昨夜、たまたまチャンネルを回した(いや、今どき回さないか、合わせたか)NHKで、「福島をずっと見ているTV」というのをやっていました。
昨日は国会事故調査委員会の報告書が出たということで、委員長をはじめ委員会の人が各テレビ局のニュース番組に出ていたからそれが見たくて、でした。
きっとかみくだいて説明してくれそうな気がしたから。
NHKにはたまたま合わせたのにちょうど番組が始まるところだったから、じっくり最初から最後まで見ました。こんな番組があったのですね、知りませんでした。
福島出身のクリエイティブディレクターの箭内道彦さんと矢口真里さんがナビゲーターのこの番組、昨日は福島第一原発で働く作業員の方たちを取材し、元作業員の方を実際にスタジオに迎えて番組に出演という内容でした。
その作業員の方たちのポートレートとインタビューを掲載した、フォトジャーナリストの小原一真さんの写真集が紹介されていました。
すごい写真集だと思いました。
福島第1原発では、今でも収束作業に2千から3千人の作業員の方々が働いているそうです。
作業は続けられているとは思っていたけれど、そんな多くの方が働いているとは不勉強な私は全然知りませんでした。
その作業はまだまだ30年とかかかるそうです。
作業員の方たちの言葉はさまざまでした。
メモを取ったわけではないので少しちがうかもしれませんが・・・、もう子どもも大きいし自分も年取ってるから・・・という人、今は健康被害も出ていないけれどこれからの世代の指針になればいい(人体実験というと言葉は悪いけどと)・・・という人、世界で一番大きな事故だから考えてる間もないやってかないといけない・・・という人・・・、家族を養うために原発で働くしかない・・・という人。
不安、達観、使命感・・・様々な思いが伝わってきました。
作業の合間に水を飲もうと思っても、防護服などを一枚一枚脱いでいって、どんどん部屋を抜けていって、最後下着になって、それでやっとたどり着くのに40分かかるそうです。
去年の夏が一番しんどかったとのことでした。
今年の夏もきっと暑くなることでしょう。きっとまた過酷な条件下での作業になるのだと思います。
思ったことはいろいろあるけれど、とても言葉では表せません。
興味がある方は再放送もあるそうです。7月9日25時からです。ぜひごらんください。
そいでもって、これ、「青春リアル」っていう番組なんですね。そりゃあ、気づかないや・・・。
大飯原発が送電を開始し、国会事故調査委員会が報告書を出した、そんな日の夜に偶然見た作業員の人たちを取り上げた番組でした。
フクザツな気持ちがしました。
福島原発事故はまだ終わっていない・・・、あたりまえのことだけど思い知らされます。
そして、大飯原発の安全対策のいくつかの設備は平成27年完成をめざして整備されるとか。それまで津波はこない、地震もこない、事故は起こらない・・・そうなのでしょうか。
福島と、再稼働された大飯原発は同じ国なんだろうか、野田総理は本当にそのどちらもの首相なんだろうか。
“豊かで人間らしい暮らしを送るために”再稼働をする・・・と言ってたけど、豊かな暮らしってなんだろう、誰にとっての豊かな暮らし?、その感じ方もそれぞれちがうはずなのに。豊かなんてほど遠い、今も命を危険にさらしながら作業を続けている人、家を失い、故郷を失った人がいるのに。
先月の会見からずっとそんなことを考えて続けています。
国会事故調査委は原発事故は人災・・・と報告しました。
今日はあちこちのマスコミが報道するでしょうか。よく見聞きしたいと思います。それからまた来月、またこの番組を見たいと思います。
たまたま昨日は作業員の方たちがテーマでしたが、私は福島をもっと知りたいと思います。
毎月第1木曜に放映されるそうです。