,
どこにでもいる日本の蝶になっているかも知れません。

秋の蝶木の葉に休みなに思う
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彼岸花(ヒガンバナ)

2011-09-29 19:55:44 | 花,植物
(9月4日に咲いていた早咲き彼岸花)

毎年,きまったように彼岸になると花開くと思っていた彼岸花,
今年は9月4日に早々とこの花を見ました。
調べてみるとこんなに早く彼岸花が咲くのはかなり珍しいようです。

(9月19日)

今年はなにか異変があるのかなと思っていましたら,
やはり彼岸近く咲くのが正しい姿のようです。
彼岸には緑の草野のあちらこちらに紅い花が咲いていました。

(9月24日)

彼岸花は一つの花茎の上に6つの花が開きます。
この各花から弓状に針金が伸びたような雄蕊が6本,
そして雌蕊が1本雄蕊より少し長く伸び出ています。
一つの茎を取り囲み6つのリボン状の花,
その6つの花を42本の蘂が取り囲んでいます。
あらためて見ますと,類を見ないおもしろい形で,
曼珠沙華の名がよく似合う花です。

(9月24日)

蕊の先に付いている楕円形物質が花粉と思われます。
花粉が付いているのが雄蕊で,
先に何も付いていない少し長い一本が雌蕊です。
しかし,こんなに立派な雄蕊,雌蕊があるのに
彼岸花には種(実)がなりません。
染色体数が3の倍数である3倍体植物であるためです。
3倍体だと,染色体が半分になり分裂していく減数分裂ができず,
配偶子ができません。したがって種ができないのです。
種なしブドウやスイカなどはこのことを利用して,
ジベレルリンなどの薬品で人工的に3倍体が作られた結果です。
なお,中国には種のできる2倍体の彼岸花が存在するそうです。
このことから,突然変異等により3倍体になったものが
古い時代に中国から日本に持ち込まれと想定できるようです。

(9月19日)

白花の彼岸花も咲いていました。
この白花,咲き始めと思われ,
6つの花のうちまだ2つが蕾の状態です。
こうして紅花と白花をあらためて比較してみて,
紅花は蕊まで紅色,白花は蕊まで白色であることに気がつきました。

曼珠沙華 稲穂に向かい「頭が高い」
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蔓穂に藪蘭

2011-09-28 22:00:02 | 花,植物
秋初め,穂状の花序に薄紫の花をつけるツルボとヤブラン,
葉を含めた全体の様子はかなり違いますが,
花の姿だけを見るととてもよく似ている二つです。
そして,ランの名がついていますが,ヤブランはユリ科植物,
両者ともユリ科の多年生草本なのです。




蔓穂(ツルボ),8月下旬から9月初め,
突然に茎を伸ばして,薄紫色の花を穂のような総状花序に咲かせます。
本州から九州の日当たりのよい原野や道端,
大きな草がないところに生育しています。
薄緑の野に群生して咲くと薄紫がきれいです。


藪蘭(ヤブラン),
常緑草で冬でも葉が枯れずに残るので,
観葉植物の要素で庭園の下草,道縁の下草などによく利用されています。
これら観賞用は斑入り葉なども開発され,
この時期たくさんの花を咲かせています。

しかし,もともとは野の林縁などに自生していた植物です。
写真は多摩丘陵に残された林の縁,草中に咲いていたヤブラン,
多分自生種と思われます。
自生種は群生しているものは少なく,花も一つ,二つと少ないようです。


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萩の花

2011-09-27 22:15:30 | 花,植物
「オスキナフクハ」,秋の七草の思い出し方だそうです。
オミナエシ,ススキ,キキョウ,ナデシコ,フジバカマ,クズ,ハギ
と七つがすぐに思い浮かびます。
秋の七草,昔はみんな身近に見られたのでしょうが,
今は,オミナエシ,キキョウ,ナデシコそしてフジバカマなど
野に自生しているのものは少なくなってきているようです。




「オスキナフクハ」の最後に出てくる萩,
これは,今も野によく見られる植物です。


秋の七草のうち,実は萩だけが草ではなく木です。
そして,実際は7月ごろから花が咲きます。
木といっても低木,見た目は草で,
秋のお彼岸ごろが花の最盛期ということで,
秋の七草に加えられたと思われます。


他の七草,キキョウにナデシコそしてオミナエシも
7月ごろから花が見られます。
秋の七草とはいえ,必ずしも秋だけに咲くものを挙げたのではないようです。

萩の花くぐり我が家の暖簾かな
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キンミズヒキとミズヒキ

2011-09-26 22:43:21 | 花,植物
キンミズヒキとミズヒキ,
いずれも晩夏から初秋の山野を彩る草の花,
同じような場所に咲き,同じような名前を持ちますが,
キンミズヒキはバラ科,ミズヒキはタデ科と植物の種類が違います。
そして,花の様子がかなり違います。


タデ科植物は花をなかなか開いてくれませんが,花が開いたミズヒキです。
この花開いたときに上から見ると紅,下から見ると白の花の
紐のように細長い花穂につくその姿を冠婚の慶事に用いる水引に見立てて,
ミズヒキと名前がつけられたようです。


一つの草から何本も花穂が出ます。
開いてないとときは紅い花です。


ミズヒキに比べ花穂も太く,花も大きいキンミズヒキです。
この花穂に黄色の小花がたくさんついて咲くところから,
ミズヒキの名前を引用し,キンミズヒキになったと考えられます。
しかし,この花の様子からはミズヒキより,
トラノオの名をもらい,キントラノオのほうがしっくりくるように思えます。


名前以外は似たところのあまりないミズヒキとキンミズヒキですが,
なぜか近くに咲いていることが多いこの二つです。

水引の赤い花糸もつれけり
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ヤナギバルイラ草と雁草(カリガネソウ)

2011-09-25 21:03:52 | Weblog
名前のわからなかった2つの花,
柳葉ルイラ草(ヤナギバルイラソウ)と雁草(カリガネソウ)と知りました。
いずれも紫色,夏の終わりから秋にかけて見た花です。




(柳葉ルイラ草)
紫色のペチュニアのような花が道沿いに咲いていました。
この細い竹のような葉からは想像しづらい紫色の花です。

この花,葉の姿形からはハグロソウやキツネノマゴと同じ
キツネノマゴ科とは思えませんが,
キツネノマゴ科ルイラソウ属の植物なのです。
花期は長く,6月~10月花を咲かせています。
葉の形,紫の花色は純日本風,
名前は漢字とカタカナの混合,
柳葉ルイラ草の名はどこかで見ていましたが,
この花とは思いませんでした。




(雁草)
こちらはクマツヅラ科の青紫の花,
多くのクマツヅラ科の植物がそうであるように,
葉から独特の臭気を発します。
花が雁の飛んでいる姿に似ているということで雁草の名があります。
そういわれればなるほどと思えます。
雁を「かりがね」と読ませるなど風情のある名です。
低地や山地の林縁などに自生する多年草,
花の色,形がおもしろいので園芸用としても普及しているようです。
花期は8月~9月。

地下街の盆より暑き彼岸かな
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鶏頭

2011-09-24 22:36:45 | 花,植物




9月になり,あちらこちらに
鶏頭の花が目立つようになりました。
そんな鶏頭を撮ってみました(9/17)。





鶏冠のような鶏頭だけではなく,
いろいろな形をした鶏頭があるようです。

鶏頭の色とりどりの鶏冠かな
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オミナエシ・オトコエシ

2011-09-23 23:42:43 | 花,植物

秋の七草の一つであるオミナエシ,
昔は草地や林縁などによく見られた植物ですが,
最近はそんな自生のオミナエシも少なくなっているようです。
写真は新しい住宅が建てられている草地に
雑草といわれる草に混じって咲いているオミナエシ(9/10),
自生のオミナエシでしょうか,それとも-----




女郎花と書いてオミナエシと読ませます。
今でこそ女郎はあまりよい意味に使われませんが,
昔は美しい女性の意味があったようです。
オミナが美しい女性,エシは飯の意味であり,
花が黄色,ふわふわして優しい粟飯を
女飯と呼んだところからオンナメシがオミナエシになったといわれています。
写真は道路横の花畑に植えられていたオミナエシ,
花をアップにして見ると蕾粒がご飯のようにも見えます。




同じオミナエシ科オミナエシ属にオトコエシ(男郎花)があります。
こちらは白花で,葉などはごわごわしていますが。
花の様子はオミナエシによく似ています。
オミナエシに対抗して,白くごわごわしている米の飯を男飯と呼び,
オトコエシの名があるようです。
こちらは,まだ自生のものが残っているようで,
公園の山の中に台風にやられたのでしょうか,
どの草も斜めに倒れながら,花をつけていました。

男郎花 風に倒れて立ち上がり
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山杜鵑(ヤマホトトギス)

2011-09-22 22:19:42 | 花,植物

城山公園の山道を歩いているとホトトギスが
あちらこちらに花を開いていました。
ヤマホトトギスのようです。
写真,同じような花と蕾が同じような姿で並んで咲いていました。
まるで双子のようです。




木の陰や日当たりの悪い場所のものは,
花や葉の傷みが多くみられましたが,
写真は少し日当たりのよい場所に生えていたもの,
花葉の傷みもなく,美しい姿を見せています。
ホトトギスの特徴である紫斑の入り方もきれいです。
また,この花の蕾,蛸の赤ちゃんのように見えます。
そして,花はイソギンチャクのようにも見えます。


ユリ科ホトトギス属,
ホトトギスはその斑模様から
鳥のホトトギスからつけられた名ですが,
東アジアだけに分布する世界的には珍しい植物のようです。
ホトトギスの種類は世界で19種ですが,
うち10種は日本だけに分布するのだそうです。
ヤマホトトギスは朝鮮や中国の一部,
日本では主に関東から西の太平洋側の山地の林縁に分布する白花のホトトギスです。


水辺の板道にはみ出して咲いていたホトトギス,
我が家の庭に毎年花を咲かせているものと同じように思えますので,
タイワンホトトギスのようです。
花色も斑も紫色です。

山杜鵑 イソギンチャクの咲きにけり
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吾亦紅(ワレモコウ)

2011-09-21 23:01:55 | 花,植物

もう3,4年前になるでしょうか,「吾亦紅」という曲がはやりました。
「すぎもとまさと」という,団塊の世代と思われる歌手が
亡き母に向かい,親不孝を詫び,切々と今の自分の思いを語り歌うものでした。
母をあなたと呼び,何度も語りかけるそのフレーズは新鮮であり,
そしてその歌詞の一つ一つに同世代としては身につまされ,
とてもインパクトの強い歌でした。


「すぎもとまさと」は杉本眞人の名でたくさんのヒット曲を持つ作曲家,
この「吾亦紅」は母の死を悲しんでいるときに,
友人の作詞家ちあき哲也氏から贈られた詞に,
曲を付け,自らが歌った曲のようです。


この「吾亦紅」の歌詞には,
題名以外に吾亦紅は一度も登場してきません。
吾亦紅が植物の名であることは知っていましたが,
この歌の題名がなぜ吾亦紅なのか,よくわかりませんでした。
その後,吾亦紅が写真のような,
花だか実だかわからない地味ななんともいえない花をつけると知り,
そして,その花を見ているとなぜこの詞が吾亦紅なのか,
おぼろげながら理解できたような気がしてきました。


この花,離れてみると植物が枯れたときの色,褐色に見えます。
しかし,アップにしてみるとかなりの紅色です。
「吾も亦紅色なり」とひそかに主張しているようです。
吾亦紅,これでも美しい花の多いバラ科なのです。

我もまた半端ものなり吾亦紅
どの世にも拾う神あり吾亦紅

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