行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

柿とメジロ

2011-10-31 22:33:44 | 
秋もすっかり深まってきました。
我が家の柿の木などはたくさんの実をつけ,体力を消耗したと見え,
今年は色づく前に早々と葉を落としています。
そして,一月前はうるさいほど聞こえた虫の音もいつの間にか聞かれなくなっています。
それでも鉦叩きだけは,落ち積もった柿の葉の下辺りから,
今でも「チンチンチン」と静かに鳴き声を響かせています。

鉦叩きといえば,父の命日の頃,
母の家の仏壇からこの鉦叩きの鳴き声がずっと聞こえていました。
何の虫の音ということになり,多分「鉦叩き」と思うと答えると,
妻がいや違うコオロギだと主張しました。
同じ鳴き声が家の植木鉢の草の中から聞こえ,
中を調べてみたらコオロギがいたというのです。
「鉦叩き」いや「コオロギ」と互いに譲らず,
その場はうやむやになりました。後でわかったことですが,
鉦叩きはコオロギの仲間,外見は小さなコオロギに見えなくもありません。
二人とも正しかったということになるでしょうか。


写真は鉦叩きではなく,我が家の庭で穫れた柿の実,
今年は全部で200個ぐらい実がついたようです。
ヘタの部分が黒ずむものが多かったりしましたが,
甘さはどれも十分,あちらこちらに配りました。




その熟した柿を 目的に鳥がよくやってきます。
メジロ,スズメ,シジュウカラなどですが,
とりわけ,メジロは柿が好物と見え,ひっきりなしにやってくるようです。
ただ窓を開けると逃げてしまうこと,
ちょうど逆光になり,うまく写っていませんが,
家の中からのメジロと柿です。




やはり,メジロは柿が好物のようです。
我が家の柿の木ではなく,公園の山に植えられていた柿の木ですが,
ここにもメジロが来ていました。

命日や仏間に聞こゆ鉦叩き
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秋の野花(6) 継子の尻拭い・秋の鰻掴み

2011-10-30 21:09:28 | 花,植物
ミゾソバの花より少し早く,
およそ植物の名らしからぬ,冗談のような名,
継子の尻拭い(ママコノシリヌグイ)と秋の鰻掴み(アキノウナギツカミ)が
水辺近くにそろって咲いていました。


(継子の尻拭い)
葉の裏側や茎に棘があり,
触れると痛いところからこんな名がつけられたのでしょう。
今の時代ならこの名をつけるだけでも児童虐待と叱られそうです。




日本全国に分布するタデ科の一年生草本,
やや湿り気のある道端,林縁などに蔓状に茎を伸ばして生育し,
夏から秋にかけて,写真のよう名前からは想像できない可憐な花を咲かせます。
タデ科の花の多くに言えることですが,
なかなか花が開いたところを見せてくれません。
その花はミゾソバにとてもよく似ていますが,
茎に棘がはっきり見えること,葉が三角形であることで見分けられます。


(秋の鰻掴み)
葉や茎に小さな棘がたくさん生えていて,
この草を用いるとヌルヌルする鰻を掴みやすいと思われるところからの名です。
ミゾソバや継子の尻拭いと同じタデ科,
花もよく似ています。


細長い葉の形状そしてその葉の基部が茎を抱くように付いているところが,
上の両者との見分け方になります。

野の花の淑やかに咲く秋野かな
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秋の野の花(5) 溝蕎麦

2011-10-29 23:18:09 | 花,植物



秋もすっかり深まり,気がつけば10月ももう終わりです。
そんななか,小さな川のほとりなどに,
溝蕎麦(ミゾソバ)が花をいっぱいに咲かせています。


蕎麦の花に似ていて,水辺に咲くので溝蕎麦,
日本全国の山地や里山の湿り気のある場所によく見られるタデ科の秋の野花です。


溝蕎麦を金平糖のような花と表現しているのをよく見ますが,
これは花が閉じているときと思われます。
他のタデ科の花と同様,閉じていることが多い花ですが,
花が開くとそれこそ蕎麦の花のようであり,
とても可憐できれいです。


花色は薄紅と白の2色がありますが,
特に,薄紅色のものはきれいに思えます。
葉が牛の顔のように見えるところから,
ウシノヒタイという別名があります。

溝蕎麦や水のひかりを花と成し
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関西にて(8) 高台寺

2011-10-28 22:00:50 | 風景
清水寺を後に三年坂,二年坂と下り,
大河ドラマに触発され,
北の政所(高台院)が秀吉の冥福を祈って建立した高台寺に行ってみました。


(三年坂より二年坂をのぞむ,この奥が高台寺です)
秀吉とおねの木像が安置されている霊屋の
高台寺蒔絵といわれる蒔絵が見所の高台寺とのことですが,
正直,薄暗くてよくわかりませんでした。
しかし,境内の庭園はとても美しく,
方丈に暫く座り込み,脚の疲れを癒しながら,
心も癒されてきました。
モミジも多くあり,11月にはまたすばらしい紅葉に染まると思われます。




この庭には姿形のよい百日紅があちらこちらに配されています。
そしてモミジより一足早く紅葉していました。
百日紅がこんなにきれいに紅葉しているのは,
見た記憶がありません。
しかもこれらの百日紅,どれもまだ紅色の花をつけています。
花と紅葉が同居している百日紅,これも発見です。
そして,この百日紅がまだ緑の残る庭にとても映えていました。


高台寺前の駐車場に入るとすぐ右手に大きな観音様が見えます。
新しいもののようで,古都にはそぐわない思いもしましたが,
よく眺めるととてもきれいなやさしい顔をしています。
霊山観音,第二次世界大戦の犠牲者を追悼して,
昭和30年に建てられたもののようです。


高台寺の石庭からもこの霊山観音が見えます。
庭の景観としてこれがよいのか,悪いのか微妙なところです。
最初は不似合いとも思いましたが,
眺めているうちにこれはこれでいいのかなとも思い出しました。
念のため,霊山観音は高台寺が建てたのものではありません。


もう一つ高台寺から変わった建築物を見つけました。
大雲院というお寺の祇園閣と呼ばれる塔です。
金閣,銀閣に続く銅閣があってもよいだろうと,
1928年にホテルオオクラの創始者が別荘として建てたものだそうです。
昭和48年に大雲院がここに移転し,今は大雲院の所属になっています。
銅閣にちなんで屋根は銅葺にされ,
屋根の天辺には創始者の幼名から鶴が飾られているそうです。
高閣が祇園祭りの山鉾を模した形であることから祇園閣の名があり,
建てられた当時は京都タワー以上に顰蹙を買った建築物であったようです。

秋暮れて昭和も古き時代(とき)となり

関西にては今回で終わります。
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関西にて(7) 清水寺

2011-10-27 21:51:17 | 風景
京都に泊まり,翌11日,
昨日の疲れもあり,無理せず宿近くをぶらつくことにしました。
両脇の店を冷やかしながら清水坂を登ると,
見慣れた姿の清水寺です。


さすが世界遺産,今日もたくさんの人が来ています。
仁王門横の階段,お二人とも着物姿の素敵なカップルが歩いていました。
男性は外国の方ですが,着物がよく似合っています。
後姿を撮らしてもらいました。


清水の舞台とも呼ばれる本堂,
舞台からはみ出すほどの観光客が思い思いに写真を撮っています。


舞台の下,こんなにもたくさんの柱に支えられています。


本堂の南側,現在改修中の子安塔付近からのぞむ
三重の塔とそのとなりは経堂でしょうか。


同じく子安塔付近からのぞむ本堂,
木の間から別の姿が楽しめます。

外人も着物姿の京の秋
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関西にて(6) 琵琶湖の水

2011-10-26 22:16:58 | 風景
再び「関西にて」シリーズです。


瀬田川は琵琶湖から流れ出る唯一の河川,
下流域は宇治川そして淀川と名を変えます。
その瀬田川の石山寺付近です。
競技ボートの練習場となっているようで,
一人,二人,四人,八人乗りと何台もの競技ボートが次々と通り過ぎていきます。
写真はエイトと呼ばれる漕ぎ手8人と舵取り1人,計9人のボート,
競技ボートでは一番の多人数,最も高速で人気があります。


女性のチームもいました。
こちらは4人漕ぎ,フォアといわれる競技です。
よく見ると,寝た姿で白い帽子だけが見える舵取り役の1人を加え5人います。
この舵取り役,風の抵抗を避けるためでしょうが,
これもたいへん疲れそうな姿勢です。


琵琶湖疏水,琵琶湖の水を京都まで引くため,
人工的に作られた水路です。
琵琶湖から流れ出る川(水路)が瀬田川だけではなくもう一つあったのです。
写真は浜大津の取り入れ口付近,水が澱み,バス釣りをしている人がいました。


三井寺駅から三井寺付近の疎水です。
水路の先にトンネルが見えます。
このトンネル三井寺(長等山)の下を通り抜けています。
この水路に沿って歩いてみると緩い上り坂,
しかし,下を流れる疎水は下流へと流れています。
測量をして微妙な傾斜がつけられていると思われます。
京都南禅寺境内の水路閣の水も,
哲学の道横の水路もこの流れがつながっています。
明治18年から工事が始まり,23年に完成,
その測量技術,トンネル掘削技術に感心させられます。
このトンネル掘削の経験,技術が後に,
日本の鉄道,道路のトンネルに生かされ,
日本発展の礎となったといわれています。


三井寺の山の上から眺めた大津の街と琵琶湖です。
湖には数えきれないほどのヨットが白い帆を上げ,
街の建物も色彩が豊で,外国の観光地のようにも思えました。

この紅葉京まで流る疎水かな
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秋の野の花(4) ヤブマメとヤブマオ

2011-10-25 21:40:24 | 花,植物
見た目,植物的分類ではまったく異なるヤブマメとヤブマオ,
名が一字違いでよく似ていて,
ほぼ同じ場所にあったということで括ってみました。




藪豆は日本全国に見られるマメ科ヤブマメ属のツル性一年生草本,
薄紫色と白の混合色の花が
紫の和服の女性のうなじのようにも見えて少し艶を感じます。




8月~10月,この地上部の花と地下部に閉鎖花をつけます。
地上部の花は通常の有性生殖で種を数個作り,
地下部の閉鎖花は親の遺伝子をそのまま引き継いだ単為生殖で,
地上部のものよりかなり大きなイモのような種を一粒作ります。
環境の変化にも対応できる種保存の仕組みです。


ヤブマメ,ゲンノショウコ,ミズヒキなどと林縁の草地に
存在感を誇示していました。
花と葉がシソに似ているので,シソ科の草と思っていましたが,
調べてみるとイラクサ科カラムシ属,藪苧麻(ヤブマオ)という名の多年草と知りました。
日本全国の山野の林縁や藪に比較的よく見られる草のようです。
苧麻とはカラムシの別名,カラムシは古い昔,繊維をとり,
衣服の材料とされていたしていた草です。
このカラムシに似ていて藪にあるので藪苧麻の名があります。
この藪苧麻からも昔は衣服が作られていました。
こんな目立たない地味な花ですが,
拡大してみるとやはり花と感心する部分があります。
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秋の野の花(3) クルマバナとイヌトウバナ

2011-10-24 20:32:56 | 花,植物

道端の野原にシソ科と思われるピンクの花が
幾株か咲いていました。
花のつき方は春に咲くオドリコソウに似ています。
初めて見る花です。
シソ科の野の花で調べてみると,クルマバナと知りました。


クルマバナはシソ科トウバナ属,
夏から秋に日当たりのよい道端などに見られる多年草,
花が茎の周りに丸く車のようにつくので車花の名があるようです。


9月のほぼ同じ時期,水際のやや日陰に小さな野の花を見つけました。
これもシソ科トウバナ属の多年草で,
犬塔花(イヌトウバナ)と知りました。
同じくトウバナ一家の一員です。


名にイヌがつく草は多くありますが,
役に立たないという意味でのイヌと
そうではない意味のイヌ(否ぬ)の両方があるようです。
トウバナがなにかに役立つとは聞きませんので,
この場合のイヌは否ぬ,トウバナとは違うという意味のイヌと思われます。
日本全国の山地のやや日陰の野に多く見られる草,
こちらも初めて見たように思えます。

行くほどに小さな秋の野道かな
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秋の野の花(2) フジバカマとヒヨドリバナ

2011-10-23 21:37:40 | 花,植物

秋の七草の一つ藤袴(フジバカマ),
なかなか見る機会の少なくなっている野の草です。
自生しているものとはいえませんが,
京都高台寺の境内に咲いていました(10/11)。


藤袴の名からくる思い込みでしょうか,
京都で見ると一段と趣を感じます。


フジバカマと花がとてもよく似ているのがヒヨドリバナ,
両者ともキク科ヒヨドリバナ属の多年草になります。
フジバカマは自生しているものはほとんどないようですが,
ヒヨドリバナは日本全国の山野に生育しており,
まだ野によく見られるようです。
写真は自宅(東京稲城市)近くの山野のヒヨドリバナ(9/18)。


鵯(ヒヨドリ)が山から下りてきて鳴く頃に花が咲くので,
ヒヨドリバナと名がつけられたようですが,
そのヒヨドリも今では移動することをしなくなり,
定住するものが多くなっていると聞きます。
時代とともに生物を取り巻く状況も変わっていくようです。


写真は石山寺(大津市)にて(10/10),
寺の山道に咲くヒヨドリバナにヒョウモン蝶が来ていました。

崖上のヒヨドリバナに雲流る
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秋の野の花(1) 現の証拠

2011-10-22 18:56:39 | 花,植物
「関西にて」はもう少しネタがあり,続きますが,
ちょっと休んで,この9月,10月に撮った野の花を掲載します。
初回は今年も林縁の草の中に咲いていた現の証拠(ゲンノショウコ)です。


ゲンノショウコは花期の地上部を日干して,
下痢止めなどに使われる生薬がよく知られています。
九州から北海道まで,日本全国の山野に分布する野草,
ハクサンフウロなどと同じフロウソウ科の植物です。
可憐な美しい花を見せてくれます。


白花と赤花(赤紫)の2種があり,
赤花は西日本,白花は東日本に多いとされていますが,
ここに咲いていたのは上の説のように白花ばかりでした。
特に白花は雄蕊の紫色の葯が美しく,
花に気品を与えています。


真ん中にある紅いのが雌蕊,やがて中心が5裂に割れます。
横に2つ並んで塔のようなものがありますが,
花が終って種をつくりはじめている状態です。
塔の下部にできている膨らみが種になります。


色も変わり,ほぼ種ができているものがありました。
さらに種が熟成してくると,種が塔に沿ってめくれ上がり,
塔の上で反り返り,種を遠くに飛ばします。
この反り返った状態が神輿の屋根にある飾りのようなので
神輿草の別名があるそうです。


花も終わりに近いゲンノショウコもありました。
雄蕊も消え,雌蕊の上部が裂けています。
花弁もだいぶ細くなっています。
最盛期の花とは様子がかなり違います。

生命継ぐ仕掛け楽しき神輿草
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