3月中ごろ,桃紫の華やかな躑躅,
玄海躑躅(ゲンカイツツジ)が春の日を受け,美しく咲き出します。
名前のように岡山県以西に見られる躑躅ですが,
栽培用に持ち込まれたのでしょう,
この時期になると,東京でもあちらこちらでその姿を目にできます。
ゲンカイツツジ
4月も中頃となり,三つ葉躑躅も咲き始めました。
ミツバツツジは花の直後に出芽する葉の形からその名があります。
花色はゲンカイツツジに似ていますが,紫がやや淡く思えます。
ゲンカイツツジが桃紫ならば,桃薄紫とでも言えるでしょうか。
もともとは関東から近畿に見られた躑躅のようです。
ミツバツツジ
また,今年は城山かたくりの里で早咲き躑躅2種,
ヤシオツツジとヒカゲツツジの咲いているのを見ました。
ヤシオツツジには白い花の咲く,シロヤシオと呼ばれるものもあるようですが,
今回見たのはアカヤシオとも呼ばれる紅色のもの,
別名としてアカギツツジの名がありますが,
群馬県ではなく,栃木県の県花になっているそうです。
葉の出る前に花が咲くところ,花の色などは
ゲンカイツツジ,ミツバツツジによく似ていますが,
ゲンカイツツジの桃紫に比べ,やや色薄く,
ミツバツツジにより似ているように思えました。
ゲンカイ,ミツバの両者が花を枝先にかたまり咲かせるのに対し,
アカヤシオは比較的分かれて咲き,花の形がはっきりしています。
薄桃色のその花色と相伴って,やさしさ,清楚さを感じます。
東北地方南部から関東,中部地方に自生しています。
アカヤシオ
ヒカゲツツジ(日陰躑躅)は,
関東以西の本州,四国,九州の山地岩場などの,
やや日あたりの悪い場所に自生しているので,
ヒカゲツツジの名がつけられたようです。
ややこぶりの透明感のある淡黄色の花をたくさん咲かせていました。
名前から感じるほど陰気な花ではありません。
ヒカゲツツジ