大徳寺の4つの塔頭を拝観して,
次はここから比較的近い金閣寺方面に歩いてみることにしました。
やはり,旅,史跡探索は歩くに限ります。
歩くことでいろいろなことに出会え,発見もあります。
金閣寺の近辺には竜安寺,仁和寺があります。
金閣寺とは竜安寺は何度か来ていますが,
仁和寺についてははっきりした記憶がありません。
できたら仁和寺に行ってみたいのですが,
大徳寺からは一番遠く,3kmほどあります。
雨模様でもあり,また同行者は腰痛をかかえており,
長距離歩くのは少し不安です。
まずは金閣寺まで1kmほどを歩いてみて,
そのときの状況で金閣寺にするか仁和寺まで足をのばすかを
決めることにしました。
金閣寺付近で昼食をとり一休み,
満足のいく昼食に巡りあえたこともあり,
ここから2kmちょっと,仁和寺まで行ってみることで意見が一致,
「きぬかけの道」と名前のある道を仁和寺へと歩いてみました。
途中,立命館大学を過ぎ,竜安寺を過ぎ,
雨降り,坂の多い道でもあり,思ったより距離があるように思いましたが,
腰痛も出ず,無事に仁和寺に到着することができました。
仁和寺は古都京都の文化遺産として,
世界遺産に登録されているお寺です。
皇室とゆかりが深く,出家後の宇多法皇が住んでいたことから,
御室御所(おむろごしょ)と呼ばれていました。
真言宗御室派の総本山であり,
また,徒然草に仁和寺のある法師として
度々その名が出てきます。
敷地も広く,五重塔などもあり,
期待していた以上に見所の多いお寺です。
特に御室御所は書院,宸殿などの建築物,
庭はとてもすばらしいと感じました。
また,ここには御室桜と呼ばれる背の低い遅咲きの桜が有名なのだそうです。
遅咲きの桜と聞いて,今年春のJR東海のキャンペーン
「そうだ京都にいこう」を想い出しました。
「この桜を見なければ春の義理が果たせない」と京都の人は言うのですと
長塚京三のナレーションで紹介されていたこの桜は
仁和寺の御室桜だったのです。
五重塔を背景にこの御室桜の満開の姿は絵になります。
例年4月20日ごろが見頃とのことですので,
こんどはこの時期に,日本人としての義理を果たしに是非来て見たいものです。
写真上は御室御所の北庭,池に築山の日本庭園,
よくある組み合わせですが,その景色のよさがすばらしい。
角度を変えると築山の後に五重塔を見ることができます。
写真下は南庭,御所らしく,右近の橘,左近の桜が植えられていました。
左隅に左近の桜が写っています。
帰路は大きな仁王門を出るとすぐ京福電鉄御室仁和寺の駅(写真下),
一両編成の市電のような電車で京都の郊外から市街地をのんびりと走ります。
ローカルな旅情をたっぷりと味わうことができました。
あじさいのきぬかけ路を寺巡り