行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

カワトンボの産卵

2010-09-30 15:20:02 | 昆虫
遅れを取り戻すように,秋が急テンポでやってきました。
つい半月ほど前はティシャツで過ごしていましたが,
今日はセーターが欲しくなるほどの気候です。



ハグロトンボをよく見る小さな川,
ハグロトンボが急な秋の訪れに,あわてるかのように,
川面に浮かぶ水草に卵を産み付けています(9/19)。
ハグロトンボの象徴である黒い翅も色があせ,秋の色に変わっています。
もう間もなく短い生涯を終えるのでしょう。



飛びながら水の中に卵を落とすもの,水辺の土の中に卵を生むもの,
水中の植物に卵を産みつけるもの,
雄雌が連結して産卵するもの,雌だけで生むもの,
トンボは種類によって産卵の仕方が異なり,いろいろな形があるようです。
ハグロトンボは雌だけで,水中の植物に産み付けるスタイルのようです。

セーターをあわててさがし九月尽
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女郎花(オミナエシ)

2010-09-29 22:03:03 | 花,植物
秋の七草の一つ女郎花(オミナエシ),
オミナエシのオミナとは女性,エシは飯という意味だそうです。



昔,もち米を炊いたごわごわしたおこわ飯を男飯,
ふんわりとした粟飯を女飯とよんでいました。
オミナエシの小さな花が粟粒のように見えるので,
この花にオミナエシの名がつけられたとのことです。
粟をじっくりと見たことがありませんので,
粟飯がどんなものかよくは分かりませんが,
花が開く前の蕾がたくさん集まればそう見えるように思えます。



秋の七草の一つであるオミナエシですが,
実際は7月下旬ごろから花が咲きだします。
そして,秋まで咲き続けます。
写真は花壇に植えられていたオミナエシ,きれいに咲き始めました(8/8)。
考えてみますと,秋の七草には夏に花が咲くものが多いようです。
キキョウ,ナデシコ,ハギなどはオミナエシより早く6月ごろから花が見られ,
クズは8月中ごろから咲きだすようです。
純粋に秋に咲くのはススキとフジバカマの2つだけでしょうか。



オミナエシはもともと山野に自生している花ですが,
最近は自生しているものが少なくなってきているようです。
下は自生のオミナエシ(9/13,八島湿原),
草も小さく寂しいものでした。

のびのびと花壇の花や おみなえし
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数珠玉の花と実

2010-09-28 20:00:20 | 花,植物


この植物,数珠にするような実ができるので,
子供の頃,ジュズダマと呼んでいました。
通称と思っていましたが,これが正式な名であり,
漢字はそのまま数珠玉と書かれるようです。
水辺に生育する熱帯アジア原産のイネ科の植物です。
昭和の中頃までに生まれた方は,
多分,この実を採って遊んだ覚えがあるのではないかと思います。
子供の頃がなつかしく思い出される草です。



そんな数珠玉ですが,実は忘れないほど見ていますが,
花はどんなのか全く記憶がありませんでした。
休耕田でしょうか,それとも放棄された田んぼなのでしょうか
小さな田んぼ跡に数珠玉の花が咲いているのを見つけました(写真上9/5)。
イネ科の植物らしい花です。



それから2週間後,実がだいぶ大きくなり,
あの光沢がでてきています(写真下9/19)。

数珠玉の米にはなれぬ花の咲き
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韮の花

2010-09-27 19:35:05 | 花,植物




毎年,秋の気配を感じ始める8月末から9月にかけて花を付ける韮,
暑く,連日35℃の真夏日が続いた今年の8月末から9月の初旬でしたが,
やはり8月末には,野の韮,畑の韮があちらこちらで咲き始めていました。
秋の気配,温度ではなく,日照時間で咲く時期を察知するのかもしれません。

あまりにも暑かったせいでしょうか,
今年の韮の花は例年の純白と思える白さに乏しく,
美しさに欠けるように感じていました。
しかし,やや日当たりの悪い傾斜地の雑草の中,
きれいな純白の野韮の花を見つけることができました(写真上9/11)。

写真下(9/5),白さが少し足りないように感じる韮の花,
それでもユリ科ネギ属の花,香りがよく,蜜がおいしいと思われます。
蝶がよく集まってきます。
ベニシジミとヤマトシジミが仲良く蜜を吸っていました。

花咲いて姿あらわす野韮かな
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ランタナ・七変化

2010-09-26 20:58:40 | 花,植物


ランタナは臭木(8/30掲載)と同じ,クマツヅラ科の小低木,
臭木の花は百合に似た芳香を持ちますが,葉に悪臭があるので臭木と,
ありがたくない名前が付けられています。
クマツヅラ科の特徴なのでしょうか,ランタナも葉に独特の臭さがあります。
また,棘もあり,毎年夏の終り,大きく繁りはびこってしまった
この草を剪定するのにけっこう苦労しています。
そんな我が家の厄介者扱いのランタナを含め,
9月はじめに撮ったランタナの花をいくつか掲載します。



あじさいにも七変化の別名がありますが,
花色が段々変わっていくので,ランタナも七変化と呼ばれます。
我が家のものは夏の初め,咲き始めは黄橙色そして橙色に,
秋には赤色に花が変化していく昔からよく見られるもののようです。(写真中)。



品種改良によるものでしょうか,ランタナにはピンク(写真上),
黄色(写真下),白などの様々な色のものがあります。
一つ一つは小さな花でなかなか気づきませんが,
アップにしてみると,豪華できれいな花です。
虫たちがよく集まるのも納得です。

ランタナの暑さにめげず色直し
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葛の花

2010-09-25 17:37:10 | 花,植物
暑さ寒さも彼岸まで,よく言ったものです。
あれほど暑かった日々はどこへ行ったのか,
彼岸が過ぎ,ここ2,3日は寒ささえ覚えます。

今日の写真は秋の七草の一つである葛の花です。
葛の姿はよく見るのですが,こんなにたくさん花をつけているのは初めて見ました。
秋の七草に選ばれているだけに,特徴のあるきれいな花です。



七草の中では一番雑草の匂いが感じられる葛,
繁殖力が強く,荒れ地などに蔓を伸ばし,
木や塀などを覆い尽くします。
根が強く,駆除の最も難しい草の一つにあげられます。
そんな葛ですが,根には多量のでんぷんを含み,
根の抽出物を精製した葛粉は最高級のでんぷんとして,
和菓子などの材料として使われます。
また,葛の根を干したものは葛根と呼ばれ,
日本薬局方にも収録されている重要な生薬です。
それを原料として,風邪に欠かせない葛根湯などが作られます。
蔓は長くて丈夫であり,昔は,民具の材料,ヒモなどに利用されていました。



こんな二面性を持つ葛ですが,昔は蔓を利用するため,
根からでんぷんを採取するため,
刈り取りが頻繁に行われていました,
しかし,今は蔓もでんぷんも代替え製品の出現により,
また,葛粉を作るのはたいへん手間のかかる作業であり,
葛があまり利用されなくなりました。
その結果,荒れ野に葛がはびこり,厄介者扱いにされています。

鉄条網おおい隠して葛花かな
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湿原の花,ヤマラッキョウ

2010-09-24 20:52:52 | 花,植物
八島湿原では,いままで掲載してきた花のほかに,
ハクサンフウロ,ノコギリソウ,ゴマナ,ツクバトリカブト,
エゾカワラナデシコ,オミナエシ,ツリガネニンジン,
サラシナショウマ,シラヤマギク,ヤマラッキョウなど,
たくさんの山野の花,湿原の花を見ることができました。
また,アキノウナギツカミという落語の世界のような名の花もありました。




2つともヤマラッキョウの花です。

福島以南の湿原などやや湿り気のある山地に生える多年草,
鱗茎がラッキョウに似ているのでこの名があるとありますが,
花もよく似ています。ノビルも似たような花が咲きます。
ユリ科ネギ属の花はみんな似ているのかもしれません。

「細茎に千手の拳ヤマラッキョウ」


ツリガネニンジン

他の草に隠れひっそりと咲いていました。
キキョウ科の多年草,ツリガネソウとも呼ばれます。


アキノウナギツカミ

下の黄色はアキノキリンソウ,並んで咲いていました。
ミゾソバと思っていましたら,
湿原の関係者から,アキノウナギツカミと名を教えてもらいました。
葉や茎がざらざらしていて,
ぬるぬるのウナギをつかむのに使われたところからの名のようです。
タデ科タデ属,同科同属のミゾソバ(溝蕎麦)にとてもよく似ています。
ミゾソバは溝地に咲き,葉が蕎麦の葉に似ているのでミゾソバです。
ウナギツカミはミゾソバに比べ葉が細く,花色もこちらのほうが濃いようです。

八島湿原の霧の中を2時間ほど歩き,
13時前,湿原を後にしました。
少し霧は晴れてきているものの,上空はまだ雲がたれ込めています。
この後,車山にリフトで登る予定でしたが,
これでは目的の展望も難しいだろうということで,断念,
少し早いが,帰路を選択することにしました。
遅い昼食に連日の信州蕎麦を味わい,途中,地場の野菜,果実を求め,
諏訪ICに到着した頃には遠くの霧ヶ峰はすっかり晴れ渡っていました。
車山に登らなかったことに,少し未練を残して,
こんどはニッコウキスゲがまだ咲いている頃に
車山から八島湿原まで山道を歩いてみるのもいいなと考えながら,
一路東京へとアクセルを踏んだのでありました。

今回はホテルの食事もおいしく,
たくさんの高原の花とおいしい食べ物,満足の旅行となりました。
そんなわけで,信州の旅の最後の記事,写真は
食べ物の名が含まれてる花を選んでみました。
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八島湿原・ミズナラにヤドリギ

2010-09-23 15:02:07 | 風景




今年は猛暑のため,ミズナラなどのどんぐりの実が少なく,
熊が里に食べ物を求めて多く出現しているというニュースを聞きました。
しかし,八島湿原に何本か見られるたミズナラの木,
どの木にもまだ青いどんぐりがたくさんなっていました(写真中)。
そして,そのミズナラの一つに宿木(ヤドリギ)が寄生しているのを見つけました(写真上)。
冬,葉が落ちたあとの木に遠くからヤドリギを見ることはありますが,
夏の時期にこんな立派なヤドリギ,そしてこんな近くに見たのは初めてです。


雨にけぶる八島が原湿原

余談ですが,八島湿原にさすがに熊は現れないだろうと思いますが,
多分,冬には鹿が食べ物を求めてくるようです。
湿原の中には,無惨にも皮が食い剥がされている木を何本か見つけました。

水楢に青きどんぐり湿原道


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八島湿原,黄色の花たち

2010-09-22 22:12:07 | 花,植物
9月上旬の霧ヶ峰八島湿原,よく似た黄色の花たちが咲いていました。
アキノキリンソウ,ハンゴンソウ,キオン,
その見分け方を調べてみました。


秋の麒麟草(アキノキリンソウ)です。
ベンケイソウ科のキリンソウに似て,
秋に咲くところからアキノキリンソウと分りやすい命名がされています。
日当たりのよい山地によく見られる草ですが,
八島湿原にもたくさんのアキノキリンソウが咲いていました。
円柱状にたくさんの花をつけるその姿が,
お酒が発酵するときの泡立ちのようなので,別名アワダチソウの名があります。
キク科アキノキリンソウ属の多年草で,葉は楕円状で互生につきます。


2つ目は反魂草(ハンゴンソウ)です。
低地~山地のやや湿り気のある場所に生え,草丈は1~2mに成長します。
茎先に密集して,直径2cmほどの黄色の頭花をたくさんつけます。
アキノキリンソウの円柱状に対し,横に広がって花がつきます。
葉は3~7に深く裂け,この葉の形が手招きの手のようであり,
死者が魂を呼び戻すという意味で反魂草の名が付けられています。
北アメリカからの帰化植物オオハンゴンソウは
この葉の形がハンゴンソウに似ていて大きいので,そう命名されました。
ハンゴンソウはキク科キオン属,オオハンゴンソウはキク科オオハンゴンソウ属,
いずれも多年草ですが,花の形は大きく異なります。


最後に黄苑(キオン),
日当たりのよい山地に生えるキク科キオン属の多年草,
同科同属のハンゴンソウと同じような花の付き方,姿であり,
一目での区別は難しいようです。
ただ,キオンの葉は楕円形で縁が鋸状と,
葉に大きな違いがあり,葉を見れば区別は容易とのことです。
写真は霧の八島ヶ原湿原を背景に咲いていたものですが,
確認できる葉の形状からキオンと思われます。

高原の霧の端から花黄苑
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八島湿原と薊

2010-09-21 21:34:26 | 花,植物

八島湿原のビシターセンターは通称あざみ館の名があります。
ここ八島湿原は「山には山の愁いあり」で始まるあのあざみの歌が創られた場所なのです。
そして,湿原入り口付近に,そのあざみの歌の歌碑が立てられています。
演出なのか,それとも自然に生えたものなのか,
その歌碑の下には花の終りかけた
ノハラアザミでしょうか,あざみが咲いていました。

日本全国では100種類以上の薊が存在するそうです。
一見どれも同じに見える薊の花です。
その見分け方は難しく,素人にはとてもわかりませんが,
9月13日,2時間ほどの八島湿原で撮った花から,
薊を切り取ってみました。


田村草(タムラソウ)

花はアザミそのものですが,葉に棘がなく,
植物分類上はアザミではないようです。
アザミはキク科アザミ属ですが,
タムラソウは同じキク科でもタムラソウ属です。
山地の草原に見られる多年草です。
秋の初め,葉に棘がない薊を見たら,正確にはそれは薊ではありません。
タムラソウです。
一つ雑学が増えました。


野原薊(ノハラアザミ)

傷みもなく,きれいに咲いていたのでアップにしてみました。
多分,ノハラアザミと思われます。
ノアザミ(野薊)とノハラアザミ,外見も名前もとてもよく似ています。
つい最近まで同じものと思っていましたが,異なる種類の薊ということを知りました。
そして,両者とも日本で最もよく見られる薊なのです。
ノアザミは5月~8月,春から夏にかけて花をつけますが,
ノハラアザミは8月~10月,晩夏から秋に花をつけます。
また,総苞(そうほう)を触ると,ネバネバがあるのがノアザミ,
ないのがノハラアザミという見分け方があるようです。


利根薊(トネアザミ)

写真,多分トネアザミと思われます。
関東地方に多く見られ,切れ込みのある葉に鋭い棘を持つアザミです。
8月から11月,ノハラアザミより少し遅れて咲き出すようです。
草丈は1mを越しますが,茎は弱々しく,折れ曲がり,
花も蕾からすでに枯れた花まで,葉も枯れて茎にまつわり付いているものもあり,
いろいろなステージなものが同居して存在しています。
全体を見ると美しいとはなかなか言えないトネアザミです。

雨降りに花の汚れて利根薊
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